転生人 語《野球偏》   作:ぬえさん

7 / 7
第6話 第6回転生活動報告

 都内某河川敷

 

 こんなところと言っちゃ悪いが、都内の河川敷でこんな高度な指導(アドバイス)をもらえるとは……

主人公……ではないよな、だが原作には少なからず関わってる、それはわかる。

どうする? 縁を結んでおくべきか……感じからしてプロ野球じゃない多分、社会人野球の経験者だ……

原作とか関係なく、俺は祖父の高校に入学することになる。

主人公が入ってくるならいいが、来なければ対戦相手、今の薬師高校じゃモノローグで終わる。

原作の関係者がフリーでいるなら手の内に収めておきたい。

 

 

「轟さん、雷市君や彼らばかりでなく僕のスイングも見てくださいよ」

 

「え? お前は素振りはいいから筋トレしとけ? それ、ひどくないですか? それに今から筋トレしだしたら成長に影響出ません?」

 

「そこまでの筋トレはしなくていい? 回数は少なくていいから負荷をかけとけですか……ふむ」

 

 

「轟さん、不躾なお願いがあります。

 祖父に確認とってからにはなりますが、うち、いえ薬師高校の監督になってもらえませんか?

 自分で言うのもなんですが、うちは弱小なので監督なんて居ません。

 でもせっかく野球やるなら甲子園めざしたいので、あなたみたいな先達に指導していただきたい」

 

「え? 今は無理、3年待て……ですか、あー雷市君たちが中学校に入るまで待てってことですね。

 わかりました。

 それまでに整えておきます」

 

「じゃぁ、授業料代わりに近くのファミレスにでも行きましょうか?

 それぐらいなら出せますし」

 

「大人の体裁にかかわる? なら素直に授業料受け取ってくださいよ……」

 

……

 

 

 

SYSTEM=========

 

記録媒体起動

投影開始

 

 

……

 

 

 テスターNo.08986 第6回転生活動報告を始める。

 

 そろそろ俺の組み分けは省略させてもらう。

気になるなら第1回を見てくれ

 

 

 ステータスについてはいつも通り、特殊能力もそのまま保持していた。

特殊能力に関しては、今回ポイントを使わずに「パワーヒッター」と「ゴロピッチャー」、「盗塁○」が取れていた。

パワプロの特殊能力の取得イベントに近い形の何かをしたんだと思う。

ポイントの方は中学時代に投手をする必要があったので、「真っスラ」「球持ち○」を、高校で「奪三振」「ジャイロボール」「ホーム死守」を取得した。

知識のほうは『スポーツ医学』『スポーツ科学』がなくなり、『スポーツ学:中級』になっていた。

確認すると『スポーツ医学』と『スポーツ科学』のほかに『スポーツ生理学』が含まれているようだった。

『栄養学』『メンタルケア』あと新規でとれたはずの『スポーツマッサージ』が中級になっていた。

あと前回の報告の終盤で言ったと思うが【パワプロ風育成システム+α】の内包技能【ダイジョーブ博士の肉体改造術】が解放されていた。

医師免許を取得していないと人体改造はできないが、『スポーツマッサージ』にも効果が及ぶみたいで疲労回復能力の向上や故障原因の排除ができるようになっていた。

ちなみに故障原因というのは隠れた炎症や、関節の慢性負荷といったもので、パワプロで言うところの爆弾だ。

 

 

 さて、転生したわけだが、親類が祖父しかいなかった。

祖父も一人息子の忘れ形見として、俺のことを随分とかわいがってくれた。

学校法人の理事長だったので大分裕福だったな。

つまり野球部は弱小と聞かされていたが、高校はそこに行くことになる。

今までなんだかんだで原作に関わっているから、そこから考えるとやはり成り上がりモノか……

なんかそういう高校ばかりに行ってる気がするんだが……

 

 

 小学校6年の時にジョギングで河川敷を走っていたところ。

俺より少し小さい子の素振りを見てる大人がいた。

不審者ではなさそうなので声をかけてみたら、かなり優秀な指導者のようだった。

原作の主要人物の気配もしたが、それよりも優秀な指導者がフリーでうろついてるなら確保しない手はない。

多分だがこの子ら(雷市)の世代で物語が始まるんだろう。

つまり、また物語の下地作りしか参加できないわけだ……

別に原作通りに動かなくていいよな、いや原作がどういう動きかはわからんが……

俺が高3の夏に甲子園に行ってやろうと計画を立てることにした。

 

 

 中学に上がって、そのまま学校の軟式野球部に所属した。

そこまで厳しい練習をしない普通の中学校だったので、部活が休みの日はよく河川敷に訪れた。

部活より轟さんの指導のほうがポイント多いとかさぁ……

まぁ栄養を取るのは体を作るのに大事だから、何かと理由をつけて訪れては、雷市たちと一緒に食事に行った。

そういえば、轟さんに付き添ってもらって4人でバッティングセンターに行ったんだが、雷市たちとホームランを打っていたら「パワーヒッター」を取っていた。

パワプロでバッティングセンターに行くイベントで「パワーヒッター」が取れるものがあって状況が一致したとかそんな感じなのかな?

 

 

 高校に予定通り薬師高校に進学した。

監督(轟さん)とポジションをどうするか相談し、予想通り投手が弱いということだったので、ちゃんとした投手が来るまでは投手をすることにした。

「本職の投手と比べれば力不足でしょうが、本職の投手が来るまで投手やりますよ」と言ったら、監督にジト目でにらまれた。

解せぬ。

 

 

 1年目の夏は、3回戦で強豪稲実と当たってしまい、そこで終わってしまった。

2回戦目で全打席ゴロを打たせることに成功した試合で「ゴロピッチャー」という特殊能力がポイントを使わずに取れていた。

監督の着任から1年、まだ薬師(うち)は弱小以上中堅未満、俺のボールも強豪の上位陣には通用しなかった。

球速とコントロール上げないとなぁ……あとタッチ時代に勇と作ったオリジナルカーブを捕球できる捕手が欲しい……ストレートと同じ球速から打者の近くで急に失速して曲がるカーブなんだが、誰も取れないからなぁ……カーブだけじゃきついしもう1球種、何か練習するべきか……などと秋大以降に向けて今後どうすべきか悩んでいた。

 

 

 2年目に真田という有望な投手が入学してきてくれた。

なぜうちに? と思ったが、本人と話した感じ、まだうちが弱小と認識していたらしく、手抜きができると思ってるようだった。

残念だなぁ……昨年の夏以降、スタミナ不足解消のために三野とずっとやっていたシャトルランとインターバル走に真田も付き合わせる。

朝夕1セット、終わるたびにスポーツマッサージを施し、疲労や故障の原因を抜いていく。

三野のうれしそうな、地獄の道連れができる喜びにあふれた声が響き、監督も野手のみんなも2人をドナドナされる子牛を見るような目で見ていた。

解せぬ。

俺はそれに合わせて筋トレや素振りもしっかりやっているのだが……

 

 

 2年目の夏も、俺たちを止めたのは稲実だった。

今年は4回戦だったので、去年よりは勝ち上がれたのだが……

球速も上がり、「奪三振」「ジャイロボール」も取得したので抑え込めるはずだったんだがなぁ……

まだ球速が足りなかっただろうか? プライオメトリクストレーニングが効果があると聞いて練習に取り入れる。

「ほら野手も送球に効果があるんだからやるぞ」といえば、皆が絶望した顔をした。

 

 

 そういえば、雷市や秋葉、三島が夕方の練習に、たまに遊びに来ることがあった。

真田が雷市に打たれてショックを受けたようで、落ち込んでいた。

雷市はなぁ、打撃に関しては色々バグってるからなぁ……

俺も監督に捕手になってもらって、雷市にオリジナルカーブを投げたが、初見でバットに当てられてしまった。

まじかー、結構自信があったんだがなぁ……

悔しかったので溜まってたポイントでオリジナルカーブのレベルを3から4にあげた。

あげてしまった……渡辺がまた捕球できなくなってしまった。

捕球のコツとか教えていたがオリジナルカーブは俺しか投げられないからなぁ……

監督も渋い顔をしている。

しかたないので、一番筋のいい秋葉を捕手として仕込ませてもらうことにした。

 

 

 3年目、雷市たち河川敷の3人が入学してきた。

だが、主人公の気配がしない。

まだ転入してくる可能性もあるが規約的にそんなのを待っていたら卒業になってしまう。

もう、うちはライバル校ということでいいやと、今年甲子園に行くために動き出す。

まずは監督と話し、チームメイトにも隠していた情報を解禁する。

 

 

 守備練習の際のランナー役を買って出た。

俺の本気の速度に慣れていれば、他校の俊足ども相手にしても焦らんだろうと思ったんだ。

でも、なんか、みんなすごい目でこっちを見ている……

監督? ちゃんと言ってましたよね? 足速いですって……

普段の速度でも速いのにさらに上があると思ってなかった、ほんとに人間か? と言われてしまった。

さすがにそれは失礼でしょ……

 

 

 今年になってから、前世の西浦の時に感じたような、意識がシンクロする感覚がたびたび起こった。

その感覚が起こるたびにみんな何かしらのコツをつかんだのか、守備がうまくなったり、バットの芯で捉えられるようになったり、出塁した際の動きがいやらしくなったりしていった。

真田も真田で、ストレートがジャイロ回転しだしてるし、球も重そうだ。

これ、確実に俺の特殊能力がみんなに伝染(うつ)ってる……よな? まだ未確定だが、そう思ってよさそうだった。

 

 

 3回戦で稲実・青道と並んで西東京の三強と称される強豪の市大と当たった。

強豪に当たった場合は俺が先発する、そういう話になっていたのだが、監督が三野に先発を託した。

三野は頑張ってくれたが五回裏で交代となった。

真田には回さないと、オリジナルカーブを初めて試合で解禁する。

とは言っても多投はしないし、できない。

偵察に行ったときに見つけたのだが、青道に主人公がいた。

流れ的に強豪を破ってきたダークホースと強豪の意地のぶつかり合いといったところか。

だったら青道に勝つためには極力情報が流れないようにしないといけない。

俺も前に強豪を経験している。

奴らに情報を渡したら信じられない分析力でこちらを丸裸にしてくる。

 

 

 さて、5回戦で主人公のいる三強の残りの一つ青道と当たった。

主人公には悪いがここは勝たせてもらうと、意気込んで全力を出したのだが、やりすぎたかもしれん。

相手は継投策で来たようだが、俺と雷市を止めることはできなかった。

それにしても……主人公より降谷のほうが投手としては上だったな……

まぁ俺の方も最初は抑えられたのだが、2巡目からは球速で見分けのつくカーブを狙われ、打たれてしまった。

取られた点以上にこちらが点を取っていたので何とかなった感じだな。

7回に真田に代わったが、練習の時の様に投球が乱れることもなく、ぴしゃりと抑えてくれた。

そういえば今回出塁するたびに盗塁していたら「盗塁○」を取得していた。

 

 

 青道に勝った後、スカウトや記者さんの数が一気に増えた。

真田や雷市たちを見に来たのかと思ったが、メインは俺だったらしい。

大変申し訳ないのだが祖父の後を継がねばならんので、野球は高校までと伝えると一人を残してスカウトの方々は引き下がってくれた。

唯一残ったスカウトマンが影山さん……スカウト影山かよ……まぁ色々話しているうちに査定の仕方なんかも教えてくれて、気づけば真田や雷市のステータス画面っぽいものが見えだしたんで、良しとしておこう。

俺のステータス画面と似たような画面だし、内包技能の【スカウト影山の査定術】も解放されていたので、合ってるとは思うのだが……この数字をどこまで信じていいのやら……

 

 

 準決勝の仙泉は危なげなく勝利をおさめることができ、決勝は稲実とだった。

三度目の正直となるか、二度あることは三度あるなのか。

やっぱり俺の球速じゃ、上澄みを抑えるのは難しいらしい。

ただ、節目で投げるオリジナルカーブがだいぶ効いてくれた。

試合はまぁ乱打戦というか、俺が点を取られすぎたというか……5回で真田に代わってからはしっかり抑えてくれて、9回裏に雷市がサヨナラ逆転ホームランを打ってとどめを刺し、最終的に6対7で勝たせてもらった。

 

 

 さて、そういうわけで甲子園大会となるわけだが、青道や稲実ほど接戦となったのは決勝の巨摩大藤巻戦だけだった。

決勝戦の相手投手は青道の上位互換のような選手で、特にスプリットに攻めあぐねたが、9回表に俺が出塁して、雷市がホームランを打ってくれたおかげで2対1で勝つことができた。

あと監督と話し、来年以降の経験ということで3回戦辺りまで秋葉が捕手をしたり、雷市や三島に投手をやらせたりした。

今年で俺も三野も抜けて、来年投手が入ってこなかったら真田だけに頼ることになってしまうからな。

甲子園を経験したせいで雷市のバグり方がやばいことになっていた。

雷市を越えるべき目標と見ていた三島には悪いことしたのかもしれないが、三島は三島で化け物一歩手前までには成長したしな……

 

 

 甲子園が終わった後、青道から合同練習の誘いがあった。

さすがは強豪校といったところか、もうすでに来年の布石を打ってきている。

まぁ害にはならないだろと思いつつ聞き流していたら、なぜかおれも参加させられた。

いや、俺引退済み……強豪の練習がどれくらい厳しいかわからないからマッサーがいてほしいと……

強豪に負けるような練習してないはずだけどな……

案の定、うちの奴らはケロッとしていた。

 

 

 その後はまぁあれだ、営業系の大学に進学したんで野球から離れていた。

【原作:野球マンガ限定】があるので、野球から離れると、これ以上原作に関わることがなくなるのがわかるな。

とはいえ、暇さえあれば後輩の練習を見に行ったり、公式戦を見に行ったりはしていたが……

残念ながら真田世代も雷市世代も甲子園は阻まれた。

地区予選の決勝までは勝ち上がっていたんだがな、真田は稲実に、雷市は青道に負けてしまった。

 

 

 今回も時間はあるな。

なら今から原作知識を取得してくる。

 

 

SYSTEM======

原作知識取得中。

記録を一旦停止。

 

 

……

 

 

……

 

 

 

 

 

 今回もやはりというべきか、原作と関わったのは1年だけだった。

だが今回は原作で負けるはずだった我が母校(薬師高校)が青道高校に勝っているので、原作乖離は成功だな。

まぁ野球は一人の力で勝てるものではないのは理解しているが、だいぶ俺の力は普通に高校生活をしてる奴らに比べて破格だな。

今までの積み重ねと言えばそうなのだが……

 

 

 まぁこんなところかな、俺が行ってきた世界は「ダイヤのA」だった。

時間も来たみたいだし、これで報告終了とする。

 

 

 じゃぁな。

 

SYSTEM=========

 

投影終了。

 

SYSTEM END=======

 




更新ペースについてのご報告
ストックが尽きたため、今後は不定期更新とさせていただきます。
最終話の構想はありますが、まだ続けたいと思っていますので、気長にお付き合いいただければ幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

超能力者のプロ野球人生(作者:星野林(旧ゆっくり霊沙))(オリジナル現代/スポーツ)

雷に打たれて超能力に目覚めた高校生、大久保利通は最初ノートのページを数メートル先から開く程度の能力しか持ち合わせていなかったが、練習で投げたボールが顧問の目に留まり、投手を志すことになる。▼・最初数話は高校生で能力を引き上げて、体を作る話になります。▼・4話目にドラフトを行う予定です。▼・長くても9月上旬まで連載できればと思っています。▼・毎日投稿を心がけま…


総合評価:6306/評価:7.55/連載:35話/更新日時:2026年09月05日(土) 18:00 小説情報

魔法科世界の術式蒐集者(作者:パラレル・ゲーマー)(原作:魔法科高校の劣等生)

魔法が技術として体系化された世界――『魔法科高校の劣等生』の世界に転生した主人公・水瀬悠。▼彼が持つ固有魔法は《万象術式目録/アカシック・ライブラリ》。▼一度でも発動を直接観測した魔法式を完全複写し、精神領域内の目録へ永久保存するチート能力。▼しかも、魔法式を登録するたびにサイオン量、干渉力、演算速度、並列処理能力まで成長していく。▼強い。どう考えても強い。…


総合評価:8305/評価:8.31/連載:14話/更新日時:2026年06月02日(火) 19:37 小説情報

0.1%の積み重ね(作者:仮面のカルメン)(原作:HUNTER×HUNTER)

HUNTER×HUNTERの世界に転生したフクリ。▼戦闘の才能は普通。努力もできればしたくない。▼そんな彼が作ったのは、念能力に使えるメモリが毎日0.1%ずつ増えていく能力「複利」。▼時間を味方につけ、増え続けるメモリで新たな能力を作りながら、少しずつ強くなっていく。▼これは、才能ではなく“積み重ね”で最強を目指す男の物語。▼※時系列、年齢がおかしくなってい…


総合評価:7142/評価:7.74/連載:46話/更新日時:2026年08月11日(火) 12:40 小説情報

明浦路司をメダリストに(作者:asim)(原作:メダリスト)

明浦路司が無双する話が見たかったんや。▼主人公は転生者ですが、序盤以外あまり出てきません。


総合評価:9795/評価:8.39/完結:33話/更新日時:2026年06月03日(水) 08:00 小説情報

転生ハンターがダンまちをモンハン世界だと間違っているまま黒竜を狩る話(作者:シャリ)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

さてはミラボレアスだなオメー


総合評価:22852/評価:8.77/完結:11話/更新日時:2026年08月19日(水) 19:10 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>