アンケートしてた主人公の過去話です。
これは万津漠、彼の過去の話。
あまりに辛く、悲しく、凄惨な過去の話である。
漠は、家族と親友と共に、何気ない日々を過ごしていた。
しかし、彼らにはゼッツと似た様な力があった。
「漠!エーテリアスがそっちに行ったぞ!」
「OK!小鷹!任せろ!」
彼は漠の親友、小鷹。
ゼッツとは別のライダー、ノクスとして戦っていた。
『インパクト!パニーッシュ!!』
「デリャアァァッ!」
『グギャアァァァァァァァ!?』
ゼッツの一撃を受けたエーテリアスは、すぐに消滅した。
「やったな漠!」
「ああ!お前が上手く誘い込んでくれたおかげだ!」
そう言い合って、2人はハイタッチをする
「見た感じ人もいないし、そろそろ帰るか。」
「だな。そろそろ帰んないと父さんと母さんに大目玉喰らうし…」
「じゃあ、どっちが裂け目まで先に辿り着けるか競争だな。」
「上等だ!じゃあ行くぞ?」
「「よーい、ドンッ!」」
2人はゼッツとノクスの姿で走り出す。
「ほい!」
ノクスはブレイカムバスターのランチャーモードでゼッツの足元を撃って妨害する。
「どわっ!?おいそれはズルだろ!」
「そんなルールはないぞっ!」
「おっと!?だったらこっちも!オラッ!」
ゼッツはブレイカムゼッツァーでボロくなっていた柱を撃ち、倒す。
「あぶねぇっ!?それはやり過ぎだろ!?」
「先に手出した方が悪いんだよ!」
そんな親友ならではのじゃれ合いをしながら、2人は賑やかに帰って行った。
「ただいまー!」
「お帰り、漠。」
漠が自宅には帰ると迎えてくれたのは、母の
「今日も小鷹くんと遊んでたの?」
「まあね。」
「漠は強いから心配ないと思うけど…あまりはしゃぎ過ぎもダメよ?」
「大丈夫だって。俺たち2人は揃えば最強なんだから。」
「もう…調子いいんだから。」
「父さんには内緒ね?バレたらマズイから。」
「何がバレたらマズイんだ?」
「あ…」
漠が六美に言っていると、漠の後ろには父親の
「また勝手にホロウに入ったのかァァァァ!!」
「大目に見てくれ父さぁぁぁぁぁん!!」
漠は全速力で逃げ出し、零兎はそれを追いかける。
「お母さん。」
「あら、美波。」
そこへ、漠の妹の
「お兄ちゃんまたホロウに入ったの?」
「ええ、小鷹くんと一緒にね。」
「ほんと…好奇心旺盛なのか馬鹿なのか…」
2人はそんな風に会話を交わしており、一方漠と零兎は
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「待てやァァァァァッ!!」
2人とも必死の形相で走っていた。
こんな騒がしくも、楽しく、平穏な日常が続きます様に。
漠はそう願っていた。
しかし、全ては無情にも崩れ去り、奪われる事となる。
あの最悪のホロウ災害、後に『旧都陥落』と呼ばれるあの出来事で、漠は全てを踏み躙られることになる。
その日、漠は小鷹と共に学校に来ていた。
「なあ小鷹、放課後本屋行かね?」
「いいけど、漫画か?」
「そ。最近ハマってるやつの最新刊が出てさぁ。」
そんな他愛もない会話をしている時だった。
ゴォォォンッ!!
爆発したような音が響き渡る。
「なんだ!?」
「おい漠!あれ見ろ!」
小鷹が指差した方向にあったのは、真っ暗なドーム。
『ゼロ号ホロウ』である。
しかし、その様子は明らかに普段と違った。
ゼロ号ホロウが、少しずつその範囲を拡大しているのである。
「待てよ…あっちには、俺の家が…!」
「漠!急ぐぞ!」
2人は誰にも見つからない場所に移動し、ノクスドライバーとゼッツドライバーを取り出す。
小鷹は紫のカプセムを取り出し、ドライバーの窪みに嵌める。
『シャドウ』
漠はデュアルメアカプセムをセットする。
『カタストロム!!』
「「変身!!」」
2人は同時に掛け声を上げ、小鷹はドライバーを回転させ、漠はボタンを殴り押す。
『ハッハッハッハッ!!ライダー ノクス…ノクス…ノクス!シャドウ』
『パルバライズ ライダー! ゼッツ!ゼッツ!ゼッツ! カタストロム!』
そして2人は全速力で走り出し、ゼロ号ホロウへと向かった。
「ハッ!セヤッ!」
「タァっ!」
ゼッツとノクスが向かった先にいたのは、ゼッツドライバーに似た赤いドライバー、ロードインヴォーカーを装着し、ノクスにどこか似たフォルムをした姿、ロードファイブとロードシックスとなりエーテリアスと戦う五徒と六美だった。
「父さん!母さん!」
「漠!小鷹くん!」
「助けに来ました!」
「助かる!漠と小鷹くんは美波をホロウの外側に連れて行ってやってくれ!耐性はあるが、この濃度のホロウにすでに何十分も居る!危険な状態だ!」
「分かりました!」
「けど、父さんと母さんは!?」
「私たちは心配無いわよ!」
「ああ!何たってお前の親だからな!」
「っ…わかった…必ず、戻ってくる!」
漠は本音を言えば、2人と共に戦いたかった。
しかし、2人が妹を助ける様に促し、さらには2人が実力者であることを知っている為、漠はその言葉を信じ、ノクスと共に美波をホロウの外へと連れて行った。
「そうだ、それでいい。六美!漠に心配かけない様に、もうひと頑張りだ!」
「ええ、分かってるわ!」
すると、そこに1人の人物が現れる。
「お二人とも、お困りの様ですね。」
目元に髪がかかり、目がよく見えない、五徒の弟子であり馬鹿でもある男、
「お前か!来てくれたのか!」
「ええ。」
三哉はロードインヴォーカーを取り出し胸に装着すると、紫のカプセムをセットし、ボタンを押す。
『エクストラ』
『オンユアマーク オンユアマーク』
「擬装…」
そして親指でカプセムを回す。
『インヴォーク ロードシステム! エクストラ』
三哉はその姿を、ロードシックスやファイブに酷似したフォルムに、左肩にマントを付けた姿、ロードスリーへと変貌させる。
スリーはブレイカムブレイカーを取り出し、エーテリアスと戦う五徒と六美の方へと走り、ブレイカムブレイカーを振るう。
「小鷹、このまま美波と一緒にいてやってくれ。」
「分かった。お前は?」
「父さんと母さんを助けにいく。」
「分かった…ただし無茶はするなよ。」
「ああ。美波を頼んだ!」
ゼッツはそう言い、全速力で来た道を戻った。
(もうすぐだ!もうすぐ父さんと母さんが居た場所に…!)
ゼッツは少し身構えながら、五徒と六美の元に辿り着く。
しかし、そこに居たのは戦う2人では無かった。
「父さん!母、さん…」
「ん?ああ、お前か。」
そこに居たのは、地面に倒れる五徒と六美。
そして、ブレイカムブレイカーを持っているスリーだった。
「三哉、さん…?何を…」
「君の父親と母親には役立ってもらったよ。これらのカプセムの力を引き出してもらう役にね。」
「何を、言って……そのカプセムは、父さんと母さんの…」
スリーの手元には、五徒と六美が使っていたカプセム、ショックカプセムとパニックカプセムがあった。
「ああ、これは元々俺の物だ。だから回収しに来た。」
それからスリーは、真相を話し始めた。
「君のそのドライバーと、コイツらと俺が使ってた力は、全部俺が作り出した物だ。」
「一体…どう言う…」
「俺はね、ホロウの力を込めたカプセムを作りたいわけ。その為には、コイツらのカプセムの力を極限で引き出す必要がある。ショックカプセムでホロウの空間としての活動を停止させ、パニックカプセムで空間を大きく歪める。そして、その力を空のカプセムに閉じ込めることで、災厄のカプセム、ホロウカプセムが誕生するのさ。」
ゼッツは、ただひたすら困惑しかなかった。
この男が裏切った事実、そしてホロウの力を手にしようとすると言う禁忌の行い。
そして…自分の両親を殺したこと。
漠は、もはや深く考えることをやめた。
「っ…!!スリィィィィィ!!!」
「うるせえガキだなァッ!!」
両者は駆け出し、ゼッツはその剛腕を、スリーはブレイカムブレイカーを振るった。
両者の拳と武器が火花を散らしてぶつかる。
「お前がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「金切り声で喚くんじゃねぇっ!!」
がむしゃらにパワーで押そうとするゼッツの足をスリーは払い、ブレイカムブレイカーで斬る。
「ぐっ…!このっ!!」
しかしゼッツはその瞬間にブレイカムブレイカーを掴み、力任せに振り回してスリーを地面に叩きつける。
「がっ…!クソ…やっぱ力じゃ勝てねえか…だったら。」
スリーはショックカプセムをブレイカムブレイカーにセットする。
『ショック』
そしてブレイカムブレイカーの刀身には雷が迸る。
「貴様が、そのカプセムを使うなァァァァァ!!」
ゼッツは再び怒りに任せて走り出す。
「いい加減黙らせてやる。」
スリーはブレイカムブレイカーを構える。
「アァァァァァァァァッ!!」
ゼッツが拳を突き出すと同時に、スリーはゼッツの懐に入り込み、切り裂く。
その瞬間、ゼッツの全身が痺れる。
「があぁぁぁぁっ!?」
ゼッツは地面に倒れ、変身も解除される。
「その妙な力、お前自身の力で生み出したカプセムか…とりあえず死ね。そのカプセムだけ残してな。」
「く、そぉぉぉぉっ!!」
スリーが倒れる漠に向けてブレイカムブレイカーを突き刺そうとしたその時。
「させるかっ!!」
スリーの影が、スリーの両手を掴む様に伸びた。
「チッ…!また雑魚が…!」
「漠!大丈夫か!」
駆けつけたのは、ノクスだった。
「小鷹…美波は…?」
「無事だ。脳に損傷は残るだろうが…」
「ありが、とう…」
「それより、アイツは…」
「クソ野郎だ…父さんと母さんが…殺された…」
「っ!!」
その事を聞いたノクスは、拳を握りしめる。
「漠、アイツは俺に任せろ。」
「お前は…?」
「アイツを俺がぶちのめす。俺だって、お前の親御さんには世話になった。」
「だが、アイツは強い…」
「分かってる…。はっきり言って勝てる気がしない。」
「なら…!」
「大丈夫だ。必ず生きて帰る。」
ノクスは漠に向けてそう言う。
「でも…」
「俺がお前に嘘ついた事一回でもあったか?」
「っ…無い。」
「なら、行けよ。」
「………分かった…!」
そう言って、漠は走り出す。
「クソが…!」
スリーは自分を捕らえていた影を切り裂く。
「おい、お前のせいであのガキ逃しちまったじゃねえか。」
「相当悔しそうだな。」
「アイツのカプセムを貰って有効活用してやろうと思ったのによぉ。アイツの親みたいに。」
「クソ野郎とは聞いてたが…想像以上だな。」
「あ?言ってくれんじゃねえか。青二歳のガキのくせによ。」
「人のことを煽るくせに、自分が煽られるのには慣れてないんだな。」
「ホント口の利き方ってのを知らねえなぁ。」
「問答は終わりにしよう……来い。」
「後悔すんなよクソガキ。」
2人は互いに駆け出す。
「ハァ…ハァ…!」
漠は、体力が尽きようと走り続けていた。
(待ってろ美波…兄ちゃんが今行くからな…!)
汗が目に入ろうとも、足の筋肉が悲鳴を上げようとも走り続けた。
しかし、あと少し走れば美波の元に辿り着くと言うその時だった。
ドォォォンッ!!
「っ!ぐあっ!」
漠のそばで突如爆発が起きた。
「なんだ…!?」
「おいおい、このまま逃げれると思ったか?」
そこに現れたのは、ロードスリーだった。
「な…んで…お前がここに…」
「はぁ…察しろよ。まあ、これ見れば分かるだろうけど。」
スリーは右手に持っていた物を見せる。
「……う…そだ……それ、は…」
それは、小鷹のベルト、ノクスドライバーだった。
「あと、これもやるよ。」
スリーは左手に持っていた物を放り投げる。
それは漠の足元に転がる。
それを見た時、漠の思考は凍りついた。
「小……鷹…」
それは、自身が苦楽を共にした親友の、変わり果てた姿だった。
瞳孔は開き、目からは光が失われている。
「結構手強かったが、一回お前のことを馬鹿にしたら簡単に我を失った。所詮はガキってことだ。」
スリーの言葉は、漠の耳には一つも入っていなかった。
漠の思考を支配していたのは、たった一つのドス黒い感情。
目の前にいる親友と両親の仇を、完膚なきまでに
『壊す』ということ。
その時、漠の体から真っ黒なオーラが溢れ出る。
それを見たスリーは、ただならぬ気配を感じ取る。
「なんだ…!?」
漠の胸のゼッツドライバーに、デュアルメアカプセムが現れる。
『カタストロム!!』
「ぶっ壊してやる……!」
漠は拳でカプセムのボタンを殴り押す。
『パラバライズ ライダー! ゼッツ!ゼッツ!ゼッツ! カタストロム!!』
カタストロムへと変身したゼッツは、その複眼でスリーを睨む。
「お前を…壊す…!」
見た目は通常のカタストロムと変わらないが、その気配や威圧感は、スリーですら冷や汗をかく程だった。
スリーはブレイカムブレイカーを取り出し、素早く間合いを詰めて切り掛かる。
しかし
「なっ…!?」
ゼッツはそれを受け止めるどころか、何もせず受けた。
それなのに、傷一つついていなかった。
ゼッツはブレイカムブレイカーを持つスリーの手を掴み、その大岩の如き拳を握りしめて振りかぶる。
そして風を切りながら、スリーの顔面にモロに命中させる。
「ごあっ…!?」
スリーは近くの建物の壁を何枚もぶち破って吹っ飛ぶ。
「がはっ…ごほっ…!なんだよ…あのバケモンは…!?」
地面に両手足をつき、軽い脳震盪で手が震え、体も倒れそうになっているスリーの元に、ゼッツは少しずつ迫る。
「チッ…クソが…!」
スリーはブレイカムブレイカーをガンモードに変形させ、ゼッツに放つ。
しかし、ゼッツは避けも守りもせずそれら全てを受けながらも、全く怯む様子を見せず歩みを進める。
そして、スリーが一度瞬きをした瞬間、ゼッツは眼前にまで迫り、その拳をスリーの腹に叩き込む。
メキメキブチブチと嫌な音を鳴らして、ゼッツの拳がスリーにめり込む。
「がっ…!!」
スリーは再び壁をぶち破りながら吹っ飛ぶ。
今度の一撃はほぼ致命傷に等しかったらしく、スリーは立つこともできず地面で呻いている。
ゼッツは銃型の武器、トリプルゼッツァーを取り出し、側面の三つの窪みにプラズマ、ブースター、インパクトカプセムをセットする。
そして前部のレバーを引き、膨大なエネルギーの塊をスリーに向けて放つ。
「消え失せろ……」
『トリプルバスター! ゼゼゼッツ! ゼゼゼッツ! ゼゼゼッツ!』
トリプルゼッツァーの銃口から放たれたエネルギーは、周囲のありとあらゆる物を全てを粉砕しながらスリーに向けて襲い掛かる。
まるでミサイルが撃ち込まれたかと思うほどの大爆発が起こり、辺りには爆風が吹き荒れる。
炎と煙が晴れると、そこにスリーはおらず、ただクレーターだけがあった。
そして変身を解いた漠は、虚な目で再びホロウの外へと走り出した。
そして後日、ニュースでは被害状況と共に3名の死者が出たと報道される。
そう、ゼッツでさえ救えなかったあの3名の死者は、彼にとってこの世で最も大切と言ってもいい両親と、親友だったのだ。
それでも彼が心から絶望しなかったのは、たった1人の妹が生きていてくれたからだった。
しかし、そんな妹さえ自ら命を絶ってしまい、今度こそ彼は孤独になった。
これが、新エリー都でヒーローと称えられている青年の、悲しい喪失の過去である。
遅くなってすいませんでした…
仕事で全然手をつけられなかったのと、いい感じの展開が思いつかなかったのが主な理由です。
今回の話、ラストのあたりめっちゃ手抜きじゃんと思った人もいるかもしれませんが、許してください。
ストーリーとか完全オリジナルで考えると予想以上に脳が疲れるんです…
次回はオボルス小隊になると思います。楽しみにしててください。
オリ主の過去話は?
-
いる
-
いらない