「チッ、はぁ…どうにも落ち着かねぇ」
酒のせいなのか、それとも俺が病んじまってるのか。またスカウトに失敗した。
「これじゃあ完璧どころか普通にすらなれねぇな」
少なくとも、2つ存在する記憶は普通ではなかった。完璧でもなかったが、特別だった。
「ま、いつかチャンスは巡ってくる」
(それを取り逃がさなきゃいいだけだ)
ま、そうはいっても現状の不安や焦燥感を拭うことはできない。
「そろそろ、真面目に考えたほうがいいのかねぇ」
あいつらが求めてるのは安定、普通、日常。そんなつまらないものだった。
「どうにもしっくりこねぇんだよなぁ」
運命的な何かを感じない。とにかく今をどうにかしようというマインドのせいだろうか?
「今日はもうだめだな。帰ったら酒でも飲むか」
「今日は何を飲もうかね?ハイボール、ウイスキー、ウオッカ…間違えたウォッカ。それとも手堅くビール?」
(う〜ん悩むな。なにが今の気分に一番あってる?)
外飲みならもっとバリエーションはあるが、わざわざ一人で居酒屋やバーに行こうとは思わない。
「あ〜悩ましい。スカウトなんかよりよっぽどだ」
そう、スカウトよりよっぽど。決して悩んでなどいない。俺はいつだって悩まないし間違えない。完璧で究極のトレーナーなのだ。
「お〜い!キミ!」
何やら声が聞こえてきた。
「アタシのこと、覚えてる?」
(はあ?突然何言ってんだこいつ…?いや、この顔見たことあるような…う〜ん…)
そう考え過去の記憶を呼び起こす。
(確か、ミスターシービーだったか?確かスカウトを軒並み断ってるって噂だったが。俺にはチャンスすらねぇな)
「ミスターシービーだったか?俺になんの用で?」
「タオル、借りっぱなしだったから、返しにきたの」
(俺、タオルなんて貸したっけな?覚えてねぇわ)
「そりゃどうも。んじゃ、俺はこれで」
「冷たいなぁ。もう少し話そうよ」
「大した接点もないのになんで引き留める?タオルを貸しただけだろ?惚れっぽいタイプなわけ?」
「さぁ、どうだろう。理由は…面白そうだったから?」
「そうか、それで?話すにしても何を話すんだ?手短に頼む。俺は気が長いほうじゃなくてな」
「まあまあ、そう焦らずにさ。ゆっくり話そうよ」
(話聞く気あんのかこいつ?)
「はぁ…お前が話題を提供しないんなら俺から提供してやる。お前はなんでスカウトを断ってるんだ?理解できねぇ」
(勝ちたいならベテランや優秀なトレーナーのスカウトを断る理由がない。受けないってことは、何かあるわけだが…)
「う〜ん…しっくり来なかったから、かな。ピンと来ないんだよね。G1勝利とか、クラシックの栄冠とか。アタシにはその価値がわからない。だから、彼らとは一緒に歩んであげられない。アタシは、ただ自由に走りたいだけだから」
(こりゃ思ってた以上に面倒くせぇ)
皆ダービーやクラシック三冠に夢を見る。それを実力のあるウマ娘が理解できないとなれば相当に周囲から見れば普通とは思えないだろう。
(ま、俺からしたらそんなんどうだっていいが)
いくら前の俺が世界を獲ろうが結局目的自体は達成できてないわけだ。なら、それさえ達成できれば俺がトップになる。実績で負けようが俺界隈では最強だ。
「右を向けと言われても、納得できなきゃ向いたりできない。ねぇ、キミは普通ってどう思う?」
「別にどうも。俺は普通なんて窮屈な型にはめられたくないし、それでどう思われようと黙らせる方法なんていくらでもある。普通に生きたほうが楽なやつはそうすりゃいい。それだけの話だ。聞かなくてもわかるだろ、そんくらい」
「あははっ!やっぱりキミ、面白いね」
(うわ、嘲笑されたんだけど。許せねぇ…)
「わざわざ分かり切ったことを聞いてくるなんて、暇なのか?それとも、俺のことをバカにしてんのか?担当ウマ娘がいないからって舐め腐って。は〜これだからU世代は…」
「ごめんごめん。そういうわけじゃなかったんだけど。気になったんだけど、キミはどうしてトレーナーになったの?」
(ウマ娘とイチャイチャしたいからとか言ったらトレセン学園クビになっちまいますよ…)
しかし、嘘をつくと三女神信仰の恩恵が薄れるというデータ(当社比)があるので嘘はつけない。
「何より大切なのはトロフィーや栄光じゃない。ただ、俺は一番近くでウマ娘を見ていたかった。それだけだ」
「ふーん…ねぇ、キミはアタシがクラシックレースに出ないって言ったら、どうする?」
「どうもしない。どうせ俺には関係ない話だし、そもそもとしてお前は絶対にクラシックに出ることになる」
「どうして?アタシが出なきゃいいだけじゃない?」
「世間がどうとか周りがどうとかの話じゃない。お前自身がそうせざるを得ない。お前の望むものがクラシックにはある」
「ただ走るだけなら別になんだっていい。でもそれじゃ満足できないときが来る。お前はそれを求めてクラシックに出る。それがミスターシービーだ」
「キミがさっき言った通りアタシたちは大した接点もないのにそんなことがわかるの?」
「俺の経験からしてもお前は特にわかりやすい」
「新人なのに経験なんてあるんだ。やっぱり変だね、キミ」
「そうかよ。それじゃあ話は終わりだ。俺はもう帰る」
そう言って身を翻し帰ろうとする。
「担当がいないならさ、アタシと契約してくれない?」
「はあ?何言って…」
「うーん…キミ風に言うなら、一番近くでアタシを見せてあげる。って感じかな」
「…前言撤回、お前は今まで見てきた中で一番わからん」
「あははっ!まあ、その内わかるようになるんじゃない?」
「本気で言ってんのか?今ならジョークで済ませてやる。新人トレーナーがお前と契約するってなったら中々大変だしな」
(俺からすりゃ契約しない手はないが、その場の勢いですることでもない。本当にこいつはわかってるのか?)
「もちろん本気だよ。あの日会ったとき、ピンときたんだ。今話してて、それが確信に変わったの」
(結局あの日ってなんなんだよ…?いや、今はそんなこと考えてる場合じゃねぇ。担当契約だと!?)
やはり三女神様は俺を見放さなかったぁ!三女神しか勝たん!
よし、帰ったら酒を飲もうそうしよう!
「正式な話については後日だ。今日はもう帰れ」
「それじゃあね。キミと話せてよかったよ」
そう言ってシービーは去っていった。
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「なんて日だ!今日は100%で行こう!ぶっ飛ばして行こうそうしよう。運命もそうするべきだって言ってる!」
「100%ハイボール作っていきます」
まず炭酸作るやつにウイスキー(業務用角瓶5L)を3分の2くらいまで入れます。
「弾丸をぶち込んでボトルにSET!」
「しゅっぱー」
「いい感じかも」
「後はグラスにぶち込んで完成!」
後はグラスをカラカラしてグイッと行きます。
「うグッ!?」
そうすると当然死ぬのでぜひ皆さんもやってみてください。
ツマミにピーナッツを用意してタバコをくるくるすると再現度が上がります。
ということで、無事死にました。
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「ハッ!?」
危ない危ない。天国へ行きかけてしまった。
これが天にも昇るような気分ということか?
「あぁ生きてるって素晴らしい!」
朝の憂鬱な気分が嘘のように晴れやかだ。
例えるなら突き抜けるような青空に大量の星空が浮かんでいるような気分だ。
「青空に星空は浮かばない?黙れ!」
「何も違わない」
「私は何も間違えない」
「私が正しいと言ったことが正しいのだ」
おっと、心の中の鬼が出てきてしまった。
「気分は最高!状況は好調!視界は良好!」
ほら、なんだかお花が見える。俺を祝ってくれてるんだ。
「ハハッ!」
夢の国の住人のような笑い声すら漏れてしまう。
「おい そこの犬 ガチャの引き方を知りたいようだな…何度でも教えてやろう」
「1点狙いはやめておけ どうせ当たらない」
「性能だけで決めるのもやめておけ 性能重視でやるならいいが、見た目が気に入ったのを引くのが長く続けるコツだ」
「☆3排出確率アップに期待するのもやめておけ なんだよアレ…ピックアップの確率は据え置きとか詐欺だろ…」
「中途半端に引くのもやめておけ 引けない。普通に」(n敗)
「ガチャシステムを急に変えるのもやめておけ。碌なことにならん」
「ハンドラーウォルター…闇鍋を引くのは…やめておけ…」
ひとつ昔話をしよう
ある男がいた、2天分の石を携えた男だ。
あれだけあったはずの石はなくなり、すり抜けばかりでまともに完凸などできなかった。
運がいい時もあった。2凸までは60連くらいだったが、完凸までは結局1天だった。
この話には教訓がある。「自分の運に期待するのはやめておけ」
ゲーム内でシリウスとシービーどっちが好きですか?
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シリウス
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シービー