【悲報】NTR漫画かと思ったらΑGITΩだった 作:同感するワイト
目は赤く染まり、昆虫のような巨大な複眼へと変貌する。肉体はより大柄に、屈強なものへと変わる。皮膚は堅牢な外骨格へと、強靭な強化皮膚へと変化する。背中からは羽のような橙色のマフラーが生え、胸の中心には黒いプレートが出現する。何よりも頭には4本の短い角が生えた異形へと変貌を遂げた。
目の前のサソリ男に準えて言うとすれば《バッタ男》か《イナゴ男》と言ったところだろう。しかし、この姿には名がある。
「……………」
アギトは一種の全能感に浸る。
変身した瞬間、すぐに理解した。この力が人間の限界を超えるための力だと。人間という限られた器が存在する生物を一時的に次の段階へと進化させる力だと。
「ッシャァァァァァァアッ!」
サソリ男、もとい《スコーピオンロード》は 雄叫びを上げながら右手に持つ《冥府の斧》を振り上げ、アギトに向かって走る。
アギトはそれを前にするが、ただ平然と歩く。歩く度にコンクリートにヒビが入り、重々しい威圧感を放っている。
「ギシィァッ!」
スコーピオンロードは斧をアギトの脳天に向けて勢いよく振り下ろすが、アギトはそれをいとも容易く左手で掴み、力ずくで下に下ろす。
そして右手でスコーピオンロードの顔面を殴った。
スコーピオンロードの体は後方に回転しながら宙に舞い、飛んでいく。アギトはそこから畳み掛けるように、アッパーを打ち込み、腹に向けて踵落としを叩き込んだ。
「ギッ──シィァァァァァ……!」
スコーピオンロードはそれでも尚立ち上がった。
アギトは次で仕留めると言わんばかりに左手を前に突き出し、右手を腰に当て、構えをとった。
「ギシャァァァァァッ!」
スコーピオンロードは左手の《冥王の盾》を構えながらアギトに向かって走る。
アギトは深く息を吸い、吐く。よりどっしりと、地面に根を張るように、重心を下げる。
「ッシィァァッ!」
盾を構えながらアギトの首に目掛けて斧を振るう。
だが、斧は届かなかった。たった一瞬の出来事、スコーピオンロードは吹き飛んでいた。
薫の洗練された格闘能力、そしてアギトの身体強化。それらが合わさり放たれる正拳突きは正しく神速と言えた。
「ギシィィィィ……!」
「チッ…!仕留め損なったか!」
冥王の盾を貫くにはただの正拳突きでは威力が足りなかった。それこそダメージを食らってない訳ではなさそうだが、かと言って目に見えたダメージではなかった。
スコーピオンロードは姿勢を低くし、また盾を構えた。アギトも次こそはと再び構えを取る。
しかし、スコーピオンロードは予想に反し、踵を返してどこかへ逃げた。
「待て─────ぐぁっ……!」
全身に想像を絶する痛みが走る。それこそアギトに変身する前の痛みとは比にならないほどだ。
悶えながら近くの石塀に寄りかかると、アギトの姿は自然と消えていき、元の人間の姿に戻った。
「クソッ……んだよ…こ、れ……───」
全身の力が意に反して抜けていき、自然と重い瞼が下がってくる。立ち上がろうとしても体が言うことを聞かず、その意識は暗闇の中へと消えていった。
ややこしいかもしれませんが、アギトが出るまではアナザーはアギト表記で行かせてもらいます。
主人公をアナザーアギトにした理由は4つ。
・自分がアナザーアギト大好き人間だから。
・竿役がアギトだからスペック的に長い間負けないように
・主人公が空手+柔道の経験者(だいたい強さ的には2級程度)、素質とかも込で
・キャラ的に、正義とかの立場じゃないんでアナザーアギト辺りがちょうどいいかなと(アナザーアギトファンの人すみません。木野薫を悪と言いたいわけではないのでご了承ください)