唐突にすまないが、皆さんはナイトメア・フレームをご存じだろうか? 2010年に、とある地下資源をめぐった外交的対立によって超大国の神聖ブリタニア帝国と日本の国家間で勃発した戦争にて、超大国側から実践投入された人型機動兵器の事だ。
ナイトメアは「
それらを用いて日本を蹂躙した挙句、植民地として国民から地位を、権利を、国家の名を奪われた彼らはエリア11の「イレヴン」と呼ばれ蔑まれる憐れな住人と化した。まぁ、つまり……一方的な搾取の対象になってしまったのである。
さて、前置きは此処までで。あのクソみたいな戦争からもう数年は経ち、俺もこっちの世界に転移してから
ここまで導くのは苦悩の連続だったがまぁ、閃光のマリアンヌの遺児たる彼は初めて会った頃はモヤシだった。ホントにモヤシ過ぎて話にならんレベルのヒョロヒョロだった、なんたることかと没落したアッシュフォードと渡りを繋ぐために連れ歩いた短い間にブリタニアを壊したければまずは基礎体力を改善しろと口ずっぱく言い聞かせたので多分……不安しかねぇな。
ゴシック調ヘッドドレスが見印の
日夜レジスタンスとドンパチしてるやつらのジャンクから、戦後あちこちで手に入れてた残骸を謎に出力の増した
さて、少しだけ過去を思い出しながら。あの日ブリタニアをぶっ壊すって言った魔神くんの為に、今日もせこせこKMFをシンジュク・ゲットーの地下で組み上げますかねぇ。
──……§……──
当時、俺がどうしてここにいるのか分からなかった。大体の戦争や戦いは上級騎士としてミスティック級のガーディアンである「ゴッドバルド」と共に戦場を駆けた記憶がある。メカニックの知識から魔法で仲間の力場を癒したり、
最期の戦いで仲間を大物の攻撃から救って散ったのは覚えてる。ゴッドバルドと共に分子すら残らない炎をその身に受けて死んだはず。まぁ満足いく最期だったから悔いはないが、なぜ? どうして此処にと思っていたら、誰かの記憶が脳裏を奔った。集まりの中で友達と共に骰子を振って一喜一憂するそんなヴィジョンが。食い入るように映像を眺め、手元のデバイスでタワーディフェンスゲームをこなす一人の男の記憶が。
なんだこれは。コード? ギアス? いろんな単語が脳裏をよぎって、願いを聞いた気がする。「せめて、主人公たちに幸せな道が訪れますように」と……純粋な願い。それを真に受けたのは俺ではないとは言えないな。
「さて主、如何するか?」
「そうだな……この願いを叶えるのも一興だ。なんせ、俺の白昼夢かもしれんが」
俺の傍らに控えるのはゴッドバルドに宿っていた精霊のイグニス──焔司る紅い髪と瞳に褐色の肌に尖り耳のグラマラスな美女だ──で、お前もこっちに来たのかよ。つかそもそも此処はイズモではないだろうな。
「どう見てもイズモではない、なら辺りを探ってみよう」
「心得たり。ただし、
「……とやかく言えんよ。貴殿、いやイグニスのおかげで生き残れたなら文句も言わん」
そうだろうなぁとか思いながら心当たりはあったんだよ。焔は破壊と再生を司る象徴で、それの化身であるこいつならそれができるってなって。ちなみに上位精霊機とはいわば俺たちの武を出力する入れ物に過ぎないのであっても無くても結果は変わらん。
「まず魔法は使える様だ。魔法力は自己完結と思うが、別なところから何かを引き出してるようにも感じるが使える」
「こちらも事象に触れれるな。本来は高出力のエーテル体ゆえに結果をもたらして燃やしてしまうはずだが」
「それだけイグニスが弱体化してるんだろう。これからは俺の後ろに控えてくれ」
「ううむ、儂は……主の盾なんだが」
「銃器の発達した世界なのだろうここは。実体を有していると成ると前には出せんよ」
過保護かもしれんがイグニスを前衛にするのは少々良心の呵責になりかねん。ストレスフリーが一番だ。草を愛でる彼女に声をかけて、辺りに残されている……戦闘後の痕跡の残る街を歩いた。至る所でビルが砕け、鉄骨もコンクリートも派手に砕き散らされたその光景に心が痛む。ましてや乱雑に残された、真新しい血だまりに溺れる犠牲者たちの遺体が見えて。血なまぐさい臭いを含んで吹いて来た生暖かい風が頬を撫でた。
「これは惨いな」
「……戦争中の国か、ここは」
自己満足でしかないが、騎士として見過ごせない。だからせめてと俺は彼らに哀悼の意を捧げるべく立ち止まり目を閉じて祈った。せめて貴公らの死出の旅路に難があらんことを。
「主よ、向こうから火の気配がする。生存者がいるやもしれんので行ってみよう」
「まて、少し試したい」
立ち尽くす様にライトニング級のガーディアンの様な……いや、ヴィークルか? 体高6mの鋼の使徒に触れるとソレを魔法で仕舞ってみる。光に包まれたのちにハイドポケットの魔法によってそれは異空間に仕舞われた。
「……うーむ、前より強力になってるなコレは」
「たまげたな。この世界で使う魔法はかなり威力が上がるのか?」
「分からんが、暴力に訴えるのは撃たれた時だ。いいなイグニス?」
「心得ておる。専守防衛、じゃろう?」
「戯言は置いておけ、火の元に行くぞ。近くには大概人がいる」
あとであの鋼のを解析してみよう。そう心に決めて私はイグニスを急かしてブーイングされながら火の気配の元に急ぐと……死者を送る薪が夕日に負けじと燃え上がり、その近くに印象的な2人の幼子が目に映った。事情を聴こうと歩み寄る際に黒髪の少年が慟哭と聞きまがうほどの大声で。叫んだ、それはあまりに儚く、悲痛な声だったのが耳に残る。
「僕は……スザク、僕は……」
「ルルーシュ……」
「……ブリタニアを──ぶっ壊してやる!」
to be continued
用語解説
超エリートが搭乗、疾駆させる魔法国レムリアにおいてはほぼ最強の機体。貴族しか動かせないというその機体と使用できる魔法が悉くチートレベルなハイクラスのガーディアンと呼ばれる機動兵器。元ネタの例に挙げるなら魔装機神やデモンベインが該当すると思われる。
魔法使いが使用する異次元ポケット。持っているものとして手のひらサイズのものなら何でも出せるアイテムである。
なお、今作ではどういう訳か魔改造されてる様に別物となっている。