〔イッセーSIDE〕
旧校舎が襲撃されグレモリー達は戦闘態勢に移行しつつ俺と一緒に外に出る。
そこには俺が男子生徒を救った時に居た女堕天使。
それに加えて初対面であるセクシーなタイトスーツを着た女堕天使、茶色いコートを着たダンディファッションの男堕天使、ゴスロリファッションの女堕天使。
そして、黒いマントを着たはぐれ神父が40人が旧校舎を包囲していた。
「いきなり襲撃とは流石ならず者が似合う堕天使達ね」
グレモリーが不敵な笑みを浮かべて今起きてる襲撃の首謀者兼、俺が関わった一連の案件の大本である女堕天使に話しかける。
「私達陣営の人間2人を拉致しておいてよくそんな言葉が吐けるわね? さっさとアーシアとフリードを返しなさい」
「返す? そもそも拉致という言葉も使い方間違っているわよ―――中級堕天使レイナーレさん?」
「ッ!? なぜ私の名を…ッ」
「悪いけれどこれでも日本神話の方々にこの土地の異形界関係の管理を任されている身。貴女達がこの町に入った事が判った時点で既にこの場にいる者たちの身分は直ぐに調べが着いたわ。ねえ? 私の[
「はいリアス様。下級天使3人、カラワーナ、ドーナシーク、ミッテルト。それに加えて―――」
姫島がはぐれ神父達全員の名前を読み上げる。
「―――以上40人。全員此方で身元が判明していますわ」
「読み上げありがとう。そして貴女達が[神の子を見張る者]の正式な要請や指令も無く独断で動いている事。組織から旧式の神器分離の機器を持ち出している事。旧時代の堕天使が日本に設置した転移装置で不法入国している事、そしてこの町にある廃墟となった教会を隠れ家として使っている事も全部把握しているわ」
「「「「……ッ!?」」」」
グレモリーの発現に更に冷や汗を焦りをみせる襲撃者たち。
ぶっちゃけここまで情報がそろっているとなると、グレモリー達は襲撃が無くても奴らの拠点の場所は既に把握済み。
つまり隠れ家として使っていたこの町のはずれにある廃墟となった教会に襲撃をかける。
つまり女堕天使―――堕天使レイナーレ達は既に詰んでいたんだ。
「さて、これで貴女達は晴れて日本神話からも[神の子を見張る者]からもお尋ね者。だけど私は貴女達のようなならず者とは違って慈悲深いの。今すぐ武装解除して投降するなら組織への強制送還だけで許してあげるわ」
「ッ!?」たかが上流階級で生まれた小娘如きが…ッ! 全員この場にいる悪魔とそこの人間を殺してアーシアとフリードを奪還しなさい!」
レイナーレの怒りが籠った号令と共に、配下の堕天使3人と40人のはぐれ神父達がそれぞれの獲物を生成、抜刀しこちらに襲い掛かって来た。
「せっかく助け船を出したのに。まあ、これも想定内だけれど―――兵藤さん」
「ん?どうした」
「せっかくですので私の可愛く優秀な眷属達の戦いを見学していってください」
「そうか。楽しみだな」
「ええ―――祐斗、小猫。はぐれ神父を片づけなさい」
「了解」
「…はい部長」
グレモリーの号令と共に木場が後ろに、塔城が前にでて応戦を始める。
「死ねぇ悪魔!」
「悪魔は滅べ!!」
「ああ…また悪魔を殺せる!!」
はぐれ神父が木場に向かって光の剣やそれを槍形状に変えた武器で襲いかかる。
「…遅い」
木場はそう言いながら襲いかかって来た10人のはぐれ神父の首を瞬時にはね切った。
学生にしては動きや身体能力はかなり良いな。
上級クラスに匹敵する実力だ。
それに帯刀している剣も、只の剣じゃなくて奴らが持っていた光の武器にある光を瞬時に吸収して無効化している。
そして塔城の方は―――
「なっ!?」
「悪魔が…光を受け止めた!?」
「何故…効かない!?」
10人よる対悪魔拳銃の銃弾を受けながらはぐれ神父達に近づいている。
「…その程度の量産武器では意味はありません」
そして塔城ははぐれ神父達の懐に入り胸部にパンチを一発ずつ繰り出し全員の胸をへこませて絶命させた。
いくら量産型とはいえ対悪魔拳銃の銃弾を真正面から受けてもビクとしてない。
悪魔以外の異形としてのフィジカルだけではなく、悪魔が持つ魔力を全身に纏って一定威力のダメージを無くしている。
「まずは私の前衛である祐斗と小猫。兵藤さんは[悪魔の駒]については知っていますよね?」
「ああ。他種族を悪魔という種族に転生させるアイテム。チェスに倣った様に[王]以外の駒がチェス同様の駒種類と数がある。それぞれの駒には転生させる際に対象の一部能力を上昇させるだったな」
「はい。祐斗に使った駒は[
「いま木場が創造している魔剣は[
「はい。もっと多彩な攻撃をできますが今回の相手はそれを出すまでも無いので別の機会になりますね」
「なるほど。そして塔城に使った駒は[
「はい。小猫は元々フィジカルが強く[戦車]の特性である剛力と屈強な防御力。相性は抜群であり祐斗以上に魔力適性もあります」
「魔力を全身に纏いつつ[戦車]の特性でさらに防御能力を強化。光の銃弾を無効化できるメカニズムが可能ってわけか」
「はい。さらに纏った魔力という名の鎧は武器にもなって大抵の人間や異形であれば一撃で倒せます」
塔城もさることながら木場も魔力を使ってうまい具合に戦っているな。
登場よりも魔力は少ない分、攻撃や動く際に美味い具合に魔力で部分強化してはぐれ神父達の防御術式が刻まれたローブごと切り裂いたりしている。
木場と塔城の前衛によりはぐれ神父40人が数分で全滅した。
「悪魔如きが調子になるな!」
「所詮は雑兵!」
「私たちの敵ではなっいっす!」
今度は上で様子見していた下級堕天使3人がグレモリーに襲い掛かって来た。
「祐斗、小猫は手を出さないで頂戴―――朱乃」
「はい部長」
グレモリーと堕天使3人の間に姫島がはいる。
「まずは貴様からだ!」
カラワーナが姫島に向かって生成した光の槍で突きを繰り出す。
下級といえど直に光の夜攻撃を喰らえばどんなあくまでもダメージは受ける。
攻撃によるアドバンテージは姫島が不利。
堕天使カラワーナもそれをわかっているか、不敵な笑みを浮かべている。
だが―――
「なにかしましたか?」
姫島は何も纏ってない人差し指でカラワーナによる光の槍の攻撃を受け止めた。
「なっ!? 悪魔が…光の攻撃を何もなしで止めるだと!?」
「あらあら。貴方程度の練度で生成された光の武器は私にとって脅威にはなりませんわ」
姫島が余裕そうに言いながら瞬時にデコピンでカラワーナの光の槍を粉砕した。
「なっ!?」
「隙ありですわ」
獲物が壊された衝撃で大きな隙を見せたカラワーナに、すかさず姫島は雷を右手に纏い奴の頭部に掌底を喰らわせた。
カラワーナはそのまま近くで墜落し一切動かなくなる。
「カラワーナ!?」
「よくも同胞を!」
ドーナシークとミッテルトが姫島に向かって光の槍を投擲した。
「あらあら。癖の悪いならず者達ですわね」
姫島は自分に向かってくる光の槍に右手を翳して一瞬だけ特殊なオーラを放つ。
すると投擲された光の槍はその場で静止した。
「「!?」」
自分達の攻撃が簡単に止められたことに絶句するドーナシークとミッテルト。
「せっかくですから教えて差し上げますわ。
そう言いながら姫島は手の平を上に向ける。
すると、静止した光の槍の矛先がドーナシークとミッテルトに向けられると同時に槍のエネルギー密度のサイズが3倍になった。
「そして、その受講料は―――あなた方の命ですわ」
朱乃が堕天使2人にそう言い放つと同時に掌を握り、光の槍が元の投擲された速度を遥かに上回る速度で二人の頭と胴を貫き消し飛ばした。
そして2人の死体はカラワーナが墜落した近くの場所に落下。
カラワーナに関しても気絶させたように見えるが、実際は雷を纏った掌底による攻撃でカラワーナの脳は雷で完全に焼き切られて絶命している。
しかも姫島が纏った雷は魔力で発生させたもんじゃない。
どうやら父親にはちゃんと力の使い方を師事し続けているみたいだな。
5分も経たないうちにレイナーレが引き連れた部下全員が全滅。
そんな光景にレイナーレの表情は恐怖に染まっていた。
「私の…部下たちが…こんな簡単に!?」
「そうね。私の眷属達相手には力不足過ぎた様ね? そして形成は元々此方が圧倒的だけれど―――貴女視点で逆転されてどう?」
不敵な笑みを浮かべてレイナーレに言い放つグレモリー。
「この…ッ。温室育ちの小娘が…ッ!」
「言っておくけどもう情状酌量の余地はないは。事件の背景について聞きたいけれど貴女を生かす方が危険なの―――少なくとも未覚醒の神器所持者よりもね」
「貴様ぁぁ!!!」
レイナーレは部下の堕天使よりも大きめの光の槍を周囲に生成。
そのままグレモリーに向かって弾幕のように光の槍を放とうとした瞬間―――
「―――遅いわ」
グレモリーがそういうと同時にレイナーレが生成した無数の光の槍と同数の魔方陣を展開。
そこから瞬時に濃縮された魔力の弾丸が発射されレイナーレが生成した複数の光の槍が全て砕かれた。
「…え?」
「呆けてる暇は無いわよ?」
グレモリーがそういうと同時に2つの魔方陣を展開と同時に魔力の弾丸が発射されレイナーレの肩を貫いた。
「ガァッ!?」
「次は両足」
グレモリーは宣言通り魔方陣を展開と同時に魔力の弾丸を発射しレイナーレの左右大腿部を貫いた。
「ッ!?」
「そして翼」
続けざまにレイナーレが生やした堕天使の2対4枚の羽根の付け根を狙い撃ち弾き飛ばした。
翼を弾き飛ばされたレイナーレはそのまま墜落。
グレモリーにより四肢を貫かれ受け身を6に取る事が出来ないレイナーレは墜落の衝撃よるダメージで完全に動けなくなっていた。
「さて、温室育ちの小娘に攻撃できないまま倒された感想はどうかしら?」
「なん…なんだ…この…強さは…ッ!?」
「私はね。悪魔の中じゃ「兄の搾り粕」「無能姫」「上級悪魔の恥さらし」なんて言われているの。悪魔としての才能は普通。優秀すぎる兄や同期がいると結構大変なの」
「普通の悪魔が中級堕天使である私が負けるはずが…ッ!」
「ええ。だから修業して今では上級クラスの上澄くらいの実力を得た、義姉やいろんな方々の協力を得てね。眷属達も私より才能はあるけど私と同じように努力してここまで強くなっている。種族としての誇りばかりに拘ってこんな愚行しかできない貴方達が勝てるわけないでしょう?」
「…ッ」
「堕天使レイナーレ、貴女に送る冥途の土産は持たせたわね。それでは死になさ―――」
グレモリーがレイナーレに止めを刺そうとした瞬間、俺は突然現れた4人の最上級クラスの気配を察知。
そいつらは殺意と敵意をグレモリーに向けつつ、最上級クラスの攻撃を彼女に放った。
《イッセーSIDE OUT》