『神のチートで勇往邁進!〜20年後の同窓会に現れた独眼竜は、三度(みたび)恋の火を灯す〜』 作:夜幻
二十年。
長いようで。
振り返ってみれば、あっという間だった。
高校時代。
同じ教室で笑い合った少女たちは、大人になった。
それぞれが夢を叶え。
それぞれの人生を歩み。
それぞれの場所で、多くの人と出会った。
けれど。
変わらなかったものもある。
如月悠飛。
世界大富豪ランキング第2位。
黒い眼帯を右眼に着けた、その姿から「独眼竜」と呼ばれる男。
そして――。
彼を想い続ける五人の少女たち。
中野一花。
中野四葉。
空龍六華。
中野五月。
中野二乃。
二十年の歳月を経ても。
その想いは、消えていなかった。
むしろ。
大人になったからこそ。
少女の頃には分からなかった感情が。
はっきりとした形を持っていた。
――恋。
それぞれ違う形をした。
五人の恋。
これは。
そんな彼女たちの二十年後の物語。
◇
「……本当に来るのかな」
ホテルのラウンジ。
中野一花は。
窓の外を眺めながら呟いた。
二十年前と比べれば。
ずっと大人になった。
女優としての経験を積み。
多くの作品に出演し。
今では世界的な知名度を持つ。
それでも。
今日だけは。
一人の少女に戻っていた。
「悠飛くん……」
名前を口にする。
胸が。
少しだけ高鳴る。
高校時代。
何度も言おうと思った。
好き。
あなたが好き。
けれど。
言えなかった。
仕事。
時間。
距離。
そして。
何より。
自分たちの関係。
それらが。
一花を迷わせた。
しかし。
二十年経った今。
一花は決めていた。
「今度こそ」
小さく笑う。
「逃げない」
◇
「一花」
声がする。
振り返ると。
四葉が立っていた。
「四葉!」
「久しぶり!」
二人は抱き合う。
「元気だった?」
「もちろん!」
四葉は。
高校時代と変わらない笑顔を見せる。
スポーツ関係の仕事を経て。
今では子供たちの指導や福祉活動にも携わっている。
多忙な毎日。
それでも。
悠飛のことだけは。
心の奥から消えなかった。
「四葉も?」
一花が聞く。
「何が?」
「悠飛くん」
「……」
四葉の笑顔が。
一瞬だけ止まる。
「うん」
小さく頷く。
「好きだよ」
「やっぱり」
一花は笑った。
「私も」
「知ってる」
「え?」
「昔から」
「……」
二人は顔を見合わせ。
そして。
笑った。
「ライバルだね」
「うん!」
◇
「二人とも」
静かな声。
六華だった。
「六華!」
「久しぶり」
空龍六華。
中野姉妹の従姉妹。
そして。
悠飛とは幼少期からの付き合い。
五つ子たちと一緒に。
七人で過ごした幼い日々。
あの日から。
六華の想いは変わらない。
「悠飛は?」
「まだ」
一花が答える。
「そう」
六華は笑う。
けれど。
その笑顔には。
少しだけ緊張があった。
「今日こそ」
「うん?」
「ちゃんと伝えたい」
「……」
一花と四葉が。
六華を見る。
「私も」
一花が言う。
「私も!」
四葉も。
三人は。
互いに笑った。
敵。
だけど。
敵だけではない。
幼い頃からの仲間。
だから。
今日だけは。
正々堂々と。
自分の気持ちを伝える。
◇
「お待たせしました」
五月がやってきた。
「五月!」
「皆さん、お久しぶりです」
教師として歩んできた五月は。
昔と変わらず。
真面目で。
努力家だった。
そして。
彼女も。
悠飛への想いを抱えている。
「五月も……」
「はい」
五月は。
少し照れながら頷いた。
「私も、悠飛さんが好きです」
四人が。
一瞬黙る。
そして。
一花が笑う。
「五人目」
「……そうですね」
五月も笑った。
◇
「待たせたわね」
最後に現れたのは。
二乃。
腕を組み。
堂々とした姿。
「二乃!」
「久しぶり」
「相変わらずね」
一花が笑う。
「何よ」
「いえ」
六華が。
「二乃も?」
「当然でしょ」
二乃は即答した。
「私はね。
二十年前から何も変わってないの」
「……」
「悠飛が好き」
真っ直ぐな言葉。
迷いがない。
「だから」
二乃は。
四人を見る。
「今日は譲らないわよ」
一花が笑う。
「望むところ」
四葉も。
「私も!」
六華も。
「もちろん」
五月も。
「私も負けません」
五人が。
笑った。
◇
そして。
その時。
「――みんな」
声がした。
五人が振り返る。
「悠飛!」
如月悠飛。
黒い眼帯。
金髪のウルフヘア。
長身。
鍛えられた身体。
大人の落ち着き。
それでも。
笑った時だけ。
高校時代の少年の面影が残る。
「久しぶり」
悠飛は。
五人に笑いかけた。
一花は。
胸が高鳴った。
四葉は。
笑顔になる。
六華は。
目を細める。
五月は。
背筋を伸ばす。
二乃は。
頬を少し赤くする。
二十年。
それだけの時間が流れても。
この男の前では。
みんな。
あの頃の少女に戻ってしまう。
◇
「今日は楽しもう」
悠飛が言う。
「うん」
一花。
「もちろん!」
四葉。
「はい」
六華。
「楽しみです」
五月。
「当然よ」
二乃。
五人は。
悠飛の周囲に集まる。
そこへ。
「おーい!」
風太郎の声。
「風太郎!」
悠飛が振り返る。
「お前ら、相変わらずだな」
風太郎が笑う。
三玖も。
「みんな、久しぶり」
五人が。
「三玖!」
と笑う。
三玖と風太郎。
二人は。
今も穏やかに寄り添っていた。
その姿を見て。
四葉が笑う。
「三玖、幸せそう!」
「……うん」
三玖は。
少し照れた。
◇
同窓会が始まる。
昔話。
高校時代の思い出。
修学旅行。
文化祭。
試験。
笑い話。
どれも。
懐かしい。
「覚えてる?」
一花が悠飛に聞く。
「何を?」
「修学旅行」
「ああ」
「京都で迷子になったこと」
「四葉だろ」
「えへへ」
「私じゃないよ!」
四葉が抗議する。
「お前だ」
「違う!」
「絶対お前」
「もう!」
全員が笑った。
◇
時間が経つ。
夜。
五人は。
それぞれ。
悠飛と二人きりになる時間を作っていた。
最初は。
一花。
「悠飛くん」
「ん?」
「少しだけいい?」
「ああ」
二人で。
ホテルのテラスへ出る。
「夜景、綺麗だね」
「そうだな」
「二十年前も」
一花は。
夜空を見る。
「こんなふうに。
あなたの隣にいたかった」
「一花……」
「今度は」
一花が。
悠飛を見る。
「逃げない」
悠飛は。
静かに聞いている。
「私は今でも。
悠飛くんが好き」
「……」
「二十年経っても」
一花は笑った。
「変わらなかった」
「ありがとう」
悠飛は。
優しく答えた。
その言葉だけで。
一花は少し救われた。
◇
次は。
四葉。
「悠飛くん!」
「四葉?」
「一緒に歩こう!」
「いいぞ」
二人で廊下を歩く。
「私ね」
四葉が言う。
「昔から。
悠飛くんのことが好きだった」
「……」
「ずっと言えなかったけど」
四葉は笑う。
「今日は言える」
「四葉……」
「大好き!」
満面の笑顔。
「今でも!」
悠飛は。
その笑顔を見て。
昔を思い出した。
「四葉らしいな」
「えへへ」
「ありがとう」
「うん!」
◇
次。
六華。
「悠飛」
「六華」
二人は。
静かな庭園へ。
「覚えてる?」
「何を?」
「子供の頃の約束」
「……ずっと仲良くする」
「うん」
六華は。
微笑んだ。
「私は。
あの頃からずっと。
悠飛のことが好き」
「六華……」
「従姉妹たちと一緒に。
ずっと見てきた」
「……」
「だから。
誰よりもあなたを知っているつもり」
六華は。
まっすぐ悠飛を見る。
「今も好き」
「ありがとう」
「うん」
六華は。
笑った。
◇
五月。
「悠飛さん」
「五月」
二人で。
静かな場所へ。
「昔は。
自分の気持ちを言葉にするのが苦手でした」
「今は?」
「少しだけ。
得意になりました」
五月は。
微笑む。
「私は。
悠飛さんを尊敬しています」
「ありがとう」
「そして」
少しだけ頬を赤くする。
「好きです」
「……」
「二十年経っても。
変わりません」
「五月……」
「伝えられて。
よかったです」
◇
最後。
二乃。
「悠飛」
「二乃」
「二人で話しましょう」
「ああ」
二乃は。
腕を組んだまま。
「私は。
昔からずっと言ってきた」
「何を?」
「好きって」
「……」
「だから今さら隠さない」
二乃は。
真っ直ぐ悠飛を見る。
「私は悠飛が好き」
「二十年経っても」
「ええ」
「変わらない?」
「変わるわけないでしょ」
二乃は笑う。
「私を誰だと思ってるの?」
「二乃だろ」
「そうよ」
◇
五人の想い。
それぞれ。
違う。
一花は。
大人の女性として。
四葉は。
真っ直ぐに。
六華は。
幼い日の約束を胸に。
五月は。
尊敬と愛情を重ね。
二乃は。
誰よりも強く。
それでも。
共通しているものがあった。
――悠飛が好き。
それだけ。
◇
夜。
五人は。
再び一つの部屋に集まった。
「どうだった?」
一花が聞く。
「言ったよ!」
四葉。
「私も」
六華。
「私もです」
五月。
「私もよ」
二乃。
一花が笑う。
「じゃあ、みんな同じね」
「うん」
「……」
少し沈黙。
そして。
二乃が言った。
「誰か一人だけが勝つとは限らないわよ」
四人が二乃を見る。
「どういう意味?」
「悠飛の人生は。
一人の女が独占するものじゃない」
「……」
「私たちは。
五人とも悠飛を大切に思ってる」
二乃は。
真剣だった。
「だったら。
五人で支えたっていい」
一花が。
少し驚く。
「二乃……」
「何よ」
「大人になったね」
「うるさい」
四葉が笑う。
「じゃあ、みんなで仲良く!」
五月も。
「そうですね」
六華は。
静かに頷いた。
「うん」
◇
その頃。
別の場所では。
「なあ、三玖」
「何?」
「お前の姉妹たち。
悠飛のことになるとすごいな」
「……うん」
三玖は笑った。
「でも。
私は風太郎が好き」
「……」
風太郎は。
少し照れながら。
「俺もだ」
二人は。
静かに手を繋いだ。
それを見た悠飛は。
「風太郎」
「何だ?」
「お前は幸せそうだな」
「お前もだろ」
「……そうか?」
「自覚しろ」
「難しいな」
「相変わらず鈍感だな」
風太郎が呆れる。
◇
そして。
同窓会の終わり。
五人が悠飛の前に並んだ。
一花。
「また会おうね」
四葉。
「絶対!」
六華。
「約束」
五月。
「次も楽しみにしています」
二乃。
「今度はもっとゆっくり話すわよ」
悠飛は。
五人を見る。
「分かった」
そして。
笑った。
「俺も。
みんなと会えて嬉しかった」
五人の胸が。
同時に高鳴る。
二十年前と。
何も変わらない。
けれど。
二十年を生きてきたからこそ。
分かる。
恋とは。
ただ誰かを好きになることではない。
相手の人生を尊重し。
幸せを願い。
時には自分の気持ちを抑え。
それでも。
最後まで想い続けること。
五人の恋は。
まだ終わっていない。
むしろ。
ここからが始まりだった。
◇
ホテルを出る。
悠飛が車へ向かう。
その背中を。
一花。
二乃。
三玖。
四葉。
五月。
六華。
それぞれが見つめている。
悠飛が振り返る。
「じゃあ、またな」
「うん!」
四葉。
「またね」
一花。
「また会いましょう」
五月。
「次は負けないから」
二乃。
「……うん」
三玖。
「約束」
六華。
悠飛は。
小さく笑った。
車が走り出す。
その姿が。
見えなくなるまで。
五人は。
そこに立っていた。
◇
二十年。
少女たちは。
大人になった。
夢を叶え。
挫折も経験し。
たくさんの人と出会った。
それでも。
心の一番奥に残っていたもの。
幼い日の記憶。
高校時代の思い出。
そして。
如月悠飛への想い。
それは。
決して消えなかった。
一花は。
大人の恋を選ぶ。
四葉は。
真っ直ぐな恋を貫く。
六華は。
幼い日の約束を胸に進む。
五月は。
尊敬から始まった愛を育てる。
二乃は。
誰よりも強く想い続ける。
五人の恋は。
同じではない。
けれど。
誰も。
誰かを憎んではいない。
なぜなら。
五人は姉妹で。
六華は大切な従姉妹で。
そして。
みんな。
悠飛に幸せになってほしいと思っているから。
だからこそ。
この恋は。
一人だけの勝負ではない。
五人で笑い。
五人で悩み。
五人で支え合いながら。
それぞれの未来へ進んでいく。
――二十年後。
少女たちは。
もう少女ではない。
それでも。
恋をする心だけは。
あの日のまま。
そして。
彼女たちの恋は。
まだ。
終わらない。
高校時代から20年。
長い年月を経てもなお、悠飛への想いを胸に抱き続けている五人。
それぞれの恋の形は違います。
一花は、大人の女性としての余裕と、それでも隠しきれない一途な想い。
四葉は、昔と変わらない真っ直ぐさと明るさ。
六華は、悠飛と幼い頃から過ごしてきた時間、そして「ずっと一緒」という約束。
五月は、尊敬から始まった感情が、20年という歳月を経て愛情へと変わった姿。
二乃は、昔から変わらない強さと、何年経っても悠飛を諦めない情熱。
五人とも違う。
だからこそ、誰の恋も同じにはなりません。
そして、この五人を描くうえで大切にしたかったのが、「恋敵でありながら家族である」という関係です。
中野一花、二乃、三玖、四葉、五月。
そして、その姉妹と血の繋がった従姉妹である空龍六華。
六人は幼い頃から互いを知り、支え合ってきた家族同然の存在です。
だからこそ、悠飛を巡る恋が始まっても、単純な「奪い合い」にはしたくありませんでした。
もちろん、嫉妬もします。
悔しくなることもあります。
自分だけを見てほしいと思うこともあります。
それでも最後には、姉妹や従姉妹として互いを大切にする。
それが、この物語における彼女たちの関係です。
そしてもう一つ。
今回の番外編では、三玖と風太郎の恋を対比として入れています。
悠飛を巡って五人の女性が恋をしている一方で、三玖は風太郎を選び、風太郎もまた三玖を大切にしている。
同じ五つ子の中でも、恋の形は一つではありません。
誰かと競う恋もあれば。
たった一人を選ぶ恋もある。
長い時間をかけて育てる恋もあれば。
幼い頃から続いている想いもある。
それぞれの恋が存在するからこそ、この物語の「20年後」は意味を持つのだと思います。
そして。
忘れてはいけないのが、如月悠飛という主人公です。
20年後の悠飛は、世界大富豪ランキング第2位。
右眼を失い、「独眼竜」と呼ばれるほどの存在になりました。
けれど。
幼い頃から本質は変わっていません。
困っている人がいれば助ける。
仲間が傷つけば守る。
家族を大切にする。
そして、自分より他人を優先する。
だからこそ、悠飛本人だけが、五人から向けられている恋心に気づいていない。
風太郎からすれば、かなり呆れる状況でしょう。
「お前、いい加減気づけ」
そんな風太郎の声が聞こえてきそうです。
しかし。
悠飛が鈍感だからこそ、彼女たちの恋はまだ終わっていません。
二十年経っても。
恋の火は消えていない。
むしろ。
大人になったことで、その想いはより強くなっています。
そして。
今回のタイトルにもある通り。
これは「20年後の恋」の物語です。
高校生だった少女たちが。
大人になり。
もう一度、悠飛の前に立つ。
昔のように笑い。
昔のように喧嘩し。
昔のように競い合う。
けれど。
今度は子供ではありません。
自分の人生を歩んできた大人として。
自分自身の意志で。
悠飛を好きだと伝える。
そこが今回の番外編の大きなテーマでした。
そして。
六華については、特に「幼い日の約束」を意識しました。
空龍六華は、中野姉妹の従姉妹。
五つ子と一緒に育ち。
悠飛とも幼い頃から交流してきた存在です。
だからこそ。
六華にとって悠飛は「突然現れた好きな人」ではありません。
幼い頃から知っている。
笑った顔も。
泣いた顔も。
悩んでいる姿も。
強がっている姿も。
そして。
右眼を失った後の悠飛も知っている。
その長い時間そのものが、六華の恋の強さになっています。
もちろん。
それは六華だけではありません。
一花も。
二乃も。
三玖も。
四葉も。
五月も。
悠飛と過ごした時間を持っています。
だからこそ。
彼女たちの恋は簡単には消えない。
20年という時間は。
恋を忘れさせるには十分な長さかもしれません。
けれど。
忘れられなかった。
それだけ悠飛が彼女たちにとって大切だったということです。
そして。
この物語では「政府公認の純愛ハーレム関係」という独自設定もあります。
現実ではなかなか成立しないような関係ですが。
この作品の世界では。
それぞれの女性が悠飛を愛し。
それぞれが互いの存在を認め。
家族として支え合う。
そんな未来を描いていきます。
もちろん。
全員が最初から納得しているわけではありません。
嫉妬もする。
独占したくなる。
時には喧嘩もする。
それでも。
最後には互いの気持ちを尊重する。
それが。
この物語における彼女たちの「純愛ハーレム」です。
そして。
悠飛の隣には風太郎がいます。
かつての同級生。
親友。
そして今では、世界を動かす悠飛の敏腕の右腕。
最高顧問。
悠飛がどれだけ大きな存在になっても。
風太郎だけは。
昔と変わらない態度で悠飛に接する。
間違っていれば止める。
調子に乗れば叱る。
危険なら身を挺して支える。
そんな風太郎がいるからこそ。
悠飛は安心して世界を背負える。
そして。
風太郎の隣には三玖がいる。
こちらも。
二十年の歳月を越えて続いている恋。
悠飛を中心とした恋模様が大きく動く中で。
三玖と風太郎の関係は。
静かで穏やかな「もう一つの恋」として存在しています。
激しく燃える恋だけが恋ではない。
静かに寄り添う恋もある。
この二つを対比させることで。
作品全体の恋愛模様にも幅が出せたのではないかと思います。
さて。
番外編⑥では。
五人の女性がそれぞれ悠飛に想いを伝えました。
一花。
四葉。
六華。
五月。
二乃。
全員が。
「今でも好き」
と伝えています。
しかし。
悠飛は。
まだ答えを出していません。
これは。
決着を先送りにしたという意味ではありません。
むしろ。
20年後という新しい物語を始めるための余白です。
ここから先。
悠飛がどう答えるのか。
五人はどう向き合うのか。
姉妹と従姉妹という家族の絆はどうなるのか。
そして。
莉々華はその状況をどう見るのか。
極度のブラコンである莉々華が。
大好きな「お兄ちゃん」に五人の女性が想いを寄せている状況を見て。
果たして冷静でいられるのか。
おそらく。
かなり大変なことになるでしょう。
ですが。
それもまた。
この物語の楽しさの一つです。
そして。
最後に。
この物語を書いていく上で一番大切にしているもの。
それは。
「家族」です。
恋愛だけではありません。
悠飛と莉々華。
中野姉妹。
空龍六華。
三玖と風太郎。
そして。
七人の幼い頃からの絆。
彼らが20年後に再び集まれたのは。
誰か一人の力ではありません。
長い年月の中で。
互いを大切にしてきたからです。
だから。
この物語の「20年後」は。
終わりではありません。
むしろ。
新しい始まりです。
高校時代の物語が終わって。
二十年の時間が流れ。
大人になった彼らが再び集まった。
そこで。
昔の恋が。
もう一度火を灯した。
それが。
この物語です。
――三度目の恋。
一度目は。
幼い日の淡い想い。
二度目は。
高校時代の青春。
そして。
三度目は。
二十年後。
大人になった彼女たちが。
自分自身の意志で選ぶ恋。
これから。
悠飛たちがどんな未来へ進むのか。
まだ分かりません。
けれど。
きっと。
七人の幼い日の約束だけは。
これからも消えることはないでしょう。
――ずっと仲良くする。
その約束を胸に。
彼らの物語は。
まだ続いていきます。
最後まで読んでくださった皆様。
本当にありがとうございました。
これからも。
如月悠飛。
上杉風太郎。
中野姉妹
一花。
二乃。
三玖。
四葉。
五月。
空龍六華。
そして。
如月莉々華。
彼らの物語を。
どうぞよろしくお願いいたします。