姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第44話:裏事情

 この部屋には客人用の長ソファが置かれている。

 僕は強制的にそこへ座らされ、カグヤ先輩が隣に腰掛けたのだが――

 

「――そういうわけで、こなたとジャスティーヌは腐れ縁ちゅうやつでな。名家同士ってことで小さい頃からよく顔合わせたんやけど、あの女ときたら事あるごとに張り合ってきよる。散々負かしてやったのにいつも調子よく――――」

 

 僕相手なら本音を吐けると分かってから。

 ジャスティーヌ・ダルクがどれほど目障りだったか。

 それはもう懇切丁寧に語ってくれるわけだが……。

 

「なぁなぁ、キミもあの女ウザいと思うやろ?」

「そ、そう言われても、僕はほぼ面識ないですし……」

 

 悪口や罵倒がまったく止まらない!

 こんな延々と口が動くとは……女子ってすごいな……。

 

「強いて言うなら容姿だけはええ。といってもこなたの方が可愛いけどな」

 

 僕はなんとなく相づちするしかなく……。

 にしても、さっきからボディタッチが多いのは何なのか。

 意図的? それとも無意識?

 今だって肩をくっつけてきて、こちらの手や膝をさりげなく触ってくる。

 

「あ、お茶なくりよるね。淹れたるさかい」

 

 急須から湯飲みへ、緑色のお茶が継ぎ足される。

 この道具も茶葉も、先輩の家に代々伝わる、特別なものだそう。

 わざわざ振る舞ってくれるのは感謝するが――

 

「熱っついから気をつけてな。なんならふぅふぅしたろか?」

 

 顔が、顔がいちいち近い……!

 その完璧な顔面で迫られるとドキリとする。

 

「どしたん顔赤くして? もしかして照れてんの?」

 

 僕の態度を見て、先輩が一層にじり寄ってくる。

 こ、今度は胸が腕に当たってる……!

 

「ふふふ。ええ反応やわぁ。キミにはグイグイ行った方がよさそうやな」

 

 僕の態度を見て、ニマニマと愉しんでいる。

 逃げるスペースがないので、彼女の肩を軽く押して退けようとするが――

 

「あー。あかんよ? 今おっぱいにタッチしようとしたやろ?」

「い、いや、僕は肩を――」

「だ~め。こなたからはええけど、キミからのお触りは御法度や」

 

 謎ルールを押しつけられ、ついでに胸も押しつけられる。

 

「こなたの身体愉しみたいんなら、ジャスティーヌを倒してからにしよし」

 

 距離を取りたかっただけで、性的にどうこうしたいわけではない。

 ただ男がそう弁明しても、女には通用しないので……。

 

「――それか、こなたとほんまに仲良くできるなら、すこーし触らせてもええよ?」

 

 扇情的な目つきで、分かりやすい誘いをもらうが。

 

「遠慮しときます」

「うんうん。ほな触ってよろし……って、断るんかい!」

 

 先輩が見事なノリツッコミを披露する。

 

「以前のお茶の誘いも断られたし。キミはほんま懐いてくれへんねぇ……」

 

 ここまでやってもダメかと、本当に落胆しているようだ。

 しかし色仕掛けに堕ちるほど、僕は馬鹿じゃない。

 

「にしても、改めてカゲルヤくんには感謝やわ」

「感謝……?」

「ジャスティーヌの悪口を誰かに言えたんは初めてさかい」

 

 自身の人気を第一とする先輩。

 悪口陰口を一般生徒に漏らしては、支持率が落ちると考えているのだろう。

 

「……愚痴もだいぶ聞きましたし。そろそろ本題を」

「せやな。ジャスティーヌの面倒ぶりは話したし」

 

 僕を代理に立てて、彼女を倒してほしいのはなぜなのか。

 その真相がついに明かされる――

 

「まず相手側、ジャスティーヌ・ダルクの目的からですけど……カグヤ先輩を倒すこと。そして一番に返り咲くとかなんとか言ってましたよね?」

「ダルク家は落ち目やからな。スメラギ家を退けんと先がないんよ」

 

 すると彼女は、御家の復権のために戦っているわけだ。

 

「そして、こなたはもうあの女に巻き込まれとぉないわけで」

「そこで例の代理戦。僕が彼女を階級戦で倒す、と」

 

 名家の令嬢が、劣等種の男に敗北する。

 そうなれば名家の歴史や権威に、大きなダメージを与えられるだろう。

 

「……ただ、ちょっと回りくどくないですか?」

「ん? どういう意味?」

「地下七階の存在ですよ。これまで先輩は拷問……裏から手を回し、厄介な相手を懐柔してきた。ジャスティーヌ・ダルクにも同じことをすればいいんじゃ?」

 

 わざわざ僕に頼まなくたって、これまで通り暗躍すればいいのに。

 

「――それをするんは、かなりリスキーなんよ」

 

 一般生徒を相手にするとは、ワケが違うと首を振る。

 

「ダルク家は超有名やし、ジャスティーヌ自身も目立つ女や。彼女の言動は良くも悪くも学園中が注目しとる。ヘタに拷問でもかけたら――」

「たとえ本人が黙っていても、彼女の異変に、周囲が気づいてしまうかもしれない?」

「そ。もし異変の原因がこなただとバレたら……」

「これまで集めた人気は、一瞬にしてガタ落ち、ですか」

 

 勝者が敗者を酷く扱おうと、それに文句は言われない。

 しかし清楚で優しい、完璧優等生というイメージは崩れるだろう。

 

「こなたが表だってできる処罰は、資産凍結と、一つ星への大幅降格がせいぜいやった」

 

 しかし相手は、既に二つ星まで上がってきている。

 元六つ星ということだし、七聖挑戦は時間の問題だろう。

 

「そこでキミの出番――あの女を、今回で再起不能にしてもろう」

 

 もう二度と、天照卿に逆らえないように。

 

「……でも、男に負けたことだけで、全てを諦めるような人ではないような」

 

 本人曰く、己の辞書に諦めはないようだし。

 

「そやね。階級戦だけでなく。もっと完膚なきまでに敗北させとあかんわな」

 

 その時、彼女あの妖しい狐目をして、あくどく嗤う。

 僕の身体にすり寄って、ここぞとばかりに手を重ねてくる。

 

「階級戦に勝ったら――ジャスティーヌ、犯してまえ」

 

 その言葉に目を見開くと、彼女は僕の下半身を一瞥。

 

「こなたの代わりにヤツを倒す。そしてキミのそれで陵辱するんや」

「僕が、陵辱、って……」

「倉庫のエッチな道具も貸したるさかい。あの女が壊れるまで犯したって」

 

 絶句する僕に、天照卿はクスクスとほくそ笑む。

 

「なんなら孕ませてもええよ。身重になれば学園すらもう通えんしなぁ」

「なっ…………」

「あ、陵辱の記録は取ってもろうで。そんで後でそれをこなたに渡してほし」

 

 愚民として見下していた男に、徹底的に犯される。

 令嬢から雌奴隷に成り下がるその軌跡。

 心身を壊すだけでなく、その一部始終の記録を手中に収めたいという。

 

「それはあの女にとって、ダルク家にとって、絶対に隠したい秘密になるやろなぁ」

 

 もし記録が表に出れば、名家としては完全に終わる。

 天照卿に反発したり挑戦することもできないだろう。

 

「……よく、分かりましたよ」

 

 相手の弱味を握るために、自分の手でなく僕にやらせる意味が。

 

「ジャスティーヌ・ダルクの異変に周囲が気づく。すなわち万が一この悪事がバレた時には、『カゲルヤ・ノアが全部勝手にやったこと』と言い逃れられるわけ、ですか」

 

 たとえ僕が『カグヤ先輩に命令されて……』と弁解しても。

 それを信じる一般生徒はいないだろう。

 

 ――僕を図書部会に入れたのは、仲良くなるためなんかじゃない。

 

 決闘前の戦力調査の意味もあったんだろうが……。

 本命は、この悪行を僕に押しつけるためだったのだ。

 

「ほんまにキミとは仲良くなりたかったんよ? それからこの話を持ちかける気やった。地下のことがバレたからこういう形になっただけさかい」

「どうだか……」

「ふふふ。嘘やないよ? でなきゃ獄炎卿戦の時に――本を無断借用したこと、黙って見逃してあげたりせぇへんしなぁ?」

「…………っ!?」

「気づかんわけないやろ? こなたって慈悲深い女よなぁ?」

 

 天照卿の目は学園中に光っているらしいが、どうやら本当のようだ。

 

「でもキミには良いことづくめやろう? このお仕事を達成できればこなたと真剣勝負ができるし、中身ともかく美少女のジャスティーヌともヤレるんやから」

 

 天照卿はニコリと笑って話を纏める。

 

「そして極めつけは、大サービスでこなたともちょっとエッチなことできる」

 

 こちらの耳元に近づき、ふぅ~と吐息をかけて囁く。

 

「今さら嫌ですは通じへんで? もし逃げたら……分かっとるよねぇ?」

 

 彼女は僕の心臓あたりつついてから、にんまりと嗤って話を結ぶ。

 

「階級戦は早々に明日にでも。じゃ、期待しとるでぇカゲルヤくん――」

 

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