第二十四話もよろしくお願いします。
「君、あの不知火君だろ!?体育祭見てたよ!」
「…ありがとうございます。」
家を出てサラリーマンに声をかけられ握手を求められ、
「…あの!体育祭見てました!サインお願いします!」
「…こんな風で良いでかな?」
駅で中学生らしき女子にサインを頼まれて、
「蒼弓のにぃちゃんだ!蒼弓!!」
「…怪我しないようにするんだよ。」
電車を降りて男子小学生達に声をかけられ。
「…疲れた。」
「アンタそういうの苦手そうだもんね。」
ようやく教室に着いた。
「…優勝するとああも目立つのか。」
「と言うよりアンタ見た目が目立つじゃん。身長高いし目付き悪いし額に傷あるし。」
「…明日からマスクとグラサンを着けよう。」
「なんで自分から不審者になりに行ったの?」
友人との他愛無い話が楽しい。自分の活躍を見て話しかけてくる人への対応はとてもじゃないが自分には出来ない。
「お!来たな優勝者!お前来る時どうだった!?やっぱ声かけられた?」
「…あぁ、上鳴君か。勿論声をかけられたよ。サラリーマンに握手を求められたり、中学生らしい女の子にサインを求められたり「「今なんつった?」」おっおう?」
びっくりした、どこから生えて来たんだ峰田君。
「お前…いきなり女子のファン作ったのかよ…!」
「…テメェはここで!オイラが殺さないと駄目だ!!」
「峰田君、教室でいきなり殺害予告をするのはどうかと思うんだけど?」
「…コイツ顔は良いからね。」
「耳郎さん?なんで言外に顔以外駄目って言ったの?」
「そういうすぐにちょっと卑屈になる所が駄目。」
「クソ!やっぱり顔か!顔なのか!!顔と身長なのか
「席に着け。」
「…おはよう諸君。体育祭の疲れは取れたか?特に決勝の2人はまだ万全じゃないだろう。何かあったらすぐリカバリーガールの所へ行け。…そして今日のヒーロー情報学は少し特別だ。」
…なんだ、急に実技試験とか言われたら流石に倒れるが…
「『コードネーム』…ヒーロー名の考案だ。」
…ヒーロー名。プロとして活躍する時に名乗る名前。成程、確かに特別だ。だが何故急に?
「体育祭前に話したと思うが、プロヒーローからのドラフト指名に関わってくる。もっとも、指名が本格化するのは2,3年から…1年への指名は将来性への興味に近い。」
…興味か。だが興味を持ってくれるだけ御の字だ。本来なら1年生なんて見向きもされないだろう。
「で、その指名結果の集計がこうだ。」
…おぉ、自分に大体4000件も…
…4000件?
「4000件?」
「アンタ凄い多くない?爆豪とかでも3500件位だし。」
「例年はもっとバラけるんだが、今年は上位4人に票が集まった。」
「そしてこれを踏まえ…指名の有無関係無く、いわゆる職業体験に行ってもらう。お前等は一足先に体験してしまったが、プロとしての活動を実際に体験して、より実りのある訓練をしようって事だ。」
成程、そこで使うからヒーロー名を決めるのか。
「まぁ、あくまで『仮に』決めるものではあるが、適当なもんは「付けたら地獄を見ちゃうわよ!」」
おぉ、ミッドナイト先生。
「この時の名前が世に認知されて、そのままプロ名になってる人が多いからね!」
…あんまりふざけた名前は付けれないか。まぁ元からそんな名前付ける気は無いが。
「ま、そう言うこった…その辺のセンスをミッドナイト
に見てもらう。俺はそう言うの出来んからな。だが敢えて言わせてもらうなら…将来どんなヒーローになりたいかまだ定まってない奴もいるだろう。名前を付ける事で将来のイメージが固まり、行動や考え方がそこに近付いて行く事もある。『名は体を表す』って奴だ。だからあんまりふざけて付けるなよ。」
「ボードを配るからそれぞれ名前を書いて発表してもらうわ!なりたい自分を考えてね!」
…ヒーロー名か。実を言うと考えた事が無かった。
「…耳郎さんはもう決まってたりするのかな?」
「まぁ大体…アンタは?」
「実を言うと考えた事が無くてね。」
「珍しっ。子供の時とか考えなかった?」
「…考えてたかもしれないけど、忘れたな。」
「…じゃあさ、アンタはどんなヒーローになりたいの?」
「どんなヒーローね…まぁ、人を助けたいかな。」
「また凄いざっくりな…じゃあ、どうやって?」
「どうやって…?そうだな…まぁ…この炎を使って…炎…炎か…あぁいや、そうだな、ありがとう耳郎さん。お陰で決める事が出来た。やっぱり持つべきものは友人だね。」
「えっ今ので決まったの?」
「あぁ、発表してくる。」
ミッドナイト先生に声をかけて前に歩み出る。発表なんて少し恥ずかしいなと思ったが、前に出ると意外とそうでも無いな。
「決まりました。自分のヒーロー名は
『イグニス』です。」
「イグニス…確か、ラテン語で炎を指す単語だったかしら?」
「はい。自分の個性からとってきました。」
「うんうん、由来もしっかりしてるし、呼びやすくて良い名前ね!」
じゃあ決定だ。
「ウチとの会話関係無くなかった?」
「…会話で頭が回って思いつけたから会話のお陰だよ。」
ようやく不知火君のヒーロー名が決まりました。
最初はもっと別の名前を考えていたのですが、直前になってちょっと求めてる意味と実際の意味が違うなとなってしまったので変える事となりました。その所為で投稿が少し遅れてしまい申し訳ありませんでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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