姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第46話:高飛車

 で、本来の目的だった保健室に来たわけだが。

 

「――このわたくしがお願いしているんですのよ!?」

 

 今回も先客、というか、例のお嬢様の怒鳴り声が聞こえる。

 

「――融通の利かない教師ですわね!」

 

 部屋の中で何やら揉めているらしい。

 

「……失礼します」

 

 扉を開けると、ゼゼ先生と、やはりジャスティーヌ・ダルクが対峙していた。

 

「おや。カゲルヤさん。保健室に何か御用ですか?」

「また愚民!? お帰りなさい! 絶賛取り込み中ですのよ!」

 

 ジャスティーヌ・ダルク戦のことを相談しに来た。

 ――と、本人を目の前では言えない。

 それにゼゼ先生はあくまで影の協力者。

 僕と内通しているという疑いをかけられてはいけないのだ。

 

「……頭痛がするので、薬をもらいに」

 

 色んなことで頭を痛いほど悩まされるので、嘘ではない。

 

「なるほど。しかしその前に服を乾かした方が――」

「わたくしを無視して話を進めないでくださる!?」

 

 間に割り込んで来る金髪ドリル。

 彼女は引くつもりがまったくないようなので――

 

「……ジャスティーヌ先輩は、ここで何を?」

 

 前にも保健室に来ていたし、来訪の理由は気になるところだ。

 帰れと言われたが居座ると決め、直球で尋ねることに。

 

「わたくしは……その、年貢! 年貢の取り立てで来たんですの!」

「……年貢?」

 

 状況が分からなすぎる僕に、ゼゼ先生が淡々と説明する。

 

「保健室に備蓄している、非常食や生理用品、その他諸々を寄越せと言うのです」

 

 ようはタダで備品をもらいにきた、と。

 このお嬢様は、カツアゲを年貢と称して絡んでるらしい。

 

「先輩はお嬢様なんですよね? 自分で買えばいいのでは?」

「そ、それは……こちらにも事情があって……」

 

 あ。そういえばカグヤ先輩に資産押収されたんだっけ。

 初めて出会った時も、バイトがどうこう言ってたし。

 よくそんな状況で、こうも偉そうにできるもので……。

 

「でも二つ星なんですから、日用品は普通に買えるはずですよね?」

「わ、わたくしには従者がいますの。彼女たちの分まで賄うのを考えると……」

 

 ごにょごにょとバツが悪い顔で呟く。

 六つ星の頃は何とでもなった。

 しかし降格した現在は、手下の面倒まで見るのは難しいようだ。

 なかなか引かない彼女に、ゼゼ先生が今一度告げる。

 

「前回お渡した分が最後です。これ以上は学則にも反しますので」

「で、ですから! いずれ出世払いで返すと言っているでしょう!」

「少なくとも前回で食糧は足りているはずです。節約すればしばらくは保って――」

「節約!? なんて陳腐な言葉! あんなもの一晩でペロリですのよ!」

 

 その言葉に、先生と一緒に呆れるしかない。

 僕を貧乏人と呼んで、自分が高貴だなんだと言うだけある。

 この人は典型的なお嬢様気質で、節制なんかせずワガママ暮らしなのだ。

 

「わ、わたくしはダルク家の人間です! 一つ二つ融通しても――」

「ここでは家柄よりも実力。よくご存じでしょう?」

 

 真っ当に叱られて、ジャスティーヌ先輩は顔を真っ赤に。

 先生は話は終わりだと、彼女を置いて僕に近づいてくる。

 

「ではカゲルヤさん。まずはタオルを渡すので頭を乾かして――」

「ちょっと! ですから無視しないでいただける!?」

 

 ジャスティーヌ先輩が、ゼゼ先生の左腕を摑んで引っ張る。

 諦め悪いことこの上ないな。

 ただ先生が摑まれた場所は、かつての女王戦で負傷を負っている所で――

 

「っ……」

 

 古傷に響いたのだろう、痛みに顔を僅かにしかめる。

 ――流石に、もう見過ごせない。

 僕は先生を助けるべく、先輩が伸ばしていた腕を摑む。

 

「……それぐらいにしときましょう」

 

 やんわり注意を促すと、彼女はカッと目を見開いて。

 

「び、貧乏人がこのわたくしに触れて――っ!」

 

 バシンッッ! いきなり強烈な平手打ちもらう。

「っ! カゲルヤさん!?」

 

 先生が思わず声を上げるが、問題はない。

 ビンタが直撃する寸前で首を逸らしたのだ。

 派手な音が鳴ったし、咥内が切れて血も流れるが、ダメージはほぼゼロだ。

 

「わたくしに触れた上に説教!? 身の程を弁えなさい愚民!」

 

 僕が接触した場所を、せっせと手で払って叫ぶ。

 

「あなたも大概ですのよ冷酷教師! わたしくを無下に扱い、こんな劣等種ばかり優遇して……ロクでもない養護教諭ですわ!」

 

 ダメな教師だと罵られても、ゼゼ先生は平然だ。

 でも世話になっている僕からしてみれば、良い気持ちはしない。

 彼女の感情は見えにくいが、優しくて、ちゃんと強い想い持つ人物だ。

 

「――召使いが無礼なのは、主人がこんなだからか」

 

 僕がボソリと呟くと、先輩はさらに激高する。

 

「こ、この愚民はわたくしの従者を馬鹿に……!」

 

 怒りに任せ、再び平手打ちが走った。

 がしかし、二回目ともなれば完全に読み切れる。

 寸前で彼女の手首を掴み、その攻撃を不発させた。

 

「単調な行動パターン。これでよく六つ星になれましたね」

「なっ!」

「いや、元六つ星でしたか。カグヤ先輩に負けるのも納得です」

「~~~っっっ!」

 

 恩人たるゼゼ先生のことを揶揄されたせいだろうか。

 自分でも意外と思うくらい、挑発口調になってしまった。

 ジャスティーヌ先輩と、超至近距離でにらみ合う。

 

「……愚民、あなたのお名前、なんでしたっけ?」

「……カゲルヤ・ノア。何度言わせるんですか」

 

 ジャスティーヌ先輩は鼻を鳴らし、腕を振りほどいて去って行く。

 

「明日は完膚なきまでに叩きのめして、わたくしに喧嘩を売ったことを後悔させてあげます――覚悟なさいな、カゲルヤ・ノア!」

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