マジかぁ…なんとかしてくれん?三女神様
「想定外のカードを切ることにはなったが、まあひとまず了承は得られた。後は担当探しか…」
(別に猶予がないことはないんだが、いつものことを考えれば非常にまずい。というか担当ってどう作りゃいいんだ?)
「なんか別に捕まえようと思った時に捕まらねぇし、もしかして担当契約って物欲センサー働いてんのか?」
もしかすれば全て三女神が悪いのではないだろうか…?
俺がウマ娘とイチャイチャできないのもスカウトが成功しないのもアルコールを摂取していないと手が震えるのも最近何かとたづなさんに怒られるのも全部三女神のせいだ。決して俺が酒を水筒に入れて持ち込んでるだとかいざとなったら日和ってるわけでは断じてない。
「そうだそうに決まってる!悪いのは俺じゃなくて三女神ダヨ」
多分運気が高まってる今なら三女神の呪いも貫通できるはずだ。多分きっと恐らくmaybe.
「乗るしかないですよねこのビッグウェーブに」
You show him, Mafty!
「なんとでもなるはずだ!」
…なんか英語じゃなかった?
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「ウワアアアアスピキモリチャバダンギジマセヨ! ネルヌンイロッケポンニョクチョギンヨッカルイアニランマリエヨ~!!」
いかに俺が完璧であろうとこうもスカウトが上手くいかないとなっては自分の実力不足を疑ってしまう。
「バカな…そんなはずは…」
(いや、いやいやいやそんなはずはない。100%ない。断言できる。だって、俺は3冠ウマ娘のトレーナーで、世界を取った記憶もあって、全世界を巡った記憶を引き継ぐトレーナーだぞ?)
「悪い やっぱ辛えわ」
なぜ俺のスカウトというのはこうも上手くいかない?
「なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?」
(あっかん精神崩壊しそう。落ち着け…精神統一しろ。心頭滅却すれば火もまた涼し)
「あれ?これ言ったやつ最後結局火で死んだくね?」
(やっぱ他人の言葉なんか信用ならねぇな)
「まあひとまず落ち着いた。とりあえず出直すか…」
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「今日は、今日こそはなんか行ける気がする。今までにないくらいになんかこう、冴えてる。…あれ?そういえば、選抜レースは今日だったが時間はいつだったか…」
「スーッ…タイムオーバーってやつね」
(遅刻確定したときとかもう謎に冷静になってゆっくりいくよね)
まあそういうわけでクラブの2時くらい盛り上がっている所へ向かう。
「トレーナー諸君。私の実力は確認してもらえただろうか」
そう言ったのは名家であるシンボリのウマ娘、シンボリルドルフだった。
(これシンボリルドルフの出走レースだったのかぁ…う〜んミスったかこれ?)
「まあ今更考えたってしょうがねぇしなんでもいいや」
(とりあえずは遠巻きに見物させてもらうとしようかね)
周囲の様子を見れば、シンボリルドルフの実力には感服しているようだが、シンボリルドルフの掲げる理想の高さや勝たせられなかったときのリスクを考え中々踏み切れないらしい。
『確かに凄い才能だが…もし負けさせてしまえば俺達のトレーナー人生終わりだもんな…』
(ま、そりゃそうだわな。負ければ賊軍だ。例えシンボリルドルフがどれだけの実力を持とうとこれからのトレーナー生命が終わる可能性のあるリスクは誰も無視できない)
それは俺であっても例外ではない。シンボリルドルフの掲げる理想は俺からすれば随分無理がある。はっきり言ってしまえば不可能、と言いたいところだが、結果は見られなかったにしろ俺はその理想に寄り添ったトレーナーを過去の記憶からだが知っている。
ちょうど同期くらいだったそいつは、俺より遥かに模範的なトレーナーだった。こればかりは認めるしかない。
(あいつとは性別も違う俺に同じことができるだろうか?)
「はてさて、どうしたものか…」
俺の知るシンボリルドルフは正直あまり俺と相性がいいとは思えない。俺は模範的なトレーナーだが、他者が真似ることのできない高次元にいる。故に、シンボリルドルフの普遍的な優等生像とは相容れない
「だが、本当にそれでいいのか…?」
あいつと同じようなトレーナーが現れるとは限らない。ライバルだったとはいえ、本当にいいヤツだった。はっきり言えば、尊敬していたとすら言える。
まだ決まったわけじゃねぇが、そんなやつの相棒が疲弊していくような姿は…想像したくもない。
「…ひとまずは、行ってみるかね」
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「おや?君は確かシービーの…」
「認知されてるとは嬉しいね。初めまして」
「初めまして。ここに来たということは、スカウトだと捉えても構わないだろうか?」
「そうだな。その認識でいい」
「しかし、シービーはまだ現役だろう?なぜ君が?」
「学園側からの要請で新人トレーナーだってのにチームを作ることになってね。担当するウマ娘を探してたんだよ」
「なるほど。君ほどのトレーナーであれば納得だな。しかし、スカウトであるからには質問させてもらおう。君は私の掲げる理想についてどう思っている?」
「少し、時間をくれ」
「ああ、じっくり考えてくれて構わない」
俺にできるのか?シンボリルドルフを支える杖になることが。むしろ悪くすることだって考えられる。なら、担当なんてしないほうがいいんじゃないのか?
(だからといって、捨て置くような真似はできねぇ。うだうだ言い訳考える必要はない。完璧に演じりゃいいだけだ)
そう心に決め、シンボリルドルフの方へ向き直る。
「お前の理想は、果てしなく遠い。それこそ、膨大な時間と労力を要する。だが、この世に絶対はない。その理想に、俺も付き合おうと思っている」
「…君の考えはわかった。申し訳ないが、回答については、また後日ということでいいだろうか?」
「ああ。たとえ担当でなくとも、手伝いの用意はある。今は、それだけは伝えておく。じゃあな」
そう言って、俺は会場を後にした。
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「さあ、答えを聞かせてもらおう。シンボリルドルフ」
後日、俺はシンボリルドルフに呼び出されていた。つまりは結論が決まったということなのだろう。
「最後に、もう一つだけ質問をさせてほしい。君は、トレーナーとはどのような存在だと考えている?」
他のトレーナーと差別化するため全員に同じ質問をしているのだろうか?それとも、最終チェック、って捉えればいいのか。
(トレーナーがどんな存在か、ねぇ…あいつならもっと綺麗な答え方をしたんだろうが、俺はあいつにはなれねぇな)
「俺にとってトレーナーがどう、っていう具体的な考えはない。トレーナーってのはウマ娘を導く存在でもあるし、隣を歩く相棒でもあって、時には背中を押す存在でもある。だがまあ強いて言うなら、わがままに付き合う存在ってところだな」
シンボリルドルフは暫しの長考を見せ、何かを決めたようにこちらに向き直った。
「私をスカウトしてくれたトレーナーは、皆優秀で、間違いなく私をよりよい未来へ導いてくれるだろう」
「…そうだな」
(こりゃ、だめそうか?3冠トレーナーが聞いて呆れるな)
やっぱり、俺にスカウトの才能はないみたいだ。
「だが、私が目指すのはあらゆるウマ娘が幸福でいられる世界だ。私だけではだめなんだ。君は、私のわがままにどの程度付き合ってくれるのか、教えてくれないか?」
「…時間の許す限り。まあ、果てまでだな」
「なるほど。答えは決まったよ。私たちは、今から志を共にする仲間だ。よろしく頼む。トレーナー君」
「ああ、よろしく頼むよ。ルドルフ」
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「それが始まりだったんだよなぁ。懐かしい」
「そうだな。本当に懐かしい」
「シービーがルドルフの加入を認めないって言ったときはどうしようかと思ったぜ。結局レースで決めたんだっけか」
「ああ。結果は私の勝利だったがな」
「対価だって支払ったのに、意味なかったじゃねぇか」
「あはは、ルドルフ相手だと譲れなくてさ。それに、今どうなるかはわからないでしょ?トレーナーを賭けてもう一回、やってみる?」
「私は構わない。今回も必ず勝ってみせる」
「俺は全然構う。勝手に人を勝負の景品にするんじゃねぇ」
(まったく、人をなんだとおもってんだ?)
「そういや、チームを組んだからにはまだウマ娘が増える可能性があるわけか…」
「へぇ、キミは随分欲張りなんだね?」
「別にそういうわけじゃねぇが、学園側からしたら担当するウマ娘が増えたほうがいいだろ。ルドルフの目標にも繋がる」
「確かにそうだが、君が担当である必要はない。それより、私のサポートを続けてくれると助かるのだが」
「はあ?お前まで変なこと言うんじゃねぇよ。トレーナーなんだからそりゃ担当ウマ娘は増えてくだろうが」
「確かにそうだろう。しかし、客観的に見て我々のチームに入るのは中々に気が重いと思うウマ娘が多いはずだ」
「あ〜、まあそりゃ確かにそうか…?」
(他の大人数抱えてるチームならそうでもないだろうが、3冠ウマ娘2人だけのチームはちょっとイカつすぎるな…)
「まあ誰かはいるはずだきっと。誰かは…」
難しいことは後で考えよう。今は楽しめりゃそれでいい。そう思って、祝賀会を続けた。
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「やべぇ飲みすぎたぜ。頭がバカいてぇ」
翌日も仕事があるのに酒を飲むのは皆はやめておこうね。
「よお、久しぶりだな。トレーナー」
「あ?久しぶり…は?」
(おちっ、おちおちおちおちもちつけ。そんなわけねぇ)
どうやらまだ酔いが冷めてねぇらしい。
「随分驚いた顔してんじゃねぇか。
(…どういうことだ?まだシリウスとは関わりなんてないはず)
「嬉しすぎて言葉も出ねぇのか。アンタを見つけるのに随分苦労した。急にいなくなるんだからな」
「…俺はお前とは関わりがないはずだが?」
「あ?忘れたとは言わせねぇぞ。覚えてるんだろ?言ったはずだ。私から離れるなって」
「お前、マジかぁ…」
わりぃ、俺 死んだ。
________
「オヨヨ」。
俺はシリウスに引きずられてトレーナー室まで来ていた。
「やあトレーナー…シリウス?君が何の用だ?」
「ルドルフ。先に言っておくが、こいつは私のだ」
「へぇ、面白いこと言うんだねシリウスは。なんのつもり?」
後ろからやってきたシービーがそう言った。
「担当でもない彼が君のものとは、些か冗談の程度が低すぎると私は思うのだが。シリウス?」
「担当契約ならさっき結んだ」
「それ、本当に言ってるの?トレーナー」
「し、仕方がなかったんだよシービー。そんなに睨まないでくれ。いや、ほんとに」
(これ絶対俺悪くないだろ。ふざけんなよ三女神)
「お前らが納得するかどうかは正直どうでもいいが…こいつにはもう一度わからせてやらないとだ。そこで、こいつを賭けてレースをしよう。それでいいだろ?」
「…いいだろう。その勝負、受けて立とう」
「キミにトレーナーを渡す気はないよ、シリウス」
(随分不利な勝負仕掛けるな。相手はルドルフとシービーだろ?流石にシリウスでもきつい気がするが…)
なにか秘策でもあるのだろうか?
「クソッ…」
レースをすればなんと意外にもシリウスがルドルフとシービー相手に勝ち星を上げた。
「私の勝ちだ。それじゃ、これからよろしく頼むぜ?」
(ふ〜む、なるほど。何故かは知らんがあの世界の記憶があるシリウスには実力も引き継がれてるらしい)
…どうすんだよ三女神。なんとかしろや
「なあシリウス、ひとつ質問がある。いつからだ?」
「あ?なんだよいつからって」
「記憶だ。お前が世界を渡り歩いてるとかそんなファンタジーな存在とは思ってない。なら、考えられる可能性は一つだ。いつ思い出したんだ?」
「…へぇ、ちょっとは子犬も成長してるらしい。いいぜ、教えてやる。私が思い出したのはちょうど昨日だ」
(菊花賞が原因なのか?う〜んトリガーがわからんな…)
「だが、それにしても不可解だ。記憶はあそこで止まってる。まるでぶつ切りになったみてぇに、存在しないみたいだ」
「ま、気にすんなよ。たぶん全部三女神のせいだ」
「…前言撤回だ。お前はなにも成長してねぇ」
シービー ルドルフ シリウスの三つ巴の戦いとかそれ以上見てぇ〜ってずっと思っててどう移行しようかと迷ってたんですよね。最初からこうする気だったんですが、脈絡なさすぎるから短くても別の章から移したほうがいいかなと思ってシービーとルドルフの章を作りました。短い章?が続きましたが以降はそれなりに長く章が続くはず。
ルドルフ単体の話は番外編で書きます。ルドルフは多分いくつになってもウマ娘のために仕事してるしそれのせいで結婚とか中々難しそう。
ルラちの話も書いてるけどルラちのメンタルってどれくらいまで耐えられるんだ…?主人公の軽度な暴言に耐えられるのかな…というか主人公がアプリトレーナーとかけ離れすぎてるのとルラちはアプリトレーナーくらいの人間じゃないと無理なんじゃないかと思ってしまって…
シービーはめっちゃ恋愛色強くしようと思って書いてます。
話の整合性とか全部無視して番外編とかif書きたくなったのでアンケート取ります。お任せの場合だけめちゃくちゃ自由にやります
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シービー
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ルラち
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シュヴァル
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ドゥラ
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タキオン
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タマモ
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