ーあらすじー

 今からおよそ一二〇年前に、ベレリアント半島の付け根、シルヴァン川流域のロザリンド渓谷で起きた「ロザリンド会戦」。

 飢餓への恐怖から始まった壮絶なる戦いは、オーク族の壊滅的な大敗北に終わり、前王もまた戦死した。この国家存亡の危機において、一兵卒から英雄へと駆け上がり、やがて新王として推挙・即位したグスタフ・ファルケンハインは、国家の旧弊を一変させる「近代化」という大きな賭けに出た。

 野蛮なるオーク族たちの悪習を廃し、知性と理性、厳格なる法、そして近代科学による技術によって、国のあり方を根底から変えてしまった――それはある者にとっては救いの「光」であり、ある者にとっては、誇りすら奪われる「闇」であった。この劇的な変革を激しく拒絶する者たちもまた、決して少なくなかった。

 かつて前王と共に幾多の戦場を駆け巡り、その強靭な牙と武力で敵を屠ってきた「古き猛き猪」の歴戦の将軍たち。
 
 大敗北に終わったロザリンドの地で同胞の多くが落命する中、辛くも生き残った古老たちは、グスタフの治世においてもなお過去の栄光とオーク族の誇りに執着し、一新された国軍にあっても亡霊の如く居座り続けていた。

 近代化の洗礼に逆らい、肥大化した肉体に“強欲・淫靡・暴食”を宿らせた古老たち。彼らのくすぶる不満と獰猛な衝動は、ある「忌まわしき新参者」によってついに最悪の形で爆発する。

 ――黒き尖耳の宿敵、黒エルフの女たち。ロザリンド会戦においてエルフィンド軍のダークエルフ族隊として最前線に立ち、前王を討ち取ってオークの誇りを打ち砕いた彼女たちが、あろうことかオルクセン国軍の旅団戦闘団『アンファングリア騎兵旅団』として新編された。これこそが、全ての発端であった。

 これは、このダークエルフ旅団の発足後に発生し、オルクセンの歴史の闇へと永久に葬られたとされる、古老将軍たちによる醜悪な犯罪と叛乱の記録。

 そして、オーク族でありながら“瘦せっぽち”と呼ばれるオルクセン国軍憲兵大尉、ハインリヒ・グロッセの物語である。

 「オルクセンズ・グローリア!」

ーネタバレの注意事項ー

※Web版原作読了後推奨
※Web版コミック読了後推奨
※コッミク版既刊読了後推奨

★小説版第2巻頃に起きたIF物語。
★コミック第3巻頃に起きたIF物語。

当作品はフィクションであり、実在する出来事、人物、組織等は関係なく、またそれらを貶める意図は一切ありません。

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