キャプテン翼if武蔵の10番〜三杉淳の意志を継ぐ者〜 作:ロンゲスト・ロード
全国大会1日目が終了した。今日の段階でベスト8が出揃った。明日は2会場に分かれてそれぞれ2試合ずつ行われる。
【静岡会場】
* 第1試合:江ノ島中学(神奈川) VS 城星学園(東京)
* 第2試合:東総学院(千葉) VS 比良戸中学(長崎)
【南葛会場】
* 第1試合:武蔵中学(東京) VS 明和東中学(埼玉)
* 第2試合:東邦学園(東京) VS 南葛中学(静岡)
組み合わせを見て感慨にふける片桐。
(関東勢すべてが勝ち残り、あとは九州覇者の比良戸と地元の南葛か…)
(スコアを見ても関東勢との実力差は歴然だ…東邦による一強体制は是正できたかもしれんが、関東とその他地方との実力格差が広がりつつある…)
(日本が世界に出るためにも1地方だけではなく全国に裾野を広げることが必要だ!地方から世界に出るルートが!…やはり日本サッカーの“プロ化”は急務だ!)
一方、武蔵中学に実力差を見せつけられ敗北したふらの中学の面々を前に観戦した松山は声をかけられずにいた。
泣きじゃくるふらのイレブン。
「ウッウッウッ」
松山、意を決して。
「顔を上げろよ、みんな。北海道代表として最後まで誰1人あきらめずに戦ったんだ。胸を張って帰るんだ。」
小田。
「松山さん…」
松山、闘志を露わに。
「お前たちの悔しさは俺、俺たち東邦が引き継ぐ!武蔵を必ず倒す!」
小田を筆頭にふらのイレブンが松山に思いを託す。
「松山さん、頼みます。」
「俺の分までお願いします。」
「俺も!」
「松山キャプテン!」
「キャプテン!」
松山、藤沢にも声をかける。
「藤沢さん、3年間マネージャーお疲れ、みんなを支えてくれてありがとう。」
側にいて、藤沢を心の中で応援する同じマネージャーの町田。
(ファイト美子!)
藤沢、意を決して。
「松山君、私、この大会が終わればイギリスに行くの!」
松山。
「えっ、そうなのか?手紙には何も…」
藤沢。
「松山君と全国で会えるから直接伝えようと思って…松山君、誰か気になる子はいるの?」
松山、即答。
「ああ、いる!夢にまで現れるよ!」
松山の返答を聞き顔がひきつる、藤沢。
しかし松山は言葉を続ける。
「試合に勝った時は一瞬で記憶に残らないけど、負けた試合はいつまでも忘れることができないんだ!翼のやつは夢にまで現れても勝負を挑んでくるんだ!」
藤沢、安堵しながら。
「松山君は、24時間サッカーに夢中だね。松山君、高校はやはり東邦の高等部へ?」
松山。
「ああ、そのつもりだ!今の俺には北海道に戻る選択肢はない!藤沢さんもイギリスに着いたら手紙を書いてくれよ!俺も時間を見つけて返事を書くよ!」
東邦サッカー部員が松山を呼ぶ。
「おっと、うちも集合だ!それじゃまたな。」
松山の姿が小さくなる。
見送る藤沢に町田が話かける。
「美子、松山君に想いを伝えなくてよかったの?」
藤沢。
「…うん、手紙のやりとりだけで告白なんかしても断られるだけだから…私ももう少し側で松山君の夢を見守りたいの…」
町田。
「…美子…」
後に藤沢美子は、イギリスから帰国したあとは北海道に戻らず東邦学園高等部に進学した後、サッカー部マネージャーとして松山たちを支えていくことになるのである。
1日目夜、勝ち残った学校は、明日の試合に向けて対戦相手の分析に励んでいた。
【武蔵中学】
一ノ瀬。
「明日の相手は明和東か…」
本間。
「戦い方は関東大会と変わらないが今日もまた相手主力がアフターファウルで負傷退場したそうだ…」
真田。
「ちきしょう、汚いサッカーばっかしやがって。」
本間。
「明日もそうなるだろうな、監督、明日は特に翼君を狙ってきませんか?」
兵藤。
「本間の見方は正しいだろう。だから明日も今日と同じ戦い方で早い段階で向こうの戦意をなくす。そして早めに選手交代をする。」
「翼、ナトゥレーザ、火野、お前らは明日は敵を挑発、もしくは挑発と思わせるプレイは厳禁だ!向こうのアフターファウルの的になるぞ!」
「明日は、必要以上にボールを持ちすぎるな、プレイの後も気を抜くな。」
一同。
「はい。」
【東邦学園】
松山。
「明日は南葛か…岬、新田、南葛はどうだった?」
岬。
「うん、攻撃の中心は井沢君、滝君、来生君元修哲トリオだ!特に井沢君の視野は広く、フリーの選手を見つけるのがうまくなっている。でも…」
山本コーチ。
「ミハエルという留学生がそこに攻撃のアクセントをつけている。スピードだけなら新田を上回るぞ!」
新田。
「山本コーチ!」
岬。
「守備も高杉君や岸田君、浦辺君、石崎君たちが声を掛け合いながら粘り強く守っていたよ…」
日向。
「…なるほど、俺たちが知っている部分は残っているが、全く別のチームと考えていた方がよさそうか…」
北詰。
「そうだ、それに我々は明日は別の敵とも戦うことになるぞ!明日の会場は南葛だ!」
松山。
「…なるほど、あいつらにとっては地元、ピッチコンディション、そして観客の声援もあいつらに味方する!」
大沢。
「ヨーロッパや南米ほど露骨ではないが明日に関しては、我々は完全にアウェイとして戦うことになるぞ。」
松山。
「我々は悪役というわけですか…おもしろい!なあ日向?」
日向。
「ああ!アンチどもを俺たちの力で黙らせてやる!武蔵の連中が今日の試合それを証明してるからな!俺たちも負けられねえぜ。」
闘志を新たに夜は更けてゆく。
原作では、松山と藤沢美子のドラマチックなやりとりが見られましたが、この物語ではそれは難しいかな…なのでイギリスから戻った後は北海道ではなく松山を追いかけて東邦学園高等部で合流する流れにしました。
次の投稿は18時頃です。