オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版)
の二次創作になります。
つまり仮面ライダーシリーズの三次創作です。
基本的には主人公があの場面でこんな行動を取った場合の周囲の反応、ぐらいのものであり、物語の大筋を変えるほどの妄想はありません。
転生者とかが知識バレ、転生バレ、実力バレするような場面が好きなので、秘密主義の小春交路君が多少なりとも他者に心を開いた結果、みたいなのを書いてみてます。
こことG4の映画の後辺りは多少ネタバレするポイントになるかな、と妄想してるのでそっちもいつか書くかもしれません。
「良いものを見せてもらったことですし、今ならいくらかの質問にはお答えして良い気分です。俺の答えられる範囲のことなら、お答えしますよ」
「何?」
二十二号の言葉に、機械の仮面の裏側で一条は眉をひそめる。
頑ななまでに警察と繋がる事を避けてきた二十二号が自ら歩み寄るかのような姿勢を見せてきたために困惑したのだ。
何より二十二号は直前に一条の誰何の言葉を蹴って逃走している。
真逆に思えるその行動が、一条にとっては強い違和感だったのだ。
「さっきは逃げておいて、どういう風の吹き回しだ?」
「警察署まで連行されるのは今でもお断りですよ。しかし今は良い場所に移ることが出来ましたから。応援が来るまではそれなりに時間もかかるでしょうし、新たなムセギジャジャの疑問ぐらいには答えてみようかと思いまして。これを後で見る人も、情報の大切さぐらいは知っている人でしょうし」
なんのことはない、二十二号にとってこれはただの気分による行動に過ぎない。
いつも通り関わり合いになるつもりはなかったが、運よく2人きりになる場所に移動が出来て、ついでに魔石も仕込んでしまえた。
ならば少しぐらい、新しい戦士に道標を示してもよいかという気まぐれが出たのだ。
「……ならまず、そのムセギジャジャとはなんだ?」
「グロンギによるゲゲルの参加者、所謂プレイヤーのことですよ。いたでしょう? 昨年散々暴れた奴らが」
「俺がそれになるとはどういうことだ。俺は人を殺すつもりはない」
一条の訝しげな声に、二十二号は手のひらを肩の高さまで上げて呆れた様子を見せる。
魔石を得たばかりだからか、どうも考えが鈍いらしい、と。
「警察も馬鹿ではないんですから、奴らのゲゲルがただ人を殺すことが目的のお遊びではない、ということはなんとなく予想がついているでしょう? ダグバ、第零号がンだったときのゲゲルがあの形式だったというだけで、あれだけがゲゲルというわけでも無いですよ」
「……君は、随分とグロンギの事について詳しいな」
二十二号からより情報を引き出すために、一条は言葉を選んで問いを投げかける。
以前五代が二十二号から受け取った手紙からしても、二十二号が警察や遺跡に残された古代文字を解読してある程度の情報を得た桜子よりもグロンギについて詳しいのは明らかだ。
「ええ、そうです。もしかして俺も奴らの関係者だと思われてたりします?」
「違うのか?」
「心外ですね。俺はこの時代に生まれた1人の人間ですよ。ただ偶然色々な事を知ってしまっただけで」
二十二号の言葉から、今更ながらに一条は二十二号が五代同様にベルトを装着し変身した現代人である事を確信する。
それが確信できない程には、二十二号は警察との接触を避けてきたとも言える。
「どうやって知った?」
「んー、そうですね。……なかなか表現が難しいですが、最近アンノウンに襲われてる人々に共通する点があるのはご存知で?」
「……まだ法則性は見つかっていない。君は知っているのか」
捜査状況について警察ではない一般人であろう二十二号に告げることは憚られたが、しかしここで隠してしまえば会話が終わってしまう可能性もある。
この場で二十二号を捕らえる能力がない以上、情報の引き出しを優先するのが適当だと一条には思われた。
「ええ。あれらが狙っているのはアギトになりうる人物です。厳密に言うなら現代の人類は皆アギトになる可能性を持っていると言えますが、彼らが襲撃するのはその中でもよりアギトに近づきつつある者、広義での超能力者です」
「……それが何故、君がグロンギについて詳しいことに繋がる」
今の二十二号の言葉の中だけでも疑問点はいくつもある。
『人類が皆アギトになる可能性を持っている』とはどういうことか。
『超能力者』など本当に存在するのか。
そうした問いも一条の頭には浮かんだが、結局どこから取り付けば良いかわからず最初の会話を一貫して進める事を選んだ。
「その軸をぶらさない姿勢はとても好ましいですよ。さて、俺が何故グロンギについて詳しいかというと、単純な話ですが俺も超能力者の1人だからです。超能力にもいろいろな種類がある、というのはなんとなく想像がつくと思いますが、俺はその1つとして遠い過去の事を知り、大枠未来のことを知りました。だからおそらく、今の遺跡の調査では出ないような知識も持っているでしょうね」
「……それを信じろと?」
超能力者、という存在自体が眉唾なのに、それで未知の情報を知っていたと言われて、はいそうですかとはならない。
当然ながら一条もそれを信じることはなく、二十二号に問い返す。
「逆に警察は残虐な二十二号の言う事など信じられるので? 無理なことは聞くものじゃないですよ。ですが、警察は聞いてしまったら確証がなくとも動かざるを得ない、というのも知っています。だから今、こうしてあなたにお話している」
「……なんのためだ」
一条の問いに、二十二号は天を見上げて嘆息する。
この辺りの危機感を他者と共有できないことが、絶対的な知として知っている二十二号の辛いところだ。
「この星には、人類への脅威が溢れています。グロンギが始まりではないし、アンノウンで終わりでもない。来年、再来年と新しい脅威がやってきます。1つ1つが解決しても、次がまたやってくる。あるいは今このときも、アンノウン以外の脅威が人類を襲っている」
独白するように告げた二十二号は、一条の方を向き直り、その表情の読めない仮面の向こうから語りかける。
「俺はこの人生で、穏やかな日々を享受したいと思っています。特に派手なことは必要ない、働いて食事をして友人と遊んで眠りにつく、そんな日々を」
「……ならば、君が戦う必要はないはずだ。確かに君には力がある。それは我々警察が持つものより、あるいは五代のそれよりも強いだろう。だが、戦う義務はない。市民を守るのは、我々警察の仕事だ」
警察官として、一条は二十二号を捕らえる責務がある。
しかし個人として、警察官という市民を守る立場にあるものとして、本来なら守られる立場にあるはずだった二十二号に向けるべき言葉は、それだと思った。
彼には彼の目的があって戦っているのだろう。
おそらくは、五代や警察のように人々を守るために戦っているわけではない。
これまで市民を守るような行動を見せたのも、グロンギと戦う中での成り行き上近くにいた人間を守った、程度のものでしか無い。
市民の守り手や警察の協力者というわけではなく、ただ自分の意思で戦い続けているだけの、危険人物に過ぎない。
だが、それでも、彼の言葉を信じるならば彼もまた守られるべき市民なのだ。
警察が力をつけつつある今、もはや彼が戦う必要はない。
「言ったでしょう。この星は人類への脅威にあふれている、と」
だが、二十二号にとってはそれは当たり前のことだった。
警察が力を得た、結構なことだ。
グロンギやアンノウンが出ても撃破出来るだけの戦力がある、結構なことだ。
で? それで?
明日突然二十二号の肉親が何らかの敵対種族に襲われたとして、守ってくれるのか?
「確かに警察は力をつけていると思います。グロンギやアンノウン程度なら任せても良い程度には。しかし、脅威はそれだけではなく、そして人類の社会に浸透している。例えば、俺の守りたい大切な人達が、今この瞬間に襲われたとして、警察は守ることが出来ますか? どこの誰ともしれない人間を」
「……だから、自分の手で戦うというのか」
「はい。どこか遠くで、俺の知らない誰かや俺が知っている程度の誰かが殺される程度ならば俺はどうとも思いません。ですが、俺の大切な人達が少しでも害される可能性があるならば、その芽は摘み取ります。そして俺はいつかより強大な敵がやってくるとわかっているので、常に強くなれるように努めています。俺の穏やかな日々のためには、この人類社会という住心地の良い家が壊れては困りますから」
警察は被害を未然に防ぐことは出来ない。
これはいつの時代も言われてきたことだ。
警察とは基本的に犯罪者を取り締まる組織であり、それは逆説的に『犯罪者が発生することは防げない』事を意味する。
全ての市民を常に守り続け、犯罪の毒牙から守りきるなど到底不可能なことなのだ。
そのことは一条もよく理解しているために、二十二号の言葉にそれ以上反論する気は起きなかった。
無論法律の話など持ち出せばいくらでも咎めようはあるが、二十二号がそんな事を微塵も気にしていないのは明らかだ。
気にしているならば、例え怪人相手であろうとも剣で腹を割いて殺す真似などしないだろう。
「……そうか。俺が何を言おうとも、君が考えを変えることは無いのだろうな」
「はい。ありません。この星が、未知の脅威という可能性を抱えている限り。あるいは、俺より遥かに強い戦士が、俺の大切な人達を何があっても守ってくれると確信出来ない限りは」
「……わかった」
これ以上の問答は無駄だ。
一条はそう理解した。
二十二号は、声からして明らかに子供だとわかっている。
それは実際に会話した五代の証言からも明らかだ。
そのため警察内部では、力を得て危機を知った子供ががむしゃらに抗おうとしているのではないか、という見解も出ていた。
それならば、こちらの話し様によっては戦うことをやめさせ、あるいは情報面で協力を得ることが出来るのではないか、と。
だが、これは違う。
あらゆる可能性を考えて、あらゆる危険を模索して、その上で『自ら戦う力を持ち備えるしかないのだ』と確信してしまっているこれは、警察の説得などで変わるようなものではない。
あらゆる説得は、『その可能性はもう考えた』という事実によって棄却される。
「では、俺はこれで──」
「待て」
背を向けようとした二十二号を一条は呼び止める。
「なんです?」
「君が備える、という行為自体を止めることは我々には出来ない。だがもし、君の言うような脅威があるのならば、我々自身もまた備える必要がある。君が知り、恐れている脅威とはなんなのか、話してくれないか」
それでも。
警察は市民を守る組織なので。
例え市民が自衛の備えをしているとしても、守るための歩みを止めることは出来ない。
一条は、そう確信している。
「……そうですね」
その言葉に胸を動かされたのかどうか。
あるいは二十二号にとって数少ない警察の中でも信じられると思える相手であったからかどうか。
二十二号は足を止め、一条の方へと戻ってくる。
「正直な話、今の警察に全てを話そうというつもりはありません」
「何故だ?」
「脅威は多いと言ったでしょう? 警察がそれに侵食されていない、とは言い切れません。俺が四号のように警察を頼って身元を明かすことがなかったのもそれが理由です。警察という組織は大きく、それに対して外部からの敵対種族の潜入に弱い」
「グロンギのような奴らに入りこまれている、とでも言うのか」
警察に所属する人間として、思わず反駁する一条。
公的な身分として権力を持つ組織が、敵対種族の侵略を受けている、などと、中に居るものとしてはなかなか信じづらいものだ。
だが。
「人型の状態のグロンギを普通の人間と見分けることが出来ますか?」
「それは……」
「奴らはゲゲルをやるために姿を晒して暴れまわったので目立ちましたが、そうではない奴らもいる。人の姿に化け、人として人の社会に人としての身分を得て潜む奴らです。そういう奴らを弾く術を、今の警察は持っていません。だから、警察がそういった力を自ら持つに至るまでは、やはり俺が積極的に警察を頼ることは難しい。もちろん俺の側から警察官を判別することは出来ますが、俺の判断という属人的なものを頼りに人を排除したりはできないでしょう?」
「……そうだな」
「ですが」
これ以上二十二号が話すことはないのだろう。
そう判断した一条が落胆する一方で、二十二号は声を明るくする。
「これを記録して聞いている人が、そこで情報を止めてくれる事を願って、1つだけお話しましょう。これから終わりなき戦いに挑むムセギジャジャに、せめてその始まりを知ってもらうために」
「何?」
「神話のお話です」
そう言うと、一条の反応を待たずに二十二号は語り始めた。
「初めに神と天使達がありました。神は自らの姿を模して人を、天使達を模して動物を作りました」
それは、遠い遠い昔。
有史以前より更に前、もはや誰の記憶にも残らない物語。
「神を模して生まれた人々は、動物に対して優越心を抱き、動物を搾取しました。これに怒った天使達は人間と戦争を始め、力に劣る人間は数を減らしていきました」
今なお続く対立構造のその根底。
人類が初めて牙剥かれたときのことだ。
「これを可哀想に思った高位の天使の1人が、人間との間に子を設け、それを人間の戦う力としました。こうして人と天使の混血児が生まれましたが、彼らはその強大過ぎる力に器が耐えきれず、本来の人より短い寿命しか持ちませんでした」
朗々と、一方的に話し続ける二十二号に、一条は言葉を発さずに見守る。
「人間は戦う力を得ましたが、神は人の形が変わることが許せず、この天使を砕いてしまいました。その砕かれる間際に天使が力を人に託したことで、人間の中からまた新たに力を得た人々が現れました。この力を得た人々は、混血児と違って純粋に力を得た存在なので、混血児のように力によって器が破壊されるような事はありませんでした」
それが何を指しているのか、一条には正確には理解できなかったが、しかし、どこか聞き覚えがあるような気もする。
例えば、最近共闘することがある金の、あるいは緑の戦士達。
「このとき、神のやり方に恐れを抱いた天使の1人が、姿を変えてひっそりと人々の間に紛れました。そして密かに人間を改造して、神に反逆するための戦士を作り始めました。改造された人々は力を高め神を殺すほどの力を手に入れるために、幾度も力ある者を生み出す儀式を繰り返しました」
去年、グロンギはゲゲルを行った。
ゲームとは今では遊戯のように思われるが、原語である英語では必ずしも『遊ぶ』事を目的に限らない。
『ルールが有り』『勝敗を決める』。
その条件を満たせば、ゲームと呼ばれうる。
「儀式で狩りの対象となった人間達は、改造された人類に対抗するために、神の力を託された戦士を模して戦士を生み出す道具を作りました。人の手によるものなので神の力を託された者とは違い欠点はありましたが、その戦士は見事に全ての改造された人類を封印することに成功しました」
そして、ときは現代に戻ってくる。
「封印は解かれました。改造された人類は目覚め、戦士を生み出す道具によって新たな戦士となった人間がそれを打ち破りました。1人の頂点によって率いられた改造された人類の歴史は一度終わりを迎え、そして新たな頂点によって再び始まりました」
事は起き、そして終わった、
1年間のグロンギのゲゲルと、その決着である九郎岳での決闘によって。
「そして今、人間の中に眠っていた、天使から託された力や、天使と人の混血児の力が目覚めようとしています。だから、それを止め力を目覚めさせた者を殺すために、天使達も姿を現し始めました」
「……それが、グロンギとクウガ、アギトとアンノウンの関係だというのか」
「さあ? 俺の力も万能ではないですから。ただ得られた情報をつなぎ合わせて一番納得行く答えを出してみた、というだけです。それに相手がどのような存在にしろ、人を殺している以上は止めるしか無い、でしょう?」
実際のところは二十二号にもわかっていない。
ただ、一番それらしい想像がそうであった、というだけ。
より大きな話であるのかもしれないし、あるいは過大評価でもっと取るに足りない話なのかもしれない。
しかし今、最大限警戒をして筋道を立てるなら概ねそうなる、ということだ。
沈黙する一条に二十二号は言葉を続ける。
「やることは単純です。天使を殺す。高位の天使も殺す。神だって、人から奪うようならば殺す。生憎と、人類の敵はグロンギとアンノウンだけではありませんから。抗うための力すら持っていかれてはたまったものではない」
「物騒だな」
「ですがわかりやすい。でしょう? では」
俺が戦わずとも、人が脅威を打ち払い社会を維持できる日が来ることを願っていますよ。
その言葉とともに、二十二号は一条に背を向ける。
ビルの端から飛び降りていくその背中を、一条はただ見守ることしか出来なかった。
オリ主で振り返る平成仮面ライダー一期(統合版) 様の統合版平成仮面ライダー一期の設定をお借りしていろんなクロスオーバーを妄想している中で思い浮かんだので書きました。
今のところ考えているクロスオーバーは、基本的に原作主人公の小春交路は登場せず統合版の設定を借りるだけになりますが、
・ヒロアカ×仮面ライダー
個性って超能力の派生形だよなー。……これってテオスブチ切れ案件なのでは? という妄想から生まれた、AFOによる人類社会への攻撃と同時進行で ・ゲゲル ・オロチ現象 ・超能力者狩り などが起こって、転生者として知識のある主人公(not小春交路)がいろんなベルトの力を手にしながら抗っていくお話。
・Dr.Stone×仮面ライダー
平成一期統合版をクウガ→アギト→その他ライダー系の集大成として駆け抜けた主人公が、1人だけ石化光線が効かなかった結果世界に取り残されて、そのうち石神百夜達と合流して助けてお話してそのメッセージを千空達に届けるお話。
・FGO×仮面ライダー
『空っぽの星』 世界をゼロから始めよう
とは言ったけれど、本当にゼロにされるとは思わなかった。
という文言が先に浮かんで妄想が広がってるやつ。クウガのベルトって有史以前設定だし、ちょっとこねれば人理焼却でも焼かれなさそうだなというか、極まったクウガにしてアギト、その他平成一期系全部盛りのライダーは地球が消えるぐらいじゃ死なんやろな、という妄想。多分こいつの全力を注ぎ込んだライダーキックはオルトにも刺さる。
テオス周りのFate世界での設定が難しいけど、まあ別々でも良いしそれこそ主人公が星の呼んだサーヴァントでも良いし。
・twst×仮面ライダー
伝導者ものの二次創作ばかり読んでるので、こっちの世界であれこれ経験してきた統合版主人公がツイステッドワンダーランドで発掘されたアークルを見て「あれ、こっちにもグロンギいるんじゃね? てことはテオスもアンノウンもオルフェノクもおるんじゃね?」となって焦ったり教えたりする話。一番原作を知らない。
などなど
私の技量では原作主人公さんや原原作(各仮面ライダーシリーズ)の登場人物達をそれっぽく書ける気がしないので、基本的に統合版の世界観だけ借りてあとはオリキャラで進めることになると思います。
ぶっちゃけ創作元様が面白いのでそっちを読んでほしい。