悪夢回避RTA(ライダー不在)inキヴォトス 作:紙になった男
原作:ブルーアーカイブ
タグ:R-15 オリ主 残酷な描写 アンチ・ヘイト 転生 憑依 クロスオーバー 仮面ライダーゼッツ ブルーアーカイブ 仮面ライダー不在 ノクスナイト ロードスリー オリジナルロード エージェント(学生バイト募集) 悪夢回避RTA(再走しまくりガバチャー) ギャグ シリアス 曇らせ
セクシーフォックス「これしか人員いないのにかい? 無茶だよ、また再走のようだね……」
欠けた月が浮かぶ夜。真っ暗闇の中だった。
「……Mission accepted. Don’t make my dream come true.」
私では敵わなかった『機械の大蛇』と、『気象を操る化物』の攻撃が突如として消え去った。夜のアビドス砂漠で死の狭間を彷徨っていた私を助けてくれたのは、真っ白なコートで身を包み、金髪で獣耳を持つ不思議な雰囲気の女の子だった。
「目標を発見した。コードナンバー:フォー、ミッションを遂行する」
そう言うと、女の子ちゃんは胸に白いベルトを巻き付けて、ガチャガチャのカプセルみたいなものを取り出した。
【イレイス】
狐耳の生徒さんがカプセルと胸ベルトにはめ込んだら、突然ベルトから妙に軽快な音声が流れ出す。
【オ・オ・オンユアマーク オンユアマーク】
「……擬装」
その言葉を告げた途端、女の子を銀の炎が包み込んだ。水分不足で星がチラつく私の目を擦ってみる。目がおかしくなったのかな、と呆気に取られていると、女の子の姿は消火と同時に消えて、彼女の付けていたベルトだけが宙に浮いていた。
【インヴォークナイトシステム】
空間が歪む音がする。ぼんやりとした人影が、滲み出るように夜の砂漠に現れる。
【イレイス】
目元にかかり、後頭部へと延びるアンテナを持つ銀の戦士が、オレンジの光子を飛沫として撒き散らし、砂漠の上に立っていた。
「『ノクスナイト』、脅威対象を消去する」
ZZZ
「……これは、夢か?」
壁に描かれた黒い瞳のようなマークを見て、『今の俺』は呟いた。真っ白なオフィスルームには黒い机のみがあり、俺はそこに備え付けられていた上品な椅子に座っていた。
「このシンボルマーク、ゼッツに出て来るCODEの……だよな。それに」
手元にあったアタッシュケースを開いてみる。Agent System No.Xと記された説明書と共に、白いチャンピオンベルト型のデバイスがそこにあった。
俺は見覚えのあるそれ……特撮番組『仮面ライダーゼッツ』に登場する変身ベルト、ナイトインヴォーカーとイレイスカプセム、そしておまけのコードフォンに触れてみる。玩具では考えられないディテールと重みに、ため息をついた。
「どうせならそこはロードインヴォーカーでいいだろうが……。いや、ノクスナイトからのゼッツ開発を経由しないとリバースエンジニアリングでインヴォークロードシステムできないけれどなぁ」
今の俺の外見を近くにあった姿見で確かめつつ、頭を掻く。英数字が刻まれた指輪が嵌る指先に触れるのは強い癖っ毛の黒髪だ。
「前世の面影があるとはいえクマだらけの鉄面皮といい、この部屋の主となっていることといい、今の俺は、ほぼ……」
ここが自分の死に際に見ている夢なのか、死んだあとに転生した超常の世界なのか、今の俺では判別がつかなかった。とりあえずこの場所に意識が浮上する前までの記憶は、……車のヘッドライトが眩しかったのと、体中が凄まじく痛かったことだけは言っておく。
「……まぁ良い。こうしていられるだけで儲けものだ」
だが、この問題は先送りだ。ネット小説や二次創作の主人公みたいな状況だし、現状の把握をしなければ。まずはこの部屋の外に出てみるか……。あ、忘れずにアタッシュケースは持っておこう。
とりあえず、俺が眠りから覚めた部屋があるこの巨大施設は、四方を海で囲われた、所謂絶海の孤島にあることが分かった。これは原作CODEそのままだな。けれども、この施設にいるのは俺一人。経年状況から見て、少なくとも数十年は人が立ち入った痕跡がなかった。
だが、設備も埃を被っていたが破損は無く、すぐに使える状態だった。マザーコンピューターやデータベースには生体認証のロックがかかっていたものの、俺の指紋と網膜を使えば開けられるようだった。……いや、怖いわ。こんなトントン拍子で進むの、ほんと怖い。俺の見ている夢だからか?
「コードネーム、エージェント:スリー……とはな」
このCODE内のマザーコンピューターには俺の生体データも登録されてあった。今の俺の名は生前の名(ちなみに
指輪に刻まれていたナンバーからもしやとは思っていたけれど、やっぱりか。でも流石に紙になる最後は迎えたくないぞ、俺。
その上、離反防止の為か、俺の体内にはナノマシンが注入されており、CODEの不利益や運営崩壊、権力の私物化に繋がるような行動をしないようにされている、強行した場合は体内で爆散する旨がこちらもデータベースに刻まれていた。……いや、怖いわ! マジで怖いっての!? これがCODEの闇ってやつか‼ 原作CODEよりもヤベー組織だろ⁉
「む?」
CODEの情報を検索していたら、部屋の片隅から音がした。視線を巡らせて見れば、何時の間に出現したのだろうか、黒いガチャガチャがそこに鎮座していた。それはゼッツ本編でも出て来たガチャマシン、カプセムドロッパーだった。
「引け、という事か?」
では遠慮なく。某ゲームよろしく、最高レア排出率0.3%とかだったらキレるぞ。良いの出てくれ。……む?
「……ロードスリーのスタートダッシュ確定ガチャだったか。それとも触媒教とかいうアレか」
十回引いた結果。★★★エクストラカプセム×2、★★パニックカプセム×1、★★クリアカプセム×2、★ブレイクカプセム×2、★コードカプセム×3だった。とりあえずダブりは置いてあったカプセムシリンダー使って凸しておこう。というかブレイクカプセムって聞いたことないな、ブレイクコードダウンカプセムなら知っているんだが。
でも、とりあえずエクストラカプセムゲットだぜ。これさえ持っていれば何とかなるだろう。生身の状態で使ったら、……光の矢が出るんだっけ。心もとねぇ。
「……」
でも本当にそれだけなのか? 公式解説じゃエクストラカプセムは『特別』を司る夢が宿るカプセムだったはず。それに、他者からエネルギーを奪ってロードブースターカプセムに変化するのも機能としてある、らしいが。何と言うか……エクストラの名前にしてはそんなことが特別か、と思わざるを得ない。なんでもありの夢の力でこの程度とは思えないんだが。
「ふぁ……む、もうこんな時間か」
まだ色々とやりたいことがあったんだが、瞼が重い。体がもう限界か。一度寝て、明日また考えよう。おやすみなさい……。
ZZZ
「おや。夢の中の来訪者とは珍しいね。おやすみございます、と言えばいいのかな?」
「……、成る程。お前はここが明晰夢だと分かっているようだ」
夢の中でもこの顔が鉄面皮でマジで助かったぁ……。心中はパニックエクスキューションぶち込まれたレベルの衝撃だったぞ。
や、えぇマジか嘘だろ……? この狐耳の女子生徒見覚えあるぞ? 後頭部に光っている十字架みたいな光輪ってもしかしなくてもコレヘイローだろ? え、待ってくれまさか、ここって青春学園ものの皮を被ったGTAモドキのソシャゲ、『ブルーアーカイブ』なのか!? しかもよりにもよってコイツ……!?
「トリニティ総合学園ティーパーティーの百合園セイア、か」
まんま原作CODE所属エージェントの素養である明晰夢(と予知夢)の力をデフォルトで持ってるし、夢が混線する理由としては十分だけどさぁ……。
「……何? 確かにセイアは私の名でありトリニティの学び舎にいるが、未だ入学したての若輩だ。故にティーパーティーには所属していないが」
あァァァやっべテンパって不信感与える下手言っちまったァ‼ リカバリー! リカバリーしねぇと! つーかこんな事ならガチャでリカバリーカプセムくれよォ‼ 大怪我やら銃創は兎も角、人間関係修復できるか知らんけども!
「……まさか。君も、そうなのかい?」
「情報を共有する際は簡潔に伝えろ。それ、これ、そう、こう、などでは話が伝わらん」
ヤバい、テンパってるから言葉尻がかなり高圧的な感じになっとる……。というか、セイアまだ一年生かそこらなのかよ。てぇことはアレか、まだ昏睡状態になってないのか。
「す、すまない……だが大人の君も、どうやら夢を渡る特殊な力があるようだ。そしてその口ぶりからして、私が辿る未来も予知夢としてその目に映したのではないのかな……?」
「……」
「どうなんだい、私はあの未来を見た。あの覆しようのない絶望の未来を……君も知っているのかい?」
目の前の百合園セイアは、俺の記憶の中にある彼女よりも大分幼く、そして弱々しかった。自分がどうすればいいのかまだ決めきれておらず、迷子になってしまったような、そんな漠然とした不安に囚われた幼子そのものだ。
「……俺はコードナンバー:スリー。Confidential Organized Defensive Establishment……このキヴォトスで起こる怪奇事件や特異現象、キヴォトスの内外からの脅威に対処するため設立された極秘防衛機関、通称CODEに所属するエージェントだ」
それは同情心から出た言葉などでは無かった。俺も、そしてこのコードネームのベースになった存在も、泣いている少女を護る、だなんて事の為に力を振るうことは無いだろう。
けれども。幾ら外道に染まろうと、幾ら野心に染まろうと、世界の均衡を保つことだけは目を光らせておかなければならないと、そう思った。
「つまり俺のミッションには、お前が予知夢で見てしまった『キヴォトスが滅亡する未来を阻止する』ことも含まれている」
「……!」
「お前の口ぶりからして、お前の見た予知夢の中に俺はいなかった。ならば、それは俺が関与しなかった在り得ない未来だ。俺は今この世界にいる。蝶の羽ばたきが嵐を生むように未来は変わった、その良し悪しに関わらずな」
いつの間にか手に持っていたエクストラカプセムが、俺の気持ちに呼応するように淡く発光しだしている。
「Don’t make your dream come true……君、百合園セイアの夢を現実にするな。それが我々のミッションだ」
主人公
高宮三輝(タカミヤ・ミツキ→高み病み付き→「頂きに、立つ……!」By原作スリー)
年齢:27(原作開始二年前)
性別:男
身長:170㎝
外見:強いウェーブがかかった黒髪の男。ストレスによって深いクマが刻まれた目元が特徴だが、鉄面皮であるところを除けばイケメンの部類。
いつの間にかキヴォトスにやって来ていた自称『悪い大人』。この事態が自分の見ている死の間際の夢なのか、はたまた理解を超えた現実なのか答えが出せていない。結構なマキャベリスト。特技は老若男女平等パンチ(実銃)。ヒーローものは好きだが、過去の様々な出来事が起因し、自分はヒーローにはなれないと思っている人物。特に仮面ライダーだなんて名乗るのは烏滸がましいと言うのが本音。なので、使えるシステムが疑似ライダーでほっとしている。皮肉屋で冷淡だが、使命を全うする意思はそれ以上に強く、言葉よりも行動で示す人。小を切り捨てることで大を助けるタイプ。その切り捨てる側の小にまず自分が入っている。その上、親しい間柄であっても存在の価値に優劣を付けられるので、非情だと思われやすい。その為、周りの人間も『なんだアイツ』派か『私は分かってるから』派の二つに評価がバッキリ別れる。ブルアカの推し(?)は『先生が助けられなかった生徒全般』。