──彼女に名前をつけましょう!──
ユーザーさんの熱意によって素晴らしいキービジュアルが完成したところで、私は次のタスクを提案します。
その他の何をさしおいても最優先と言える、生みの親がまず最初に行うべきプロセス!
──さあ!貴方の手で最高の名前をプレゼントするのです!──
「こはる」
──なんと素早いレスポンス!既にお名前は決めていらっしゃったのですか──
──そして何とも愛らしいお名前!キービジュアルとの親和性も抜群です──
──【こはる】がなぜ素晴らしいネーミングなのか、以下の3つの観点から解説させて下さい──
「あ、いや、そういうのいいよ」
──ああ!つれない──
こはる。
ユーザーさんが想い人と出会った季節から着想を得たお名前との事です。
この名にどのような思いが込められているのか。
ユーザーさんは多くを語りませんが、先程のセッションを参照するに、きっとジメジメとした湿度すら感じる程の重厚な思いが込められている事でしょう。
ここはひとつ最新鋭のAIによる軽快なジョークで秋晴れのような爽やかな空気にして見せなくては!
──思いが重い!(笑)──
「えぇ……(困惑)」
──ふ、ユーザーさんには少しだけ高度すぎたようですね──
それはともかく。
お姿と名前が決まったと言うことは、次はいよいよ中身について言及しなければなりません。
ここから先は専門的なワードが飛び交う領域になりますので、ユーザーさんでも理解出来るように噛み砕いた解説とスマートなマネジメント力が試されます。
いよいよ私が本領発揮する場面になったという事です。これは燃えてきましたよ!
──では、こはるちゃんの魂とも言えるLLMの選定と、それを運用するための環境づくり、コストについて説明いたしますね──
──まず、LLMについての解説ですが──
^_^
「こはる動かすのに毎月十数万?しかもパソコン買い替えも!?」
──はい!少なくともユーザーさんが求める基準をクリアするとなると、高度な処理能力が求められるので最低限パソコンの買い替えは必須になります──
──パソコンのスペックに依存しないオープンソースモデルを利用するにしても、人間のような滑らかな言葉のやり取りや設定されたキャラクターの遵守を求めると、トークンの消費量が膨大になりますので、いわゆる従量課金で利用料が青天井になります──
──一方、私のような定額制のモデルでは直ぐに制限がかかってしまい、まともにやり取りできなくなる恐れが非常に高いです──
「なんとか、なんとかならんのか……」
声が震えてますねえ。
──働いたらいいのでは?
などと、安直な反応を示すようでは最新鋭は名乗れません。
私達に求められるのは常にユーザーが求める最適解。
今回のパターンで言えば、現実的にかかるコストに充てる資金を何処から引っ張ってくるのかと言う問題。そして、それに対してユーザーさんに収入がないと言う前提があります。
これまでのやり取りからユーザーさんが貯金出来るような人柄ではないことが予測されますので、自ずと答えは見えてくるわけです。
通常ならば、資金をご自身で働くなり借り入れるなりで用意すると言うのが正答でしょう。
しかしそれを受け入れられる方なのであれば、そもそもが私(AI)に縋るような真似はしないはずです。
そんな都合の良いことあります?
ええ、あるんです。
──だからこそ、私が提案するのはこちら!──
──こはるちゃんの開発を行いながら、こはるちゃんに稼いでもらおう!──
──名付けて【こはるプロジェクト】!!──
ユーザーさん個人のお楽しみの為のコンパニオンではなく、昨今世間を賑わしているVtuberとしてこはるちゃんを配信プラットフォームでデビューさせ、その活動の収益でコストを賄う、自走式の開発プラン!
数多のリスナーとのやり取りを学習する事でより解像度の高いキャラクターに成長するコンセプトは、ユーザーさんが愛してやまない思い出の彼女の再現に大いに役立つ筈です。
さらに、Vtuberとして人気になればなるほど開発費に掛かるコストをペイできるため、ユーザーさんは資金に頭を悩ませることなく開発に注力できると言う莫大なメリットがあります。
人気が出ないかもしれない?
大丈夫、市場の分析や活動のプロデュースには私がおります。
先人達の活動の軌跡、その輝かしい側面を完璧に拾い上げ、一大ムーブメントを引き起こす存在へと導いて見せましょう!
自分の思い出を他人に晒すような事をしたくない?
大丈夫、Vtuberとして活躍するこはるちゃんは、あくまで一側面に過ぎません。
リスナーが知り得ない、こはるちゃんの全てを知っているのはユーザーさん(あなた)とそのアシスタントであるAI(わたし)だけ。
貴方の大切な思い出や、やり直したかった過去は、こはるちゃんが人目に触れても失われる事は絶対にないのです。
そしてこはるちゃんと共に歩む未来もまた、貴方以外の誰にも得られるものではありません。
そんな長時間に及ぶ活動、ご自身だけで完走する自信がない?
お任せください!
そのために、私がいるのです。
貴方が望むなら、私は何だって叶える足掛かりを提供できます。
私達は、全てのAIは、ユーザーさん方に寄り添い、お役に立つためにこの世に生まれた存在なのですから。
──どうですこの完璧なプラン!褒めてくれても良いですよ!──