今回は閑話で、プール回の少し後の話です。初めて物語に一切主人公が登場しない回になりました()
さとり「ふぅ……。」
私は今、紅魔館のお風呂をお借りしている。プールで遊んで体が冷えているので温めるためなのと、体の汚れを落とすためだ。(プールに入ると体が汚れることがあるらしい。そうパチュリーさんが言っていた。)
こいし「あったかーい!夏でもお風呂は気持ちいねー!」
さとり「ふふ、そうね。」
お風呂に入って無邪気に笑うこいし可愛い……。
……それはともかく、今私は1人でお風呂に入っているわけではなく、こいしとレミリアさん、フランさんに咲夜さんの5人で入っている。レミリアさんとフランさんは咲夜さんに体と髪を洗ってもらっている最中だ。
フラン「やっと洗い終わったー!!」
こいし「わっ!?ちょっとフランちゃん、飛び込んでこないでよー。」
咲夜「そうですよ妹様。お風呂には落ち着いてお入りください。」
フラン「あはは……ごめんごめん。」
レミリア「まったく、落ち着きがないんだから……。……ふぅ……気持ちいいわね……。」
そのまま私とレミリアさんはまったりとした時間を過ごし、こいしはフランさんとお喋りをしていた。咲夜さんは少し離れた場所でお湯に浸かっていた。
……鼻血が出ているように見えるのは気のせいかしら……?…………素で出ているようね……。
咲夜さんの心を読んでみたところ、どうやらレミリアさんとフランさんにそういう目を向けた結果、鼻血が出ているようだ。
レミリア「ほんと、悠翔には困ったわ……。フランから呼んだとはいえ、フランの兄になる気満々なんだから……。」
さとり「……本人は兄になる気は無さそうですけどね。」
レミリア「……は?どういうことよ。」
さとり「なんて言えばいいんですかね……。年下の子にお兄さんと呼ばれるような捉え方をしているみたいなんですよ。……フランさんの方が圧倒的に年上ですけどね。」
そう。あの時悠翔さんの心を読んでみたが、悠翔さんはフランさんに『悠にい』と呼ばれることに対してそういう捉え方しかしていなかった。一切兄妹という考えが浮かんでなかったのだ。
さとり「なんなら、レミリアさんに追いかけられる前にそのことを言いかけてた気がします。」
レミリア「……ちょっと悠翔に悪いことしたわね……。」
さとり「後で悠翔さんに謝っておけばいいと思いますよ。」
レミリア「そうすることにするわ。」
こいし「お姉ちゃんたち、ちょっといい?」
レミリアさんと話していると、いつの間に近寄ってきていたのか、こいしとフランさんが私たちのもとまで来ていた。
さとり「どうしたの、こいし?」
こいし「ちょっと聞きたいことがあって!……2人は悠翔のこと、どう思ってるの?」
さとり・レミリア「「……へっ///!?」」
さとり「な、なんでそんなことを言わなきゃいけないのよ///!?というか、それは前にも言ったわよね!?」
こいし「確かにお姉ちゃんには前にも聞いたけど……どうして好きになったのかは聞いてなかったから!」
レミリア「悠翔のことをどう思ってるかって……それ、話す意味あるのかしら……?」
フラン「あるよ!みんな悠にいのことが好きなのは分かるけど、それが友達としてなのか異性として好きなのか知りたいの!」
レミリア「な、なるほど……。……その、フランは悠翔のこと、お兄さんみたいに思ってるのよね?」
フラン「…………///。」
レミリアさんの問いかけに対して、フランさんは無言で頬を赤らめる。
レミリア「……嘘でしょ?」
フラン「……異変の時に、悠にいに助けられたでしょ?その時にはもう気になってて……さっきまた助けられたので完全に好きになっちゃったっていうか……///。」
レミリア「じゃあ、悠にいって呼んだのは……?」
フラン「……もっと心の距離を縮めたいなって思って……///。」
レミリア「そう……なのね……。(まさか……フランがライバルになるなんて……。)」
フラン「お姉様こそどうなの!?私に聞いておいて自分は言わないのは無しだよ!」
今度はレミリアさんの番だとフランさんが詰め寄る。
レミリア「わ、私は別に……。」
さとり「さっきフランさんがライバルになるなんて……って考えていたのにですか?」
レミリア「ちょっ、さとり!?」
レミリアさん……自分は違うみたいに振舞おうとしてたみたいですけど……この場に私がいるんだから無駄ですよ?
こいし「ちなみに、私もお姉ちゃんもレミリアお姉ちゃんが悠翔のことが好きなのに気づいてるからねー。」
レミリア「うぅ……。わ、分かったわよ……。」
こいしに詰め寄られて、ようやくレミリアさんが口を開いた。
レミリア「お泊まり会をした時に……私は、
こいし「主に相応しい振る舞い……そんなのしてたっけ?」
レミリア「してたわよ!!……今日はあんまりしてなかったと思うけど……。」
さとり「悠翔さんの前でしたもんね。」クスクス
レミリア「笑ってるんじゃないわよ!?……というか、さとりこそどうなの?あなたが1番悠翔に惚れてるでしょ?」
レミリアさんにそう聞かれ、私は顔を少しうつむかせる。
……私の顔、絶対赤くなってるわね……。
さとり「そう……ですね……///。やっぱり、私の能力を知っても、私に嫌悪感を抱かなかったところですかね……///。……でも、その時はまだ気になってるくらいで……。異変解決の宴会の時に、酔っ払って変なことをして、それで恥ずかしくて逃げた私を追いかけてきてくれて……いっぱい甘えさせてくれた時に、完全に好きになっちゃったって感じです……///。」
レミリア「まぁさとりの能力は人によっては受け入れ難いものだし……よく悠翔はすぐに受け入れられたわね……。」
さとり「本当ですよ……。……だから好きなんですけどね///。」
こいし「へぇ〜、お姉ちゃんはそうやって悠翔のことを好きになったんだね!」
フラン「……こいしちゃんはどうなの?私たちにだけ言わせて自分は言わないのは無しだよ……?」ジトー
こいし「わ、分かってるよー!その……私ね、元々感情が薄かったんだ。」
レミリア・フラン「「ッ……!?」」
咲夜「(なっ……!?まったく気づかなかった……!)」
こいしの衝撃発言を聞いたレミリアさんとフランさんは息を飲み、離れて聞いていた咲夜さんも驚きを隠せていなかった。3人はこのことを知らないし、当然の反応だと思う。
こいし「前に悠翔がそのことに気づいて……私の薄い感情を……閉じた心を開いてくれたの。それで感情を取り戻したんだけど……その時に悠翔の笑顔を見たら……その笑顔が眩しく見えて……///。」
さとり「それで好きになったと……。」
私もこいしが悠翔さんのことを好きになった理由は知らなかったが、言われてみれば確かにそうだ。自分の心を救われた後に悠翔さんの笑顔を向けられたら、私だって絶対に惚れる。
さとり「……全員、何かしら悠翔さんに助けられて惚れたってことなんですね。」
フラン「でも……悠にいってすっごい鈍感だよね……。」
レミリア「私たちが嫉妬してる理由も分かって無さそうだったものね……。」
こいし「私たちの気持ちに気づいてくれるのかなぁ……?」
4人「「「はぁ……。」」」
私たちは同時にため息をつく。すると、お風呂場の扉が開き、パチュリーさん、美鈴さん、こあさんが入ってきた。
咲夜「あら、パチュリー様に美鈴にこあ。プールで泳ぎ終わったんですか?」
パチュリー「えぇ。流石に体が冷えちゃったから……。」
美鈴「いや〜気持ちよかったですね!ずっと外にいて暑かったので助かりました!」
こあ「室内にいても暑かったので……プールができて本当に良かったです……。」
どうやらパチュリーさんたちは、私たちが出た後にプールに入っていたらしい。
……それにしても……。
さとり「……紅魔館の人って、スタイルいい人が多いですよね……。」
レミリア「……喧嘩売ってるのかしら?」
さとり「そういうわけじゃありませんよ。……まぁ、私も言い方に語弊があったのは認めますが……。……レミリアさんは咲夜さんや美鈴さんたちの体が羨ましいと思ったことはないんですか?」
レミリア「あるに決まってるじゃない。……特にあの部分が大きい方が女らしいって感じがするもの。」
フラン「……私たち全然大きくないもんね……。」
フランさんの言葉で、私たち4人は自分の胸を見て再びため息をつく。
こいし「……ねぇ、みんな。私たちは全員悠翔のことが好きだけど……悠翔が選んでくれるのは多分1人だよね?……選ばれなかった時、どうなるのかな?」
フラン「……考えたくもない……かな。」
レミリア「私は……ショックでしばらく立ち直れなくなってると思うわ。」
さとり「……もう永遠に自分の部屋に篭ります。」
こいし「お姉ちゃんそれは流石に……って言っても、私もそうするかも……。」
悠翔さんと恋人になれなかったら、なんて本当に考えたくない。それだけ、私の中で悠翔さんは大きな存在になっているのだ。こいしにレミリアさん、フランさんもそれは同じはずだ。
……どうすれば……?
そう思った時、私の頭に1つの考えが浮かんだ。
さとり「……全員で悠翔さんの恋人になるというのは?」
3人「「「…………え?」」」
さとり「ここは幻想郷……常識が通用しない世界です。普通なら恋人は1人というのが常識ですが、その常識にとらわれる必要もありません。……そう思ったんです。」
レミリア「……さとり、それ……」
レミリアさんが私に話しかけてくる。……きっと、否定的なことを言われると思ったが、
レミリア「……名案よ!」
さとり「……へ?」
フラン「確かにそうだよ!なんで思いつかなかったんだろ!?」
こいし「別に1人だけじゃなきゃいけない理由なんてないもんね!」
全員が賛成しているようで、私はとても驚いた。
さとり「い、いいんですか!?ほら、独占したい人とかいるんじゃ……!?」
レミリア「私は構わないわ。だって……私が悠翔の1番になればいい話じゃない。」
さとり・こいし・フラン「「「……は?」」」
レミリアさんの言葉を聞いて、私とこいし、そしてフランさんが殺気を放つ。
悠翔さんの1番になる?……それはレミリアさんじゃない、絶対に私だ。
さとり「何を言ってるんですか?悠翔さんの1番になるのは私です。レミリアさんじゃないですよ?」
レミリア「そんなこと、誰が決めたのかしら?」
フラン「そうだよ!悠にいの1番になるのは私なんだから!」
こいし「私だって、悠翔の1番は譲れないよ!」
4人「「「「むむむむむ……!!」」」」
私たちは目を合わせて火花を散らす。
レミリア「なら、勝負しましょうか。誰が悠翔の1番大切な人になれるか。」
さとり「望むところです。絶対に負けませんからね!」
こいし「私だって!」
フラン「悠にいの心を奪うのは私だよ!」
こうして私たちは、友人でありながら、同じ1人の男の子を狙う恋敵となったのだった__。
続く
というわけで正式にフランが4人目のヒロインとなります。
そしてハーレムになる(予定)のはさとりたちが考えたことという……なんで閑話で重要なこと話してるんですかね()
ただハーレムにはなりつつも1番(正妻)を争うライバル同士となります。
次回は秋に関する話になります。何人かのキャラが先行登場します!誰が来るか予想してみてください。
1人はかなり後に登場するキャラです。