キャプテン翼if武蔵の10番〜三杉淳の意志を継ぐ者〜 作:ロンゲスト・ロード
第59話 関東大会開幕
8月初旬、真夏の陽射しが降り注ぐ駒沢オリンピック公園陸上競技場。
関東1都7県の予選を勝ち抜いた強豪16校が集まり、関東中学校サッカー大会の開会式が行われた。東京の第1代表として武蔵中学校のキャプテン大空翼が選手宣誓を務めると、選手たちの顔つきが一気に引き締まる。
今大会で全国大会(全中)への切符を手に入れられるのは上位6校。
ベスト4に入れば無条件で全国進出、残る2枠をベスト8の4校が代表決定戦で争う、負けたら終わりのトーナメントだ。
開会式を終えた武蔵イレブンは、第1回戦の会場である西が丘サッカー場へと移動した。
第1試合:武蔵中学(東京1位) vs 前橋中央中学(群馬2位)
ロッカールームでのウォーミングアップを終え、ユニフォームに身を包んだ選手たちを前に、兵藤監督が言葉をかける。
兵藤監督
「各自、それぞれの役割を忘れるな。ここからはノックアウト方式だぞ、負けたら終わりだ。どんなプレイでも気を抜くんじゃないぞ」
大空翼
「監督の言う通りだ。1つ1つのプレイを大切にするぞ。この試合勝つぞ!」
一同
「おう!」
【武蔵中学・スタメン】
* GK: 12 相川大和(1年)
* DF: 3 真田正己(1年/左SB)、4 井川岳人(3年)、5 真田信次(3年)、2 広瀬拓海(2年/右SB)
* MF: 6 本間実(3年)、8 向井広(3年)、14 ナトゥレーザ(1年)、11 川村大介(1年)、10 大空翼(3年)
* FW: 9 火野竜馬(3年)
主審のホイッスルで、武蔵ボールで試合がスタート。
武蔵イレブンは初戦の硬さをほぐすため、全員がボールに触れるよう最後方から丁寧にビルドアップを開始する。
前橋中央のFWが、1年生GK相川からボールを奪おうと鋭いプレッシングをかける。しかし、足元の技術を仕込まれている相川は動じない。冷静にプレスをかわすと、前線へ正確なロングボールを送り込んだ。
空中戦を制したのは武蔵のワントップ・火野竜馬。相手DFを競り落として頭で落とすと、セカンドボールを拾った向井がスピードアップ。
向井
「本間、行け!」
素早くボールを受けた本間が左サイドライン際を鋭くドリブル。前橋中央の選手たちは武蔵の急なテンポアップに対応できず、本間は楽々とセンタリングを上げる。
中央で火野が再び競り勝ち、頭で落とした先に飛び込んだのはナトゥレーザ。
ドカッ!
鮮やかなシュートがネットを揺らし、武蔵が幸先よく先制点を奪う。
前橋中央のリスタートに対し、武蔵は間髪入れずにゾーンプレスを仕掛ける。激しいプレッシャーに前橋中央はたまらずボールを奪われ、再び本間がドリブルで仕掛ける。
今度は相手のチェックが素早く入るが、本間は落ち着いてサイドチェンジ。左サイドのナトゥレーザへ渡る。
ナトゥレーザが中へ切れ込むと見せると、前橋中央のディフェンス陣は中央を固める。しかしナトゥレーザは無理に突っ込まず、オーバーラップしてきた左SBの真田正己へボールを預けた。
真田正己が左サイドのライン際から絶妙なクロスを上げると、待っていたのは火野。
火野竜馬
「しゃあ! いただくぜ!」
豪快なシュートを自ら叩き込み、武蔵が追加点をあげる。
前橋中央も必死に反撃を試みるが、武蔵のゾーンプレスにはまってボールすら運べず、ますます失点を重ねてしまう。後半には余裕を持って翼とナトゥレーザを休ませる完勝劇。終わってみれば6 - 0の圧勝で、武蔵が初戦を突破した。
試合を終え、初戦突破を喜ぶ武蔵イレブン。その姿を西が丘のスタンドから見つめる集団があった。神奈川県第1代表——江ノ島中学サッカー部だ。
江口大翔(3年・主将)
「武蔵中か……。東邦に勝ったのはまぐれじゃないな」
藤原彰(2年・エース/司令塔)
「ええ、大空翼を中心に組織的なサッカーをしていますね」
石川亘(2年・DF)
「それだけじゃない、個人技も優れている。大空翼以外もタレント揃いだぞ」
山村颯(1年・FW)
「どちらにせよ、あいつら倒さないと全国に行けないんでしょ! 俺たちがやってやりますよ! なあ、マー坊」
加藤雅人(1年・FW)
「ああ、どんな相手でも俺たちのコンビに叶うわけないぜ!」
後輩たちの威勢の良い声に、守護神の赤城が静かに声をかけた。
赤城純(3年・副主将/GK)
「山村、加藤、相手を侮るなといつも言ってるだろう。どちらにせよ、俺があいつらを抑えるがな」
江口大翔
「どちらにせよ、全国行きをかけて戦うには不足のない相手だ!」
赤城純
「そのためには、俺たちも目の前の敵を全力で叩くのみだ!」
神奈川の雄、江ノ島中学がそのベールを脱ぐ。
関東大会が開幕しました。神奈川代表の江ノ島中学の実力は!?