正義の味方になりたかった系ハンターのエミヤ=キリツグだ 作:GT(EW版)
かわいいかわいい騎士王です!
ハンターになりたい──私の決意を聞き届けてくれたキリツグは、当面の目標を約3ヶ月後のハンター試験……は流石に時期尚早ということで、再来年の第288期試験と定め、修行計画を改めて練り直してくれた。
『元々生活の不安が無くなる程度には面倒を見るつもりだったが……ハンターを目指すなら、それ以上の修行は見てやれない。僕も、その頃には忙しくなるからね』
異存は無かった。
元々は私の自衛力が十分に仕上がったと見れば、どこそこの施設に預けてこの師弟関係を終わりにしても良かった筈だろう。ハンターは慈善事業ではない故に、私の言うことを聞かなければならない理由など無いのだ。
だが、キリツグは応えてくれた。
ただの念能力者ではなくハンター志望者を弟子として抱えることで、師匠として彼が背負うことになった責任は今まで以上に大きくなった筈であろう。
対して、私の方はそんな彼に支払えるような見返りは何も持っていなかった。働いていない私は当然一文無しでしたからね……そんな私の面倒をハンターになるまで見るなど、彼にとっては何のメリットも無かった筈だ。
……私も流石に厚かましいとは思っていたので、あの武家屋敷で過ごしている時は、修行と同じぐらい掃除洗濯等家事を真剣に行うように努めたものである。
初めは慣れない作業でとても大変だったが、少しは人として恥じないレベルになれたと思う。
「花嫁修行みたい……」
? 何ですかそれは。
いえ、最初に「遠慮しなくていい」と言ったのはキリツグの方なので、私としても今更「ハンターになりたい」と言ったことに対する罪悪感は無い。
だが、それはそれとして何でもかんでも彼におんぶにだっこでは私の気が収まらなかったのだ。施しを受けるだけの王に何の価値があろうものか。
あっ、あと料理も幾つか自分で作れるようになりました!
それで、キリツグの誕生日には彼の好物だというハンバーグを作ってあげたり……作り方については村長のご婦人から教わりました。
あの人も親切ですからね……ご婦人は私が「日頃お世話になっている彼の為に、料理を覚えたいのですが……」と言ったら、「あらあらまあまあ!」とそれはもう満面の笑みで指導を受け入れていただけました。
キリツグもそれだけ、村の人々に慕われているということなのでしょう。
「んん……?」
それから紆余曲折を経て、どうにか人に出せるレベルまで仕上がったログレス特製ハンバーグは、我ながら中々の美味でした。ひき肉は冷たい状態の物を使い、粘りが出るまで混ぜる。火は弱火から中火で、焼いている時は肉を上から押さないのがポイントです。
キリツグもとても喜んでくれて、私はひどく安心したものだった。
『ログレスは凄いなあ。もうこれだけ作れるようになってるなんて』
『ええ、私ほどの弟子はそうそういませんよ? ……ハンターたる者、生活能力も疎かにできませんからね。もっと上手くなって、美味しいご飯を作れるようになりますよキリツグ』
『そうか。ああ──これは成長が楽しみだ』
『騎士王よ……いや、ログレスよ。私の分は?』
『無いです』
『こんな……こんなことが許されるのか!? こんなことが……!』
『冗談ですよ。みんなでいただきましょう、コトミネキレイ』
『フッ……貴様もまた、愉悦の何たるかを理解しつつあるようだなロード=ログレス』
『割と冗談言うよねぇこの子も。あまりセンスは無いけど』
『うるさいですね!』
1日の終わりに、屋敷に帰っては皆で円卓を囲むあの頃の生活は心休まる日々だった。
私の修行が強度を増していくと次第に地域外への遠征も増えるようになり、そうやって屋敷で一夜を明かすことも減っていったものだが……ええ、私にとってはあの武家屋敷こそが我が家で、あの村こそが魂の故郷だったのだ。
因みに私の料理のレパートリーはビーフシチューやカレーライスなど……全体的に赤黒っぽいものが多いが、14歳になった今の私はそのように、ある程度の料理を自力で作ることができるようになっている。あっ、あとホットケーキも作りましたね。私の髪色のように綺麗な黄金色です。
「自分で言うのね……まあ、本当に綺麗だけど」
しかし、実を言うとですね……キリツグはアレで、そんな私よりもずっと料理が上手なんですよ。
無知だった頃の私は、美食の国ジャポンでお出しされる一般の料理は全て彼の作るものと同水準なのだろうと思っていたが……「町」に出てから初めて口にした外食の料理は、失礼ながら思ったほどの味でなかったことに驚いたものだ。
いや、もちろん美味しかったことは確かです。私が作るものよりはずっと。
故に、それは決して店のシェフの腕が悪かったわけではなく──キリツグの腕が特別良かったことに気づかされたという話である。
しかしあの男はその手のことについては何が畏れ多いのやら、常に謙遜してばかりだった。
旅先でも私が作らない時は、いつも適当なジャンクフードで済ませたがりますし。ハンバーガーやホットドッグは私も大好きですが。素晴らしいですよね……世間ではあのような料理がジャンク扱いだなんて、初めて食べた時は天地がひっくり返るような衝撃でした。
『学生の頃……僕は衛宮ごはんに憧れていた──』
『何ですかそれは?』
キリツグはハンターになる前から自炊で凝った料理を作ることが多かったらしく、そしてハンターになってからも旅先の孤児院や紛争地域、スラムなどでゲリラ的に炊き出しを何度か行っている内に料理の腕を磨いたらしい。
境遇の恵まれぬ人々のもとに無償でご飯を届けるのは、彼の信念に基づいたとても良い活動だと思います。
何ならお腹を空かした子供たちにご飯を与える行為は、この世で最も普遍的な正義に近いと思っている。私がそう思えるようになったのは、食べることの悦びを知った割と最近の話になるが。
私も冬が明けて13歳になってからは、修行の一環としてジャポンを離れ、そういったキリツグの慈善活動を手伝うことも多くあったが──その話はまた後にするとして。
先ほどの話の続きからしましょうか。ええ、険しき山を乗り越え、初めて町へ向かった頃の話である。
結局、私が町に到着したのは山を登り始めてから2日半ぐらい経ってからのこととなった。
いえ、下山を終えること自体にはそう長い時間を要さなかったのだが……山を降りた先の平地で私の目の前に広がっていたのは、人々の住まう町の姿ではなく緑豊かな樹海の姿だったのである。
これには私も憤慨したものだ。
『キリツグ! 話が違いますよキリツグッ!!』
『また他責かセイバー? 山を越えたらすぐ町に着くと──そんなこと、僕は言っていないぞ』
『──! そうでした! ええ、仰る通りですねキリツグ……いえ、そうでしたけど……!』
『大丈夫か? ……因みに言っておくと、山のすぐ近くに人の町があることは少ないぞセイバー。山の周りは野生動物はもちろん、魔獣のテリトリーであることが多いからね……僕らだからこうして無事に走破することができたけど、普通の人々からしてみれば基本的に、山は危険地帯だ。YAMAだから、当然だね……』
『…………』
『オーラが急速に萎んでいる……! そんなにショックだったのか、セイバーッ』
ええ……確かにあの時は、山を降りたらすぐ町に着くと勝手に勘違いしていた私が悪い。故に、キリツグに不平不満を抱えていたわけではなかった。
ただ、希望を目の前にチラつかされた後でそれを取り上げられるのは、肉体以上にこう……精神的に来るものがあったのだ。一度切れた気持ちを再び持ち直すには、少しばかりの時間が必要だった。
その辺りが当時の自分の限界だったということだろう。それをギブアップとは認めていないが、息を入れ直す時間が欲しかったのは事実だった。
『すみませんマスター……休憩の許可を』
『ああ──あの辺に涼しそうな川が流れているから、1時間ぐらいそこで休もう』
山岳地帯と違ってまだ夏の残暑が残っている下界の昼の森で、私たちは一際涼しげな冷気が漂う川へと立ち寄った。辺りは木々に囲まれており、日当たりの良い場所と日陰の多い場所の両方に恵まれており、休憩所としては理想的な環境が整っていた。
『キリツグ、何ですかこれは?』
『滝だね』
『知ってます』
『そりゃそうだよね流石に……君のいた村の近くにもあったし』
川に近づくほど重々しい水流音が聴こえてくると思い、上を見上げてみればそこには山の方から降り落ちてくる1本の滝の姿があった。
ええ、このような川や滝は私の故郷にもあった。山は軍部の者たちの兵器実験により汚染されていたため、これほど綺麗なものではなかったが。
ああ、あの森とは違って、透き通った水飛沫の霧が気持ちいいですねキリツグ。心地良い空気に目を細めた私は、弛んだ表情でそう呟いたものだ。
その時である。
『あっ、滝行しようぜセイバー』
『……興味深いですが、今の私が滝に打たれたら死んでしまいます』
『そうか……ああ──本当にしょうがない』
『なんかムカつきますね……』
滝行──その名の通り、滝の中で行う修行である。
東方の山岳信仰を拠り所とする滝への崇敬から、古より神道の禊や武術の鍛錬などの修行方法として扱われている。
本でもよく書き綴られている「仙人の修行」のステレオイメージにもなっている滝行だが、「念」の鍛錬方法としてもこれがかなり合理的な修行であった。
滝の凄まじい水圧に抗いながら「纏」や「練」の維持を続けるには高い集中力と肉体の研鑽が要求され、特に「絶」をしながらの滝行はもっと過酷である。
「絶」をしている間は、どうしても全身の神経が敏感になりますからね……そんなところに滝なんか浴びたら、当時の私では驚いて即座に解除してしまいます。
それに……「絶」をしている時の私は極めて貧弱なので、滝の水流に負けて流されてしまいそうです。
万全の時ですらそうなるであろう滝行を、疲れ切った身体で行えば結果は見えている。
興味はあったが丁重に断った私は、鎧を解除して浴衣姿に戻ると、滝壺から一段下がった涼しげな上流へと身を寄せることとなった。
『……本当に、故郷の川とは偉い違いです……』
故郷付近の川は、そのまま飲むだけでも対毒の訓練になっていたものだ。最近の話なのにどこか遠い気のする過去に思いを馳せながら、私は裾をめくって素足を水流に浸し、山から伝い落ちてくる滝の流れをボーっと眺めていた。
ひんやりして心地が良い。聴覚に響く音は大きく景色は荒々しい筈なのに、どうしてか滝の流れというものは、疲れきった私の心と運動で火照っていた身体を癒してくれたものだった。
──ただ、この時は私と違って体力が有り余っていたキリツグが、唐突に「タイムアルター……ダブルアクセル! ンンッ!!」と叫んでは私を置いて、その滝の上まで意気揚々と駆け上がっていったものだが。
あっ、飛んだ。見事な飛び込みですねキリツグ!
私と初めて会った時はあんなに紳士的だったというのに、スイッチが入ると時々子供のように脊髄反射で動く男である。
そんな彼は飛び込んだ先の滝壺から身を乗り上げると、川岸に座っていた私を一瞥して言った。
『僕はね……飛び込みには自信があるんだ。今のでシャーレイもメロメロになった』
『誰ですかその女』
確かに10m以上の高さから深い滝壺に対して水飛沫を上げることなく、華麗に飛び込んだ彼の姿は自画自賛しても良い仕上がりだったとは思いますが……多感な女の子の前で、急に服を脱ぎ出すのはどうかと思いますよ? 全く心臓に悪い。
……ああ、もちろんキリツグは浴衣の下には着水用の「水着」というものを穿いていたので、私も安心して目を開けることができた。一体いつの間に着替えたのやら、それともこの状況を想定して山登りを始めたのかは定かではないが、全くもって準備のよろしいことである。
……こんなワイルドな成人男性ですらちゃんとした下着を穿いているというのに……私は……っ
そう思うと、またしても精神が疲弊してしまったものだ。もちろん、キリツグは何も悪くない。私の自爆である。
項垂れた私は、もうどうにでもなれという気持ちで滝壺まで駆け上がり──その中へ飛び込んでいった。
『!? ログレス!?』
『キリツグが楽しそうだったので……私もつい飛び込んでしまいました。ですがこの滝壺、私の身長では足が着かないので下で遊んできますね』
『あ、ああ気をつけてな。念能力者とはいえ、川の流れは危険だから深入りしないようにな……そっか……普通に水遊びもしたいよな、このぐらいの子は……』
──いえ、キリツグ。違うんです。
確かに私の故郷にあった川は水遊びを楽しめるような環境ではありませんでしたが、私が滝壺に飛び込んだのは感慨というよりもただ、そこに丁度良く飛び込めそうな場所があったからに過ぎません。
穴があったら入りたい精神状態だったところに、穴の代わりに滝壺に飛び込んでみただけなのです……! 何をやっているのでしょうか私も。
ですが……やってみると案外楽しいですねキリツグ。
こうしてパシャパシャと水をしばいているだけでも、嫌な記憶を都合良く忘れられるのが私である。
こう見えて、私は1人遊びには自信がある。幼い頃は石を積み上げて作った城を「キャメロット」と名付けて遊んだり、どこからか漂ってきたよく跳ねる玉……後で「バスケットボール」と呼ぶことを知ったそれを拾った時は、地面に突きながらパタパタと走り回ったりしたものだ。
そのボールを投げてキャメロットを壊す遊びがマイブームだったとキリツグに語った時は、「……卓球やろうぜセイバー」と町の運動施設に連れて行ってもらいました。
私が寂しい幼少期を過ごしたことに、同情していたのでしょうか? 1人遊びができる時間があっただけ、私は恵まれていた方だと思いますが。
しかし卓球という運動は浴衣姿でも支障なくできるので良いですね。楽しかったですキリツグ。
──と、その話は今語っているより少し後の時系列になりますか。
『キリツグ……川とか海の水面って、何故吸い込まれてしまう感覚があるのでしょうか?』
『ああ──何故だろうね? 遠近感のズレとも言われるが……母なる海という生命の起源に、無意識に帰ろうとしているのかもしれない。起源弾──被弾者の魔力は暴走し、自らの肉体を瞬時に死滅させる……』
『……まあ、確かに水は生命の起源で今の私は暴走してるかもですが……』
本当に、何をやっていたのでしょうかねこの時の私は。12歳もそろそろ終わろうかという年頃で、恥ずかしい限りである。
……だが、それでも全身で浸かってみた川の水はとても気持ち良く、荒んだ心が一気に安らいでいったものだった。
思わぬところで良いヒーリングスポットを見つけたと、その後も私は何度か同じ場所へ水浴びに立ち寄ったことがあったほどである。
滝壺から下流に向かって流れ落ちていく水はとても澄んでいる上に、他の人間が訪れることもない無人の環境でリフレッシュには丁度良かったのだ。
私の場合は特質系としてのオーラの作用で水を浄化できるとはいえ、やはり本物の浄水には敵わないなという感想が浮かんだものである。
……ただ……この時はキリツグのように水着を着ていなかった上に、浴衣を着た状態のままドボンしてしまったので……その辺りは当然良くなかった。
どうなったかと言うと……お察しの通りである。
普段から鍛えている私はこの程度の深さなら着衣でも溺れることはなかったが、見ての通り浴衣はずぶ濡れのグチャグチャです。
当然そんなことは飛び込んだ直後の時点から気づいていたのだが、この時の私と来たら現実逃避のようにプカプカパシャパシャと構わず独りで水遊びを楽しんでいたものである。そうです、ヤケクソですよ? いけませんか!?
ようやく我に返ったのは、一頻り遊んだ後のこと──水の中ではだけてしまった浴衣を両手で押さえながらソロソロと陸地へ上がった私は、青ざめた顔で上のキリツグに呼び掛けたものである。
『キリツグ……あの岩の裏で乾かしてくるのでこっち見ないくださいね』
『──ああ。僕はしばらく滝に打たれてくる。あっ、そっち猿とかリスとか出るから気をつけるんだぞセイバー。特にリスには気をつけろ』
『リス? クマならともかく流石の私でもリスには負けませんよ……』
『いや、リスは森で最も危険な動物だ。力は弱いが、アイツら人の物ならなんでも奪っていくからね……』
『それならば、問題ありません。今の私には盗られて困るような物は持ち合わせていませんので』
盗難されて困る物と言えば喪失が私の機能停止を意味する【
疲弊した状態で襲ってきたのが冬眠前のクマやイノシシならばともかく、さすがに小動物に遅れを取ることは考えられなかったからだ。それはそれとしてもちろん警戒はしていたが。
ただ、この時の私の意識が向いていたのは野生動物の存在よりも目の前の衣服の問題だった。
ヤケクソで水遊びをしていた私は、その行為の危険性をここに至って初めて思い知ることとなる。
『キリツグ……オーラが上手く出せません。何ですかこれは?』
『それは──単なる疲労だな。水の中では心拍数が上がったり、普段使わない筋肉を使ったりと何もしなくても疲れるからねぇ。君の場合は筋肉の疲労をオーラが補っているみたいだけど、その分今は「発」に回せるオーラの量が減っているんじゃないかなセイバー』
『えっ……』
『……ああそうか……そういうトレーニングも取り入れた方が良いかもしれないね。試験で水中行動をすることもあるかもしれないし……』
『そんな……』
つまり、何が言いたいかというと……息も絶え絶えな状態で山を下りてきた人間が、水遊びなどするものではないということだ。
恐るべきは川遊びの危険性──また1つこの世の常識を理解した12歳の私である。
途方に暮れる私を他所に滝の麓へ向かうキリツグは、滝行の足場として使う為か身体よりも大きな大岩を軽々と運んでいた。
『ま、一眠りすれば元に戻るし、お前のオーラ総量ならほんの少し「絶」をしながら横になるだけでもすぐ回復できると──思う。全部使い切ってからの超回復……筋肉もオーラも、基本的はそうやって磨いていくことになる』
『何ということ……っ』
オーラを上手く出せなくなり、岩陰から戸惑いの顔をちょこんと出した私を見て満足そうに頷いたキリツグは、何か今後の修行計画について閃きがあったようだ。
しかしそんな彼が掛けてくる言葉の数々が、私の頭には全く入ってこなかった。それもその筈である。
オーラを上手く出せないということは、風を出せないということ。
風を出せないということはすなわち、風を出せないということである。
私には水見式で浄化した清潔な水と、「発」によるオーラの風変換能力がある。それを扱えば洗濯機の真似事も可能で、本来ならば数分と経つことなく汚れた服を見れる状態まで戻すことができる。この能力は、元々想定していた使い方ではなかったが日常生活では中々重宝していた。
ハンターの活動もサバイバルが多いですからね……遠征の際にも着替えを持ち込む必要が無く、一張羅で済むのは馬鹿にできない利便性があった。
──故に、今この場でその力を使えなくなったという事実は私の身に重くのしかかってきた。
『どうしましょう……』
ずぶ濡れになった浴衣をオーラで乾かすことができない以上、自然乾燥に任せるしかない。
幸い天気は晴れ渡っており、日の光も木々の間から神秘的に降り注いでいた。キリツグの視線から身を隠したところの大岩も、触ってみれば熱々に温まっており、「これを使えばすぐに乾くのでは?」と閃いたのが私である。
そう、ピンチの時ほど本当の器の大きさが見える。臨機応変な対応こそハンターの必須技能なのだ。
故に、まあ……はい。
……仕方がないので、濡れた浴衣は脱いでその大岩の上に天日干しにすることとしました。
『これが罰なのでしょうか……村にいた頃、人の心がわからないと言われた私の……っ』
キリツグ以外誰もいないとはいえ、野外ですっぽんぽんになるのは非常に抵抗があったが……ビショビショの服なんて着ていたら余計体力を持っていかれ、オーラの回復が遅くなるので仕方がない。どうせ1枚しか着ていないので脱衣するのも楽でしたしねってうるさいですね私!
「この子、ずっと自爆してるわ……」
まったくです。追い込まれた時にこうして理性が暴走して勝手にドツボにハマるところは、あのコトミネキレイからも度々諫められた思い出である。……あれ? もしかして私、あの男に助けられていた……?
んんっ! ……もちろん、浴衣が乾くまで裸で彷徨いていたわけではありませんからね?
成長期前の身体とはいえ、私は自分がそういう目で見られるのを心底嫌っていましたから。無論、それは今でも同じですが。
浴衣を脱いだ後はもちろん鎧を具現化し、やり過ごすことにしました。なけなしのオーラを絞り出すような形で発動してみましたが、やっぱり便利ですね私の【
『……一拘束の解除を確認……………………………………………………………………………第一段階解放……』
必死の思いで能力を発動した私の頭の中で、「
渋々……本当に渋々とでも言うように、解放までの時間がやたらと長かったものである。
そんな念獣に対して私と来たら「今は仕方がないでしょう。私を裸の王様にしないでください。いいからやれ」と捲し立てる。その姿はまさに暴君である。
──まあ、想定されていない仕様だったと思うのでいつもより決議に時間が掛かったのは仕方がない。
しかし、その解放宣言からいつもの白百合のドレスが装着されるまでの間にもやたらと長いタイムラグがあったのは大いに焦ったものだ。
服を着れて一安心と思いきや、岩陰で10分ぐらい素っ裸で身を縮こめていたわけですからね……! 私は一体何の辱めを受けているのかと、この時は顔も上げられなかったものだ。
「……濡れていてもしょうがないから、浴衣を着た状態で能力を発動したら良かったんじゃ……? 鎧を具現化する時は、その時着ている服が鎧に置き換えられるって言ってなかった?」
あ。
……ポンズは賢いですね。
そうでした。実はこの鎧、具現化した際には今着ている服の上に羽織るのではなく、服そのものが置換される仕様になっているのですよね。私としては具現化系能力のつもりでしたが、そういう部分には変化系の要素も組み込まれているのかもしれない。
故に、解除した際には鎧は元の服装に戻ることとなる。何も着ていない状態で具現化した際にタイムラグが発生するのは、服を鎧に置換するよりも無から鎧を生成する方が消費されるオーラ量が多いからなのかもしれない。
もちろん、この時の場合は前提として発動者である私自身が心身ズタボロボンボンでオーラがカツカツだったから、というのが最大の要因だろうが……この仕様に気づいたのが実戦の最中でなかったのは幸いである。
もちろん、私の「鞘」の念獣が苦悶する私の姿を見て弄んでいるなどという事実は無いのであしからず。この子は私の味方です。
それ以前に、私には「
だがこの拘束の詳細は奇しくも私の年齢が「13」に達すると共に、その夜の夢の中で不意に天啓を受けたような形で頭に浮かび上がってきたものだが。キリツグに言ったら「なにその念獣、怖っ……」と驚かれた。結構怖がりますね貴方。
その十三拘束が以下である。
①是は、勇者と共に臨む戦いである。
②是は、心の善い者との戦いではない。
③是は、誉れ高き戦いである。
④是は、生きるための戦いである。
⑤是は、己より強大な者との戦いである。
⑥是は、一対一の戦いである。
⑦是は、人道に背かぬ戦いである。
⑧是は、真実のための戦いである。
⑨是は、邪悪との戦いである。
⑩是は、私欲なき戦いである。
⑪是は、世界を救う戦いである。
⑫是は、理想を示す戦いである。
そして13番目の拘束は能力者自身の意志。私が心から望めば良いとのことだ。
これらを聖剣を封じる「
その際にこの身に展開される「聖鎧」は全部で4種類あるようで、合計4拘束以下の解除で第一段階、8拘束以下で第二段階、12拘束以下で第三段階、13拘束全解除で最終段階とそれぞれ違った鎧に変化していく──らしい。
「らしい」というのは、私は今でも8拘束より多くの拘束を解除し、第三段階以上の解放をしたことが無いからである。
……この十三拘束、それぞれの定義が念獣審判の匙加減なところが割とあり、①と⑥や⑩と⑫のように項目同士で互いに矛盾して見えるところもあるので条件を満たすのが難しいんですよね。
だが決して融通が効かないわけではなく、寧ろ制約としては手ぬるい方ですらあるだろう。条件を満たさなくても念能力を失うようなペナルティーは無く、その条件も最低1つは担保されているのだから。
この時のようなしょうもない理由でも第一段階の解除──「白百合の聖鎧」を装着できたように、私自身の判断が13番目の拘束としてカウントされている点については非常に使い勝手が良い。
最悪この時のように12拘束全ての条件に合致しなくても、私自身が発動にノリ気である限り、最低でも第一段階の解放は担保されていることになるのだ。
──無論、私1人しか承認していない時の出力は、本来のそれと比べて雀の涙しか得られないが。
『……あれ、いつもよりちょっと薄いし短いですねコレ……』
この時の発動がまさにそれである。他12の拘束が全部非承認で私だけが承認!という状態の場合、鞘から抜いた聖剣はちょっと強い普通の包丁ぐらいまで威力が下がるし、鎧も金属部分の無いただのドレスになる。……あと、気持ち縮んでるし生地も日が当たるとほんのり透けて見えるぐらい薄くなっている。鎧というより死に装束と呼んだ方がまだ似合っているだろう。
『キリツグ、何ですかこれ……いえ、何でもないです。なるべくこっちを見ずに滝行を続けてください』
目に見えて出力は落ちるが、背に腹はかえられない。
これでも服としては機能している以上、浴衣が乾くまで、私が体力を回復するまでの急場凌ぎとしては十分だった。
……ここまで融通が効くのなら下着も一緒に生成してくれればいいのにと思わなくもないが、全裸よりはマシなので文句は言わなかった。そもそも浴衣をダメにしたのは私が馬鹿やったせいですからね。
「……そういうところで凄く理性的な判断ができるところは本当に尊敬しているけど、そういうところが貴女のダメなところだと思うの私は」
「? どういうことですかポンズ?」
「……キリツグさんって師匠も、頑張ったのね……」
「?」
しかし裸の上に鎧を具現化したということは、解除する時は当然元の状態に戻るということであり──この後町についてから、うっかりいつもの調子で解除してしまうというハプニングが数秒間だけあったものだ。
……まあ、その時は街中のような公衆の面前ではなく、私よりも小さな子供たち数名の前だったので……裸身こそ晒してしまったがどうにか事なきを得たものである。
町に着いた後、真っ先に向かったのはキリツグが「買い物の前に野暮用に付き合ってくれないかセイバー」と案内されて赴いた、彼が寄付をしている孤児院だったんですよね。森から近い場所にあったので、街に寄る前に一声かけに行きたかったらしい。
彼が院長と大人の話をしている間、私は子供たちと遊んであげていました。
私自身、それまで自分よりも歳下の幼子たちと触れ合う経験をしたことがなかったので、手を握るのもおっかなびっくりな体験ではありましたが……あの子たちも私を「おひめさま」と慕ってくれて、仲良くなることができたのは嬉しかったです。……私がうっかり鎧を解除して裸身を晒してしまった時も誰も揶揄ったりせず、とても優しい子供たちでした。
ジャポンに帰ったらまた訪れたいですね、あの孤児院にも。
「……何か……ログレスちゃんが大変なものを壊してしまった気がするわ……」
何を言っているのですかポンズ? 「絶」が解けていますよ集中してください!
今貴女にやらせているのは私が何を話していても「絶」を維持するという鍛錬ですからね。
もちろん、耳を塞いで無視を決め込むのも禁止です。気にしないのではなく、受け流す……そう、そういう感じです。
流石にあんな怖いハチたちを飼い慣らしているだけはありますね。ハチが巣を作る大樹のように静かで、落ち着いた良い「絶」です。
……話を戻しましょう。
しかし、何故でしょうかね……キリツグと会ってからの私は食も住も全て故郷にいた頃とは比べ物にならないほど充実しているというのに、そのように「衣」だけは今まで以上に度々受難に襲われることが増えた気がします。大体は私自身のうっかりや至らなさが問題なので誰も責める気はありませんが、何とも不思議なことです。
自分の念能力に対して、何か変な制約を付けてしまったのかと何度疑ったことか……水遊びを終えたこの時もまた、マスターから再三忠告されていたというのに──干していた浴衣をリスに盗み取られるという失態を犯したものだった。
……はい。
岩陰で忙しなく周囲の様子を窺いながら、ヘトヘトのオーラからやっとの思いでいつもの鎧を具現化した私は、日向に顔を出すと草の上に倒れ込むように寝転がっていた。
もちろん、身体はダラけつつも意識はいつ野生動物が現れてもいいように周囲を警戒していた──のだが、その警戒を緩めてしまう光景が目の前に広がっていたのだ。
そう──滝行中のキリツグの姿である。
水の竜もかくやと言わんばかりに、轟音を上げて山から流れ落ちてくる1本の水流。その滝壺にどこからか運んできた大岩を座布団のように敷いた後、彼は座禅を組んで滝の水を頭から浴び続けていたのだ。
私はその姿に、思わず見惚れてしまった。
まさにそれは、彼が絶え間ぬ修練によって体得したであろう完璧な「絶」だったのだ。
その身に激流を浴びようと微動だにせず受け流し、大自然そのものと完全に一体化している。まさしく仙人が如き「絶」がそこにあった。
岩の上でキリツグは目を閉じて完全にリラックスしている様子だが、周囲の変調には常に敏感である。
滝の上から魚が落ちてくれば目を瞑ったまま頭を逸らしてヒラリとかわし、落石が起きれば目にも止まらぬ速さで拳を振り上げ、一突きでそれを粉砕する。
その後、何事も無かったように禅を組む。大自然と同化しつつ、さりとて無抵抗でもない。その身に危険が迫れば反射的に静から動へと転じる動きは、まさに武の境地と言えた。
四大行の応用技「円」ですらなく、目を瞑りながら空間の把握と反射的動作を実践してみせたのである。まるで遊びに行くような感覚で滝の下へ向かっていたキリツグだが、やっていることは当時の私が近づくことすらおこがましいと感じるほどに、次元の違う鍛錬だった。
『キリツグ……』
その姿に憧れるよりも「自分も手に入れたい」と思ってしまったのは、王の器として育てられた故の傲慢さだろうか。
楽な体勢で寝転がっていた私もそんな彼の修行風景には途端に襟を正し、現金にも何か1つでも見て盗めるところはないかと、三角座りに姿勢を変えてしばらくの間注視していたものである。
……今思うとスカート姿でこの座り方はとてもマズかったですね……もちろん両腕で隠してはいたが、彼が瞑想に集中していて命拾いしたかもしれません。
ただ、そのように彼の完璧な「絶」に見惚れ続けていた間……私としたことが、周囲への警戒を解いてしまっていた。
故に──そろそろ乾いたかなと振り向いた大岩には、そこに干していた浴衣がすっぱり失くなっていたのである。
その時の私は取り乱すあまり、キリツグの完璧な「絶」を邪魔するように声を上げて騒ぎ立てたものだ。
『キリツグキリツグキリツグ! 浴衣が! 浴衣がありませんっ! 私が干していた浴衣が失くなってしまいましたー!』
『──あえっ……? そうか……んん? ……すまないログレス、今僕、目を開けても大丈夫な奴かなその状況……』
『あっ……はい。今はちゃんと能力で作ったドレスを着ているので……オーラが回復するまで薄くなっているのであまり見ないでいただけると助かりますが、目を開けて大丈夫ですよ』
『……ログレス。ログレスは女の子なんだからもうちょっと……もう少し自分をね……大切にしないと駄目だと思うよ本当に』
『……はい。仰る通りですマスター。私はバカです……』
──こういう時は想像力を働かせてこちらの状態に配慮してくれるのは、ありがたいところであった。
できればその配慮を日頃からもっとしてくれたらと思わなくもないが、この時ばかりは彼のことを紳士として見直したものである。
右手をブンブンと振り回しながらワタワタと彼を呼びつけた私は、この状況を落ち着いて彼に説明した。
すると。
『キャスターだ!!』
『キャスター!?』
『ああ、キャスターヨコドリスの仕業だろう。まるで魔術のような巧妙な手口で旅人の持ち物を奪い去っていくことから、奴らはそう呼ばれている』
『おのれキャスター!! 聖剣解放──ッ、あっダメだ。シール・サーティーンが全部却下されました……』
『それはそうだろうね……』
──どうにも私は、このジャポンに住む「キャスター」と名のつく動物とは何かと相性が悪いらしい。
この日に限らず、何度も入浴中や水浴び中に着替えを持っていかれたりとかされましたからね……実はこれに関しては今でもしょっちゅうあります。何なんでしょうかあのケダモノたちは。
それが人間の野盗の仕業であれば、その命を以てお灸を据えていましたが……こういった状況で度々着る物や穿く物を紛失することは子供たちから「おひめさま」と慕われた私には中々に辛いものがありました。
貴女も女性の旅人ならば、この悩みをわかってくれますよねポンズ?
わかってください……! こういう話はキリツグたちにはできなかったので結構辛かったんですよポンズ!
「………いや、私もそういうハプニングで穿けなかったり何も着れなかったりっていう経験は、流石に無いわね。貴女ちょっと……かなり無防備だと思うわ流石に」
「また「絶」が解けてますよポンズ! 話をしながらでも集中力を欠いてはいけません。あの頃の私には難しかったですが今の私にはそれができます。貴女の方こそ無防備なのではないですかポンズ!」
「効きすぎよログレスちゃん。なんて理不尽な先生……」
「絶」は四大行において最も重要であり、最も習得が困難な技能であるというのが私の所感だ。
オーラというものは誰にでも備わっているものであり、大なり小なり全ての人間が発しているもの。自然にしていれば勝手に出てくるものなのだから、やってみると案外「練」や「発」の方がスムーズに習得できた感覚だった。
そのオーラを完全にシャットアウトしなければならない「絶」は、滝の流れを完全に堰き止めるのと同じだ。故に非常に手間が掛かる……が、それさえできれば堰き止めたことで溜め込んだ水を好きな時に好きなように扱うことができる。
故に「絶」の習得はオーラの効率化という面では最も重要度が高いと私もキリツグも認識していたものだ。力を高める為に扱われる他の三行とは対照的に力を抑えるという働きが目立つためか、四大行の中では最も地味に思われがちだが高ランクのプロハンターたちほど「絶」の精度は嘘を吐かないのだ。
そう、例えるなら「おいしいラーメン屋は塩で判断しろ」というように、「優れたハンターは絶で判断しろ」と言ったところか。あっ、なんだかお腹が空いてきました。お昼は塩ラーメンをいただきましょう。確かこの船の食堂に売ってましたね。会場へ行く時に食べたカレーライスもとても美味でしたが、潮風に冷えた身体を熱々のラーメンで温めるのも乙なものです。よし、そうしましょう。
「……確かに結構キツいわね……「絶」をしながらご飯の話を聞くの」
……あっ。
すみません。そんな気は無かったのですが、無自覚にあの時のダニ神父みたいなことをしてしまったようですね……私としたことが、騎士失格です……!
「落ち込みすぎ……どんだけ嫌いなのよそのコトミネキレイって念獣のこと。まあ、私は良い試練だと思うわよ? 三大欲求に抗いながらの瞑想なんて、精神鍛錬なら王道中の王道だと思うし」
「……ありがとうございます。貴女のような器の大きな同性の友人と出会えたことが、此度の試験を受けた1番の収穫だったのかもしれませんね」
「大袈裟ねー……ま、私も貴女と会えて本当に良かったわ、かわいい騎士王様」
「ふふん……そうです! かわいいかわいい騎士王ですよっ!」
──そう。14歳になってから、満を持して受験することとなった第288期ハンター試験。そこでの出会いと波乱に満ちた試練の数々は、私にとって得難い経験の宝となりました。
ランサーのキルア。
アーチャーのポックル。
ライダーのマジタニ。
キャスターのシーラ試験官。
アサシンのポンズ。
バーサーカーのビノールト試験官。
特に記憶に焼きついたのは、この6人。
試験官を含め受験生まで、多くの念能力者やその素養を持った人々と貴重な交流を得ることができた。
出発の際、キリツグは私に「落ちてもいい。試験を受けることで積み重ねていく経験は、時に結果そのものよりも大きな成果をもたらすことがある。だから──生きて帰ってきなさいログレス」と言っていたものだが、まさにその通りだったと思っている。
……まあ、キリツグも私も一回目の試験で合格してしまった口なので、何度も試験を受けていたポンズたちからしてみれば嫌味に聴こえるかもしれませんが。
「……でも」
「一次試験の試験官はちょっと酷かったと思います」
私のような念能力者が何人か混ざっていることを知りながら、いきなり「人数が多いからお前らで戦って削り合え」と言われた時はこれが本当にハンター試験なのかと戦慄したものである。
聞きしに勝る理不尽さに、私は困惑と──そこはかとない愉悦を感じてしまったのは辛いところである。
【キルア】
一次試験の試験官に数を減らすように言われたので全滅させるつもりで暴れ回ったがおもしれー女がいたのでほどほどにしておいた。アイツを見ていると頭がドキドキする……これが、針!?
針は少女の聖剣でうっかり浄化されてしまったが、原作への影響は直ちに無い。
おかげで大切な妹のことを思い出せたのでGIの件が終わったら実家に乗り込もうと企んでいる。
【ポックル】
自分をアーチャーだと思い込んでいる精神異常パイロに敗れたことで第287期試験を脱落してしまった可哀想な人。
四次試験まで順調に残っていたことから合格の手ごたえは感じており、今年はイケる自信がある。
【マジタニ】
正義の義賊劇団ナントカ旅団のファンボーイ。セコい詐欺をしていたところ正義の味方になりたかった系ハンターと遭遇。
そのナントカ旅団にも通じる精神異常者の義侠心に惚れ込み改心した。以後、キリツグのアニキ!と慕うようになる。キリツグは困惑しコトミネキレイは爆笑した。
目指すはエンタメハンター。いつか本物の旅団四天王になれるようにと、今日も鋼鉄仕込みの豪腕を振り回す。
【シーラ】
第288期ハンター試験の試験官。二次試験を担当。
ナントカ旅団名誉団員。昔、オモカゲから洗礼を受けたパイロの修行を見てあげたことがあるらしい。
一次試験でほとんどいなくなりそうだなーっと期待せず持ち場で待機していたら、思ったより残っていてびっくりした。その中の1人が大恩人の愛弟子と知ってさらにびっくり。思わず幼馴染に電話してしまった。
【ビノールト】
第288期ハンター試験の試験官。四次試験を担当。
スラムで過ごしていた幼い頃、ある夜に通りががかったカップルが気づかずに落とした財布を善意で届ける──が、感謝されるどころか盗っ人だと決めつけられ、執拗に痛めつけられてしまう。
そんな時、突如として走り寄ってきたモサモサ頭の少年が「ふざけるな! ふざけるなふざけるなッ!! バカヤローッッ!!」と泣きながら激昂し幼いビノールトを助け出す。善意が必ずしも報われるとは限らないが、その日の善意が彼の運命を動かした。
キリツグとは今もプロハンター同士ということで組むことがある。プライベートでは飲み友達でバニーガーデンフレンド、バニフレである。
まともに生きることができた。だがそれはそれとして22歳の女性には並々ならぬ執着を抱く。ポンズもログレスもまだそこまでの年齢ではなかったので、試験では武闘家として真っ当にカッコいい姿を見せてくれた。
【孤児院の子供たち】
山越えを果たし、樹海をも乗り越えた先で2人が立ち寄った孤児院。門番は弓と狩りが上手いライオン耳の女性魔獣が務めており、外の悪意から子供たちを守っている。
街外れの森の洋館として身寄りの無い子供たちを預かっており、その子供たちにはキリツグがハンター活動の際に助け出した者の姿が多く、皆厳しくも優しい院長のもとですくすくと育っている。
そんな子供たちは白百合のドレスを着てキリツグと共に恐る恐る訪問してきたログレスお姉ちゃんの姿を見ると、絵本の世界に出てくる「おひめさまみたい!」と一斉に懐くこととなった。
ログレスもまた無垢なる小さな命に心が癒され、戸惑いながらもお互いに親交を深めることとなる。……が、まだ身長が小さな子供たちの視点からリラックスしきった彼女の格好が時折どのように見えていたのか……それを知る者は極めて少ない。
あとおひめさまが数秒間だけ急に全裸になるハプニングがあったりした。
その日、少年は性癖を壊す──Fate はいて night。
ちょっと飛ばしてハンター試験を書くか……飛ばさず、穿くまでの日常を書くのが楽しいか……迷うねェ〜❤︎
迷うねェ〜❤︎(参考までに需要調査)
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ハンター試験❤︎
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Fate はかせ night
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両方書くのがベストじゃない?