2095年4月国立魔法大学付属第一高校。
「転生して、16年…長かった」
校舎を眺めながら今日までの記憶が蘇ってくる。
真夜を無事に引き渡し、意識が消えた後再び意識を取り戻した時に目にしたのは今世の母親と父親の顔だった。神様のお陰なのか名前は前世の時と同じだったから混乱はしなかったし、両親は魔法師ではないものの私の力に関して理解を示して受け入れてくれた。まぁ、前世と変わらずに学校に通っていたけど流石に魔法に関する授業と歴史とか以外の授業は退屈だったわ。でも赤子から成長したおかげか女の子らしい言動になってくれたから前世が男だったことで生じる弊害は無かったことは助かった。
「四葉は結局大漢崩壊させて
小6の時に私が消えた後どうなったのか気になって調べられる範囲で調べてみたけど…まさか大漢は崩壊してるし四葉は1人の少女の為に国一つを崩壊させるなんて言う復讐劇を起こした。だから原作と同じで『触れてはならない者たち』なんて呼ばれ、恐れられている。
「そんでもって四葉家の当主は真夜なのよね。姉である深夜がなるって思っていたのに」
誘拐されたとは言え人体実験は阻止できたんだんだし、友人から聞いた話じゃ真夜は七草弘一と婚約してたんだし四葉の当主じゃないにしても七草当主の夫人になっていてもおかしくないのにそんな情報もない上に双子の姉である深夜が当主になった又は死んだなんて情報も無かった。
「まぁ、今日入学すればなんかわかる筈…」
幸い私は達也や深雪たちと同い年。心を読む異能はないけど情報を読み取る異能はあるからそれを使って読み取ればいい。
「まぁ、相手の私物がないと使えないけどね」
そんなことを考えながら会場である講堂へと歩いて行く。
「うわぁ、リアルで見ると呆れてくるわ」
講堂に着き、中に入るとアニメで見たあの光景が広がっていた。前半分が一科生で残りの後ろ半分が二科生と言う感じで綺麗に分かれて座られていた。なんというかこれは言葉ではいい表すことができない気持ちがある。
「気分がいいものじゃないわ」
後ろに座ろうかな。達也とも早めに接触しときたいしな。相手は私のこと知らないはずだしね。早速当たりを見渡してみると意外と早く見つけることができた。
「ここいい?」
「…ああ、大丈夫だが。前の方に座らなくて」
「いいのよ。それに座る場所は指定されていないんだからどこに座ろうと私の自由よ」
そうそう私は何気に一科生として入学している。
「それより自己紹介しましょう。私は柳河碧䒾。よろしくね」
「柳、河…碧䒾だと」
「ん?どうかした?」
「いいや、俺は司波達也だ。所で聞きたいことがあるんだが」
「?何?」
「あ、あの、お隣は空いてますか」
「ええ、空いているわよ。ね、達也」
「ああ、誰かと約束している訳じゃないから大丈夫だよ」
「あれ?碧䒾じゃない」
「エリカじゃない。久しぶり」
声をかけてきたのは柴田美月とその隣にいるのは千葉エリカだった。
「柳河、知り合いか」
「ええ。12歳の時に彼女の実家の道場に1年間通っていたのよ。それと碧䒾でいいわよ。貴女もね」
「あ、はい。私は柴田美月です。私も美月でいいです」
「あ、あたしは千葉エリカって言うんだ。よろしくね」
「司波達也だ、俺のことは達也でいい。こちらこそよろしく」
自己紹介を終えて後は入学式が始まるまで待つだけだった。
「ねえ、碧䒾。また道場に来なさいよ」
「私は刀を使う上で必要な足運びや刀の持ち方や振り方を教わりたかっただけだから。もう通うつもりはないわ」
「えー」
「所で碧䒾さんは一科生なのに後ろで大丈夫なんですか?」
「別に私は自分の意志でここにいるのよ。別に一科生だからって前の方に座らなくちゃいけない理由はないわ」
「そ、そうですね。すみません」
「謝ることじゃないわ。少し強く言いすぎたね。それよりそろそろ始まるわよ」
エリカは私をもう一度道場に通ってほしいみたいだけど、私は神刀雨御前の能力を使わない戦いをしないといけないから習っただけなのでもう通うつもりはない。
そんな話をしているとちょうど入学式が始まった。
「新入生総代答辞。新入生総代 司波深雪」
順調に入学式は進んで行き、生徒会長七草真由美の送辞を終えてとうとう司波深雪の答辞にまで進んだ。
「それにしても…」
綺麗ね。見た目は本当に同い年なのか疑いたくなるわ。周りも皆彼女の美貌に見惚れれている。使われている言葉はこの実力主義の学校では結構主義に反するものだった。
「際どいわね、使われている言葉は」
アニメでも原作でもあまり詳しく描写されなかったからあれだけどこうして実際に聞くとなんと言うか、達也のために書かれたんだなって感じるわ。
「これにて入学式を終了します。新入生は退場後IDカードを受け取った者は自由にしてください」
ようやく入学式も終了し、私たちはIDカード受け取っていた。
「あたしはE組だわ」
「わ、私もです」
「私はA組ね。達也は?」
「俺はE組だな」
「やっぱり、碧䒾だけは違うわよね」
「仕方ないわよ。でも3人とは仲良くはしていきたいわ」
「も、勿論です。私も碧䒾さんと仲良くしたいです」
「あたしだってそうよ。道場に通ってくれないのは残念だけど」
よし、友達GET!同中の友達いないからここで作っておかないとね。
「そういえば達也は私に聞きたいことがあるんじゃない。入学式の前に何か聞きたがっていたけど」
「ああ、そのことだが妹と合流してからでいいか?」
「大丈夫よ。それより妹って総代の司波深雪さんかしら」
「え、じゃあ双子なの?」
「よく勘違いされるが双子じゃないよ。俺が4月生まれで妹は3月生まれなんだ」
「どうりでお二人のオーラ凛とした面差しが似ていたんですね」
ああ、美月それは言っちゃダメなやつ。
「へえ、オーラの表情がわかるなんて柴田さんは目がいいなだね」
あちゃー、警戒されちゃったよ。まぁ、でも…。
「あ、達也。妹さん来たみたいよ」
タイミングよく合流できたわね。
「お兄様、お待たせ致しました」
「いや、大丈夫だよ。早かったね」
「こんにちわ、司波くん。また、会いましたね」
そう言えば生徒会と一緒に行動していたわね。あれでも確かこのあとって。
「お兄様、その方達は……」
「こちらは柴田美月さん。そしてこちらが千葉エリカさん。最後にこちらは柳河碧䒾さん。柴田さんと千葉さんはクラスメイトで、碧䒾さんは別だがさっき友人になったんだ」
「柳河…碧、䒾さんですか?もしかしてその方が?」
なんだ?私がどうかしたのか?真夜がこの2人に私のことを話したのかしら?いやでも顔とか分からないから同姓同名と思われているはず。
「なになに碧䒾は2人とも知り合いなの」
「いや、もしかしたらって話だ」
「挨拶が遅れました。司波深雪です。柴田さん、千葉さん、柳河さん。お兄様同様私とも友人になってくれたら嬉しいです」
「あたしのことはエリカでいいわよ。あたしも深雪って呼ぶから」
「私も美月で大丈夫ですよ」
「私も碧䒾って呼んでくれたら嬉しいわ」
まぁこんな感じでいいかな。
「美月も碧䒾も私のことはエリカと同じように名前で呼んでもらって大丈夫よ。苗字だとお兄様と被ってしまうから」
「それより深雪。生徒会の方々の用は済んだのか?まだだったら、適当に時間を潰すが」
「大丈夫ですよ」
答えたのは七草真由美だった。まあ、知ってたんだけどね。
「今日はご挨拶させていただいただけですから。深雪さん……と、私も呼ばせて貰っていいかしら?」
「あっ、はい」
「それと柳河碧䒾さん」
「はい?私ですか?」
「恐らく明日には教師の方から話があると思いますが貴女には教員推薦で風紀委員に選ばれています。断ることは出来ますがなるべくだったら断らないでほしいです」
それって安易に断るなって言ってるみたいなものじゃないか。というか私なの?森崎じゃないんだ。
「考えさせてもらっても」
「ええ、構いませんよ。では、明日の放課後までには答えをください」
「わかりました」
「では深雪さん、詳しいお話はまた、日を改めて。碧䒾さんもいいお返事を期待していますね」
「しかし会長、それでは予定が……」
「予めお約束していたものではありませんから。別に予定があるなら、そちらを優先すべきでしょ?」
おお、正論だ。体裁ばかり気にしすぎてると見えないよね。あとさりげなしに私も名前呼びになっていた。
「それでは深雪さん、碧䒾さんも今日はこれで。司波くんもいずれまた、ゆっくりと」
去り際に服部副会長が凄い形相で達也くんを睨んでいたけど、逆恨みじゃね?