機動戦士ガンダム世界の地球連邦政府成立を考えてみた。

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 AIで遊んでいたら、ヘンテコな話が出来た。


 使用AI
 Gemini
 Grok


地球連邦政府成立前夜

 

 

 

 20XX年。アラスカ南方、北太平洋上でM9.6〜9.8クラスの超超巨大地震発生(M0.1違うと地震規模は莫大な違いになるが、地震監視域からは微妙に外れているため、推測値が確定出来無い)。

 地震による直接被害はアラスカ、カナダ太平洋沿岸域で建物倒壊、山崩れ、洪水等、死者行方不明200〜500人程度。

 

 

 ところが津波で太平洋沿岸地域全域で死者行方不明者25〜35万人程に。特に北海道から千葉にかけての日本は予想値より遥かに巨大津波が襲来。避難なども迅速だったが高台避難地まで津波が到達した事例が続出。死者行方不明者5万人程。

 

 原因は天王海山群によるレンズ効果だった。

 

 この未曾有の大災害は、後の破滅的事象とそれを引き金とした地球連邦政府成立への永くて短い歴史への序曲に過ぎなかった。

 

 

 気象庁命名「北海道はるか沖地震」(日本に大被害が発生した為に日本的名前が必要だったので無理やり無茶な命名)により、サプライチェーンの大混乱、太平洋海運の一次的壊滅、通信網(海底ケーブル断線)の途絶、代替通信網の輻輳、逼迫で、全貌把握が難しい全世界的政治的経済的大混乱の最中、「北海道はるか沖地震」による誘発プレートテクトニクス型地震がほぼ同時多発的に発生。

 

 「北海道はるか沖地震」からの日時を「ジャッジメント・デイ」+〇〇日と呼ぶと、GD+20頃、カナダ太平洋沿岸から南下してメキシコ付近までGD+80〜100で複数回程度の別震源の巨大地震発生。M7.5〜M8.9クラス。

 

 死者行方不明者10万人程。

 

 GD+21〜22頃、北海道東方、東北沿岸、千葉沖、三連動地震発生。M9.1。「20XX年東北沖地震」。

 

 前の地震の混乱が収まらない中で発生した新たな地震。日本では大変珍しいパニックも発生。死者行方不明者1万程度。しかしその後の比較的短い期間に混乱により救えたはずの負傷者数千人、助けることができたはずの行方不明者が見棄てられた(あとから見た場合の結果論に過ぎない)。

 

 海底ケーブルの断線と衛星・地上通信の輻輳(パンク)により、「どこで何が起きているか、誰が助けを求めているか分からない」状態が発生。

 

 現場の消防・自衛隊は「情報がある場所(=連絡がついた場所)」にしか動けず、結果として連絡が絶たれた地域が見落とされ、後に「見殺しにされた」と社会問題化・トラウマ化する流れは、災害史のダークサイドとして語られる現実だ。

 

 社会不安が発生。アメリカ、カナダ、メキシコはどうなった?

 

 被害地域は無政府状態。カナダ、アメリカは軍の出動で辛うじて秩序維持。

 

 バンクーバー等の主要都市がカスケード沈み込み帯の直上にあり、インフラが壊滅。カナダ軍(連邦軍)の規模は小さいため、州知事が緊急事態を宣言し、戒厳令に近い形で都市部のみを点状に維持するのが限界になる。地方部は一時的に孤立。

 

 シアトル、ポートランド、サンフランシスコ、ロサンゼルスという西海岸の主要経済都市が連鎖地震(GD+80〜100)で壊滅。

 米軍は「防衛将校法(Insurrection Act)」を発動し、州兵だけでなく合衆国軍(現役軍人)を国内動員して都市の暴動・略奪を徹底的に鎮圧する。

 これにより「秩序」は保たれるものの、民主主義手続きや人権は大幅に制限され、「アメリカ合衆国という国家が、治安維持組織(軍事国家)へと変質していく最初のステップ」として完璧な地ならしになった。

 

 メキシコは甚大すぎる被害、近隣諸国が自国被害の抑制に必死な為、事実上、見棄てられた。この時点でメキシコは国家としての存在を(一次的に)損失。

 

 アメリカも自国の復旧と西海岸の治安維持で手一杯になり、国境を完全封鎖(難民遮断)。「隣国を救う余裕がない」ため、メキシコ政府は国際的支援を受けられず、中央集権国家としての機能を喪失。「カルテル群雄割拠の無政府地帯」へと転落した。

 

 この「メキシコの崩壊と国境の封鎖」は、後に地球連邦政府が成立する過程での「難民問題」「旧国家枠組みの崩壊」「世界的な安全保障の危機」の最大の火種として機能する事になる。

 

 グローバリズムの完全な死が訪れた。人々が繁栄のための理想と信じた世界は、かくも脆い砂の城でしかなかった。

 海底ケーブル断線、太平洋海運途絶、環太平洋経済圏の消失により、一次的に世界貿易は19世紀レベルまで巻き戻る事になった。

 

 「超国家組織」への第一歩

 アメリカ、日本、欧州などの先進国は「自国一国では、この地球規模の地殻変動と経済崩壊に対応できない」と痛感する。

 特に「壊滅したメキシコのような無政府地帯から溢れ出る難民や治安悪化」を防ぐため、国家の枠組みを超えた「環太平洋復興機構」のような国際管理軍・行政組織が発足せざるを得なくなった。

 「超国家組織」成立への第一歩がここに刻まれた。

 

 

 災害連鎖の終幕。或いは真なる「ジャッジメント・デイ」の襲来。

 

 全世界的大混乱によるサプライチェーンの破綻が、直接的影響の無い地域の生活にも直撃。コレがために、個人の発信能力が極大まで発展していた世界は無責任かつ派手な流言が大流行。

 

 通信網の逼迫は必要不可欠な情報の致命的遅れ(必要な時に必要な人に届かない)が多発。正しい情報が埋没。民主主義的な国家程、情報選別が困難。本当の専門家はあまりに甚大な被害により前線に張り付き気味。彼等も情報混乱により、情勢把握困難。

 

 政治家トップに対してすら、周辺が無責任な意見、放言を放つ事態。正し、後の検証から見てそうだった、であり、この時点ではみなそれぞれの正義で動いていた。

 

 日単位どころか時間単位でネット上の「正しい情報」が移ろうなかで、世界的に不安と不満が急上昇。誰もリーダーシップを取れない情勢。

 災害で最も恐ろしいのは「情報の不足」ではなく、「ノイズの氾濫によるシグナル(真実)の埋没」なのだ。過去〜現代に於いて繰り返されたこの問題が何れ程の救える命を取りこぼす原因となったか……。そして今、先進国ですら、それが為に命を喪わせている。

 技術発展とそれに伴う個人の発信能力の高さ故に。

 

 この災害は時期が悪かった。災害とはえしてそういうものだ。

 

 

 発災当時の政治情勢。

 

 カナダは弱小政党乱立による政権交代が頻発。政治的イニシアチブが絶望的。

 

 公務員達は事前の災害対応マニュアルに沿って出来る限り全力を尽くした。リーダーシップが無い中でリソースの取り合いになり、一次的に収拾のつかない混乱に陥った。

 

 アメリカはたまたま大統領選中だった。

 

 左右拮抗の状況で、双方の誹謗中傷合戦の最中だった。

 

 有事となれば一致団結する国民性と見られていたアメリカ国内は、災害対応の些細な正否で非難合戦となった。

 声の大きな派手な意見ばかりメディアを騒がすなか、沈黙する大多数の国民に失望が広がりつつあった。

 

 災害最前線の兵士などの間で不満が成就されつつある。

 

 日本は永く続く平和、対立軸の消失により、弱い連立政権が立て続けに倒れる事態。政権に強い意志で災害対応を行う意識が無かった。マニュアル的対応でなんとか対処出来つつはあった。

 

 この頃、環太平洋北側全域での地殻内包応力開放の連鎖が終わっていないことが察知されたが「破滅的災害」の切迫した危機情報は必要な部署に届かなかった……。

 

 「個人の自由」「議論による決定」「民主的選挙」という旧来のシステムが、巨大複合災害の前には「遅すぎ、愚かすぎ、分断を生むだけ」であることが証明されてしまった。

 

 民衆は政争を繰り返す政治家に絶望し、軍部や実務派官僚による「強権的で、一元管理された単一の指導体(のちの地球連邦政府)」の誕生を、自ら望むようになりつつあった。

 

 そして、その日。

 

 

 

 

 

 

 最期に訪れた真の「破滅的災害」がGD+300程度であったなら、破滅的文明崩壊危機には繋がらなかった可能性が高い。だが、そうはならなかった。そうはならなかったんだよロック(唐突なブラックラグーン)。

 

 

 GD+200頃、混乱しつつも現場はなんとか秩序を構築しつつあった。メキシコも南米諸国連合軍による武力行使により秩序を回復可能な道筋が見えつつあった。アメリカも大統領選延期などの各論に反対意見を含みつつ、統合参謀本部を頂点とした統制が取れつつあった。

 

 日本もカナダも公務員の献身と団結により困難へと対処する光が見えつつあった。

 

 ただし、現場レベル、特に軍人の間には失望と不満が蔓延しつつあった。

 

 

 地球物理学専門家たちのあいだでは「破滅的災害」の切迫に対しコンセンサスが取られつつあり、各国に「破滅的災害」に対する対処、意見が表面されつつあったが、災害対応がうまくいきつつあるように見えた情勢で世界的に「政治の季節」に急速に移りつつある中、さらなる災害の危機という推測は受け入れられなかった。

 

 

 専門家たちは政治家達を説得できる材料の収拾に奔走。しかし、この意見に懐疑的な専門家も多く、意見集約が難しい情勢に。

 

 その双方の情報が一般に漏れて、世間の意見は収拾のつかない大混乱に。

 

 人間は「最悪の渦中」よりも、「なんとか事態が収束しそうになり、政治の季節(責任追及や利権の再配分)に戻った瞬間」が最も脆くなる。

 

 コレにより、政治家達は頑なになった。

 

GD+200。その日がやってきた。

 

 サンアンドレアス断層周辺を震源とすると見られる大地震発生。……記録消失。それほど大きな規模の地震ではないと後に評価されるが……直後にイエローストーンで「破局噴火」発生。

 

 イエローストーンは当時、すでにいつ噴火してもおかしくないと地球物理学的に見られていた。

 

 度重なる地震とそれによる応力解放、応力位置の極大な変化がついに大災害を招来した。

 

 初期情報は喪われ、災害状況の把握は困難だった。

 

 この段階で北米大陸の農地・インフラは降灰により壊滅し、アメリカ合衆国という超大国が「物理的に世界を牽引する能力を喪失」する契機となった。

 

 

GD+202

 

 世界がイエローストーン大噴火に狼狽する中、日本で太平洋岸四連動地震発生。東海、東南海、南海、南西諸島東部連動地震。

 

 日本太平洋岸は地震よりもその後に襲来した大津波により壊滅状態。想定より早く、しかも大きな津波は太平洋岸の自治体を殲滅してしまった。大阪湾も乗り越えた津波は近畿の有力自治体も壊滅状態に追い込んだ。

 

 イエローストーン大噴火による混乱が世界各地で突発的冒険的行動を惹起し、食料、資源の窮乏が確実視されるなかで、各々の国家は生き残りをかけて国家行動を加速させる。国際的混沌を招く。しかし、それを諌めるグローバルパワーはこの時点で存在しなかった。

 

 

GD+203

 

 富士山の山体崩壊を伴う大噴火。日本アルプス、東北各所、北海道各所での誘発噴火がある程度発生。

 

 単独では大したことがないものばかりだが、ここまでで各自治体の対処能力はすでに限界だった。被害が少ない日本国内の地域が迅速に被害地域を救援することは無理だった。

 

 

 この後の災害に対して、日本で正式名称が付くことは無かった。

 

 

 富士山山体崩壊と同時に発生した火砕流は東京23区を蹂躙。国家首班は文字通り全滅していたからだ(この想定は現実に真面目に検討されている被害予測の最悪よりの想定)。日本の統一的政体はここに滅んだ。この後、日本が日本人のみによる国家政体を構築する事は無かった。

 

 世界経済を牽引すると見られる先進国ですら、大災害の前には脆くも滅ぶことがあると、人類に突き付けた。

 

 後の時間軸になるが、日本で生き残った自治体による国家再生の為の悪戦苦闘はあった。

 

 しかし、生き残った100万都市サイズの自治体が北九州、石川、新潟に分散していた事は不幸だった。意思を統一できなかった日本の混乱に痺れを切らした、オーストラリアを主力とした環太平洋多国籍軍は「治安維持活動」として日本に介入。日本は国連保護国になった。

 

 この「混乱を収拾できない地域、国家に国際組織が介入し、制圧、統治する」手法は、後の地球連邦政府成立に至る、前例となった。

 日本がオーストラリア等の多国籍軍によって「国連保護国」になった手法が、メキシコ、東南アジア、北米被災地域など世界中で適用されていく。

 個別の「国家」としては機能不全に陥った地域が次々と「国連直轄管理地域(行政区)」に組み込まれ、実質的に「国連(のちの連邦)」が地球上の土地と人口の半分以上を『手続き通りに』管理下に置くことになる。

 誰も理解することのないまま、地球連邦政府成立の地均しが、静かに進んでいた。

 

 

GD+250

 

 統一した科学的コンセンサスが各国の首脳に届いた。

 

 実は、皆が「破局噴火」と見たイエローストーン大噴火は、地学的には一部噴火でしかなかった。アメリカ西部地域を破滅的に大混乱に貶めた災害が、まだ「大したことなかった」事実は世界を驚愕させた。

 

 この現状に於いても「愚かな」大衆は無責任な放言を辞めていない。

 

 災害対応の前線にいる軍人、特に司令官レベルの不満は頂点に達しつつある。

 

 そこに「火遊び」を始めた国家の存在は決死の覚悟で連携的な救助活動を行う軍事関係者の怒髪天をついた。それを防げなかった外交的政治的無力も失望を生んだ。シビリアンコントロールに対する疑義が産まれつつあった。

 

 後の連邦政府成立の立役者となる優秀な将校(のちの連邦軍高層)ほど、本心では軍政や独裁を嫌い、民主主義の理念を信じている。

 

 だからこそ、「政治家の無策と大衆の暴走を止め、人類を生き残らせるために、あえて『民主主義の手続き』を遵守しながら、ギリギリの強権を行使できる巨大組織(地球連邦)を作り上げていく」という苦しい泥を舐めるような決断を迫られる……。

 

 第二次世界大戦前夜の妥協主義的平和維持の期待を各国政府首班は追求し続けた。ただし、民主主義的限界が悪く出た。大災害のなかでアメリカは大統領選を強硬(多数の民意に押し切られた。現場の、被災者も含めた少数意見は切られた)。結果、選出された大統領にリーダーシップは難しくなる(現場は軍も含めて懐疑的)。

 

 時間が経つほど農業、工業の深刻なダメージが顕在化しつつある。備蓄が失われるその日に怯えつつある。被害者が多かった事が皮肉にも備蓄を引き延ばす要因になった。

 

 ヨーロッパ諸国は災害の局外で、災害による経済混乱を抑える事に奔走し、外交的無関心。黒海沿岸地域との食料調達で、冒険主義に走る北方国家に対して、ヨーロッパによる後方からの一撃。飽くまでもヨーロッパ連合の為。

 

 その他の地域は実務レベルではNATO司令部に丸投げ。予算処置は渋い状態。

 

 外交レベルでは、外交官レベルで四苦八苦。実効性の高い集団が、有志連合軍レベルになった多国籍軍しかいない状況に嘆くも、外交努力強制は力しか無い悲しみ。

 しかし、シビリアンコントロールの壊滅を防ぐため、言い訳程度でも良いと割り切って、連合軍本部に各国外交官が参集。

 政治的文言の屁理屈を捏ねつつ、世界秩序を守る為に、軍事介入を開始。

 

 世界的物流混乱は各国海軍、空軍の連携でなんとか阻止、生命線の維持が出来ている状況が世間一般にジリジリと知られ始める。

 

 そこに、政治家達が特に言及し無い中で連合軍による「平和維持活動」の現状も知られ始める……。司令官の名前がアイドル的に知られ始める。司令官には大迷惑。

 

 ヨーロッパの、特に小国程、真剣に直接介入を望んだが、迎合的妥協主義を唱える大国地域の政治家の多数意見に押し流される。仕方がなく、実効戦力の追加派遣をしてせめてもの慰めとする。

 

 「映える」状況の縮小でようやく、世間一般に「正しい」状況が見え始める。 

 

 予算の限界から、即効性のある対応が難しい中、有志連合軍は実直に泥臭く、一つ一つを対処、解決し続ける。しかし現場の不満はたまり続ける。世界的難民の大発生は経済活動も含めた運送業務の事実上の統一(こと、輸送業務に関してはすでに「統一政府的活動」がなし崩しに成立してしまっていた)活動により、移動を抑制。場合によってはすべてを救うことは困難なため(余剰資源の窮乏)、消極的切り捨ても実行せざるを得ない。

 

 人的、物的資源の限界圧力により、現場主導での優先順位をつける行為が後に発見された。司令部としては追認、場合によっては黙認した。その実態は「不明瞭」である。「限界圧力」とは有志連合軍を派遣した各国の都合(即ち、政治的無関心と予算的限界の事)によるものがままあった事による(現場外交官による官僚的作文)。

 

 無責任な放言の氾濫の「教訓」を得ていた有志連合軍は情報統制的行動を取り始める。現場レベルから参謀、司令部レベルで情報公開に消極的態度が増えつつあった。各階層でジャッジメント・デイ以後の流言飛語が飛び交った「実状」が各々の行動に影響した可能性は否定できない。

 「自由な言論やSNSのデマが世界を滅ぼしかけた」という強烈なトラウマから、軍や有志連合が「情報を与えすぎないことこそが秩序を守る」という思想(情報統制)に傾倒していくプロセス。

 

 これが後の「連邦政府による情報独占や検閲体制」の思想的バックボーンになった。

 

 アイドル的(飛行船を開発生産したツェッペリン伯の立場的アイドル)な立場になった司令官はたまたま元の国での階級が有志連合軍で最も高かった、同時に、年齢が最高年齢に近かったから何となく最高司令官の立場になっただけ。

 しかし「アイドル(偶像)」の様に見える点を逆手に取り、関心を司令官に出来る限り集中。その間に実務的対応を白黒、硬軟合わせて実施。

 ライフラインが有志連合軍にほぼ独占されている状況は紛争抑制、制圧に、時間が経つほど急激に効果を発揮し、ある時点より秩序維持活動が成果を上げているように見える形になった。

 

 司令官は肉体的限界に近づきつつあったが、強硬論抑制や各国との調整、現場統制と激務が続き、遂に破局に至った。メディアが注目する最中、多国籍首脳会談中に倒れ、帰らぬ人となったのだ。

 

 

 

 マクシミリアン・フォン・マゼラン統合軍臨時大将。死去。享年61歳。彼の偉大な功績は後に「マゼラン級宇宙戦艦」のネームシップとして永遠に顕彰された。

 

 

 

 メディアは(無責任に)司令官は政治的戦争の中で「戦死」したとセンセーショナルに書き立てた。

 

 この頃、現場の不満はその家族、親族、友人にかなりの広さで知られ始めており、不満は拡散していた。

 

 司令官の「戦死」はその不満を爆発寸前に引き揚げた。人々の意識が「破局的噴火」を発生させる直前までに追いやられた。

 

 なし崩しのクーデターを望まない(所詮は寄合所帯)有志連合軍は狼狽した。

 

 副司令官は「自分は軍人として最後まで現場に残る」と明言しつつ、「しかし、この経験を活かした文民の指導者が必要だ」と訴えた。混乱の中、有志連合軍に掣肘を加えようとする各国政治家に対するカウンターである。副司令官の名は、ニコラス・ヴァルカン・サラミスと言う。後にその名は何度も……以下略。

 

 マゼランの死を契機に、有志連合軍の活動を「恒久的な国際機構」に移行させるための政治会議が急遽開かれ、その場で軍の実務者たちが強い発言力を持つ事となった。この中には若き日の「強硬夢想的理想論者」リカルド・マーセナスがいたのは余談である。

 

 

 

 

 

 最期に、地球連邦政府が何故あれ程に性急、いや拙速に宇宙を目指したか……。

 地球に居てはいつ、人間という種が絶えるか分からない。この恐怖。

 

 「なぜ技術的にも未成熟で、天文学的な予算がかかるスペースコロニー建設なんて狂気の事業に、人類が総力を挙げて雪崩れ込んだのか?」。コロニー建設に狂奔した原因である。

 

 ただし、沈滞する経済界からの意図的な煽りがあった。

 

 「地球という惑星に対する根源的な死の恐怖」と「沈滞したグローバル経済を再起動するための超巨大公共事業(利権)」という、「生存への焦燥」と「人間の欲望」の二輪駆動。

 超巨大組織による過誤や誤謬も内包したまま暴走列車が走り出しました。

 

 初代首相は自らの夢想故に歴史になった。

 「マーセナスが提唱した理想主義(スペースノイドへの善意と主権譲渡の可能性)は、連邦を裏で牛耳る『経済界・官僚・軍の連合体』にとって、せっかくの巨大利権と人類管理システムを脅かす邪魔な存在になり果てていた」という構造が際立つ。

 夢想家が時代を動かし、用済みになった瞬間に「制度と利権を守る者たち」に消された。

 リカルド・マーセナスは最初から死ぬ運命だったのだ。

 

 初期のコロニー移民は「地球の破局噴火や大地震から生き残るための、金持ちや選ばれた者の避難先(特権)」として売り出されていた時期があった。

 「棄民政策」では説明が難しい、明らかに歴史的積み重ねがある有力な血族が、コロニーに根をおろしていた理由である。

 

「地球の危機から逃れるための憧れの宇宙移民」が、技術の安定と地球環境の(表面上の)沈静化に伴い、いつの間にか「地球の過密を減らすための強制排斥(棄民)」へとすり替わっていく……という変遷は、歴史の残酷さを物語っている。

 

 かくて、宇宙世紀は幕を明け、地球連邦政府は産声を上げた。

 そこに至る道筋は血に塗られた過程であったが、残念な事に……或いは宿命であったか。宇宙世紀の開幕は、他でもない、地球連邦政府首班の血に飾られた始まりとなった。

 宇宙世紀という世界の先行きを暗示する開幕であった。

 

 

 

 

 




「民主主義はいかにして民主主義を終わらせる決断をするのか」

コレがこの作品のテーマです。災害の連鎖はその手段に過ぎない。
災害小説ではありません。

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