『神のチートで勇往邁進!〜20年後の同窓会に現れた独眼竜は、三度(みたび)恋の火を灯す〜』   作:夜幻

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第79話

三月。

 

まだ少し冷たい風が、校舎の間を吹き抜けていた。

 

冬の名残を残した空の下。

 

校庭の桜は、まだ蕾だった。

 

それでも。

 

春は、すぐそこまで来ていた。

 

「……今日で、終わりなんだね」

 

校門の前。

 

四葉が、ぽつりと呟いた。

 

いつもの制服。

 

いつもの鞄。

 

いつもの笑顔。

 

けれど。

 

今日だけは。

 

その笑顔に、少しだけ寂しさが混じっている。

 

「そうね」

 

一花が隣に立つ。

 

「三年間、あっという間だったなぁ」

 

「本当に」

 

三玖も頷く。

 

「もっと長いと思ってた」

 

「私は、まだ実感がありません」

 

五月が言う。

 

「卒業証書を受け取っても、明日また学校に来そうです」

 

「五月らしいわね」

 

二乃が笑った。

 

「でも……」

 

二乃は、校舎を見上げる。

 

「本当に最後なのよね」

 

その横には。

 

六華がいた。

 

「……うん」

 

そして。

 

莉々華。

 

「なんだか、変な感じ」

 

七人。

 

一花。

 

二乃。

 

三玖。

 

四葉。

 

五月。

 

六華。

 

莉々華。

 

いつも一緒だった七人の少女たち。

 

今日。

 

その七人が。

 

高校生として最後の日を迎える。

 

そして。

 

少し離れた場所には。

 

「おーい!」

 

悠飛が手を振っていた。

 

「みんな、もう集まってるのか?」

 

「遅い!」

 

二乃が叫ぶ。

 

「まだ式まで時間あるだろ」

 

「そういう問題じゃないの!」

 

「相変わらずだな」

 

悠飛が笑う。

 

その笑顔を見て。

 

六華は、胸の奥が温かくなるのを感じた。

 

四葉も。

 

一花も。

 

三玖も。

 

五月も。

 

莉々華も。

 

それぞれが。

 

ほんの少しだけ。

 

悠飛を見つめる。

 

今日という日は。

 

七人の少女にとって。

 

ただの卒業式ではなかった。

 

子供だった自分たちが。

 

それぞれの未来へ歩き出す。

 

その境目の日だった。

 

そして。

 

誰も口にはしなかったけれど。

 

七人の心には。

 

同じ願いがあった。

 

――この関係だけは。

 

――卒業しても終わらせたくない。

 

 

「それじゃあ、行くか」

 

悠飛が言った。

 

「どこへ?」

 

四葉が尋ねる。

 

「教室」

 

「え?」

 

「卒業式」

 

「……あ」

 

四葉が笑う。

 

「そうでした!」

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫です!」

 

「本当か?」

 

「大丈夫です!」

 

「ならいいけど」

 

「悠飛」

 

六華が声をかける。

 

「ん?」

 

「今日、緊張してる?」

 

「俺が?」

 

「うん」

 

「別に」

 

「そう」

 

六華は笑った。

 

「私は、少し緊張してる」

 

「珍しいな」

 

「私だって緊張するよ」

 

「そうか」

 

「……」

 

六華は。

 

一瞬だけ。

 

悠飛の顔を見つめた。

 

今日が終われば。

 

この制服姿を見ることは。

 

もうなくなる。

 

それが。

 

少し寂しかった。

 

「六華?」

 

「何でもない」

 

「そうか?」

 

「うん」

 

六華は笑った。

 

「行こう」

 

 

体育館。

 

卒業式。

 

壇上には。

 

校長。

 

教員。

 

そして。

 

卒業生たち。

 

会場には。

 

保護者たちが並んでいる。

 

ざわめきが。

 

少しずつ消えていく。

 

司会の声。

 

「卒業生、入場」

 

扉が開く。

 

生徒たちが。

 

一人ずつ入場していく。

 

そして。

 

七人。

 

一花。

 

二乃。

 

三玖。

 

四葉。

 

五月。

 

六華。

 

莉々華。

 

それぞれが。

 

並んで歩く。

 

その姿を。

 

悠飛は。

 

少し離れた場所から見ていた。

 

「……」

 

七人とも。

 

大人びた。

 

高校一年の頃とは。

 

まるで違う。

 

それでも。

 

悠飛には。

 

幼い頃から知っている少女たちの姿が。

 

重なって見えた。

 

「みんな……」

 

悠飛は。

 

小さく呟く。

 

「大きくなったな」

 

 

式は。

 

静かに進んでいく。

 

校長の式辞。

 

在校生の送辞。

 

卒業生の答辞。

 

そして。

 

卒業証書授与。

 

名前が呼ばれる。

 

「中野一花」

 

「はい」

 

一花が立ち上がる。

 

壇上へ向かう。

 

証書を受け取る。

 

一礼。

 

席へ戻る。

 

次。

 

「中野二乃」

 

「はい」

 

二乃。

 

「中野三玖」

 

「はい」

 

三玖。

 

「中野四葉」

 

「はい!」

 

元気な声。

 

「中野五月」

 

「はい」

 

そして。

 

「六華」

 

名前を呼ばれた瞬間。

 

六華は。

 

一度だけ。

 

悠飛を見る。

 

目が合う。

 

悠飛が。

 

小さく頷いた。

 

「……はい」

 

六華は。

 

壇上へ向かう。

 

証書を受け取る。

 

そして。

 

席へ戻る。

 

最後。

 

「莉々華」

 

「はい」

 

七人。

 

全員が。

 

卒業証書を手にした。

 

その瞬間。

 

体育館に。

 

拍手が響き渡った。

 

 

「卒業生、起立」

 

全員が立つ。

 

「礼」

 

一礼。

 

「着席」

 

そして。

 

最後の校歌。

 

七人は。

 

歌った。

 

三年間。

 

何度も歌った校歌。

 

けれど。

 

今日だけは。

 

まったく違って聞こえた。

 

四葉の目には。

 

涙が浮かんでいた。

 

三玖も。

 

静かに目元を拭う。

 

五月は。

 

唇を噛んで。

 

涙をこらえている。

 

一花は。

 

笑顔を作っていた。

 

二乃は。

 

そんな一花を見て。

 

「……泣けばいいのに」

 

小さく呟いた。

 

「二乃だって」

 

「私は泣かない」

 

「泣いてるよ」

 

「泣いてない!」

 

「……ふふ」

 

三玖が。

 

少し笑った。

 

六華は。

 

前を向いていた。

 

けれど。

 

頬には。

 

一筋の涙が流れていた。

 

莉々華も。

 

静かに泣いている。

 

七人。

 

それぞれ違う。

 

けれど。

 

同じ時間を生きてきた。

 

その三年間が。

 

今日。

 

一つの節目を迎えた。

 

 

式が終わる。

 

体育館を出た瞬間。

 

四葉が。

 

大きく息を吐いた。

 

「終わりましたー!」

 

「声、大きい」

 

三玖が言う。

 

「だって!」

 

四葉は。

 

両手を広げる。

 

「卒業ですよ!」

 

「分かってるわよ」

 

二乃が笑う。

 

「でも……」

 

四葉は。

 

校舎を見る。

 

「本当に、もう来ないんですね」

 

「来ようと思えば来られるでしょ」

 

一花が言う。

 

「卒業生なんだから」

 

「そうですけど……」

 

「四葉」

 

悠飛が。

 

後ろから声をかける。

 

「……はい?」

 

「また来ればいい」

 

「え?」

 

「学校そのものに来なくても」

 

「……」

 

「みんなで集まればいいだろ」

 

四葉は。

 

少し驚いたあと。

 

笑った。

 

「そうですね!」

 

「だから、泣くな」

 

「泣いてません!」

 

「泣いてるだろ」

 

「これは感動の涙です!」

 

「そういうことにしておく」

 

「はい!」

 

 

教室。

 

黒板には。

 

担任が書いた。

 

『卒業おめでとう』

 

その下には。

 

生徒たちの寄せ書き。

 

机は。

 

いつもより少なく見える。

 

荷物も。

 

ほとんどない。

 

三年間。

 

ここで過ごした。

 

笑った。

 

怒った。

 

喧嘩した。

 

勉強した。

 

恋をした。

 

夢を語った。

 

全部。

 

ここに残っている。

 

「……」

 

一花が。

 

教室を見渡す。

 

「ここも、最後か」

 

「そうね」

 

二乃。

 

三玖は。

 

自分の机を撫でる。

 

「懐かしい」

 

五月は。

 

黒板を見る。

 

「たくさん勉強しました」

 

「本当に?」

 

二乃が聞く。

 

「もちろんです!」

 

「じゃあ何で赤点ギリギリだったのよ」

 

「それは……」

 

五月が黙る。

 

「ふふ」

 

一花が笑う。

 

「最後まで五月は五月だね」

 

「一花!」

 

 

四葉は。

 

窓際に立っていた。

 

窓の外。

 

校庭。

 

桜の木。

 

まだ。

 

花は咲いていない。

 

「桜……」

 

四葉が呟く。

 

「今年は卒業式に間に合いませんでしたね」

 

「毎年咲くんだからいいだろ」

 

悠飛が言う。

 

「そうですけど」

 

「入学式には咲くかもしれない」

 

「……」

 

四葉は。

 

笑った。

 

「それも、いいですね」

 

一花が。

 

二人を見ている。

 

六華も。

 

見ている。

 

そして。

 

二人とも。

 

同じことを考えていた。

 

――この先も。

 

――悠飛の隣にいたい。

 

 

「ねえ」

 

一花が。

 

突然言った。

 

「最後にさ」

 

「何?」

 

二乃が振り返る。

 

「みんなで写真撮らない?」

 

「いいわね」

 

「賛成」

 

三玖。

 

「撮りましょう!」

 

四葉。

 

「私も」

 

五月。

 

「もちろん」

 

六華。

 

「じゃあ」

 

莉々華が。

 

スマートフォンを取り出す。

 

「先生にお願いしましょう」

 

「待って」

 

一花が。

 

悠飛を見る。

 

「悠飛くんも入って」

 

「俺?」

 

「当然」

 

「俺は卒業生じゃないぞ」

 

「いいじゃない」

 

「そうです!」

 

四葉が言う。

 

「七人だけじゃなくて、悠飛さんも!」

 

「……」

 

悠飛は。

 

少し考えた。

 

「分かった」

 

 

校門前。

 

八人。

 

横一列。

 

中央に。

 

七人の少女。

 

その隣に。

 

悠飛。

 

「はい、笑って!」

 

シャッター。

 

一枚。

 

二枚。

 

三枚。

 

「もう一枚!」

 

四葉が言う。

 

「今度はもっと近く!」

 

「近く?」

 

「はい!」

 

七人が。

 

悠飛の周りに集まる。

 

一花が左。

 

六華が右。

 

四葉が前。

 

二乃。

 

三玖。

 

五月。

 

莉々華。

 

「……」

 

悠飛が。

 

少し苦笑する。

 

「狭いな」

 

「我慢して」

 

二乃が言う。

 

「はい、撮ります!」

 

シャッター。

 

その一枚は。

 

後に。

 

七人にとって。

 

最も大切な写真の一つになる。

 

 

写真を撮り終えたあと。

 

七人は。

 

校門前に並んだ。

 

「……」

 

誰も。

 

すぐには帰ろうとしない。

 

「帰らないの?」

 

悠飛が尋ねる。

 

「帰りたくない」

 

四葉が。

 

即答した。

 

「今日だけは」

 

「四葉……」

 

一花が。

 

優しく笑う。

 

「分かるよ」

 

「……」

 

三玖が。

 

呟く。

 

「この時間が終わったら」

 

「……」

 

「みんな、それぞれの道に行く」

 

「うん」

 

五月が。

 

頷く。

 

二乃は。

 

空を見上げる。

 

「でも」

 

「……」

 

「離れても、私たちは姉妹でしょ」

 

「もちろん」

 

一花。

 

「ずっと五つ子です」

 

五月。

 

「当たり前」

 

三玖。

 

「はい!」

 

四葉。

 

そして。

 

六華。

 

「私たちも」

 

莉々華が。

 

頷く。

 

「ずっと友達」

 

「幼馴染だろ」

 

悠飛が言う。

 

六華が。

 

少し笑う。

 

「……うん」

 

 

そのとき。

 

四葉が。

 

突然。

 

「約束しましょう!」

 

「何を?」

 

二乃が聞く。

 

「二十年後!」

 

「二十年?」

 

「はい!」

 

四葉は。

 

拳を握る。

 

「二十年後に、またみんなで集まりましょう!」

 

「……」

 

全員が。

 

顔を見合わせる。

 

一花が。

 

笑った。

 

「いいね」

 

「二十年後かぁ」

 

三玖が。

 

少し遠い目をする。

 

「私たち、何歳になってる?」

 

「考えたくない」

 

二乃が言う。

 

「二十年後……」

 

五月が。

 

真面目に計算する。

 

「かなり大人ですね」

 

「五月」

 

一花が笑う。

 

「今でも十分大人だよ」

 

「そういう意味ではありません!」

 

「ふふ」

 

六華が。

 

笑った。

 

「私は賛成」

 

莉々華も。

 

「私も」

 

悠飛は。

 

少し考えた。

 

そして。

 

「分かった」

 

「本当ですか?」

 

「約束する」

 

四葉が。

 

嬉しそうに笑う。

 

「絶対ですよ!」

 

「ああ」

 

悠飛が。

 

右手を差し出す。

 

「約束だ」

 

 

七人が。

 

手を重ねる。

 

一花。

 

二乃。

 

三玖。

 

四葉。

 

五月。

 

六華。

 

莉々華。

 

その上に。

 

悠飛の手。

 

「せーの!」

 

四葉が。

 

声を上げる。

 

「二十年後も!」

 

「みんなで!」

 

「会おう!」

 

声が。

 

春の空へ響く。

 

誰も。

 

そのときは知らなかった。

 

二十年後。

 

本当に。

 

この約束が果たされることを。

 

 

帰り道。

 

四葉は。

 

悠飛と並んで歩いていた。

 

「悠飛さん」

 

「ん?」

 

「今日」

 

「……」

 

「すごく楽しかったです」

 

「ああ」

 

「でも」

 

四葉は。

 

少しだけ俯く。

 

「寂しいです」

 

「……」

 

「明日から」

 

「……」

 

「学校で会えないんですよね」

 

「学校じゃなくても会える」

 

「……」

 

「連絡すればいい」

 

「……はい」

 

四葉は。

 

笑う。

 

「じゃあ」

 

「ん?」

 

「明日、連絡します!」

 

「分かった」

 

「絶対ですよ!」

 

「分かったって」

 

「約束です!」

 

「約束」

 

四葉は。

 

嬉しそうに笑った。

 

 

一花は。

 

その二人を。

 

少し離れた場所から見ていた。

 

「……」

 

二乃が。

 

隣に立つ。

 

「気になる?」

 

「何が?」

 

「四葉」

 

「……」

 

一花は。

 

笑った。

 

「うん」

 

「私も」

 

「二乃も?」

 

「別に」

 

「ふふ」

 

「何よ」

 

「素直じゃないなぁ」

 

「うるさい」

 

二人は。

 

笑い合う。

 

けれど。

 

その胸の奥には。

 

それぞれの想いがある。

 

一花。

 

四葉。

 

六華。

 

そして。

 

まだ口には出していない少女たち。

 

恋は。

 

まだ始まったばかりだった。

 

 

六華は。

 

一人。

 

教室へ戻っていた。

 

忘れ物。

 

机の中から。

 

小さなノートを取り出す。

 

最後のページ。

 

高校一年の頃。

 

悠飛が書いてくれた言葉。

 

『困ったときは、いつでも頼れ』

 

六華は。

 

それを見る。

 

「……」

 

涙が。

 

一粒。

 

落ちる。

 

「ありがとう」

 

ノートを。

 

胸に抱く。

 

「ずっと」

 

「頼っていい?」

 

もちろん。

 

返事はない。

 

それでも。

 

六華には。

 

悠飛の声が聞こえた気がした。

 

――ああ。

 

 

夕方。

 

校舎の時計が。

 

五時を告げる。

 

先生たちも。

 

少しずつ帰っていく。

 

生徒たちも。

 

いなくなっていく。

 

静かな校舎。

 

今日。

 

卒業した。

 

もう。

 

自分たちは。

 

ここの生徒ではない。

 

それでも。

 

七人にとって。

 

この場所は。

 

永遠に。

 

思い出の場所だった。

 

 

校門前。

 

最後に。

 

全員が集まった。

 

「じゃあ」

 

一花が言う。

 

「本当に帰ろうか」

 

「はい」

 

五月。

 

「……」

 

四葉は。

 

校舎を振り返る。

 

三年間。

 

ありがとう。

 

心の中で。

 

そう呟く。

 

二乃。

 

三玖。

 

五月。

 

一花。

 

六華。

 

莉々華。

 

そして。

 

悠飛。

 

全員が。

 

同じ方向へ歩き出す。

 

少しずつ。

 

距離が離れていく。

 

けれど。

 

完全に離れることはない。

 

「また明日!」

 

四葉が叫ぶ。

 

「また明日」

 

悠飛が返す。

 

その言葉に。

 

四葉は。

 

笑った。

 

 

数日後。

 

桜が咲いた。

 

卒業式の日には。

 

まだ蕾だった桜が。

 

満開になった。

 

誰もいない校庭。

 

風が吹く。

 

花びらが。

 

舞い落ちる。

 

その桜の木の下に。

 

一枚の写真が残っていた。

 

卒業式の日。

 

八人で撮った写真。

 

七人の少女。

 

一人の少年。

 

笑顔。

 

それぞれの夢。

 

それぞれの恋。

 

それぞれの未来。

 

その写真の裏には。

 

四葉が書いた言葉があった。

 

『二十年後も、みんな一緒!』

 

そして。

 

その下に。

 

七人全員の名前。

 

一花。

 

二乃。

 

三玖。

 

四葉。

 

五月。

 

六華。

 

莉々華。

 

最後に。

 

悠飛。

 

「……」

 

誰もいない校庭に。

 

風が吹く。

 

桜の花びらが。

 

写真の上に落ちる。

 

二十年。

 

それは。

 

高校生だった彼らには。

 

途方もなく長い時間だった。

 

それぞれが。

 

夢を追う。

 

仕事をする。

 

恋をする。

 

失敗する。

 

成功する。

 

大人になる。

 

そして。

 

いつか。

 

もう一度。

 

この写真の続きを。

 

始める。

 

その日まで。

 

七人の少女たちは。

 

それぞれの人生を歩いていく。

 

そして。

 

その中心には。

 

いつも。

 

一人の少年がいた。

 

如月悠飛。

 

彼もまた。

 

自分の道を歩き始める。

 

右眼を失った少年は。

 

やがて。

 

世界に名を知られる男になる。

 

しかし。

 

どれほど時が流れても。

 

この日のことだけは。

 

忘れなかった。

 

七人の少女と。

 

一人の少年。

 

最後の制服。

 

最後の教室。

 

最後の校門。

 

そして。

 

「二十年後も、みんなで会おう」

 

あの日の約束。

 

それは。

 

青春の終わりではなかった。

 

むしろ。

 

長い物語の。

 

新しい始まりだった。

 

 

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