俺たちはホルアドのギルド支部長に手紙を届けるために、荒野を進んでいた。
「ヒャッハー!です~!」
「世紀末かよ」
俺と同じようにバイクに乗ったシアが某北斗のバトル漫画のモブみたいなことを言っているので俺は思わずそう呟く。
「それにしてもホルアドか…」
数ヶ月前にオルクス大迷宮の探索のために立ち寄り、宿泊した町。
「時間があればオスカーの墓に花でも供えていこうかな」
俺にはオーロラカーテンがあるから移動も容易いし、それもいいな、と思う今日この頃であった。
俺たちは町に入る。
「この町も久しぶりだな」
町には以前と変わらない活気があふれていた。
「ああ。あれから四ヶ月しか経ってないのに、もう何年も過ぎたような気がするよ」
「確かにな」
「支部長はいるか?」
俺たちはギルドに入り、支部長の部屋に入る。
「冒険者か?私が支部長のロア・バワビスだ」
「フューレンのギルド支部長、イルワからあんた宛の手紙を預かってきた」
「ふむ。…ん?この手紙によると…ずいぶんと大暴れしたようだな」
「「全部成り行きだ」」
「6万もの魔物を殲滅だとか、裏組織を半日足らずで壊滅だとか…にわかには信じられんな」
「全部事実だぞ。一応」
「だろうな。イルワがうそぶくとも思えん」
「話が早くて助かる」
すると突然部屋のドアがあく。
「うん?」
「はぁ、はぁ、はぁ…!聞いてくれ!魔人族が現れんだ!」
現れたのはクラスメイトの遠藤浩介だった。
「君は誰かね?」
「浩介⋯!」
「遠藤…相変わらず影薄いな」
ハジメは思わずそう呟く。
「って…!お前もしかしてツカサか⁉」
「何のことか分からんな」
「いや完全にツカサだろ!髪色とか雰囲気とかちょっと変わってるけど…」
「知り合いかね?矢門ツカサ、南雲ハジメ」
「おい!」
名前を漏らしたロアにハジメが声を上げる。
「ッ!お前…南雲なのか?」
「彼らは金ランクの冒険者の矢門ツカサと南雲ハジメだが…君は確か勇者パーティーの」
「遠藤です!な、なぁマジ南雲なのか…?えらく変わってるようだけど…見た目とかいろいろ」
「奈落の底から這いあがってきたんだから少しくらい変わるだろ」
「いや別人だろ…。でもそっか。良かった…てっきりツカサももうどこかで…。ッ!つまりお前らはそんなところから生還できるほど強いんだよな⁉」
「まぁな」
「お願いだ南雲、ツカサ!一緒に迷宮に潜ってくれ!早くしないと死んじまう!」
「待て遠藤。とりあえず話を聞かせろ」
Side 勇者一行
「ついに100階層か⋯」
「ここまで長かったわね⋯」
ライダーとなった雫と勇者である光輝の圧倒的な力によって、オルクス大迷宮の攻略はトントン拍子で進んでいた。
そしてついに100階層にたどり着いたのであった。
もっとも、その後に本当のオルクス大迷宮である奈落が待っているのだが、そんなことは彼らは知らない。
勇者一行は扉を開け、ボスを警戒して身構える。
だがその先に広がっていた光景は咆哮する巨大モンスターでも、反逆者の住処でもなく、ただ赤髪の褐色肌の女が魔物の首をクルクルと回していた。
「なんだお前は!」
光輝は聖剣を構えて言う。
「あぁ、来たのかい」
女はそう言って振り向く。
「あなた⋯魔人族ね⋯!」
雫はサーベルに手をかけながら言う。
「悪いけど、ここのボスはこの通りもう倒しちまってるんでね。代わりに私があんたらの相手をしてあげるよ。と⋯その前に」
女は光輝を指す。
「あんた、そこのやけにピカピカしている鎧を来たあんただよ。あんたが勇者様だろう?人間なんかじゃなく、私たちの仲間にならないかい?」
「何を馬鹿なことを!俺は決してお前らなんかの仲間にはならない!」
「そうかい。なら⋯」
女の後ろに灰色のカーテンのようなものが現れ、そこから何体もの魔物が現れる。
「やっちまいな!」
「それから状況は悪くなる一方で⋯俺は八重樫に言われて救援を求めてここまで来たんだ」
「あ~む」
「…」
この状況でミュウはお菓子をほおばる。
「つうかなんなんだよその子!」
「ヒッ!パパ~!」
「てめぇうちの子になに八つ当たりしてんだ…!ああ?殺すぞ!」
ハジメがキレて言う。
「ヒッ!」
今度は遠藤が怯える。
「お~よしよし♪怖かったな~」
「ハジメ、すっかりパパ」
「うちの子って口走ってましたからね~」
「はてさてご主人様は子離れできるのかの」
「とりあえず…行ってやるよ。案内しろ浩介」
「!いいのか⁉」
「白崎が殺されるのは俺にとっては本望じゃないからな」
「ああ。雫たちが危ないっていうならしょうがない」
「…ッ!ありがとう!ありがとう…!急ごう!」
「オルクス大迷宮…全てが始まった場所、か」
「思い出したくないことも山ほどあるが、かけがえのない出会いもあった」
ハジメはユエを見て言う。
「ん。本当に」
「ケータッチも回収しないといけないからな。ついでにオスカーの墓参りをして帰るか」
「お前もう帰るときのこと考えてんのか…」
俺たちはオルクス大迷宮の中を走りだす。
side 雫
魔物たちを相手しながら雫は疑問を口にする。
「ここのボスを先に倒していたということは⋯あなた、私たちと戦うのが第一の目標じゃないの?」
「あの方がここをクリアして、いずれ脅威となるこいつを手に入れることを望んでたんでねぇ」
女は手に持っていたマゼンタと黒のスマートフォンのようなものを見せる。
「それは⋯!?」
「手にしたものに最強の力を与える伝説のアーティファクト⋯と聞いて来てみれば、何も起きやしない。期待外れだね」
その言葉に光輝はハッとする。
「最強の⋯力⋯!」
side ツカサ
「ッ!ベヒモス…!」
65階層までたどり着くと、ベヒモスが現れ、遠藤は足を止める。
「何を止まってんだ?こんな奴…」
「おい⁉何してんだよツカサ!」
俺はベヒモスに近づいて触れる。
すると
「こうだろ」
「……………は?」
一瞬でベヒモスの体が崩壊する。
「ほら行くぞ」
「ちょっと待て!一撃ならともかく触っただけでベヒモスが死んだ⁉俺らの苦労は何だったんだよ!」
「いいからさっさと行け!」
俺は遠藤のケツを蹴り飛ばして前に進ませる。
「乱暴な奴!」
Side 雫
メルド団長もやられ、ついに光輝が限界突破を使って魔人族の女を追い詰めたと思った矢先、光輝の人を殺す覚悟が揺らぎ、私たちは一気に追い詰められた。
魔人族の女は変身した私に言う。
「フフフ…!あんたには勇者様と違って殺し合いの自覚があるみたいだねぇ」
「光輝に自覚がなかったのは私たちの落ち度よ…。そのツケは私が払わせてもらうわ!」
そう言って私は目の前の馬の頭をした巨大な魔物に斬りかかる。
しかし
「なっ!」
目の前にもう一匹の魔物が現れ、その魔物の攻撃が武器のサーベルを折り、私の腹にめり込む。
「ガハッ!」
私は吹き飛ばされ、変身が解ける。キバーラも目を回してその辺りに倒れる。
「かはっ!」
先ほどの攻撃によって私は吐血する。
「けほっ!かはっ!」
「雫ちゃん!」
香織が私に駆け寄る。
負傷した鈴が残った力で結界を張り、魔物の足止めをしてくれている。
「香織…早く戻って!ここにいるのは危険よ…!」
「…!どこにいても一緒だよ。それならせめて…雫ちゃんの傍にいたい」
「…!香織…!」
ついに結界が破られる。
「うっ⋯!」
私は魔物に持ち上げられ、腕を掴まれる。そして
バキッ!
「〜っ!いやぁぁぁぁ!」
骨を折られ、右腕は力なく垂れ下がる。
「うっ⋯あぁ⋯!」
私は地面に落とされ、左腕も踏みつけられ、骨がギシギシと音を立てていく。
「っ!あぁぁ⋯!」
「雫⋯ちゃん⋯!」
香織も魔法攻撃を聖絶でなんとか防ぎながら私の名を呼ぶ。
(ツカサ…!ごめんなさい…!)
そのとき
『DRILL BOOST VICTORY』
「ハァ!」
「「「「⁉」」」」
天井を突き破り、一人のライダーが現れる。
その男は片手にドリルを持ち、下半身は赤く、頭部は白い狐のようなライダーだった。
『KAMENRIDE GEATS!』
『DUAL ON MAGNUM&BOOST』
『READY FIGHT!』
すると彼の上半身が白い姿に変わる。
そのライダーは一瞬こちらを見ると、私たちに襲い掛かっていた魔物を恐ろしいスピードで殴り殺す。心なしかその姿は怒っているように感じた。
倒れていた私をお姫様抱っこして、ライダーは口を開く。
「無事⋯ってわけじゃなさそうだな。⋯遅くなってすまない、よく頑張ったな。後は任せろ」
そう言って私の腕に手をかざすと、私の腕は水色の光に包まれ、光が収まると腕は元に戻っていた。
「あなたは…⁉」
「…仮面ライダーギーツ。その言葉を、お前は信じるか?」
「え…?」
「あんた…何者だい!」
「言っただろ、ギーツだと。さぁ…ここからが、ハイライトだ♪」
彼はその手に持った銃を構えてそう言う。
無数の魔物が周りに現れる。
「お前らの運は…大凶だ」
すると彼の腕についていた簡易的な銃のようなものが火を吹き、辺りの敵を打ち倒していく。
「くっ…!ならば…!」
魔人族の女が何かを仕掛ける。
「おいおい…なんだこの半端な隠し方は」
彼は右の空間に腕を突っ込む。すると空間が歪み、彼の手につかまれた魔物が現れる。
「なっ、なんで分かったんだい!」
「分かったもクソもあるかよ。あんな適当な隠し方で俺が気付かないとでも思ったのか?さて…盛大に打ち上げと行くか!」
『FORMRIDE GEATS!NINJYA!』
『DUAL ON NINJYA&BOOST』
すると彼の上半身の武装が変わり、緑のニンジャのような姿になる。
『READY FIGHT』
そして彼は分身して魔物を次々と駆逐していく。
「ふ、フッ!どれだけ強かろうと自ら地獄に足を踏み入れたことは変わらない!」
「…地獄?」
すると彼が反応する。
「あ~。もうキャラづくりは終わりだ。結構楽しかったけど」
「なにを…!」
「それよりこの惨状が地獄って言ったか?………フッ。ハハハハハッ!面白れぇ!本当に
面白れぇ冗談を言うよ!」
「…何が言いたい!」
「この程度が地獄とは、さぞかし平和な人生を送れているようで羨ましいことこの上ないよ!」
「貴様…!愚弄するのも大概にしろ!」
「ッ!危ない!」
いつの間にか現れた巨大な魔物が彼に襲い掛かる。
しかし
「なっ!」
「………弱っ」
彼はいとも簡単に魔物の頭を握りつぶしていた。
「はぁ…所詮この程度か」
すると先ほど彼が開けた穴から白髪の男、金髪の少女、兎人族の女性、黒い着物を着た女性、海人族の幼女が降りてくる。
そして最後に
「み、皆…!助けを呼んできたぞ…!」
「「遠藤!」」
助けを呼びに行っていた遠藤が戻ってきた。
「相変わらず仲がいいな、お前ら。シア、あそこで倒れている騎士の容態を見てやってくれ。ユエは天之河たちを、ティオたちはそこの二人を頼む。俺はあいつが取り逃した魔物を狩る」
「…ハジメ…君…!」
香織がそう呟く。
「えっ⁉えっ!ホントに⁉本当に南雲君なの⁉どういうこと⁉」
「落ち着けよ、八重樫。お前の売りは冷静沈着さだろ」
私は今起きている出来事が理解できず困惑する。
その間も彼はあの女と戦っていた。
「さて…あとはあのでかい亀だけか?もういいや。さっさと終わらそ」
『FORMRIDE GEATS!BOOSTMARKⅡ!』
『BOOST!MARKⅡ!READY…FIGHT』
すると彼の姿が変わり、赤色の狐のような姿になる。
「また変わった…!」
「フッ!いくら攻撃しようと無駄だよ!こっちには回復役がいるんだ!」
「ああ。この焼き鳥か?」
彼はそう言ってこんがりと焼けた肉を投げる。
「…ッ!いつの間に…!」
女は自分の肩を確認し、回復役がいないことを確かめた後に驚く。
「回復役を狙って…!」
「フッ…狐は人を化かす生き物なんだよ。お前は見事に…」
彼は右手で狐のような形を作る。
「化かされたな♪」
『FAINALATTACKRIDE GE・GE・GE・GEATS!』
『BOOST STRIKE』
「はっ…!はぁぁ……」
彼は右足にエネルギーをためて、飛び上がり、キックの構えを取る。
「ハァァ!」
彼のキックが当たると、あの硬かった装甲がいとも簡単に壊れて、魔物は爆散する。
「雫ちゃん!」
「!」
私がハッと我に返ると、蛇のような魔物が私たちに襲い掛かろうとしていた。
「…!雫!」
するとさっきのライダーが私に黒い刀を投げる。
「!これは…!」
私はすぐさま刀を抜き、蛇のような魔物を斬る。
「軽いのになんて切れ味…!」
先ほどのライダーは魔人族の女を追い詰めていた。
「くっ⋯こうなれば!」
女はドライバーを取り出し、腰に巻く。
『DESIRE DRIVER』
「⋯!それは⋯!」
「変身!」
『JYA MA TO』
女の姿は植物が絡みついたような姿のライダーに変わる。
「ジャマトライダー⋯なぜこの世界に⋯!」
「ジャマト⋯ライダー?」
「この力さえあれば貴様などぉ!」
ジャマトライダーと呼ばれたライダーはギーツと名乗ったライダーに襲いかかる。
ギーツはそれを難なく躱すが、足元がふらつき、膝をつく。
「⋯時間か。なら⋯」
「今だ!死ねぇ!」
『SET』
『REVOLVE ON JYA MA TO BOOST』
ジャマトライダーの上半身が赤い装甲に変わり、腕から炎を吹き出しながらジャマトライダーはギーツに殴りかかる。
「ハァァ!」
辺りが崩れる音が鳴り響き、ギーツの姿が煙に包まれる。
だがジャマトライダーの攻撃を青い盾が防いでいた。
『FORMRIDE GEATS!LASER BOOST!』
『SET UP DUAL ON HYPER LINK LASER BOOST』
『READY FIGHT』
ギーツの目は青くなり、体には白と青の装甲がついていた。
「見せ場はこれからだ」
そう言うとギーツは落下している岩石を操作し、ジャマトライダーにぶつける。
「ぐぁぁ!」
ジャマトライダーは転がり、あのマゼンタと黒のスマートフォンのようなものを落とす。
それを目に止めたギーツは
「ん?あれは⋯ケータッチ⋯!?」
そのとき
「うぅっ⋯ぐぁぁ!」
ジャマトライダーの体を植物のような形状のバックルが侵食していき、周囲の生き残っている魔物をも取り込み、ジャマトライダーの体は肥大化していく。
「フ⋯フハハハハハ!最高の気分だ!誰も私に勝てはしない!」
「大きい⋯!」
全長15メートルほどの巨体となったジャマトライダーはそう言ってギーツに手を伸ばす。
だがギーツはそれを躱しながら走り、手に持った銃で銃撃する。
すると光輝は何を思い立ったか、ジャマトライダーが落としたケータッチと呼ばれたものを取る。
「これさえ⋯これさえあれば俺は⋯!」
それに気づいたギーツは叫ぶ。
「やめろ!それはお前が使える代物じゃない!」
その言葉をきいた私も光輝に呼びかける。
「やめなさい!光輝!」
「俺には⋯力が必要なんだ!」
それをかかげると、ケータッチは黒い瘴気を纏う。
「うわぁ!」
光輝はケータッチに弾かれて地面に転がる。
ケータッチはジャマトライダーの体内に取り込まれ、ジャマトライダーを瘴気が侵食する。
「ぐっ⋯ウァァァァ!」
するとジャマトライダーの姿は禍々しい化け物に変わり、辺りは崩壊し始める。
「チッ⋯遅かったか。ケータッチには俺の破壊魔法の残穢が残っている⋯だから下手に扱うと破壊をするための力だけを振りかざす化け物が生まれる⋯!」
ギーツはそう言って舌打ちする。
「⋯しょうがない。なら」
ギーツはどこからかカードを取り出す。
「破壊には創造で対抗するとしよう」
『KAMENRIDE GEATS Ⅸ!』
『REVOLVE ON DYNAMITE BOOST!GEATS Ⅸ READY…FIGHT!』
ギーツは全身が真っ白の姿に変わる。
「行くぞ」
ギーツは飛び上がって、壊れた場所を再生し、怪物を拘束する。
「ぐっ⋯ぐぁぁ!」
「お前には聞きたいこともあるからな。殺しはしない」
ギーツは武器を取り出し、怪物の体を切り裂く。
「ぐあぁ!」
「せっかくならこいつ、使ってみるか」
ギーツは怪物の体に手を突っ込んで何かを取り出す。
その手にはケータッチがあった。
「あれは⋯!」
「やめろ!勇者の俺が使えなかったのに、君が使えるはずがない!」
と光輝は手を伸ばして言う。
だが
「なっ⋯!」
ケータッチはギーツに呼応するように光り輝く。
「手始めに⋯これだ」
ギーツはケータッチにカードをセットすると、ケータッチをタッチする。
『AGITΩ!KAMENRIDE』
すると金色のボディのライダーが現れ、ポーズを取ると彼の足元に紋章が浮かび上がり、角を展開して飛び上がる。
「ハァァ!」
「グォァ!」
怪物はライダーのキックを受け、倒れ込む。
『DEN−O!KAMENRIDE』
すかさず、赤いボディのライダーが現れ、武器の剣先を飛ばして斬りつける。
「うりゃぁ!」
「グァァ!」
「終わりにしてやる」
『FAINALATTACKRIDE GE・GE・GE・GEATS!』
『DYNAMITE BOOST TIME』
ギーツはやっと立ち上がった怪物の胸に武器の剣を投げて突き刺し、飛び上がってキックの姿勢を取る。
「ハァァァ!」
『BOOST Ⅸ VICTORY』
「ウォォォ!」
怪物の体をギーツのキックが貫き、怪物は爆発する。
ギーツはケータッチを握りしめる。
「⋯おかえり」
ギーツはケータッチを懐にしまう。すると魔人族の女は目を覚ます。
「うぅっ⋯ここは⋯」
「やっと正気に戻ったか」
「くっ!『落牢』!」
すると女が先ほどの戦いで使っていた魔法を彼にかけ、そのすきに逃げようとする。
しかし
「ッ!」
魔人族の女の腕を一発の銃弾がかする。
「フッ……!最初から詰んでいたわけだ」
「分かったか?これが…いや、こんなもん地獄ということすらおこがましい。ただの壁だ。…本当の地獄を知らないくせに、地獄を語るな。本物の『地獄』を…理不尽に仲間や大切な人を奪われることを経験したこともないくせに…お前はただの軍人気取りの世間知らずだ」
「…何を!」
「ああ?地獄をなめんじゃねぇ若造」
「…ッ!」
女は俺の無尽蔵にわく殺気にひるむ。
「…それにしたって、上位魔法が意味を成さないなんて…あんた本当に人間?」
「どうだろうな。自分でも生まれははっきりしてないからどうとも言えないが。ハジメ、尋問の時間だ」
彼は先ほどの白い狐のような姿に戻る。
光輝たちは突然現れた存在について話す。
「何者なんだ?あいつらは」
「白髪の男は南雲だよ、めっちゃ変わってるから分かんないかもしれないけど…」
「「………は⁉」」
「だから南雲だって!あの日奈落の底に落ちた南雲ハジメだ!」
「…ッ!バカ言うな!南雲はあの日死んだはずだ!」
すると檜山君がそう言って遠藤君の胸ぐらをつかむ。
「ステータスプレートも見たんだから間違いないって!」
「そうだ!なにか細工でもしたんだ!なり替わって何か企んでるんだ!」
「静かにして」
すると金髪の少女が檜山君に言う。
「ッ!」
「また…ハジメの邪魔をする気?」
「…ッ!」
その一言に檜山君は黙る。
Side ハジメ
俺はドンナーを突き付けて魔人族の女に尋問する。
「さて…あいにくお前の遺言なんぞ聞いてやる気はない。それより…」
「あの魔物をどこで手に入れたのか…こんなところで何をしていたのか、吐いてもらおうか」
ツカサことディケイドギーツがそう二の句を継ぐ。
「あたしが話すと思うのかい?」
「…」
俺は無言で銃のトリガーを引く。
「ぐああ!」
弾丸は魔人族の女の足を打ち抜く。俺はそのままドンナーを突き付けて言う。
「ま、大体の予想はついてる。あの魔物は神代魔法の産物で、ここへは奈落、本当の大迷宮を攻略しにきたんだろ」
すると
「恐らく魔物を使役しているのは『変成魔法』だろうな」
ツカサがそう口を開く。
「『変成魔法』?」
「ああ。生成魔法とは違って生物の性質を変えて、使役することができる魔法だ。あのマフラー…じゃなくてヴァンドゥル・シュネーの使っていた神代魔法だ」
「生物の性質を…」
「なるほどね。あの方と同じなら、その化け物じみた強さにもうなずける…!」
「『あの方』ねぇ。お前は一つ思い違いをしている。あの方とやらが何者かは知らないが…俺たちの方が強い。同じなわけがあるか」
ツカサはそう言い放つ。
「魔物は攻略者からの賜りものってことか。こっちの疑問も解けた」
「いや、こいつらが来た最大の理由は⋯こいつだろ」
ギーツはケータッチを見せる。
「これは解放者ライヴ・デトロイが遺した物だ。こいつは魔人族⋯ひいてはあのクソ神どもにとって障害になりえるだろうからな」
「⋯バレてるとはね。もういい、一思いにさっさとやりな!捕虜になることなんてごめんだよ!覚えてなよ…!いつか私の恋人があんたたちを殺す!」
「ハッ!俺を殺したいなら神でも連れてくるんだな。話はそれからだ。…最後に一つだけ問おう。もしお前がオスカーの住処にたどり着けたとして、そこで何をする?」
ツカサはそう聞く。
「決まってるだろう?神代魔法を手に入れたらもう用はない。あんたら人間族側に渡すのも癪だから私はそこを破壊するよ。あの方はそんなことはしなかったがね」
「死ね」
「待て!南雲!彼女はもう戦えないんだ!殺す必要は…!」
ダンッ!
ぬけぬけとそう言い放った奴を、ツカサはマグナムシューターで撃ち抜いて殺した。
「ああ…!ああああ!」
檜山が大声を出して怯える。
「矢門ぉ!」
感想や評価、お待ちしてます。お気に入り登録してくださると嬉しいです
メイルとラウスの変身するライダーは何がいいと思う?
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アクア(メイル)、イクサ(ラウス)
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デュランダル(メイル)、イクサ(ラウス)
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アクア(メイル)、最光(ラウス)
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デュランダル(メイル)、最光(ラウス)