仕事環境がガラリと変わり死体になってました
また暫く屍状態は続きますが投稿は続ける予定ではありますん
第三十四話
「誰も知らない校則」
20XX年11月18日
冬の気配が近づいていた
変様者は五百人を超えても世界は相変わらず回り続けている。
東京都 書店
ブルーアーカイブ関連書籍の棚
以前はゲーム攻略本や資料だけだった
今では
「制服資料集」
「校章デザイン集」
「学園施設考察」
「キヴォトス文化研究」
そんな本まで並んでいる
店員が苦笑する
「ゲームコーナーなのか民俗学コーナーなのか分からないですね」
客も笑った
しかし誰も否定しなかった
匿名掲示板
【Part12】俺たちまだ戻らないんだけど
114 :風吹けば名無し
そういえば制服の洗濯どうしてる?
115 :風吹けば名無し
洗濯?
116 :風吹けば名無し
なにって普通やけど
117 :風吹けば名無し
普通にやればええやん
118 :風吹けば名無し
急にどうしたん
119 :風吹けば名無し
いや、なんか適当に洗濯機にぶち込んでもいいものか悩む時があるねん
120 :風吹けば名無し
あー少しわかる
121 :風吹けば名無し
まあデザインどれも凝っているもんな
122 :風吹けば名無し
確かにちょっともったいなく思うときはあるね
123 :風吹けば名無し
でもよぉ…この制服崩れないんだぜ?
124 :風吹けば名無し
流石キヴォトス製だ 銃弾や爆発物でも対応しとるから洗濯機なんか屁でもないぜ!
125 :風吹けば名無し
型崩れしない点は本当便利
126 :風吹けば名無し
民間にもその技術くれない?
127 :風吹けば名無し
再現できなければそこに無いですね
128 :風吹けば名無し
はーっつっかえ!
129 :風吹けば名無し
真面目にそういう技術とかも解析できていないの?
130 :風吹けば名無し
現時点ではできてないらしい
131 :風吹けば名無し
ほんとぉ?
132 :風吹けば名無し
嘘だゾ絶対政府が裏で技術独占してるゾ(陰謀論者先輩)
133 :風吹けば名無し
あのガバガバ政府が完璧に隠蔽できるわけがないんだよなぁ…
134 :風吹けば名無し
そうだよ(便乗)
135 :風吹けば名無し
というか解析できないからまたなにも研究が進んでないわけでおすし…
136 :風吹けば名無し
八方つまりですねぇ
137 :風吹けば名無し
未だに学生証の物質でさえも全くなにも解っておらんのだからね 怖くない?
138 :風吹けば名無し
物質の解析もできないのに制服の解析もできるわけないだろ!
139 :風吹けば名無し
クゥ〜ン
140 :風吹けば名無し
でもあの服の技術が別れば洋服業界がガラッと変わると思うんやけど
141 :風吹けば名無し
できたとしてもそのコストとか需要とか色々あるから実現できるとは言い切れんぞ
142 :風吹けば名無し
夢のねぇ話
143 :風吹けば名無し
え?誰かユメ先輩の話した?(暁のホルス文字)
144 :風吹けば名無し
ホシノ先輩は帰ってもろて
145 :風吹けば名無し
ブラックジョークすぎるだろ
146 :風吹けば名無し
実際に見られたら一瞬で臨戦態勢になりそう(小並感)
147 :風吹けば名無し
画面の向こう側でキレるだけならいいけどな
148 :風吹けば名無し
モモイの例にならってカチコミしてくる可能性も普通にあるぞ
149 :風吹けば名無し
リアル凸は怖すぎィ!
150 :風吹けば名無し
それがキヴォトスクオリティ
151 :風吹けば名無し
コレマジ?キヴォトスのスレって命かけなアカンの?
152 :風吹けば名無し
なんならサイバーテロも普通にあるからこれ無理ゾ
153 :風吹けば名無し
えぇ…キヴォトスクソすぎない?
154 :風吹けば名無し
それはそう
155 :風吹けば名無し
なんなら世界滅亡する厄ネタも転がっているしなっ
156 :風吹けば名無し
マジかよ…
157 :風吹けば名無し
そんなとこの世界の制服やで 現科学で解析できなくとも不思議ではないんや
158 :風吹けば名無し
へぇそうなんだ
159 :風吹けば名無し
キヴォトス、すげぇ…修羅の世界だし
160 :風吹けば名無し
じゃあそんな世界の制服でもアイロンいる?
161 :風吹けば名無し
いや、普通にいるだろ
162 :風吹けば名無し
なにあたり前な事を言っとるんや
163 :風吹けば名無し
服なんだからそら必要だろ
164 :風吹けば名無し
一斉に否定されてて草
165 :風吹けば名無し
そらシワはできちゃうからアイロンはいるんだよなぁ
166 :風吹けば名無し
ママンが勝手にしてくれるゾ(クソガキ)
167 :風吹けば名無し
まあ種類によってはごちゃごちゃしててやりにくいとかはあるかもしれんが
168 :風吹けば名無し
え?それってクリーニングって出せるの?
169 :風吹けば名無し
山海経だけどクリーニング屋に聞いたら普通にやってくれた
170 :風吹けば名無し
へー対応してくれるんだ
171 :風吹けば名無し
まあ怖いならそういう所にやってもらうもの手ではあるけど金かかるからやっぱ家派の方が多いやろ
172 :風吹けば名無し
でもあんだけ色々となってたら出したくなるのもわからんでもないけどな
173 :風吹けば名無し
なにより困るのは学生証 どこのポケットに入れたか分からなくなる時がある
174 :風吹けば名無し
あー たしかに
175 :風吹けば名無し
わかるわかる…
176 :風吹けば名無し
おい、マジで学生証は貴重だからなくすなよ
177 :風吹けば名無し
わかってるってばよ…(駅で3回落としたバカ)
178 :風吹けば名無し
3回無くしてんじゃねーよ
179 :風吹けば名無し
3回だよ3回
180 :風吹けば名無し
俺は一緒に洗濯機にぶち込んでやるぜぇ!
181 :風吹けば名無し
なくさないように財布に入れてる
188 :風吹けば名無し
チェーンでもくくっとけ
神奈川県
美咲は自室で机に向かっていた
学生証
その横にはブルーアーカイブ公式設定資料集
ページをめくる
校章、制服が一致している
だが学生証の裏面を見る。
校内立入区分
図書館利用資格
生徒自治規則
緊急避難経路
どれもゲームには載っていない
悠人が肩越しに覗く
「何か分かった?」
「ううん」
「また知らないことが増えた」
「ゲームにも無かった?」
「無い」
美咲は苦笑した。
「この学生証なんだろうね?」
国立感染症研究所
資料室
変様者から提供された私物
学生証
図書館カード
購買ポイントカード
部活動参加届
食堂利用券
教室清掃当番表……
などを教授が紙を手に取る。
「これもゲームには?」
秋山は首を横に振る
「ありません」
「しかし、全部現実に存在しています」
机の上には
ゲヘナ学園購買部 期間限定パンフェア
というチラシ
その隣には
レッドウィンター連邦学園 除雪当番表
さらに
百鬼夜行連合学院 文化祭実行委員募集
どれも妙に生活感がある。
誰かが本当に配布していたような紙
しかしその「誰か」は存在しない。
秋山の研究ノート
11月18日
今日、百鬼夜行の文化祭募集チラシを見た
開催日は記載されている
集合時間もある
持ち物まで書いてある
だが今年なのか十年前なのか未来なのか
どこにも書いていない
まるで"どこかの学校の日常"だけが切り取られてこちらへ流れ着いているようだった。
北海道
村上は病院で診察を待っていた
隣には高校教師だった男性
制服はミレニアムサイエンススクール
「「こんにちは」」
「その資料は…」
村上が尋ねると男性は苦笑する
「自分の学生証の校則を調べてるんですよ」
「分かります?」
「全然」
「ゲームにも載ってなくて」
「そうですか」
「結局の所は」
男性は肩をすくねながら言う
「今まで通りの法律守って生きるしかないですね」
二人は笑った
匿名掲示板 夜
601 :風吹けば名無し
学生証裏面の意味分かった人いる?
602 :風吹けば名無し
わからん
603 :風吹けば名無し
何となくしか
604 :風吹けば名無し
ふわっとした感じなら…
605 :風吹けば名無し
理解不能
606 :風吹けば名無し
無理
607 :風吹けば名無し
というかわかるわけなくない?
608:風吹けば名無し
まあ遊び感覚だけでやってるだけやし
609 :風吹けば名無し
ネタ集めとして読んでる
610 :風吹けば名無し
各学園ごとでなんか決まり事があるんやろなぁくらいなもん
611 :風吹けば名無し
「自治規則第17条」って何だよ
612 :風吹けば名無し
しwらwなwいwよw
613 :風吹けば名無し
調べてもなんかの法律関連しか出てこない
614 :風吹けば名無し
現実の学校としては存在しないからな
615 :風吹けば名無し
「ゲヘナ学園 自治規則」で検索するとゲームWikiばっか
616 :風吹けば名無し
「トリニティ総合学園 校則」も同じ
617 :風吹けば名無し
そらそうやろ
618 :風吹けば名無し
むしろあったら怖くない?
619 :風吹けば名無し
社長がしれっと設定として追加しとるかもしれんやん
620 :風吹けば名無し
いや今時のご時世では難しいやろ
621 :風吹けば名無し
というか向こうだと空気が危ないんやろ?
622 :風吹けば名無し
下手に更新するのも大変らしい
623 :風吹けば名無し
向こうのネットだとテロリスト扱いしる奴らもいるくらいやでな
624 :風吹けば名無し
治安悪すぎない?
625 :風吹けば名無し
ある意味唯一の情報源なんだから余計なことするなよマジで
626 :風吹けば名無し
現実にはマジでブルアカ(アプリ)くらいしかまともな情報が無い
627 :風吹けば名無し
それでも全部完璧にわかるわけでもないけど
628 :風吹けば名無し
ゲーム描写外の情報が多すぎる
629 :風吹けば名無し
この世界に無い学校の校則を俺の学生証には書いてあるんだよなぁ
630 :風吹けば名無し
俺たちはそれを毎日持ち歩いてるんだよ
深夜 研究所
秋山は変様者から預かった学生証を並べていた
トリニティ
ゲヘナ
ミレニアム
山海経
ヴァルキューレ
ハイランダー
レッドウィンター
百鬼夜行
SRT
アリウス
ワイルドハント
そして一枚だけ空いたケース
ラベルには印字されている
キヴォトス連邦生徒会(未確認)
秋山はその空のケースを見つめる
学生証は増え続け、制服も増え続ける
学園の日用品も少しずつ増え続ける
それなのに「その学校そのもの」はこの世界のどこにも存在しない
その事実だけが、冬の研究室でひどく冷たく感じられた。