新作ロボゲー『ヴァンガードフレーム』で傭兵生活を始めます 作:ののじん
VRルームに入るとキャラクターがドッグタグを機械に挿入する。
メニューが出てきたので、VF初心者らしく操作訓練を選択する。機体性能テストはその後だな。
すぐにVR空間が広がる。
画面左側に操作方法が表示された。
動きの確認から始まるようだ。
このゲームの基本移動はメインブーストだ。背中に大きめのメインブースターが付いており、地面を滑るように移動できる。
メインブースターだけではなく、肩や腰といった他の部分にスラスターの噴射孔が付いており前後左右にもしっかり動ける。
次はクイックスラストだ。瞬間的に短距離を加速するのだが、イメージとしては硬直の無いステップだろうか?
反対方向の切り返し、距離を詰めたり、引いたりする時の起点として使えるし、何より回避に使うアクションだ。
画面にブーストゲージがあり、クイックスラストではこのゲージを使うことで発動できるのだが、ゲージが0になると回復を開始するまでにクールタイムがあり、戦闘中では割と致命的だ。
ブーストゲージを使い切らない方が回復までのクールタイムが短いためゲージ管理を意識した方がいい。
またブーストゲージの回復速度は地上にいる時の方が速い。空中でゲージが切れてしまうと、当然飛び続けることができず地面まで落ちてしまう。
クイックスラストは前後左右の短距離加速だが、前方への加速に特化したアクションもある。
それがフルスラストだ。
フルスラストは全速力ダッシュがイメージしやすいかもしれない。
一瞬のタメの後、ブーストゲージを消費しながら前方へ急加速するもので、フルスラスト時、左右への舵が効かずただ前のみに進むアクションだ。
ただフルスラスト時でも左右にクイックスラストが使えるため多少の攻撃は避けることができる。
また空中でも使えるため、行きたい場所に視点を向けておく、もしくは敵機にロックオンしておくとその方向に加速していく仕様だ。
長距離の移動や敵機に急速に近づく手段として使える。
ブーストゲージの最大容量、リチャージクールタイム、回復速度はVFの心臓部と言っていいジェネレーターによって決まる。
VFにとってジェネレーターは重要なパーツだ。機体の癖がまるっきり変わってしまう。
ブーストゲージのリチャージクールタイムが短く回復速度が速い代わりに容量が小さかったり、逆に容量はデカいけど回復速度が遅かったり、性能は高水準の代わりにパーツ重量が重かったり、どれも一長一短のパーツが多い印象だ。
基本的な動きが終わると、標的としてUFが生成され、左右上下に移動を始めた。
次はロックオンの説明が始まった。
ロックオンは対象を注目するものと武器側のロックオンの二種類がある。
前者はどの敵機を注目しているかで、ロックした対象を起点に動くことができる。
後者は射撃が当たりやすいかどうかが分かるものだ。
武器側のロックオンというのは
この照準が赤くなった時、TCSのシステムが偏差の計算を終えた状態のため、高確率で弾が当たる状態になるのだが、敵もこちらも動き続ける以上常時赤くなることはない。
また、ランチャー系統の武器の場合、敵機が発射のラグとTCSのロックを感知しアラートを出すために避けられやすい。
この照準の性能はTCSによって変わる。
近距離、中距離、遠距離と項目があり、数字の横に曲線グラフで分かりやすく表示されている。当然各項目の数値が高いものと相性のいい武器を使うことで性能を発揮できるものとなる。
遠距離補正が高いTCSで射程の短いショットガンを使うと、近距離で運用するならTCSのロックオン速度、精度が悪いし、遠距離運用するならロックオン速度や精度は良いがショットガンの射程外なので威力減衰が起こる。これでは互いの長所を殺し合ってる上に足も引っ張り合っている。
動き回るUFに攻撃を与えていくと敵機の左腕が小さく爆発して煙を上げ始めた。
説明によると
簡単にまとめると、頭部損壊は視界不良。腕部損壊は照準性能、近接武器の威力低下。メインブースター損壊は移動能力の低下。脚部損壊はジャンプ性能低下と硬直時間がわずかに伸びるようだ。
機体耐久値と部位耐久値は独立した別の項目で、機体耐久値が減ったからといって必ずしも部位耐久値が減るわけではないという仕様だ。
UFを倒し終わると空間の一角に
ハンガーで武器を変えるように促される。
武器は両手武器の
本来両手にひとつずつ武器を持てるが両手で持つ武器もある。強力だが継戦能力は武器一本分落ちることになるようだ。
さらに武器の項目に弾薬を選ぶことができるようだ。
デフォルトの弾はバランスのいい
軽装甲、非装甲に強い
装甲貫通に特化した
装甲を破壊することが目的の
熱持続ダメージが発生する
着弾すると爆発する
これらが通常兵器の実弾の弾頭の種類だ。またこれらの弾丸には複合しているものや特性が付いたものもある。
空気抵抗を減らす工夫がされており中・遠距離での弾速、精度、威力を維持した
弾頭後部に発光剤が仕込まれており、発射後に後部から光を出しながら飛んでいくため、弾道を視認できる
命中精度が高く、集弾性能も高く、おまけに値段も高い
銃口につけるサプレッサーを併用することでかなり射撃音を抑えることができる
エネルギー兵器、ショットガン、ランチャーはまた別の種類の弾丸・弾頭があるがここでは割愛する。
簡単にまとめると、通常弾、軟目標弾、貫通弾、装甲破壊弾、焼夷弾、爆発弾といったところだろうか。
さらに、中・遠距離向け、発光、高級精密、消音向けがあるということだけ覚えればいいだろう。
全部の組み合わせがあるわけではないが、目的に応じて弾を変えることで優位に立ち回れることだろう。
ただ、これらの弾を使うには、資格を取らなければならないらしい。
初期から使える種類は通常弾と軟目標弾で中遠距離のBT仕様が使えるようだ。
BTについては注意点もあってすべての弾で使えるわけではなく、ライフル系の弾丸、大口径機関砲の弾、一部のランチャー弾の仕様みたいだ。
それから当然それぞれの弾薬一発当たりの値段も大きく変わってくるためバカスカ撃って赤字とかありそうだ。
UIに促され、手に持っている対物ライフルの弾丸に
しかしこのライフル、なんか無骨で、重そうなうえ、威力ばかりで取り回しも悪い――最高か?
一発に賭けたロマンを感じる。正直かなり欲しいな。
遠距離支援が目的ならこれはかなりいい武器だ。
うーんこのゲーム、凸スナ*3はできるのだろうか?
まあそれは後ででいいか。
そんなことを考えているとVR空間が奥に長く拡張され、遠くに標的のUFとVFが距離ごとに並んでいくのだが、なかには上下左右に動いてるものもあり、試し撃ちには良さそうだ。
両手武器かつスコープが付いているものは、左手トリガーボタンでスコープを覗くことができる。
動きが鈍くなる代わりに動きながらでも覗けるのだが、立ち止まっている時に特定のボタンを押すことでブレースモードに移行して命中力を大きく高めることができるようだ。
ただブレースモードへの移行は少しだけ時間がかかり、混戦時にはまずできないため、あらかじめ隠れやすく見晴らしのいいポジションなんかを確保しておく立ち回りが必要そうだ。
機体をブレースモードに移行させてみる。当然この状態ではとっさの回避や急発進ができないためリスクがある。
武器を構えてスコープを覗き見ると一番奥の二つのレーンに並ぶVFとUFの姿がはっきりと見える。
TCSのロックも移動しながら狙う時よりも圧倒的に早い。
何より動き回ってる敵をしっかり捉えている。
試しにUFに一発撃ってみる。
「マジかよ……」
この空間の標的、UFにはHPバーが表示されているのだが、6割くらい吹っ飛んだぞ……
「つっよ」
二発でUF一機を沈められるのか。ヤバいな。
次はVFに銃口を向ける。
「HPの4分の1くらいのダメージかな? いやそれでも強いが」
標的は標準的な中量級機体、それを4発で仕留めることが可能とかヤバいだろ。
そしてさらに恐ろしいことに連射速度がそこそこ早い。
ただ弱点もあって、距離が離れすぎると弾速が気になる点とランチャー系と同様に撃たれた側にアラートが鳴るようだ。
だが奇襲ならば反応できる人は少ないと思う。
また1対1よりも多対多の方が絶対に強い。乱戦時にこんなの撃たれるのかと思うと怖い。
気に入った。かなり欲しい。
前衛にはアイツがいるし。まあ運用するならもう少し味方が欲しいけど。
HUDに表示されたタスクが変わり、『VFとの戦闘に備える』となった。
VFとの戦闘が最後みたいだ。
再度ハンガーに入ると、いくつかの機体プリセットがあり、そこから選ぶらしい。
ソードオフショットガンと、これは大太刀になるのだろうか?
ソードオフというのは銃床と銃身を切り詰めたもので、近距離での取り回しを良くしたものだ。
ショットガンと言えばFPSなどでお世話になった人もいるだろう。
複数の弾丸が拡散して射程が短い、そんなイメージだと思う。
このゲームでも射程は短めらしく、ソードオフということもあって普通のショットガンよりさらに射程が短い。
これだけ聞くと普通のショットガンの方がいいと思われるかもしれないが腕部の適性が高い。あー、振り回しやすいってことだな。重い武器は扱いにくいし、軽い武器は扱いやすい。つまりそういうことだ。
近距離ではかなり当たることだろう。
近接武器は斬撃系、刺突系、打撃系、特殊系に分けられるが、大太刀は斬撃武器だ。
斬撃は、装甲とHPをバランスよく削れる。
刺突は装甲を貫通する。HPは削れるが装甲に与えるダメージは少ない。
打撃は装甲にダメージを与えやすいのと体勢を崩すことができ、一瞬の隙を作ることができる。
特殊はこれらに属さない特性を持った武器だ。
肩の装備はっと、サージパルスシールド? とショートランチャーみたいだ。
ショートランチャーは分かるのだがサージパルスってなんだ?
詳細を確認すると、短時間に圧力干渉波を出して爆発系の攻撃を早期起爆させて無力化することができるらしい。
爆発系ということは、一部ランチャーも含まれていそうだが、ランチャーはすべて爆発するわけじゃないからミサイルを無力化するのが一番多い運用法だろう。
展開時間は3秒、クールタイムは5秒だ。
このVFを選択するとハンガーが消え、フィールドが生成されていく。工業地帯のようだ。
『訓練モード起動。訓練機体認証。戦闘システムオンライン。最終訓練を開始します』
さあ戦闘だ。
戦闘が始まると同時に前へフルスラストで詰めていく。
相手は引きながら撃ってくるがこっちの方が速い。
さすがに近づきすぎると避けきれず被弾するので適当な距離でフルスラストを切る。
だがだいぶ距離を詰めることができた。すでにショットガンの射程範囲内だ。
離れる敵機に追いすがると今度は大太刀を使ってみる。
攻撃ボタンを押すと自動的にスラストを使い短距離を詰めながら振りぬいた。
近接時のスラストはかなり素早く、モーションがカッコイイ。
さすがに相手は訓練用VF。ダメージをくらわないわけではないのだが、怖くはない。なんというか圧を感じない。
これなら、最終的にライフル一本で戦ったリヴェラの方が怖かった。
もっともその時は、こっちはUFだったけど。
まあ、訓練としてはちょうど良いのだろうが……
物足りん!!!
なんというか、良い殴られ役って感じだろうか?
もう少し本気でやり合った時の性能を知りたいんだけどなー。
はあ、仕方ないか。まあ、ショットガンも刀もある程度の性能は分かった。
近接武器、結構強いな。
スラストによる踏み込みの時の加速がかなりいい。結構敵に吸い付く感じで。
ショットガンは、悪くはないのだが……なんだろうな、物足りなさを感じる。
ソードオフだからかもしれない。
それと、近距離で強いのはいいけど、実戦なら中距離も視野に入れたい。無理に近づくと被弾が増えるしなー。
攻撃はすべて躱せないからな。だからこそHPで受けられる中量機体なわけだし。
受けきれるかな? 仮想敵はUF4機とVF6機。
乗りと勢いだけで来ちまったからな。
まあ後悔はしてないしVFデビュー戦にはちょうどいいかもしれない。
「よし、気合入れるか!」
金を稼いだら最初の大物賞金首だな。
マフィアだっけか。可哀そうに、俺たちに首獲られるんだからな。
意識を目の前の敵機に戻す。
クイックスラストで詰めると大太刀を振りぬいた。
敵機の機体耐久値が0になり小爆発を起こした。
『敵機の撃破を確認。お疲れ様です、以上で操作訓練を終了します』
行こう。デトも終わったころだろう。
次は実戦だ。