どうも、常夏鳳梨です。
寝台列車って、今も昔もロマンがあるよね。
てなわけで!!今回は寝台列車回になります!!
ちなみに、今回出てくる寝台列車は昔懐かしい方の列車なのだとか。
さて、エルフィンドという国が発展するキッカケを作った一人の女王によって、国内の様々な箇所を繋ぐ鉄道が開通したことにより、今のエルフィンドは鉄道の国と化していた。
最初こそ、エルフィンド国内における貴重な交通面として重宝されていた鉄道だったが、通常の鉄道の他に地下鉄や路面電車が開通したことにより、今や普遍的な交通手段としてエルフ達から認識されていた。
なお、その際に鉄道オタクなる部類の存在が爆誕したのは言うまでもない。
この頃になると、他の国々でも鉄道に力を入れ始めていたものの──それでも、エルフィンドの方が一歩どころか二歩も前進していたようで、星欧大陸の国々の鉄道の中ではトップクラスの評判を誇っていた。
それに加え、最近では新たなタイプの鉄道の話し合いを始めようとしているのだが、その鉄道が数十年──いや、百数年後には今までにないタイプの鉄道として、新幹線と呼ばれた末に運用されるようになるのは、まだまだ先の話である。
とにかく、鉄道を使うことが一般的になったエルフィンドにおいて、寝泊まりする前提で乗る鉄道こと、寝台列車の存在もまた普通になり始めていたようで
「見てヒルト!!さっきまで明るかったのに、あっという間に夜になったわ!!」
「フフッ、そうだね」
その寝台列車こと、ターゲスアンブルフ号の車窓に張り付いている闇エルフに対し、もう一人のエルフこと白エルフは呆れつつも微笑んでいた。
寝台列車のターゲスアンブルフ号は、いわゆる二段ベットと座席が一緒になっているタイプの鉄道であった。
そのため、夜になるとその二段目のベット部分で寝る──と言うのが定番で、一応はプライバシーを考慮してか仕切り代わりのカーテンもあったとか。
それに加え、このターゲスアンブルフ号には食堂車と呼ばれる場所もあったのだが、その食堂車で提供されるメニューはどれもこれも絶品であるため、舌が肥えているであろうオーク達からの評判も良かったとのこと。
なお、その美味しさはエルフィンドを公式に訪問していたオルクセン国王こと、グスタフ・ファルケンハインも唸る程だったらしい。
だからなのか、さっきまで車窓に張り付いていた闇エルフは視線を白エルフの方に向けると、食堂車で食べた料理のことを思い出したようで、彼女は自らの頬を緩ませながらこう言った。
「それに──さっき食堂車で食べた料理も美味しかったよね〜」
「分かる。鰯のマリネとかシュニーヴァイス豚のレバーペーストとか、あと白パンとかを含めて何もかもが美味しすぎたから、思わずデザートを頼んじゃった」
闇エルフの言葉に対し、うんうんと頷く白エルフ。
その顔には、彼女の言葉に完全に同意するかのような表情が映し出されていたため、闇エルフもだよね!!という反応になっていた。
ちなみに、今回の彼女達はデザートとしてクラプフェン ──いわゆるジャム入りの揚げドーナツを食べたとか。
なお、このクラプフェンはエルフィンドはともかく、オルクセンでも割と馴染みがあるお菓子である模様。
何だったら、クラプフェンは冬の時期に食べるお菓子であるためか、二人は和気藹々としたようでこう語り合っていた。
「分かる!!デザートのクラプフェンも美味しかったなぁ」
「しかも、冬限定のメニューだから特別感が増すよね」
デザートとして食べたクラプフェンがあまりにも美味しかったのか、それともクラプファンにしては豪勢に生クリームがたくさん乗っていたからかは分からないが、うっとりとした顔になる闇エルフと白エルフ。
二人がその話題で盛り上がっていた時、寝台列車の車窓には電気等の灯りなどが付いているがために、幻想的な雰囲気となっている街並みが映し出されていたため、二人は思わずその光景に釘付けになっていた。
と言うのも、二人は鉄道に乗ることは少しはあったものの──それでも夜の時間帯に走る列車には乗ったことが無かったのか、その顔には星のようにキラキラと輝く瞳が映っていた。
それは、闇エルフの真正面に座っていた白エルフも同じだったのか、その顔には優しく微笑むかのような顔が映し出されていた。
そして、しばらく車窓からの光景に釘付けになっていた闇エルフが視線を変えると、その白エルフはどこか不安げな顔になっていたため、それを見た彼女はもしやと思い始めていた。
「ねぇヒルト──もしかして、姉様達への挨拶のことでそんな顔をしているの?」
闇エルフがそう言った瞬間、白エルフは彼女の言葉にビクッと反応した後、深い溜め息を吐いており──その顔には不安どころか緊張ですら映し出されていた。
それもそのはずで、何せ二人は生涯に渡って共に暮らすことを決意したため、その挨拶のために闇エルフの集落へと向かっていたのである。
この頃のエルフィンドでは、彼女達と同じように白・闇関係なく一緒になるエルフ達もそれなりにおり、それが当たり前になりつつあった。
だからなのか、こうして鉄道を利用して相手のエルフの集落に向かう者達も少なくはなかった。
何だったら、それも相まってか鉄道を利用するエルフも多くなっていたとか。
なので、どことなく緊張している白エルフを見た闇エルフは、優しく彼女の手を握ったかと思えば
「大丈夫だよ。きっと姉様達も一緒になることを許してくれるし──何より、私がついているもの!!」
闇エルフがそう言った瞬間、その言葉を聞いた白エルフは大きく目を見開いたかと思えば、そのまま少しだけホッと安心したかのような顔になっていた。
それは闇エルフもまた同じだったのか、彼女と同じように一安心したかのようにニコニコ笑っていた。
「──そうだよね。うん、そうだよね。ありがとう、モラヴィア」
「フフッ、お役に立てたのなら何よりだよ」
闇エルフの手を握り返すように、ギュッと彼女の手を握る白エルフ。
彼女のその顔には、心の奥底から勇気が溢れ出たと言わんばかりの顔になっており、彼女を最後まで愛し抜く覚悟を示していた。
それは闇エルフの方も感じ取っていたのか、彼女もまた白エルフを最後まで支えようとする覚悟を抱いていた。
「それに酒好きな姉様のことだから、ヒルトの持ってきた手土産も気にいると思うな」
「あぁ、そうだと良いな」
お互いに微笑みを浮かべつつ、そう口々に言う闇エルフと白エルフ。
二人の語っている酒とは、白エルフの地元に植えられている飢饉対策のためのどんぐりを用いて作られた酒──リス・アイヒェルのことであった。
このリス・アイヒェルは、彼女の地元で只今絶賛売り出し中のリキュールであり、この酒を炭酸水で割って飲むのはもちろんのこと、アイスクリームに掛けて食べるのも人気で、酒好きのエルフの界隈では人気が高まりつつあった模様。
それ故に、白エルフは愛する闇エルフとの付き合いを許可してもらうためにそれを手土産に選んだのである。
「にしても──このブランドのリス・アイヒェルって、結構人気なんじゃないの?」
「あ〜、えっと、その──親方にモラヴィアとの交際のことを伝えたら、手土産に持っていけって押し付けられたのよ」
白エルフがそう言った瞬間、その光景が浮かんだのか納得したかのような顔になる闇エルフ。
そして、彼女はそのまま白エルフに向けてクスッと笑っており、いつしかお互いに微笑ましい空気が流れていた。
それから数分後、二人は明日のために寝ることにしたのか──上の身内部分に登っていた。
そこで二人は少しの間だけ雑談しようと思ったものの、結局は話が盛り上がってしまったのか、二人が寝たのは夜の一〇時を回った頃であった。
「それじゃあ──おやすみ、モラヴィア」
「おやすみ、ヒルト」
そう言葉を交わした後、それぞれ寝台部分のカーテンを閉めると眠りに着くエルフ達。
二人とも、緊張で寝れなかった──わけではなく、むしろぐっすりと寝ていたとか。
それから数時間後、無事に眠りから覚めた二人は身支度やら顔支度やらを整えた後、この世で最も愛おしい闇エルフの故郷の近くの駅に降りると、彼女の出身地である集落へと向かって行った。
そして、そこで闇エルフの姉貴分を自称する面々と顔合わせしたものの、案の定彼女達は白エルフ達を優しく迎え入れた後、焼きドングリをツマミにリス・アイヒェルを呑みつつ、二人の幸せな門出を祝う酒盛りをしたのだった。
原作でも鉄道が出てきていたので、これもアリ──だよね?
あと、寝台列車とか食堂車とかって結構ロマンの塊な気がする。
この世界線のことだから、きっと鉄道オタクとかが存在するんだろうなぁ。
ちなみに、この世界線では白も闇も関係なく一緒になるエルフがそれなりにいるとのこと。
だって、ハッピー時空だものね仕方ない。