キャプテン翼if武蔵の10番〜三杉淳の意志を継ぐ者〜   作:ロンゲスト・ロード

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武蔵VS江ノ島の試合は、2年生エース藤原の圧巻のプレイにより江ノ島中学が逆点した!追いつめられたた武蔵中学、反撃は残されているのか!?


第67話  仲間

関東大会準々決勝、武蔵中学対江ノ島中学の死闘はいよいよ試合終盤に突入していた。

エース藤原彰の圧巻のハットトリックにより、試合は4-3。江ノ島中学が1点をリードし、試合時間は残り10分を切っている。

西が丘サッカー場のスタンドは、大きなざわめきに包まれていた。

「強い……強すぎるぞ、江ノ島中学!」

「東邦学園を破った武蔵が、まさかリードを許すなんて……!」

「2年生エースの藤原がすごすぎるだろ!」

「こりゃ、ひょっとするとマジで武蔵を食っちまうぞ……!」

観客たちの動揺する声を聞きながら、武蔵中学の応援席で見守る翼の母・奈津子が、胸元で手を握りしめながら心配そうにピッチを見つめていた。

大空奈津子

「翼……」

だが、その隣に座るロベルト本郷とカリオは、焦る様子もなく至って平然としていた。

ロベルト本郷

「奈津子さん、大丈夫ですよ。あの子たちなら……ね」

カリオ

「そうですよ。普通なら追い詰められて焦る場面なのに、あいつら……笑ってますからね」

ロベルト本郷

「フフッ、ナトゥレーザもだ。本当にあの2人は……根っからの『サッカーの申し子』たちだな」

スタンドのロベルトたちと同じように、武蔵ベンチの兵藤監督や控え選手たちにも、パニックに陥る気配は一切なかった。

1年生マネージャーの小田と北野は固唾をのんで見守っていたが、弥生は柔らかく、しかし強い眼差しでピッチへ視線を送っていた。

青葉弥生

「陽子ちゃん、由美ちゃん、大丈夫よ! 翼君はね……どんなに追い詰められても、そのたびに壁を乗り越えてきたんだから。信じましょう、翼君を……武蔵のみんなを!」

ピッチ上では、1点ビハインドの状況でナトゥレーザが弾んだ声で周囲へ話しかけていた。

ナトゥレーザ

「翼! やっぱり日本でのサッカーは最高に楽しいな! こんなにすげえ奴らがいるんだからさ!」

火野竜馬

「へっ、そうだな。俺も最初は『サッカー後進国の日本に大した奴なんていねえ』と思ってたが……本気で楽しめる奴らがゴロゴロいやがるじゃねえか!」

大空翼

「うん! 俺、南葛じゃなくて武蔵でサッカーができて本当によかったよ。ここにいなけりゃ、こんなに楽しい相手と全力で戦えなかったんだから!」

プレッシャーを微塵も感じさせない言葉に、副主将の本間が苦笑しながらも胸を熱くする。

本間

「本当に翼君は……『諦める』って言葉を知らないんだな」

真田信次

「本間、俺たちだって諦めてねえぞ。試合は最後の笛が鳴るまでわからない……だろ、翼!?」

大空翼

「その通りだ! 最後の笛が鳴るまで、俺たちは絶対に諦めないぞ! いくぞ、みんな!!」

武蔵イレブン

「おうっ!!」

土壇場でひとつに束ねられた武蔵の凄まじい気迫に、江ノ島のキャプテン江口とエース藤原も思わずニヤリと笑みを浮かべる。

江口大翔

「へっ……あいつら、東京もんにしてはなかなか気合と根性が入ってるじゃねえか!」

藤原彰

「だからこそ……倒し甲斐があるんですよ!」

江口大翔

「よし、俺たちももう一回気合いを入れ直すぞ!」

江ノ島イレブン

「おう!!」

武蔵ボールでのリスタート。

武蔵イレブンは焦ることなく、テンポの良いワンタッチ、ツータッチの正確なパス交換で江ノ島前線のチェイシングをいなしていく。

スムーズに繋がれたボールは、左サイドに張るナトゥレーザの元へ。

ナトゥレーザが即座に前を向き、鮮やかなタッチでサイドを切り裂くドリブルを開始する。すかさず立ちふさがったのは、江ノ島の1年FWコンビ・加藤と山村だ。

スタミナには絶対の自信を持つ二人だったが、ハイペースな打ち合いと前線からの猛烈なチェイシングにより、その体力はすでに限界近くまで消耗していた。しかし、二人は気合と執念だけでその脚を動かす。

加藤&山村

「てめえ(ナトゥレーザ)には絶対仕事させねえって決めてんだよ! こっからは一歩も通さねえぞ!!」

二人の気迫溢れるダブルチームを受けながらも、ナトゥレーザの表情には眩しいほどの笑顔が浮かんでいた。

ナトゥレーザ

「『仲間』っていいな。疲れていても、そうやって支え合えるんだから……。でもさ、仲間なら俺にだって……いるんだよ!」

言い放つと同時に、ナトゥレーザは二人を引きつけた状態のまま、自らの外側(タッチライン際)を凄まじいスプリントで駆け上がってきた選手へヒールで流す!

オーバーラップしてきたのは、1年生左SBの真田正己だ!

山村&加藤

「しまった……!?」

ナトゥレーザのパスを受けた真田正己が深く江ノ島陣内へ侵入。二人が一瞬外へ意識を割かれた隙に、ナトゥレーザは素早いステップで二人を振り切り、中央のスペースへとフリーで飛び込む。

そこへ、真田正己からの完璧なマイナスの折り返しが入る!

ナトゥレーザ

「ゴールが見えたら——打つッ!!」

フリーでボールを迎えたナトゥレーザが右足を一閃。放たれたシュートは鋭い弾道で江ノ島ゴールのファーサイドへと飛んでいく!

江ノ島の守護神・赤城は瞬時に弾道を読み切り、シュートがわずかに枠を外れると確信しかけた。

——だが、その直後!

ボールに猛烈なトップスピンがかかり、キーパーの手前で急激にドライブ(急降下)を始める!

赤城純

「しまっ……!?」

赤城は慌てて反応し横飛びするが、あまりにも急激な変化に手が届かない!

力強く落ちたボールは、サイドネットを揺らして激しく跳ね上がった!

ゴォォォール!!

後半24分——4 - 4!

武蔵中学、ナトゥレーザの怒濤のドライブシュートで土壇場の同点に追いつく!!

ナトゥレーザ

「やったーーーッ!!」

無邪気な屈託のない笑顔で、真田正己や翼、駆け寄ってくるチームメイトたちと固く抱き合い、歓喜をわかちあうナトゥレーザ。

武蔵の絶体絶命のピンチを救ったのは、ブラジルからやってきた留学生ナトゥレーザの強烈な一撃と、それを支えた武蔵の『仲間』たちの連携だった。

4 - 4。

両校の譲らぬ意地と誇りがぶつかり合う激戦は、いよいよ本当の決着の時を迎えようとしていた——!




ナトゥレーザのドライブシュートですが、ナトゥレーザのサッカーセンスなら打てます。ロベルトの直接指導もあるので!ただ中学1年生ということもあり、翼以上に回数制限されている設定です。

12時頃投稿します。
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