ウマ娘とイチャイチャしてぇなぁ…え?ダメ?   作:仔犬

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旅は道連れ

「ところで、あんたはこんなところで何してたんだ?」 

 

「別に。大した用もなく歩いてただけだ」

 

「へぇ。なら、今は暇ってわけだ。少し出かけないか?」

 

「もちろん。どこへ行くんだ?」

 

「気の赴くままに」

 

「お前らしいな」

 

 

目的地もなくただ歩くことになった。

 

_______

 

 

 

 

「こうして歩いてると、お前に初めて会ったときのことを思い出すよ」

 

「随分ありきたりな語り口なんだな。あんたらしくもない」

 

「別に定型に縛られる必要はないが 、あえて奇抜なことをする必要もない。俺は常に最適な行動を取ってるだけだ。そのおかげでお前にも会えたんだ」

 

「ま、それもそうだな」

 

 

 

俺達が初めて出会ったのは旅の途中。個々の旅をしていく内に、交差した。そういう出会い方だった。

 

一生の内、ってのが俺の場合適応されるのかはわからないが、これが5度目の出会いだった。

_____

 

 

 

 

 

 

 

『あ〜やべぇ。マジで誰だよ言語なんかわからなくてもノリと勢いでなんとかなるって飛び出したのは』

 

 

マジであいつら何言ってんだよ日本語喋れや。建物の看板とか全部意味わからねぇし。ほんとに言葉なんですかねぇ…

 

 

 

『まあこういう時は気の赴くままに歩けばなんとかなるか』

 

 

 

為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり

 

 

『意志を持って実行しないことを実行した場合はきっとバグかなんかが起こってプラスになるはずだ』

 

 

 

敬虔な信徒である俺を三女神様はきっとお救いになるはずだ。ならなければ焼き討ってくれよう。

 

 

 

『そうと決まれば即断即決。流れというものは目まぐるしく変わるものだ。吉兆を逃す俺ではない』

 

_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『吉穴が…見えぬ…』

 

 

(バカな!いったいここはどこだというのだ!?)

 

 

 

気づけば俺は森の中にいた。

 

 

 

『クソ、完全にはめられた!三女神め、絶対に許さねぇぞ』

 

 

 

(きつねもたぬきも現実じゃ友達どころか敵じゃねぇか。どうなってやがる?嬉しいどころか虚しいぞ)

 

 

 

 

 

 

そんなことを思っていると、枝が軋む音がした。

 

 

(なんだぁ…?先住民でもいるのか?いや、待てよ…先住民ってのは閉鎖的なものだと相場が決まってるし、見つかったら殺されてしまうのではないだろうか?)

 

 

いやしかし、まだ辞世の句を詠むには早いだろう。

 

 

 

 

そう思っているとどんどん未知の生物はこちらへ近づいてくる。その際、尻尾のようなものが見えた。

 

 

 

 

ふむ、最近話題のクイヤだろうか?尻尾があるらしいし。千葉県で1件目撃情報があり、曰く穴を掘る動物だそうだ。

 

 

 

(いや、待てよ?もし鹿とかそこら辺だったらマシだが、ここは生態系もわからん異国の地。もし危険な動物であればどうする?俺が素手で倒せるのは猪がギリだぞ)

 

 

逃走を図るべきか?しかし、動物の本能を刺激しかねない。辞世の句を考えておくべきかと考えていたとき、遂にそれは姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

『―――よう。あんたも、旅の途中かい?』

 

 

 

実際に姿を表したのは、なんとウマ娘だった。

 

 

(さて、どうするか。同じ人型の動物を狩るのはエネルギー的にも効率が悪い。故に人間は共食いを基本的に行わないわけだが、俺はヒトミミで相手はウマ娘。襲われたら勝てないだろう。逃走もできない)

 

 

 

 

そこで俺の天才的頭脳から導き出された答えは…

 

 

 

ウマ娘って別に言葉話せるし戦わなくてよくね?だった。

 

 

 

『…?どうした、何かあるのか?』

 

 

『いや、そういうわけじゃない。ただ、言葉が通じるってのは素晴らしいことなんだなと思ってな。少し迷ってしまってね。ここに来てからは言語も通じなかったし』

 

俺は事の経緯を説明した。

 

 

 

 

 

 

『それで帰れなくなったわけか。ハハッ、あんた向こう見ずなんだな。無鉄砲だとかそういう言葉じゃ表しきれないぞ。ま、ここで会ったのも何かの縁だ。ついてくるか?』

 

 

『ぜひともお願いしたいな。なんだかお前についていけば面白いものが見れる気がする』

 

 

 

 

 

急な悪天候に見舞われたりもしたが、まさに非日常といった体験ができた。

 

 

三女神は俺に微笑んではくれなかったが、俺にはそんなものは必要なかったらしい。であれば、許してやらんこともない。神とやらもきっと忙しいのだろう。

 

 

 

_______

 

 

 

 

 

 

 

これが、俺とステゴの初めての出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても、もう少し北にいけば日本語も通じたのに、あんたってほんと変なところで運が悪いよな」

 

「濡れぬ先の傘だなんてつまらないだろ?ただ直感に従って、時には曲がったりもして。そういう旅が俺の性には合ってるんだ」

 

「三年、あんたと過ごしてわかったことがある」

 

「へぇ。それはいったい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたが長ったらしい台詞を吐くのは、いつだって自分の失態を正当化しようとするときだ。そうだろ?」

 

「たった三年間で俺のことをわかった気になんてなられても困るんだが?」

 

「なら、これからもっとあんたのことを知ってみせるさ」

 

「ノーベル賞受賞より難解だなそりゃ。そんな時間がありゃミレニアム懸賞問題でも解いてたほうがよっぽど有意義だ」

 

「数学は退屈だが、あんたはそうじゃないだろ?」

 

「お前が課題を提出しないせいで俺まで教師に呼び出されたこと、忘れてないからな」

 

「ハハッ、そんなこともあったっけな」

 

 

そんな他愛もない話をしながら歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたはこの先、どうするかとか決めてるか?」

 

「俺がそんなの決めてると思うか?」

 

「いいや、全然思わないな」

 

「聞かなくてもわかってんじゃねぇか」

 

「一応聞いておかないと、あんたは逃げようとするからな。この先のことを決めてないなら、あんたの旅の同行者に私を加えておいてくれ」

 

「…先行予約は1日先までなんだ。それ以降は取ってなくてね」

 

「そりゃあ残念だな。仕方ない、毎日取りに行くとするよ」

 

なんだこいつ、無敵か?もう少し見た目が大人だったら危なかったかもしれない。

 

 

 

(…別に、他の世界の記憶があったところで俺は俺だ。ステゴと歩んできた旅路は、全て本物で。それだけわかれば、悩む必要なんてないか)

 

 

「わざわざ会いに来させるのも忍びない。それに、いつだってついてくのは俺の方だった。旅の終わりを感じてたが、勘違いだったらしい。お前の旅に、俺も連れて行ってくれ」

 

 

「もちろん。旅の果てには、まだまだ遠いぞ」

 

「あぁ。目的地ってのは、遠いほうが楽しめるもんだ。黄金を求める旅路には、千里の距離ですら味気ない」

 

「中々言うな。いつもの調子が出てきたんじゃないか?」

 

(最初からお見通しってわけか。流石、俺の相棒だ)

 

「お前とならどこまでだって行ける。そんな気がするんだ」

 

 

 

それからは一緒にニンジンオッチャホイを食べたり、色んなことをした。

 

 

______

 

 

 

 

 

 

 

「はて、俺はなにをしたらいいんだ?」

 

 

 

(旅をするにしても俺はトレーナーなわけで、一応は仕事をしないといけないわけなんだが。別に新しい担当を探すっていうのも目標が定まった今は必要ないし)

 

 

そうなってくるとすることがない。ん?これじゃ社内ニートでは?

 

 

「おいおい、格好とか別に今は気にしてるわけじゃないが、何もすることがないのが一番きついぞ」

 

 

退屈は人を殺すとはよく言ったものだ。

 

 

 

「う〜ん…なんやかんや言って拘束時間は普通にあるわけだし、有意義な時間の使い方とは言えないよなぁ」

 

 

 

休職でもするか。普通に考えて俺の状況病に罹るのとあんま差異ないくらいには変なことになってるし。

 

 

 

 

社内ニートの休職RTA、

はぁじまぁるよ〜!

 

 

 

 

まずは心療内科に行って診断書を貰う必要が本来であればありますが、トレセン学園はトレーナーのに対して手厚い支援を行っています。そのため、その他の必要条件をスキップできます。

 

ここでポイントですが、G1ウマ娘を輩出しているとより早くできます。

 

休職理由については精神疾患とかそこら辺ですね。なんかあぁ、やっぱりそうだったんだみたいな目をされたことについては無視しましょう。

 

記録は3時間57分0秒。

 

多分これが一番早いと思います

 

 

_____

 

 

 

 

 

 

「よっ、トレーナー。会いに来たぞ」

 

「ほんとに毎日来る気なのか?」

 

「あぁ。言ったろ?」

 

「まさか本当に毎日来るとは思わなんだ…まあ、ちょうど休職したし時間はある」

 

「休職?そりゃまた随分大胆なことをしたな」

 

「旅を続けるには必要なことだ。それに、休職に値する理由もある」

 

「ま、私としては好都合だ」

 

「それで?今日はどこに行くんだ?」

 

「そうだなぁ。国内はそれなりに行き尽くしたし、そうなるとやっぱり海外かな」

 

「最初から奇抜な所行く必要もないし、無難にイギリスとかはどうだ?初歩的なことだよワトソン君」

 

「そのセリフ、作中では一言一句そのままの記載はないらしいぞ?」

 

「え、マジかよ。一番有名なセリフが実は言ってないとか…」

 

「まあ割とある話だと思うぞ。それじゃ、次の旅の目的地はイギリスで決まりだな」

 

「イギリスで一番美味しい料理はよくインド料理とかイタリアンだって言われるよな」

 

「フルイングリッシュブレックファストなんかはイギリス人も庶民的でよく食べるんだってな」

 

「イギリス人はほとんどアフターヌーンティーをしないらしいし、感覚的に言えば日本人の抹茶とかに近いのかもな。伝統は形だけ残って象徴として使われるパターンもよくある」

 

「まあ私はそれでもいいと思う。その地の伝統を感じて、実際に体験する。そういうのも含めて旅の醍醐味だ」

 

(まあ現地人に完全に馴染むのも無理な話だ)

 

「外国人は結局外国人でしかないしな。それなら、存分に楽しもうかね。アーサー王の剣を俺が抜いてやろう」

 

「あんたが王になったら内政でも外政でも破綻しそうだ」

 

「急に刺してくるやん…エクスカリバーより斬れ味あるぞ」

 

「ジョークってやつさ。イギリスではよくあることだぞ?今のうちに慣れておいたほうがいいかと思ってな」

 

「本当か?実は本当に思ってるけど誤魔化しただけじゃないだろうな?」

 

「さて、どうだろうな」

 

「そこで誤魔化すなよ!はっきり否定してくれよ全く…」

 

 

 

それからは一緒に今後の予定とか、実際に行ったら何をしたいだとかの話をした。

 

 

 

香港に行ったことや記憶としてフランスに行ったことはあるが、イギリスは初めてだ。どんな景色が俺達を待っているのか、今からが実に楽しみだな。

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