ハジマーリの街で恐れられる悪の組織「ワルーイ一家」。構成員五十人超、見た目も評判も悪党そのもの。だが実態は、誰よりも筋を通し、弱きを助ける義賊だった。
頭領スッゴクは、育ての子ユーシャの才を見抜き、非情な決断を下す――追放。
残された言葉はただ一言、「強くなれ」。
苗字を貰えると信じていたユーシャは、真意も知らぬまま旅立つ。だが頭領も、一家の面々も、陰から彼を守り続けていた。気付かれないように、ただひたすらに。
血の繋がらない家族が紡ぐ、不器用で優しい物語。