今回もちょっと短いです。次回続いたら多少長くなるかも。
六道仙人が後継者をインドラにすると宣りました。
どういうことだってばよ。
インドラなのにアシュラの転生体の台詞が思わず浮かぶ程の困惑と動揺である。本当にどういうことだってばよ。
いやいやいや、待って待って!!?
なんで原作でもアシュラ贔屓の子育て失敗やらかしクソ爺が後継者にインドラを選んだ?意味わかんない。誰か説明して!
なんの為に後継者に選ばれないのを確実にする為に忍宗的に評価高い禁術、新たな術等の開発のカモフラに評価低いだろう現代知識を表の技術開発に使ったと思ってるんだ。
どうして兄弟喧嘩回避にアシュラや門弟達とそこそこ良好な関係築いたと思うんだ。
ある程度は原作通りで問題ない所はそのままにして、ヤバイ所は良い方向に原作改変する為だろうが!!
なのに何故、私を後継者に?
陰キャコミュ障に陽キャ共のリーダーやれと???
なんだそれ地獄かな?遠回しに死ねと仰ってる??
無理だ。いくら十数年の演技続行中の身でもこれは駄目だ。今でも演技でしんどい思いしてるのに更にここに忍宗の長の地位とか重荷に耐えきれず死ねる。
アシュラがおめでとうと、言ってくれたがそんなの知ったこっちゃねぇ!悪いが今はそれ所じゃないんだよ!!
こっちは私の未来と私の転生体、子孫達の運命諸々と忍宗の後継者のお祝いにお前へ用意したプレゼントが日の目を浴びるかどうかが掛かっているんだ!!!
クソがッ!!!なんとかクソ爺を説得してアシュラを後継者に変えさせないと!全部おじゃんになる!!
最悪、万華鏡写輪眼開眼させてイザナミか月読で後継者変更するまで無限ループ説得するから覚悟しろよ。
***
説得成功しちゃった!
いやぁ、アシュラが無事後継者に選ばれたのにアニオリみたく「やっぱり後継者は兄さんに…」となった際に考えてた台詞を使ったけど、思いの外効いて良かった良かった。
後継者はアシュラだし、アシュラへの後継者祝いのプレゼントも渡せたし、言う事なし!
やっぱ善人の説得には適度に自分下げしてヨイショが正解だな!嘘は言わないが、真実ではなく事実を語るとなお良し。
るんるんと気分良く自室に戻り、歓喜のままに寝床の上でゴロゴロする。
ああ!努力が報われるのは素晴らしい!
苦労した甲斐があったと言うものだ!!
……でも、六道仙人は案外あっさり説得出来たけど、なんでだろう?
あんなに簡単に後継者を変えるなら最初からアシュラにすればいいのに。
私の性格ならアシュラが後継者に選ばれるの反対しないのは六道仙人なら知ってる筈。
なのに最初は私を選んだ理由はなんだ?私よりアシュラの方が社交的だし、空気読めるし、いい子なんだし。
落ちこぼれと言っても元落ちこぼれだし、凛々しく立派になった今ならアシュラでも問題ない。
なら私を選んだ理由……。
「あ、」
ふと気付いた可能性にピタリと動きを止めて、上半身を起き上がらせる。
まさか、私を選んだのは私にアシュラを後継者の座を譲らせる為?
言ってはなんだが、私は原作のインドラよりは門弟達や里人にそこそこ好かれてると思う。
組手の時も咄嗟に写輪眼を使わないように気をつけてるし、一人称を「私」にしたり、言葉遣いもいくらか柔らかくなるよう意識してる。前世が女だったから女っぽくならないように気をつけてるから原作よりは優しい位だと思うけど…。
門弟達の中に体術や術が上手く使えない者が居れば、力になろうとしたりもした。
里人にも出来るだけ優しくしたつもりだ。
困ってそうな人が居たら声をかけて手助けし、表向きの技術開発の恩恵も与えるよう意識して色々教えた。
女子供は勿論、老人にも声を決して荒らげず、優しくした。
彼等彼女等も私に笑顔で接してくれるし、コミュ障故に自信がないが、六道仙人の長男なのを抜きにしても好かれてる、筈。
小さい時から天才と呼ばれそれなりに人望がある長男と元落ちこぼれだが成長した人望高い次男。
…うん、間違いなく、どっち選んでも反感買うな。
本人達というより互いを慕う者達の派閥的な意味で。
……だから私を先に選んだのか。
アシュラを先に選べば私はそのままアシュラを祝福するが私を慕う者達が反対するだろう。
勿論、私は気にしないと私を慕う者達を宥めて説得するが、まず間違いなく禍根が残る。
当然だ。時代的にも長男が家督を継ぐのが普通で特に性格や能力に致命的な難があるなら兎も角そうじゃないんだから。長男のインドラを慕う者達からしたら面白くない。
でも、私を選べばどうだ?
私はアシュラを嫌ってないし、なんなら気にかけて可愛がってる方だ。家督にも興味がない事は六道仙人にも伝わっている。というか何度か言ってるんだよね。「私が次期当主と考える方は多いようですが、六道の主により相応しい者がいればその方に譲ります」って的な事を。
そんな私を選んでも成長したアシュラの方が相応しいと考えて次期当主を譲る可能性が非常に高い。
私を次期当主にと立てながら私が期待通りにアシュラに譲れば私の派閥の者達から反感を買う事はない。
もし予想が外れて私が次期当主をアシュラに譲らなくても自分から譲るように裏で「これも次期当主たる者に必要な事だ」のなんだの言って厳しく冷たく当たるなり、誘導するなりすればいいし。
これなら派閥争いに発展しないし、六道仙人、アシュラにも反感反発もない。なんせ当の私が自ら辞退してるんだから反対の仕様がないのだから。
……こう、考えれば考える程にそうとしか思えない。
これ、アシュラを次期当主にする際に六道仙人とアシュラにヘイトが来ないようにしてるだけならまだしも、私の気持ちガン無視してるよね…。最低では?
でも原作やアニオリのアシュラ贔屓っぷりを知ってるとあのクソ爺ならやりかねないと言うか。
普通にやりそう。自然に目に浮かぶわ。しかも悪気なくやりそうなのがまた…。
…つまり私はアシュラが穏当に次期当主にする為の補強剤にされたのか。
私のアシュラへの親愛も、私を慕う者達の思いも、その者達を思う私の思いも、全部。
悪意なく、悪気なく、軽く扱われたのか。
仮にも実の父のハゴロモに。
アシュラを少しでもよりよく次期当主に据える為だけに。
なんだそれは。
「そんな、」
巫山戯るな。
「そんな事の為に」
目が熱い。
「許さない」
涙が溢れる。
「赦さない」
ハゴロモへの失望と怒り。
「ゆるさない」
そしてそんな事をしないと何処かでハゴロモに期待してたであろう自身の失望で頭が茹るようだ。
「ゆるせない」
捨てよう。
「絶対に」
これを捨てよう。父ハゴロモへの愛を捨てよう。
決して人として見ないように。
決して父として見ないように。
今日からお前は私の父ではない。
インドラの父として見ても私はお前を見ない。
キャラとして見よう。
者ではなく物として見よう。
絶対に。
もう二度と私はお前を愛さない、お前を見ない。
愛故に憎むなら私はお前を憎悪しない。
期待しない。失望も抱かない。親としてお前を見ない。
私はお前を信じない。
私は私のお前への愛を殺す。
この愛は死に続け、蘇らない。
———————嗚呼、目が、痛い。
***
鳥の囀りで意識を覚醒させる。
あのまま泣き疲れて眠ってしまったらしい。
窓の扉の隙間から漏れる陽の光が目を眩ませた。
目を細め、なんとか室内の光に慣らしていけばシワになっている自分の白い忍宗服が目に入る。
服もそのままに寝てしまった事に溜息を溢す。
…少し、寝汗で肌がベタつくな。
昨日は風呂も入らなかったし、今から朝風呂に入るかと、新たな衣服と風呂布を手にして櫛も持って行こうと鏡台の方を振り返る。
「え…?」
思わず衣服等を取り落とすもそんなの気にならなかった。
慌てて鏡に顔を寄せて、目を覗き込む。
「どうして…」
そこには三つ巴ではない万華鏡写輪眼が爛々と輝いていた。
「な、なんでッ」
私は誰も殺してないし、誰の死も見てないのに。
なんか万華鏡写輪眼を開眼してる!?
意味が分からず、困惑するがある説が浮かぶ。
万華鏡写輪眼は精神的負荷により開眼する説だ。
要は愛する者、親しい者を喪うショックが一番大きいから開眼するだけで、別に殺したり、死を見る必要がないのだ。
それを証明するように、サスケはイタチを直接殺せてないのに開眼したし、サラダに至っては誰の死も殺しもしてないのに開眼してる。
だからこの説はかなり可能性が高い。
いや、でも私は開眼する程のストレスなんて…。
「あ」
まさか、いやでも、そう言う事か?
六道仙人への愛を喪ったから、とか?まさかそんな…。
それって私はちゃんと六道仙人への親愛を捨てられたって…こと…!?
そ、そんな、そんなのって、
嬉しい、ヤッター!!
【朗報】祝万華鏡写輪眼開眼【毒親への情捨てられました】
こんなスレタイが脳裏に浮かぶ程に私は浮かれた。
インドラ「父上への愛情を捨てたら万華鏡に開眼しました」
ハゴロモ「」
こんな事をイケメンで天才な優しい息子に言われたら作者なら泣いちゃう。
冗談はさておき、あまりのストレスで万華鏡開眼したインドラ。
結果的に誰も犠牲にならずに万華鏡が手に入ってよかったね。何気にアニオリの友二人の生存√入りしてる。
まぁ、六道仙人は原作、アニオリでもアシュラ贔屓の毒親の気があったし。内心はどう思おうと、インドラがアレでも親が子供の扱いに優劣つけるのはアカン。
次回で第三者視点でより詳細に後継者変更の回を書こうと思います。