個性「炎」   作:ドゥルガー

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久し振りになります、第二十二話もよろしくお願いします。


第二十二話

『さぁさぁ泣いても笑ってもこれが最後!雄英1年の頂点がここで決まる!決勝までに繰り広げられた大勝負、例年ならその全てがベストバウトに選ばれても納得の死闘の数々!テレビの中も外も歓声で埋め尽くし!主審のミッドナイトの肝を冷やし続けた2人の頂上決戦が!今!

始まろうとしている!!!』

 

「おい根暗ノッポ。テメェ、手ェ抜いてんだろ。」

「…いきなりどうしたんだ爆豪君。」

「とぼけんな。あの蒼い炎どこやった。」

「…アレは人に使って良い火力では無いんだけど?」

「知るか使え根暗手抜きノッポブチ殺すぞ」

「酷くないか?

 

…良いのかい?」

「何度も言わせんな。俺が欲しいのは完膚なきまでの1位だ。手抜きのテメェに勝ったって意味無ぇ。」

「…分かった。ただ怪我しても文句は無しで頼むよ。」

「…上等だ!」

 

 

 

『それじゃあ!決勝戦、スタートォォォ!!!』

 

 

 

 加速…っ!?

 

「そこでカウンターを入れるのか…!」

「ハッ!テメェダメージ殆ど無ぇだろ!」

あそこで攻撃を入れてくるとは…無理矢理距離を取らされたな。

 

『先手を取ったのは爆豪!てか分かったかイレイザー?リスナーの中で見えたのは少数かもしれねぇが…アイツ等何回フェイント入れた?』

『フェイントかは怪しいが双方2〜3回ってとこだな。ざっと言うと…爆豪の右の大振りを警戒した不知火がカウンターの構え、それを読んだ爆豪が腕引いた勢いで左ストレート、を誘い込んだ不知火が左腕を蹴上げる、のを反応した爆豪が右の裏拳に切り替え、空いた右脇腹を不知火が殴りかかる、が爆豪が左脚で蹴上げ、不知火の反撃の中段蹴りと爆豪の裏拳がクロスする直前で爆豪が左の爆発で吹き飛ばした…これを1秒かけずにやった。』

『マジかよアイツ等!頭の回転が速すぎんだろ!』

『あんなもん3年でも出来るか怪しい。正直言うと、実力だけ見たらサイドキック位すぐなれるだろ。』

 

 

 

 実況は殆ど聞こえない。目の前の相手に集中しないと殺られる。

 

「死ね!」

「これ決勝だけど…!?」

殺意の籠もってそうな右の爆破。伸びた腕をかち上げたが左で顔を爆破してくる。流石に不味いので個性も使って身体を無理矢理ひねる。ついでに回し蹴りでもしておこう。そのまま両手を地面に付ける。カポエラなんて知識でしか知らなかったが、存外使いやすい

「うざってぇ!!」

「あっぶな…!」

もう少しで脚を掴まれて爆破される所だった。

無理矢理飛び退く、がそれと同じ距離を詰めてくる。

顔に向かって普通の火炎放射。爆破で散らされるが一瞬を作れれば上々。爆煙に紛れて蒼い火炎放射。流石に退く…だろ!

 

『とうとう入った大きい一撃!蒼い火炎放射を突っ切った不知火が爆豪の腹を殴る!!てかさっきから使ってたがアイツ蒼い炎なんて出せたのかよ!』

『…少し前に出せるようになったらしい。火力が高すぎるから人相手に普通使わないと言ってたが…』

 

 

 

 

 …攻め手が無い。目隠しの火炎放射も一度使った以上効くか怪しい。

 

…出さないとか。

 

 

 

加速。

 

一蹴。

 

「…なんで反応出来るかなぁ!?」

「舐めんな!こん位予測出来るわ!!」

このスピードは誰にも見せた事無い筈だけど、本当なんで予測出来たんだ。

 

『おぉっとなんだあのスピードは!不知火の超加速が炸裂!だが爆豪、これを読んで脚を掴んだ!なんで読めたんだこれ!』

『分からん。俺でもここまでのスピードは予測出来なかった。恐らく爆豪にだけ見えてる何かがあんだろ。』

 

 

 

「死に晒せ!!」

「痛っ…!それは…無しだろ!」

躊躇無しで左脚を爆破してくる。流石に威力は抑え目にしてくれているが、痛いものは痛い。のでお返しに脚から火炎放射。ついでに脚を掴んでる右腕を横から蹴る。ようやく離してくれたから全力で退くが…

 

 

 

「とっとと…くたばれ!」

「そっち…こそ…!」

殴り合いなんて最初からするものじゃ無かった。動きがどんどん良くなってくるのを見るに、彼はスロースターターなんだろう。追い付くのが精一杯だ。

と言うより顎かち上げられたまま爆破して来ないで欲しい。怖いよ。て言うか顎かち上げられたならそのまま気絶するだろ普通。耐久力まで上がるのか。

 

足払い。そのまま胸倉を掴んで地面に叩き付ける。

爆破。掴んだ左腕が少し焼かれるが追撃の右フック。

避けられ、そのまま腹を蹴り上げられる。気持ち悪い。

浮かされた所に追撃が来るが、蒼い火炎放射で無理矢理引き離す。顔目掛けてもう一回。その勢いで裏拳。鼻らしき物を殴った感触がある。

もう一度左腕を爆破される。痛い。が無視、爆破してきた右腕を掴んで引き寄せ、腹に膝蹴り。吐かれた胃酸が痛いがそれも無視。掴んだ右腕を固める。顔に向かっての爆破は流石に無視出来ない。飛んで避ける。

追撃に来るが火炎放射で迎げ

 

 

 

「ようやくか。」

 

 

 

『おっとどうした不知火!ここに来てモロに爆破を食らった!ギリギリステージ端で耐えたが様子がおかしい!

何が起きている!?』

 

 

 

何が起きた?鼻血?頭が痛い。今見ているのは地面か?

 

「テメェみてぇな個性には大概デメリットがある。特に炎の個性なら尚更だ。エンデヴァーと同じで熱が身体に溜まんだろ?そんなんで動けばそりゃそうなるわな。」

「…いつから?」

「USJからだ。オールマイトが来た時に似たような事になってたからな。流石に気付く。まぁ良く持った方じゃねーか?」

…そうか、限界か。久し振りになったな。

「…目敏くて嫌になるな。」

「黙ってろ。舌噛む…ぞ!」

 

『ここで爆豪、猛攻!不知火も耐えてはいるが、かなり動きが悪い!』

 

 不味いな。喉に落ちた鼻血が口から零れ落ちる。視界が少しふらつく。何故爆豪君の攻撃を耐えれているんだろう。火炎放射。避けられて腹を殴られる。丁度良い。口に溜まった血を全て顔に吹き付ける。足払い。避けられてそのまま

 

 

 

『…不知火。後十秒で起き上がらないならそのまま敗北とする。分かったか。』

 

…地面か。今は倒れているのか?

…負けか。まぁ良く持った方だろう。全身が痛い。これ以上は後に響くだろう。良く頑張った。良い試合だった。良い試合だった。

 

 

 

 

 

 …良い試合だったか?

 

 …頑張って、だったか。

 

 …せっかくあんな勿体ない言葉を貰ったなら、やっぱり勝ちたいな。

 

 …立つか。

 

 

 

 

 

 

噴射、加速。

 

砕く。

 

 

 

『なっ…!し、不知火が…倒立したァァァ!!そのまま爆豪の肩にノーモーションで踵落とし!これぞ、残り2秒の奇跡だ!!!』

 

「…やぁ爆豪君!気力も体力も無いから手短に言おう!後一撃で決めたい!頼めるかな!?」

「…上等だ!一撃でブチ殺してやる!」

言うや否や、爆豪君が空高く飛び上がる。さっき肩に踵落としを決めただろう。元気っ子め。まぁそれは自分もそうか。何かハイになってきた。楽しい。アドレナリンとドーパミンとの3人4脚だが。後が怖い、がそんなの後だ。今は目の前を向こう。

 

 

 

「榴弾砲(ハウザー)ァァァ!!!」

 

必殺技を高々と叫ぶか、恥ずかしいな。だがこんな意地に付き合ってくれているお礼だ、自分も叫ぶとしよう。

 

 

 右腕を突き出す。手の平に熱を集める。右腕が溶けそうな位熱いがそんなのどうだって良い。

左腕を後ろに引く。傍から見たら弓を引くように。

必殺技を放つなんて子供の頃以来だ。それも本当の。

あの時考えた自分に言ってやりたい。君はその必殺技を皆の前で見せていると。

 

 

 

 

 

「着弾(インパクト)ォォォ!!」

 

 

 

「蒼弓(そうきゅう)!!」

 

 

 

蒼い炎が爆発と混ざり合って、

 

 

 

 

 

意識が飛んだ。

 

 




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

不知火君の立ち絵、欲しいと言う人はいますか?

映画版の話も欲しいですか?

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