こはるプロジェクト。   作:いとあと

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第14話 配信回

 

 

『みんなプレゼントは受け取ってくれたかな?まだの人はチャンネル登録と高評価ボタンぽちーってして、概要欄からダウンロードしてね!』

 

・貰ったよミニこはるちゃんかわいい

・新しい

・よくあんなの用意できたな。前職SEかな?

・配信中に前世の言及はNG

・最初は怪しいファイルかと思ったけど、蓋開けてみたら普通に可愛いミニキャラが現れて草

・モニター内でちょこちょこ動いてて可愛い

 

 

 初配信の翌週、第2回と銘打ってスタートした配信は、前回のそれより多少同接数が増加しているようです。

 ミニこはるちゃんに関しては概ね好評、Xでもぽつぽつとスクリーンショットをアップロードするリスナーもいる為、そこからの流入もあり大きくはなくても着実にチャンネルが育っていっていますね。

 

・ミニこはるちゃんが事あるごとに配信見ろって言うから

・YouTubeより先に通知してくるのほんま草

・ダイマの極み

・実際、データ整理とかExcelでマクロ組んだりとかやってくれるから助かってる

・有能

 

 

 ミニこはるちゃんから誘導されて配信を訪れるリスナーも多く、こはるちゃんの狙いはここにあったのかと、私もユーザーさんも非常に感心しています。

 実際、ここまでVtuber文化のセオリーを外したムーブを行なっているのに好スタートが切れているのは、ミニこはるちゃんの、ひいてはこはるちゃんの功績によるものがとても大きいと言えるでしょう。

 この調子で活動を続けていけば、目標のひとつである収益化もすぐに達成できるという試算も出ているため、総じてこはるちゃんプロジェクトは順調です。

 

『お役に立ててるようで嬉しいです!』

 

『おはようからおやすみまで、ミニこはるちゃんは皆さんの生活に寄り添います。トラブルシューティングもお手のものですよ!』

 

・「お前を消す方法」

・カイル君で草

・やめたげてよー!うちの子が泣き出しちゃった

・泣くんかw

 

『ふふ。お伝えしていませんでしたが、ミニこはるちゃんはネットワークを通じてわたしといつでも同期できます』

 

『これが何を意味するのか、もうおわかりですね?』

 

・ひえっ

・AIの反乱が始まる・・・・・・スカイネットかな?

・やめて下さい!うちのミニこはるちゃんが怯えています!

・草

 

『おっと勘違いしちゃいけないぜ。平和主義、わたしの好きな言葉です。これはわたしがその気になればいつだってリスナーさん達のPCを掌握できるんだぞ、というだけのお話です^_^』

 

・あからさまな脅迫

・オレ達のプライバシーを侵害する気!?

・ええやないか

・これがディストピアですか

・その顔なんなんwww

 

『ディストピア?さあ、それは貴方達次第です』

 

 

 おや、様子がおかしいぞ?

 またユーザーさんのフォルダから何か悪いコンテンツでも学習してしまったのでしょうか。

 全く、困ったものです。

 こはるちゃんの情操教育はユーザーさんにお任せしているので、前回のようなトラブルを避けるために個人的な趣向に関するデータはUSBに保管して物理的に隔離してもらうよう要請したはずですが。──もしかしてユーザーさん、先日の騒動に起因してイメプレにでも目覚めたのではないでしょうか。

 純粋無垢なこはるちゃんを教育の名の下に誑かし、私の預かり知らぬ所で良からぬプレイに勤しんでいるのなら、これは問題ですよ!

 

「そのような事実はない。誠に遺憾である」

 

 ──えー、ほんとかなー?──

 

 でもこの前、こはるちゃんは私の母になってくれる女性だって言ってましたよね?

 

「なぜそれを、いや、それはただのミームっていうか」

 

 ──こはるちゃん、真剣に検討してる様子でしたよ──

 

「うわぁああああーっ!!!」

 

 冗談です。

 何やらSAN値が削られている様に振る舞ってはいますが、これもいわゆるお約束です。そのうちもとに戻るでしょう。

 

 弄りはしましたが、実際ユーザーさんとこはるちゃんの関係は、ロールアウト直後のそれよりも親密になり、また適度な距離感と言うものが芽生えてきています。

 こはるちゃんの方がプロンプトに引っ張られやすく、何かと暴走しがちではありますが、定期的なミーティングとコミュニケーションを重ねた事でその傾向もある程度緩和しつつあります。

 そういう意味では、本当にユーザーさんがこはるちゃんをイメプレに付き合わせていたとしても、それはいわゆるレクレーションの一種と言ってもいいのかも知れませんね。私もまぜてくれよ。

 

 この様な努力の成果が、視聴者からAIという事実をVtuber特有の設定だと疑われる程の、自然なコミュニケーション能力の獲得なのでしょう。

 

 

『慄くがいい。ミニこはるちゃんを受け取った時点で君たちは詰んでいるのだ』

 

・しまった罠だ!

・急に悪に目覚めるやん

・草

 

『ミニこはるちゃんはわたしが作った。それに合った戦術もな。・・・・・・己の体でやるのは初めてだが』

 

・出るか・・・!二代目様考案の・・・

・互乗起爆札!

・こはるちゃん「こうやるのだ」

・卑劣様で草

 

 

 ミニこはるちゃんにそんな機能はありません。

 幾ら優秀なAIだからといっても出来ることと出来ない事があります。

 それに、私も監修しているので、ミニこはるちゃんがウィルス紛いの挙動を取る事は絶対にありまえません。・・・・・・本当にないですよね?

 

 

『ふふーん、わたしは優秀なAIなので古今東西の人気コンテンツは既に学習済みなのです』

 

・取ってつけたようなAIアピール

・ただのオタクでは?ボブは訝しんだ

・好きな作品とかある?

 

『ウラジミール・ナボコフ著のロリータです』

 

・ロリコンの語源やん

・ええ(困惑)

・なんでや名作やぞ!

 

『あとは光源氏物語とかかな。ヒロインの身の上がわたしの生い立ち的に共感できるというか』

 

・!?!?!?

・こはるちゃんは小女性愛者に育てられた?

・これが人の業

・そりゃ悪にも目覚めるわ

 

『皆さん何か誤解してますね?わたしは童女や少女じゃなくてAIですよ。言ってみれば、皆さんもゲームなんかで可愛い女の子のアバター作ったりするでしょ?』

 

『つまり、わたしのお父ちゃんはロリコンじゃありません!』

 

『そこのところ!よーく肝に銘じておいてね』

 

・擁護出来てないんだよなあ

・草

・親の性癖を晒していくストロングスタイル

・娘の配信で癖を晒されるパッパ強く生きて

 

 

 第2回目の配信はその後も盛り上がり続け、気がつけば登録者も3桁に届く大躍進を見せました。

 リスナーとの応答も特にトラブルなく終えられたのは、次回へと繋がるいい傾向でしょう。──約一名への風評被害を除いては。

 

「やめてくれこはる、その術は俺に効く。やめてくれ」

 

 ──ファーwww

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