夜。
街には戦いの痕跡が残っていた。
ノイズによる被害。
ネフシュタンの鎧を纏った少女。
そして。
その場に現れた謎の存在。
ブラッドスターク。
彼の存在は。
装者たちに新たな警戒を生んでいた。
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特異災害対策機動部。
第二課。
会議室。
大型モニターには、先日の戦闘映像が映し出されている。
「ネフシュタンの鎧。」
風鳴弦十郎は腕を組む。
「それに、こいつだな。」
画面に映るブラッドスターク。
戦場で翼や響、クリスの攻撃を軽々とかわす姿。
「敵なのか味方なのか。」
緒川慎次が答える。
「現状では判断できません。」
「ノイズと共闘した記録はありません。」
「しかし、装者への接触を繰り返しています。」
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翼は映像を静かに見る。
あの男。
ブラッドスターク。
力はある。
だが。
戦う意思がない。
まるで。
全てを観察しているようだった。
「……信用できない。」
翼が呟く。
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「翼さん。」
響が声をかける。
「大丈夫ですか?」
翼は少し驚いたように振り向く。
「……問題ない。」
いつものように冷静な返答。
しかし。
響には分かった。
翼がブラッドスタークを警戒していること。
そして。
何かを一人で背負おうとしていること。
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「翼さん。」
「私、あの人……ブラッドスタークさんのことも気になりますけど。」
「クリスちゃんのことも気になります。」
翼の表情が変わる。
「立花響。」
「彼女は敵だ。」
「でも……。」
響は拳を握る。
「クリスちゃん、苦しそうだったんです。」
「戦いたい人の顔じゃなかった。」
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翼は黙る。
響の言葉は。
時に無謀だ。
だが。
人の本質を見ようとしている。
「……。」
「貴様は。」
「なぜそこまで他者を信じられる。」
響は少し困ったように笑う。
「分かりません。」
「でも。」
「困ってる人がいたら助けたいって思うから。」
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一方。
街の片隅。
クリスは一人歩いていた。
ネフシュタンの鎧。
その力。
絶対的な力。
誰も逆らえない力。
フィーネの言葉が蘇る。
『圧倒的な力があれば、人は争うことをやめる』
『あなたなら世界を変えられる』
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「……。」
クリスは拳を握る。
「私は……間違ってない。」
「この力があれば。」
「争いはなくせる。」
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しかし。
響の顔が浮かぶ。
『クリスちゃん』
『そんな顔で戦わないで』
「……バカ。」
小さく吐き捨てる。
「何も知らないくせに。」
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その時。
「いやぁ。」
「難しい顔してるねぇ。」
クリスは即座に振り向く。
「……またか。」
ブラッドスターク。
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「そんな警戒しなくてもいいじゃない。」
スタークは笑う。
「俺はただ話をしに来ただけ。」
「信用できると思うか。」
「まあ。」
「普通は無理だよねぇ。」
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クリスは銃を構える。
「何の目的だ。」
「目的?」
スタークは肩をすくめる。
「君が面白いから。」
「……ふざけるな。」
「いやいや。」
「結構本気だよ?」
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スタークはクリスを見る。
「世界平和。」
「争いをなくすための力。」
「立派な考えだねぇ。」
クリスの目が細くなる。
「……。」
「でもさ。」
スタークは続ける。
「その話。」
「誰にもしてないでしょ?」
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クリスの手が止まる。
「何を……。」
「だって。」
スタークは笑う。
「本当に正しいと思ってるなら。」
「もっと堂々と言えるはずじゃない?」
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クリスは銃を握る。
「私は……。」
言葉が止まる。
「私は世界を変える。」
「それだけだ。」
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「そっか。」
スタークは笑う。
「じゃあ。」
「その答えを最後まで貫けるか。」
「見ものだねぇ。」
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その頃。
nascita。
石動惣一はカウンターを磨いていた。
「いやぁ。」
「最近は物騒な話ばっかりだねぇ。」
客に向ける穏やかな笑顔。
誰も疑わない。
ただの喫茶店のマスター。
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しかし。
その裏側。
エボルトは世界を見ていた。
かつてなら。
利用して終わらせていた。
だが。
今は違う。
人間が。
自分の意思で選ぶ瞬間。
それを見ることを楽しんでいる。
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「響。」
「翼。」
「クリス。」
「フィーネ。」
盤上の駒たち。
しかし。
彼らはただの駒ではない。
予想外の答えを出す存在。
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「さて。」
ブラッドスタークとして。
エボルトは笑う。
「次はどんな面白いものを見せてくれるかな。」
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