私、スパイダーマンになりました。   作:毛糸くん345

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思ったよりも文章量多くなっちゃった。
12話まで書いてやっと戦闘シーンに突入、我ながら遅すぎる。


遥は人助けとかしてちやほやされるのは大好きなんですけど、ぶっちゃけ犯罪者相手にはあんまりやる気ださないです。

面倒くさいのと、犯罪を犯すような社会的な弱者を見ると義憤よりも同情や哀れみが先にでるタイプ。
生まれたときから苦労したことないからね、ちょっぴり傲慢さもある



12 スーペリアからの課題

 

 第12話

 

 トリバー・エリオット先生がやってきてから数日が経った。

 

 

「つまり、電子を失った原子は陽イオンとなり、逆に電子を受け取った原子は陰イオンとなる。これがイオン化というわけだ」

 

 黒板に書かれた図を指しながら、先生が説明する。

 

「ここで一度考えてみよう。なぜ原子は電子を失ったり、受け取ったりする必要がある?」

 

 教室を見渡す。

 何人かが手を挙げ、そのうちの一人を指した。

 

「状態を安定させるためです」

「その通りだ」

 

「では、ここまで勉強すると、原子核の中はどうなっているのか気になる者もいるかもしれない。そこから先は少し高校の範囲を越えるが――せっかくだからな、少しだけ触れておこう」

 

 そう言って、先生は原子核の簡単な模式図を描いた。

「原子核そのものが変化する反応もある。その一つが、核融合だ。簡単に言えば原子核同士を融合させる反応で、太陽が大量のエネルギーを放出しているのもこの反応によるものだ。」

 

 先生はそこで一度チョークを止めた。

「ただし、ここで重要なのは『くっつければいい』という単純な話ではない。原子核同士には電気的な反発があり、それを乗り越えるためには――」

 

 

 そこから先の説明は、教科書の内容を大幅に越えていた。

 核融合が起きる条件。莫大なエネルギーが生まれる仕組み。そして、実際にそれを利用しようとした場合に、どんな難しさがあるのか。

 

 どれも高校の授業で扱うような内容じゃない。

 けれど、私はトリバー先生の話にすっかり引き込まれていた。

 

 核融合が起きる条件について説明するときも、ただ知識を並べているようには聞こえない。まるで、自分で何度も試してその難しさを実際に知っているみたいだった。

 

 もちろん、本当にそんな経験があるはずはない。

 

 核融合なんて、今も世界中で基礎研究や実証実験が続いている分野だ。高校の教師が個人的に何度も実験してきたなんて話、それこそ大事件だろう。

 

 それでも、先生の説明には確かな熱意があった。

「……すごい」

 思わず、そんな言葉が漏れる。

 普通の授業は教科書に沿って進んでいくことが多いけれど、先生はその先にあるものまで見せてくれる。

 

 まだ実現していない技術や、これから実現させるべき未来。先生がそういう話をするときは、まるでそこへ至る道筋まで本当に見えているようだった。

 

 ただ知識を教えているだけじゃない。その先にある未来を本気で信じている。

 授業からはそんな信念が伝わってきて、私はそんな先生の姿に少し憧れていた。

 

 次はどんなことを教えてくれるのだろう。そう思いながら私は耳を傾けていた。

 

***

 

 

 そんな授業を何度か受けているうちに、先生に対するクラスの印象も少しずつ変わっていった。

最初は突然やってきた外国人の先生ということで少し避けられていた。

 話し方も少し尊大だし、何を考えているのか分かりにくかったからだ。でも、実際に話してみるとそんなことはなかった。質問すればちゃんとこちらを見て答えてくれるし、授業以外の話をしても意外と気さくに返してくれる。

 

 

「トリバー先生って、マジで教えるの上手くない?」

「うんうん。説明が分かりやすいよね」

「授業中に質問したらちゃんと止まってくれるしな。前の先生なら、そのまま進んでたところでも説明してくれる」

「俺次の期末勝ち確だわ、この授業ならいけるね!!」

 

「さっきの核融合の話も面白かったしね」

 私がそう言うと、みんなが少し意外そうな顔をした。

「へえ!……以外だ。遙が先生を褒めるなんて」

「知らないことを聞くのは好きだよ?」

「でも、遙って授業中しょっちゅう寝てるだろ」

「……それは授業が悪い」

「先生のせいにしちゃダメだよ」

 

 それから何時間か経って放課後。

私が教室で帰り支度をしていると、トリバー先生がこちらへやってきた。

 

  

 先生は私の机の横で足を止めた。

「あぁ……遥くん。君に少し聞きたいことがある」

「私に?」

 

 何だろう。

今日の授業で何か変なことでもしたかな、と考えていると、先生が続けた。

 

「私の授業はどうだろうか」

「……授業?ですか」

 思わず聞き返す。

「そうだ。率直な感想を聞きたい」

 

 私は少し考えた。

 

「……とても面白いと思います。今まで、こんな授業をする先生っていなかったので」

「こんな授業?」

「知ってることを教えてくれるだけじゃなくて、その知識がどこまで広がっていくのかまで話してくれるじゃないですか」

 

 私は少し悩んで、言葉を続けた。

「先生の話を聞いてると、もっと知りたいって思うんです。一度授業で習ったことでも、先生に教えてもらうと全然違って見えるというか……そういうの、すごく新鮮でした」

 

「なるほど」

 先生は少し嬉しそうに頷いた。

「君は、学ぶことが好きなのだな」

「そうですね。……たぶん」

 私は少しだけ笑った。

「今まで先生に教えてもらうって、授業だから受けてるっていう感じだったんですけど……トリバー先生の授業は、もっと聞いていたいって思います」

 

 そこまで言ってから、少し恥ずかしくなった。

「……なんか、偉そうですか?」

「いや」

 

 先生は首を横に振る。

 

「教師として、これ以上ない言葉だ。だが……そうか。それなら、もっと面白いものを渡そうか」

 

 先生は一枚の紙を手渡してきたので、目を通す。

 

【 軽量・高強度・伸縮性を兼ね備えた粘着素材を作るにはどのような構造が考えられるか。

自然界に存在する身近な天然高分子を例に分析し、その性質を合成高分子で再現するための方法を自分なりに考察すること。】

細々とした指示やヒントは書かれているが、要約すればこんな内容だ。

 

 

「……結構難しくないですか?」

 先生はあっさり頷いた。

「そうだな高校の授業で扱う内容としては、少々難しいかもしれん」

 やっぱり……というか少々どころじゃない。大学院で専門的に扱うべき内容にすら見える。

高分子そのものについて調べるだけなら高校生でもできる。でも、そこから新しい素材の構造まで考えろという話は相当な無茶振りだ。

 

 

 私ならできるとは思うけど。

 

 

 問題はそこじゃない。

 

 私はもう一度、紙を見る。

 

 軽量。

 高強度。

 伸縮性。

この三つを兼ね備えた粘着素材……。これって。

 

 私は紙から顔を上げ、先生を見る。

「なぜ私に?」

「君なら、少し面白い考察ができそうだからな」

「買いかぶりすぎじゃないですか?」

「そうかもしれん」

 

 先生はそう言って、特に気にした様子もなく教室を去っていった。

 

 私は手元の紙を見つめる。

 「……これ、どう考えてもクモ糸のことを言ってるね」

 少なくとも、私にはそうとしか思えなかった。

 核融合反応をまるで自分のことのように語る先生。そして、その先生が私だけに出す特別課題。あるいは初対面の時のムズムズ。

 

 

ここまで揃えばさすがに無視できない。

「……先生ってもしかして」

 そこまで言って私は口を閉じる。

先生は何も言わない。私も、それ以上は聞かなかった。

でも、もしこの非現実的な想像が本当に事実なら――

「この課題、ちょっと面白いかもしれない。」

 

 思わず、口元が緩んだ。

 

 

 

***

 

 

 この頃から私は昼間にも街へ出るようになった。

 

 もちろん、最初はかなり迷った。

 

 スパイダーマンになったばかりの頃なんて、正体バレが怖くて母に泣きついたくらいだ。

 ショッピングモールで顔を見られたときだって、本気でこの先どうなるのかと思った。

 

 実際、大人しくしていることが賢い選択なのだとは思う。

 

 でも、あの地震を経て少しだけ考え方が変わった。

 あのとき私が助けた人々は私の正体を暴くのではなく、感謝の言葉とともに受け入れてくれた。 それに、目の前で困っている人を見つけてしまったら私はきっと放っておけない。

 

 それに身も蓋も無い事を言ってしまえば、特定されたところで私に喧嘩で勝てる人間なんていないのだ。

 

 加えて、監視カメラの映像から私が不自然に消えていたこともその考えを後押しした。

 あれが誰かの手によるものなのか若干の心当たりはあるが、未だはっきりとは分からない。けれど、少なくとも今すぐ私の正体が世間に広まるような状況ではないらしい。

 

 そう考れば尚更辞める理由は無くなっていた。

 

 

 放課後

 

 私は人気のない路地裏までやって来て白いパーカーとチノパンに着替える。そして、最後に玩具のスパイダーマンマスクを被ろうとしたところで、ふと我に返る。

 

「……っっ、嫁入り前のなのに、明るいうちから路地裏で着替えるって……」

 自分で口にした途端、急に恥ずかしくなってきた。

 誰も見ていない。それは分かっている…分かってはいるが。

「うぅっ……もう」

 私は真っ赤になった顔を隠すようにマスクを深く被り直す。何もなかったことにして、今度こそ路地裏からそそくさと出ていった。

 

 

***

「…ふぅ………よし」

 私は高層ビルの屋上に立っていた、

息を深く吐き縁から身を投げる。

 

 身体が宙に浮いた。

 次の瞬間には、重力に引かれて真っ逆さまに落ちていく。

 風が一気に吹き上がる。

 ビルの壁が凄まじい勢いで上へ流れていく。

 

そして―――thwip!

 

 落下しながら放った糸がビルに絡み、身体が一気に引っ張られる。

 

「WOOHOOOOO!!!!!!」

そのままビルの間を抜け、街の上を飛んでいく。

 

 人々は私に気づいて足を止め声を上げていた。

「えっ、スパイダーマン!?」

「本物!?」

 

みんなが私を見てる、その事実が妙に嬉しかった。

「みんなーー、今日も良い一日をー!」

手を振りながら、そのまま次のビルへ向かう。

 

 壁を駆け上がり、勢いよく空へ跳び出す。

空中で一回転すると、下からさらに歓声が上がった。

 

「すげえ!」

「今の見た!?」

 

 私は笑いながら、もう一度手を振る。

「ありがとー!これからもよろしくねーーー!!」

 

 

thwip!

 

 再び糸を伸ばし、街の向こうへ飛んでいく。

 

 もう――最っっ高!!!

 

 それからの私は、放課後になると明るい内にパトロールするのがすっかり習慣になっていた。

 

 

困っている人がいないか見て回りながら、たまに誰かに声を掛けられれば手を振ったりする。

「おーい!!こっちこっち!!おーーい」

 そんな中でも、子どもから声を掛けられたときは、なるべく止まるようにしていた。

 地震の日、私がもらったあのマスクのことを思い出すからだ。

 

 だから今もこうして降りている。

 

「あ! スパイダーマン!こっちこっち!!」

「……はい、こんにちは」

「握手して!」

 

 差し出された小さな手を握る。

 

「よろしくね」

「うわあ、本物だ! あったかい!」

「そりゃあそうだよ」

「スパイダーマンって人間なの?」

「たぶんね」

 

 その隣で、母親らしき女性が苦笑する。

「すみません。この子、ここ最近ずっとあなたの話ばかりで」

「いえいえ。光栄です」

 ……前回の反省を活かし、今日はちゃんと敬語だ。

 落ち着いて、大人っぽく、クールに。

 

  別の日には、住宅街で買い物袋をいくつも抱えたおばあさんを見かけた。

 

「大丈夫ですか?」

「え?」

「荷物、持ちましょうか?」

「いやいや、これくらい大丈夫よ」

「でも重そうですよ」

「そうかしら?」

「せっかくですから、持ちますよ。暇だし」

 

 そう言って、私は袋を受け取った。

 

「まあ……」

 おばあさんが目を丸くする。

「…そんなに細いのに、力持ちなのねえ」

「こう見えて結構力あるんですよ」

「そうなのね」

 

 そのまま家の近くまで荷物を運ぶ。

「ニュースで見たわよ。大変だったでしょう」

「ちょっとだけ」

「でも、ありがとうね。あなたみたいな人がいてくれると安心するわ」

途中で地震の話から昨日の晩御飯まで色々聞かれて、最後にはお礼にお菓子をもらってしまった。

 

 

 そんなこんなで、私は少しずつスパイダーマンに慣れていった。

 最初の頃は跳ぶだけでも精一杯だったけど、今ではスマートフォンを眺めながら、お菓子をかじりつつ、スイングできる。我ながら器用だ。

 

エゴサしながらスイングしてると近所で事件が起きているという投稿が目に入った。

「……強盗?」

 投稿された場所を確認すると思ったより近い。

 

 ……正直、行きたくない。

 人助けは好きだけど。でも、強盗はなぁ……。

 

 勝てるのは分かってる。

 蜘蛛に噛まれる前からそうだけれど、喧嘩でも勉強でもスポーツでも、勝つと分かってる相手を倒すのってあんまり気分のいいものじゃない。

 

 ……でも見ちゃった以上は……。

「はぁ……行くか」

 スマートフォンをしまい、渋々現場へ向かった。

 

 

 

 そこは大通りに面した時計店だった。

 ガラス張りのショーウィンドウには、見るからに高そうな時計がずらりと並んでいる。

 店の周囲だけは人がぽっかりと避けていて、その少し外側を大勢の野次馬が取り囲んでいた。

 

 

 

 私は少し離れたところに降り立ち、野次馬の視線を浴びながら店へ向かう。

 

「来たぞ!」

 誰かの声に、店の中にいた五人の強盗たちが一斉にこちらを振り向いた。

 

 私は店の前で立ち止まる。

「……はぁ」

できれば穏便に済ませたいんだけどなぁ。

 

 ……でも「やめて」って言ったくらいで素直にやめるなら、最初から強盗なんてしないか。

 そんなことを考えながら、私は男たちに声を掛けた。

「……やあ。悪いけど、そこまでにしてね。盗んだものを置いて、大人しく出てきてくれると助かるんだけど」

 

 

 

「…………」

「…………」

 

 五人とも、黙ったまま私を見る。

 やがて、一人が小声で言った。

 

「……どうする?」

「どうするって……」

「五人いたって、相手がスパイダーマンじゃ……」

「でも五人だぞ」

「じゃあ、お前が行くか?」

「……いや」

「俺も無理」

「……だよな」

 

 五人は顔を見合わせた。

 誰も何も言わない。

 しばらくして、一人が小さく両手を上げた。

 

「……降伏します」

「俺も」

「俺もです」

「はい、降参」

「俺たちじゃ無理です」

 

 ……早い。

 あまりにも早い。

 

「そんなにあっさり辞めるの?」

 

「いや、無理ですよ」

「スパイダーマンは無理ですって」

 

 どうやら、完全に戦意を喪失しているらしい。

 ……なんだろう、せっかく来たのに。

肩透かしを食らったものの、五人に覆面を外すよう言った。

 

「顔を見せて」

 全員が素直に覆面を外した。

「……え?」

 思っていたより若い。私とそう変わらないように見える子までいる。

「君たち、本当に強盗?」

「……はい」

「なんで?」

「闇バイトに応募して……」

 あまりにも拍子抜けだった。

 

 私は店の中を覗き店員さんに尋ねる。

「すみません。警察にはもう連絡しました?」

「はい。ついさっき通報したところです」

 なら警察が来るまでいくらか時間がかかる。

でも、ここで彼らを置いて去るのもなんだか違う気がした。

 

 

 私は五人を見た。

 全員大人しくその場に座っている。

……暇だ。あんまり暇だから説教でもしよう

 

「じゃあ、その間ちょっと話そうか」

 私は腕を組んだ。

「闇バイトだからって強盗は犯罪だからね、こんなことしちゃ駄目だよ」

 

「はい……」

「すみません……」

「お金が欲しいなら、ちゃんと働けばいいでしょ。大変なのは分かるけど、だからって人のものを盗っていい理由にはならないんだから」

「それに、こんなバールなんか持ってどうするの。自分だって怪我するかもしれないし、相手だって怪我するかもしれないでしょ。まあ……今回のことなら、君たちも若いし。ちゃんと反省すれば、なんとかなるんじゃない?」

「……はい」

「だから、もうやっちゃダメだからね」

 ……うん。たぶん大丈夫。まあ、悪いことをしたら怒られるくらいはするだろうけど。

それより、これで懲りてくれればいい。

 

 私がそんなふうに説教している間にも人が集まってきた。

大通りに面した店前で、仕事帰りの時間帯ということもあって足を止める人がどんどん増えていく。

「……あれ、スパイダーマンじゃない?」

「ほんとだ。ニュースで見たやつだ」

「こんなところで見られるんだな……」

「まあ、せっかくだし撮っとくか」

仕事帰りらしいスーツ姿の男性たちが鞄を片手にスマートフォンを取り出している。

 

 

…………なんか子供たちに比べてテンション低いな

まあ、今さら気にしても仕方ないので放っておくことにしよう。

 

 

 そう思って説教を続けていたら一人の男が突然手を挙げた。

「俺を一発殴ってもらえませんか!?」

「は?」

「少年院で自慢したいんです! スパイダーマンに倒されたって!」

 

「嫌だよ!」

 私は即答した。

「なんで私が殴らなきゃいけないのさ」

「そこをなんとか!」

「無理。私、まだ力の加減が完璧じゃないんだから。本当に殴ったら、たぶん洒落にならない怪我するよ」

「じゃあ、もっと軽いやつで!」

「軽いやつって……」

 

……うるさいなぁ。面倒だから一発だけ殴ってやろうか。

 

「……デコピンなら?」

「お願いします!」

「本当に軽くだからね?」

「はい!」

 

 私は指を立てる。

 

「じゃあ、いくよ」

 

 バチンッッッ!!

 

「うわあああっ!」

男の身体が後ろへ吹っ飛んだ。

「えっ!?」

 

パリンッッッ!!ドサドサッ!

 

 ガラスケースを割った後に、店の後方に積まれていた段ボールの山に突っ込む

 周囲が静まり返った。

「デコピンで!?」

「今の撮った!?」

「すげえ……!」

私は慌てて男のところへ駆け寄った。

 

 

「うわーーー、やっちゃった!?」

 急いで段ボールの山をどかすと、男が仰向けに倒れていた。

 ……気絶してる。

でも、なぜかものすごく嬉しそうな顔をしている。

「…ご、ごめんね?……。本当に軽くやったつもりだったんだけど……」

 とりあえず、息をしていることを確認する。

 

 私は胸を撫で下ろした。

「……誰か、力加減のやり方教えて」

 そのときサイレンが聞こえてきた、ようやく警察が来たらしい。

 私はほっとした。

 

 これで終わり。……のはずだった。

パトカーが何台も止まり、警察官が次々と降りてくる。

 

「強盗犯は?」

「こちらです!」

 

 店前で待機してた店員が五人を指差す。

 警察官たちがそちらへ向かう。――と思ったら、そのうちの一人が私を見た。

 

「……スパイダーマンさんですか?」

「はい」

 答えた瞬間、強盗たちに向かっていた警察官たちが私の周囲へ散らばった。

 

「え?」

 前にもいる。

 後ろにもいる。

 左右にもいる。

 気づけば、十人近い警察官に囲まれていた。

 

 嫌な予感しかしない。

私は一番近くの警察官を見る。

 

「……あの」

「はい」

「任意ですよね?」

「もちろんです」

 

「…………」

 

 私は周囲を見る。

 十人。

 いや、よく見るともっといる。

 

 ……これ、本当に任意?

 

 任意って、こんなに人数を揃えて囲むものだっけ?

 私が黙っていると、警察官の一人が段ボールの山を指差した。

 

「それと、あちらの男性ですが……意識を失っているようですが、何があったんですか?」

「あ」

 

 丁度男が意識を取り戻した。

「……う、うぅ……」

 段ボールの隙間から、さっきの男がゆっくりと顔を出した。

 警察官がすぐに駆け寄る。

 

「大丈夫ですか?何がありました」

 そこから顔を出した男が、親指を立てた。

「スパイダーマンに倒されました!」

「……」

 

 警察官の視線が私に戻る。

 

 男は嬉しそうに笑っている。

「すげえですよ。これなら少年院で自慢できます!」

「言わないで!」

 思わず叫んでしまった。

 

 周囲の警察官が何とも言えない顔になる。

「念のため、怪我の状況を確認しますので。それと、あなたにも事情を――」

「……事情?」

「はい。傷害の疑いなども含めまして、一度~~」

 

 まずい。

 これはまずい。

「…………」

 

 私はゆっくり周囲を見渡した。

 逃げ道はない。

 

 ……いや。

 ある。

 

「それでは、少しお話を――」

「ごめんなさい!」

 

 私はその場で跳び上がった。

「えっ!?」

 蜘蛛のように壁へ張り付き、そのまま一気に駆け上がる。

「待ちなさい!」

「無理です!」

「スパイダーマン!」

「この後デートの約束が!」

 

 屋上へ飛び移る。

 下から、何人もの警察官が見上げている。

「逃げたぞ!」

「追え!」

「だから無理ですって!」

 

 私は屋上を走りながら叫んだ。

「強盗はちゃんと捕まえてねー!」

下から警察官の返事が聞こえるより先に、私は夕暮れの街へ飛び出した。

 

「おおー!」

「行った!」

「頑張れー!」

「気をつけろよー!」

 さっきまで店の周りに集まっていた人たちが、笑いながら私の逃走を見送っている。

 

「じゃーねー!」

 私も手を振り返す。

 私はそのままビルからビルへと飛び移り、夕焼けの街を駆け抜けていった。

 

 

***

 

 

「……デコピンなんてしなきゃよかった!!」

 夕焼けの河川敷を歩きながらさっきのことを思い出していた。

 軽くやったつもりだったのに、まさかあんな勢いで飛んでいくなんて。

 

 しかも、本人は気絶してたくせに、起きたら嬉しそうに「スパイダーマンに倒された」なんて言ってるし。

「……なんなの、あれ」

 思い出すと、またちょっと腹が立ってくる。

 私は小さく息を吐いた。

 

 

 

まぁでも……………お遊びはこのくらいでいいだろう。

 

 

 ここ数日間、私はパトロールをしながら自分なりにいろいろ調査を進めてきた。

 先生の言動。授業の内容。私に渡してきた課題。そして、監視カメラの映像。

 

 ここまで自分で調べたのなら、あとは本人に聞くしかない。

 私は足を止め、夕暮れの空を見上げた。

 

「……そろそろ、答え合わせかな」

 そのときだった。

「ほう。私に何か聞きたいことでもあるのかな?」

「――!」

 

 背後から声がした。振り返る。

そこには、いつの間にかトリバー先生が立っていた。

 

 けれど、私は驚かなかった。

……むしろ。

「やっぱり来ましたね」

「……気づいていたか」

「そろそろかな、とは思ってました。ここ、先生のご自宅の近くなんですよね?」

 

 私は先生を見上げた。

「書類上はな。せっかくだ、続けてみたまえ。君がどこまで私に辿り着いたのか、聞かせてもらおう」

「……そういうことなら、お言葉に甘えて」

 

 ここ数日で集めた情報を、全部ぶつけてみよう。

 

 先生は私の正面に立ったまま、腕を組んでいる。

 敵意は感じない。むしろ、これから私が何を言い出すのかを楽しんでいるように見えた。

 

 

 

 

「最初は監視カメラの映像です」

「ほう」

「ショッピングモールであれだけ騒ぎになったのに、私はまだ正体を特定されていません。それがずっと不思議だったんです」

「それを確認するために、警察署にも忍び込んでみました。そこで実際の映像を確認してみたんですが……私が映っていたはずの時間だけ、不自然に別の内容へ置き換えられていました」

 

「……警察署に忍び込んだのか?」

「はい」

「君は本当に大胆だな」

 

 話を戻す。

「でも、そこで別のことが気になったんです。これって、いつ加工されたんだろうって」

 事件のあとにまとめて編集しただけなのか。それとも、もっと別の方法なのか。

「だから、私の方でも確認してみました。事前に街中の監視カメラをいくつか調べて、映像をリアルタイムで確認できるように細工しておいたんです」

 

「……やるじゃないか」

 先生の眉が、わずかに動いた。

「その上で、わざとコスチュームを着てカメラの前を素顔で通ってみました。すると、私が映った映像が少し遅れて、別の映像に置き換わったんです」

 

「……ほう」

「一台だけじゃありません。場所を変えて何度か試しました。中には、ネットワークから切り離されたカメラも」

 

 私は先生を見つめた。

「それでも結果は同じ。ほとんど数秒で映像が書き換えられた」

「つまり?」

「私の動きをリアルタイムで把握しながら、監視カメラの映像を操作できる技術が存在する」

 

 

 先生は否定しなかった。

「普通じゃありませんよね」

「確かにな」

 

 あっさり肯定された。……なんか調子が狂う。

 私は少しだけ眉を寄せた。

 

「次に、ドローンです」

「……ああ。見つけたか」

「ネットワークから切り離されているカメラの近くにありました。しかも、ほとんど透明で異様に小さい」

 

 私は少し得意げに胸を張った。あんなものスパイダーセンス無しでは見つけられなかっただろう。

「正直、あれを見つけたときはびっくりしました。あんなもの、今の技術じゃ作れないでしょう?」

「そうだな」

「……そこも否定しないんですね」

 

「君の推理を邪魔する必要もあるまい」

「そうですか」

 なんだか、先生のペースに乗せられている気がする。

 

 でも、まだある。

 

「それから、先生の授業です」

「私の授業?」

 

「科学の知識が広すぎます。あれは高校教師なんてレベルに収まるものじゃありません」

「?たったそれだけの事で…私を疑うと?」

 

私は少し間を置いてから続けた。

「いいえ、それだけじゃありません。授業のあとに職員室で私がした質問…………覚えてますか?

……あれ、実はわざとだったんです」

「……わざと?」

「はい。研究者の間でも、まだ答えが出ていない問題について尋ねてました。先生ならどう答えるのか試してみたんです」

 

 あのときのことを思い出す。

「そしたら先生、ほとんど考えることもなく答えたでしょう?」

「……」

「しかも、『私はこう思う』なんて話じゃない。どうしてそうなるのか、その仕組みまで普通に説明した」

「世界中で答えを出せていない問題を、高校教師があっさり答えられるって……さすがに変ですよね」

 

 

私は返事を固唾を飲んで見守っていると――

「そうだな、そこは完全に私のミスだ」

 先生はあっさりと認めた。

 

「この世界がどの程度の水準まで進んでいるのか。未だ正確に把握しきれていなかった。その確認を怠ったまま、熱心な学生相手だからと知っていることをそのまま話してしまった」

 

 

「……やっぱり……、そうなんですね」

あまりにも非現実的。

でもその話を聞いて、私はますます確信した。

 

 

「そのうえで先生、貴方は私に直接的なメッセージを渡してきましたね」

私はそう言った後、鞄の中に入れていた課題を提出した。

「ふむ、確かに受け取った」

「軽量、高強度、伸縮性。その三つを兼ね備えた素材を作れなんて、高校生に出す課題じゃありませんよ」

 

私は紙を見下ろして、少し笑った。

「さすがに露骨すぎます。私を知っている人間が、私に向けて出した課題だって考えるのが自然です」

 まっすぐ先生を見つめる。

 

「つまり、これは先生から私へのメッセージなんですよね」

 

 

 先生は何も答えない。

 

「ここまで揃ったら、さすがに考えますよ………………………………先生は、何者なのかって」

 

 

 

 もちろん、あらゆる可能性があるし論理的な証明など不可能だ。

 たまたま日本にいたアメリカ人の天才科学者が私のことを知っていて、密かに助けてくれている。

 ……なんていう展開でもいい。

 ご都合主義が過ぎるけれど、突然蜘蛛に噛まれてスパイダーマンになった私に比べれば、まだ現実味がある。

 

 

 でも。

 

 

 せっかくここまで材料が揃っているのだ。

 だったらちゃんと推理してみたい。

 こういうの楽しいし。

 

 

 

 私は頭の中で、これまで集めた情報を一つずつ並べ直した。

 まずは、大本命の答えをぶつける。

 

「先生、あなたはピーター・パーカーですか?」

 

「……」

 

「私のスパイダーセンスが、初めて先生に会った時妙な反応をしました。それに、彼は科学者としても優秀で、当然クモ糸の生成方法も知っている」

 

 私は少しだけ肩をすくめた。

 

「もちろん、映画で見たスパイダーマン同士の感知能力なんてものが、本当に存在するのかは分かりませんけど」

「……」

「先生の特徴には、結構当てはまるんですよ」

 そこで私は、少し苦笑する。

「まあ、私にとっては架空のキャラクターですけど……私自身が蜘蛛に噛まれてる時点で、今さらそこを気にしても仕方ないでしょう?」

 

 その瞬間。

 

 先生の表情が、ほんの少しだけ変わった。

 

「惜しいな」

「え?」

「そこまで辿り着いたことは評価しよう」

「てことは……やっぱり……、近かったですか?」

「ああ」

 

「やったぁぁ!!!!」

 思わず顔が明るくなる。

 

 やっぱりそうだ。

架空のキャラ、或いはそれに準ずる存在なんだ。なら推理の方向性は間違っていない。

 

 あと少しだ。

 

 ピーター・パーカーではない。

 

 

「じゃあ……」

 

 私は考えた。

 

 スパイダーマンと関係性がある。

 優れた科学知識と監視カメラや高性能ドローンを自由に操れる技術を持ち。

 クモ糸を合成出来る人物。

 

 

……でも、まだ何かが足りない。

 あと一手。

 この人が誰なのかを決めるには、もう一つ何か手掛かりが必要な気がした。

 

 

 

 思考が煮詰まりかけたその時、私は先生の授業を思い返した。

 

 核融合だ。

 

 あのときの先生は、いつもの授業とは少し違っていた。

 

 核融合がどういう原理で起こるのかを説明しているうちに、いつの間にか話が高校の教科書を越えていた。必要な温度や圧力、プラズマの制御。実用化するために何が問題になっているのか。

 

 先生はそれらを、まるで自分が研究の最前線にいるかのような詳しさで話していた。

 

 しかも、妙に熱がこもっていた。

 普段の先生はもっと淡々と説明する。なのに核融合の話になると、少しだけ声が大きくなって、言葉の一つ一つにも明らかに力が入っていた。

 

 

 

 私はそれが面白くて、気づけば授業が終わるまで夢中になって聞いていた。

 

 ……あのときは、単純に「この先生、すごいな」と思っていただけだった。

でも今なら分かる。

 

 

 監視システムを操作できる技術力。

 クモ糸を合成できる科学者。

 そして、核融合に対して並々ならぬ熱量を持つ人物。

 

 この三つを一人の人物に重ね合わせたとき、私の頭に浮かんだ名前は――。

 

「わかった!!!」

「……ほう」

 

 

私は自信満々に指を突きつけた。

 

「トリバー先生、貴方の正体は――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トニー・スタークですね!!!!!!」

 

 

「…………」

 沈黙。

 

 夕方の風が私たちの間を通り抜けていく。

 

「……」

「……」

 

 あれ?

 なんか反応がない。

 

「……先生?」

 

「トニー・スタークだと?」

 

「はい!」

 

「私が?」

 

「はい!!」

 

「…………………………」

 トリバー先生の肩が微かに震えた。

 

 そして――。

「ふざけるなぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

「ひえっ!?」

 

 突然の絶叫に、私は思わず後ずさった。

「なぜ私があの男なのだ!」

「いや、だって!」

「あの拝金主義者と一緒にするな!」

「拝金主義者!?」

 

「自らの名前を冠した兵器を作り、金を稼ぎ、名声を得て、自分がどれほど優秀なのかを世間に知らしめることに腐心し!些細な事すら自らの功績として誇示する!」

 

 ものすごい勢いだった。

 

「金と女と名声に囲まれ、自分の才能を見せびらかすことに夢中になっている、自己顕示欲の塊だぞ!」

 

「そこまで言わなくても……」

「私はあんな男ではないわ!」

「でも、科学好きなところは似てません?」

 

「黙れ!」

 

「すみません!」

 

「そもそも、あの男は――」

 

 そこからしばらく、私はトニー・スタークについての猛烈な批判を聞かされることになった。

 正直、ここまで怒るとは思わなかった。

 

 

 さっきまでの余裕はどこへ行ったんだろう。

 

 ……というか。

「先生、もしかしなくてもトニー・スターク嫌いなんですか?」

 

「大嫌いだ」

 

「即答なんだ……」

 

 ようやく言いたいことを言い終えたのか、先生は大きく息を吐いた。

 

「……まあいい」

 

 少し間を置いて、いつもの落ち着いた声に戻る。

 

「それより、先ほどの推理についてだ」

 

「はい」

 

「ピーター・パーカーまで辿り着いたことは評価する。その過程での調査もクモ糸合成の課題内容についても及第点。だが、その後の推理で大幅な赤点だ」

 

「赤点……」

 

「筆記試験としては失格だな」

 

「そんなぁ……」

 

 私は肩を落とした。

かなり自信があったのに。

 

「だが」

先生は言葉を続けた。

「試験は筆記だけではない」

「……え?」

 

「せっかくだ。実地試験もしておこう」

 

 空気が変わった。

「実地試験?」

「ああ。君がここ数日、いや一月近く街で何をしていたかも当然把握している」

 

 私は少し身構える。

 

「人を助けることはできている。状況への対応も悪くない。だが、実際に戦うとなれば話は別だ」

 

「……戦う?」

 

「紙の答案では分からないこともある」

 

 先生が一歩こちらに近づいてくる

 私も一歩下がった。

 

「ちょっと待ってください」

「何だ?」

「実地試験って、これから私と戦うってことですか?」

「そういうことだ」

 

 先生はそう言うと、ネクタイに手をかけた。

 

「……え?」

 

 ネクタイを外し、上着を脱ぎ始める。

 

「え、ちょっと待ってください」

 

 私は思わず顔を背けた。

 

「いや、何してるんですか先生!?」

 

 けれど、先生はまったく気にする様子がない。

 シャツに手をかける。

 

「ちょ、ちょっと!」

 

 私は慌てて両手で目を隠した。

 

 何を考えてるんだ、この先生!

女子高生の目の前で堂々と服を脱ぎ始めるなんて!

結構尊敬してたのに!!

 

「先生!!流石にそれは――」

指の隙間から、恐る恐る様子を窺う。

 

「……あら?」

 

 シャツの下から現れたのは、肌ではなかった。

 

 赤と黒のスーツ。

 全身を覆う、蜘蛛を思わせるデザイン。

 赤いラインが黒い身体を走り、胸には大きな蜘蛛のマークが描かれている。

 

 

 

 私は目を覆っていた手をゆっくり下ろした。

 

「……そういうこと?」

 

 先生は私を見据える。

 さっきまで学校にいた教師とは、まるで別人だった。

 

「……かっこいい」

 思わず口から漏れた。

先生は腰からマスクを取り出す。

 

 

 

「私の本当の名前は――オットー・オクタヴィアス」

低く、よく通る声だった。

「またの名を…………スーペリアスパイダーマンだ」

 

 

 

 そう名乗ると、先生はマスクをゆっくりと顔に被った。

 白いレンズがこちらを向く。

 完全に、スパイダーマンだった。

 

 

 

 私はその姿を驚愕と共に見つめて…………………首を傾げた。

「……誰?」

 

「何?」

 

「いや、誰ですか?」

 

「スーペリアスパイダーマンだ」

 

「オットー・オクタヴィアスは知ってます。ドクター・オクトパスも知ってます。でも、スーペリアスパイダーマンって人は知らないんですけど」

 

「…………」

 

 マスク越しでも、先生が微妙に呆れているのが分かった。

 

「……そこまで調べておいて、そこを知らんのか」

 

「仕方ないじゃないですか。アメコミって日本でほとんど売ってないんですよ」

 

「……まあいい」

 

 先生は小さく息を吐いた。

 

「今に分かる」

 

「いや、分かるも何も――」

 

 

私が言い終わるより先に、先生が構えた。

 

 

「では――」

 

 脚が地面をえぐる。

 

「試験開始だ」

 

「えっ、ちょ――」

 

「フハハハハッッッッ!行くぞ!!!!」

 

 次の瞬間、赤と黒の影が一気に迫ってきた。

 マスク被った途端キャラも変わってる!!

 

 

「トニー・スタークって言ったこと謝りますから、ちょっと待ってってばぁぁぁっ!」

 

 私は反射的に身を翻す。

 

 夕暮れの街で二人の蜘蛛が激突した。

 




ちなみに遥が最後の名前あてに正解してた場合は博士と仲良くお茶会してました。


でも核融合に詳しい天才科学者で、ドローン含めたオーバーテクノロジー持ってて、
スパイダーマンの自分に優しくしてくれる、クモ糸液作った実績のある人間。

間違えるのも仕方ないよね。

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もし貰えたらエタる可能性が大幅に減少します。なんなら、この作品じゃなくてBNDの感想でも大丈夫オッケーなくらい感想欲しいです。

お願いだから感想クレー――
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