レスリングスライムが現れた!【マットの上では格は不要!】 作:ヒツジ(ラム肉
三戦!!
三勝!!
人間!!
オーガ!!
獣人!!
異なる相手!!
異なる戦い!!
そして!!
その噂を聞きつけ!!
やって来た!!
採掘都市ガルム!!
ゴーレム職人たち!!
目的!!
喧嘩!!
ではない!!
興行主!!
お前の腕!!
見せてもらおう!!
「我々のゴーレムでも」
「試合を成立させられるか?」
興行主!!
「もちろんですとも!」
係員!!
「ちょっと」
言ったァァァァァ!!
勢いで!!
受けたァァァァァ!!
そして!!
届いた!!
仕様書!!
重い!!
硬い!!
疲れない!!
呼吸しない!!
痛がらない!!
攻城槌!!
耐えた!!
興行主!!
冊子!!
閉じた!!
「酒場行ってくる」
判断が!!
速ァァァァァい!!
だが!!
今回は!!
代役ではない!!
全滅してからでもない!!
最初から!!
大型スライム!!
指名!!
興行主!!
ついに!!
珍獣ではなく!!
一人のレスラーとして!!
カードを組んだァァァァァ!!
対する!!
採掘!!
運搬!!
障害物除去!!
耐衝撃!!
格闘試験!!
三年連続!!
総合首位!!
ゴーレム!!
グラン!!
巨大!!
重量!!
石!!
そして!!
妙に!!
話が通じる!!
レフェリー!!
「今日一番まともかもしれん」
大型スライム!!
「ぷる」
さあ!!
第四章!!
岩を崩せ!
本格開戦!!
打撃は!!
効くのか!!
投げられるのか!!
極められるのか!!
そもそも!!
こいつ!!
倒れるのかァァァァァ!!
鐘。
カァァァァン!!
大型スライム。
即座。
前。
身体。
捻る。
右。
膨らむ。
質量。
集まる。
バルガから。
覚えた。
重打撃。
ドッッッ!!
グラン。
胸。
直撃。
石。
鳴る。
ゴン。
観客。
「入った!」
スライム。
「ぷる!」
グラン。
「…………」
動かない。
スライム。
「ぷる?」
例の実況。
漏斗。
握る。
「動かなァァァァァい!!」
グラン。
低い。
声。
「衝撃」
「確認」
一拍。
「損傷」
「軽微」
観客。
「軽微!?」
興行主。
「バルガを下がらせたやつだぞ……」
娘。
「硬いねぇ」
スライム。
「ぷる」
もう一度。
身体。
捻る。
ドン!!
胸。
また。
響く。
グラン。
動かない。
左。
ドッ!!
右。
ドン!!
左。
ドッ!!
連打!!
グラン。
肩。
ほんの。
少し。
揺れる。
それだけ。
実況。
「打つ!!」
「打つ!!」
「打つゥゥゥ!!」
「だが!!」
「岩だァァァァ!!」
スライム。
止まる。
「ぷる……」
グラン。
「攻撃終了」
スライム。
「ぷる?」
「当機」
右腕。
上げる。
「反撃」
興行主。
「あ」
娘。
「あ」
実況。
「あァァァァ!!」
腕。
遅い。
とても。
遅い。
見える。
避けられる。
十分。
避けられる。
大型スライム。
その場。
動かない。
興行主。
「いや」
娘。
「受けるね」
興行主。
「受けますね!?」
実況。
「まさかァァァァ!!」
「またァァァァ!!」
グラン。
拳。
落ちる。
ドッッッッゴォォォォン!!
青緑。
消える。
いや。
リング。
いっぱい。
薄く。
広がる。
べちゃああああああ!!
会場。
静止。
リング下。
整備員。
「今の音は!?」
「梁は生きてる!!」
「そっちじゃない!!」
娘。
「ぷるちゃん?」
レフェリー。
駆け寄る。
「大丈夫か!?」
平たい。
スライム。
「…………」
ぷく。
一箇所。
盛り上がる。
ぷく。
ぷる。
ぷるる。
ゆっくり。
戻る。
「ぷるぅ……」
観客。
「戻った!!」
「何だあの耐久力!」
実況。
「耐えたァァァァァ!!」
興行主。
「避けてもよかっただろ!!」
娘。
「でも受けたかったんじゃない?」
興行主。
「何で!?」
娘。
「ぷるちゃんだから」
興行主。
「説明になってない!」
グラン。
頭。
少し。
傾く。
「耐衝撃性能」
「想定以上」
スライム。
「ぷる」
実況。
「評価されたァァァァ!!」
グラン。
また。
腕。
上げる。
スライム。
今度。
横。
ぬる。
拳。
ドゴン!!
マット。
震える。
スライム。
側面。
回る。
「ぷる!」
身体。
伸びる。
グラン。
右腕。
巻く。
肘。
肩。
接合部。
ぐる。
ぐる。
巻く。
実況。
「打撃がダメならァァァ!!」
「関節だァァァァァ!!」
観客。
「石に!?」
スライム。
身体。
縮める。
捻る。
グラン。
腕。
少し。
曲がる。
「ぷるるるる!!」
さらに。
捻る。
グラン。
「…………」
動かない。
スライム。
「ぷる?」
グラン。
「可動域」
「許容範囲内」
実況。
「極まらなァァァァァい!!」
スライム。
もう一度。
捻る。
ぐぐぐ。
石。
接合部。
ぎぎ。
だが。
止まらない。
グラン。
腕。
そのまま。
上。
持ち上げる。
スライム。
「ぷる?」
身体。
巻いたまま。
浮く。
ぶらん。
観客。
「持ち上げられた!」
グラン。
腕。
振る。
ぶん。
スライム。
横。
ぶん。
逆。
ぶん。
「ぷるるるるるる!?」
実況。
「振り回されているゥゥゥゥ!!」
娘。
「楽しそう」
興行主。
「そう見えます!?」
グラン。
腕。
止める。
下。
叩く。
ドォォン!!
スライム。
べちゃ!!
レフェリー。
「大丈夫か!?」
「ぷるぅ……」
グラン。
「拘束」
「解除」
一歩。
後ろ。
ドン。
「関節制圧」
「効果」
「限定的」
スライム。
ぶる。
戻る。
「ぷる……」
例の実況。
指。
三本。
立てる。
「さあ!!」
「ここまで!!」
「大型スライム!!」
「打撃!!」
「通りにくい!!」
一本。
「関節!!」
「極まりにくい!!」
二本。
「そして!!」
「持ち上げようにも!!」
グラン。
足元。
映る。
石。
太い。
柱。
「重すぎるゥゥゥゥァァ!!」
三本。
興行主。
「三つともレスリングの基本じゃないか……」
係員。
「相性最悪では?」
興行主。
黙る。
客席。
前。
採掘都市。
職人たち。
親方。
腕。
組む。
隣。
若い職人。
「どう見ます?」
親方。
「まだ見ている」
「何を?」
「スライムが」
リング。
指す。
「グランを」
グラン。
前。
出る。
ドン。
スライム。
少し。
下がる。
もう一歩。
ドン。
スライム。
横。
グラン。
方向。
変える。
遅い。
だが。
確実。
一歩。
ドン。
一歩。
ドン。
逃げ道。
少しずつ。
消える。
実況。
「速くない!!」
「だが!!」
「止まらない!!」
現地から来た職人。
ぽつり。
「グランは追わん」
興行主。
振り向く。
「え?」
「追う必要がない」
リング。
グラン。
腕。
広げる。
スライム。
ロープ際。
「進んで」
「場所を奪う」
グラン。
一歩。
ドン。
「相手が」
「逃げる場所を」
「なくす」
スライム。
右。
行く。
グラン。
右腕。
下げる。
道。
塞ぐ。
左。
行く。
左腕。
下げる。
スライム。
「ぷる?」
実況。
「壁だァァァァ!!」
「歩く!!」
「壁ィィィィ!!」
グラン。
腕。
上。
スライム。
ロープ。
背。
つく。
「ぷる」
拳。
落ちる。
スライム。
横。
滑る。
ドゴン!!
マット。
再び。
揺れる。
だが。
グラン。
もう。
次。
一歩。
来る。
スライム。
避ける。
また。
一歩。
スライム。
避ける。
また。
一歩。
娘。
「レグと全然違うね」
興行主。
「ええ」
レグは。
追えなかった。
速すぎて。
捕まらなかった。
グランは。
違う。
逃げられる。
でも。
逃げても。
逃げても。
リング。
狭くなる。
実況。
「疾風の次はァァァ!!」
「岩壁ィィィィ!!」
グラン。
前。
スライム。
後ろ。
ロープ。
当たる。
「対象」
「退路」
「限定」
腕。
上がる。
スライム。
「ぷる……」
拳。
来る。
スライム。
今度。
下。
薄く。
なる。
拳。
頭上。
いや。
頭。
ない。
上。
通る。
ドン!!
ロープ。
揺れる。
スライム。
足元。
ぬる。
抜ける。
グラン。
「回避」
スライム。
そのまま。
背後。
回る。
実況。
「後ろだァァァァ!!」
スライム。
身体。
広げる。
グラン。
腰。
巻く。
「ぷるるる!!」
興行主。
「あ」
観客。
「投げる気か!?」
「無理だろ!!」
スライム。
締める。
身体。
沈む。
持ち上げ――
ない。
いや。
上がらない。
「ぷるるるるるる!!」
グラン。
「…………」
一ミリ。
動かない。
スライム。
さらに。
縮む。
「ぷるるるるるるる!!」
グラン。
「重量差」
「大」
実況。
「知ってるゥゥゥゥ!!」
観客。
笑う。
スライム。
ぶるぶる。
まだ。
頑張る。
娘。
「ぷるちゃん、無理そう」
興行主。
「無理ですね」
スライム。
止まる。
「ぷる……」
諦めた。
巻き付き。
ほどく。
グラン。
振り向く。
遅い。
スライム。
前。
逃げる。
その時。
グラン。
一歩。
踏む。
ドン。
スライム。
止まる。
「ぷる?」
グラン。
もう一歩。
右脚。
前。
ドン。
左。
後ろ。
太い。
二本。
巨体。
支える。
スライム。
見ている。
脚。
観客。
「?」
もう一度。
グラン。
踏み込む。
右。
着く。
重さ。
前。
移る。
膝に相当する。
接合部。
伸びる。
後ろ側。
一瞬。
見える。
スライム。
「ぷる」
身体。
少し。
低く。
なる。
グラン。
「?」
一歩。
また。
来る。
スライム。
動かない。
グラン。
右。
踏み出す。
その瞬間。
スライム。
横。
走る。
ぬる!!
実況。
「何だァァァ!?」
狙い。
胸。
ではない。
肩。
ではない。
頭。
でもない。
右脚。
膝。
その。
反対側。
巨体。
支える。
接合部。
裏側。
スライム。
身体。
一気に。
硬化。
質量。
寄せる。
捻る。
バルガから。
覚えた。
重打撃。
一点。
集中。
「ぷるるるるるる!!」
ドゴォォォォン!!
グラン。
「――」
右脚。
ガクン。
観客。
「え」
巨体。
沈む。
片膝。
ドォォォォン!!
リング。
揺れる。
整備員。
「今度は何だ!?」
「ゴーレムが膝ついた!!」
観客。
一拍。
次。
大歓声。
「崩れたァァァァ!!」
「グランが!!」
「倒れた!?」
「まだ片膝だ!!」
実況。
漏斗。
空。
向ける。
「そうかァァァァァ!!」
「動かない!!」
「重い!!」
「持ち上がらない!!」
「ならば!!」
「持ち上げる必要など!!」
「なァァァァァい!!」
スライム。
グラン。
前。
「ぷる」
グラン。
右膝。
マット。
左脚。
立つ。
上体。
傾く。
初めて。
大型スライムと。
目線。
近づく。
「攻撃箇所」
「右脚後方接合部」
スライム。
「ぷる」
グラン。
「目的」
一拍。
「姿勢崩壊」
スライム。
「ぷるん」
観客。
「会話した!?」
興行主。
「たぶんゴーレムだけ理解してる!」
親方。
客席。
にやり。
「見つけたか」
若い職人。
「弱点ですか?」
親方。
「違う」
「では?」
親方。
グラン。
見る。
「立ち方だ」
グラン。
右脚。
力。
戻す。
ゆっくり。
立つ。
ドン。
スライム。
待つ。
グラン。
「戦術」
「更新」
右脚。
少し。
後ろ。
左。
前。
スライム。
「ぷる?」
興行主。
「あいつ」
係員。
「警戒しましたね」
実況。
「ゴーレム!!」
「学習したァァァァ!!」
スライム。
右脚側。
回る。
グラン。
向き。
変える。
常に。
脚。
裏側。
隠す。
スライム。
左。
行く。
グラン。
左脚。
引く。
スライム。
止まる。
「ぷる」
グラン。
「同一攻撃」
「再現」
「困難」
観客。
「対策された!」
スライム。
一度。
揺れる。
右。
見る。
左。
見る。
また。
右。
グラン。
合わせる。
スライム。
突然。
前。
重打撃。
ドン!!
胸。
グラン。
受ける。
動かない。
「損傷」
「軽微」
スライム。
「ぷる」
もう一発。
ドン!!
グラン。
動かない。
三発目。
振る。
途中。
止める。
グラン。
「?」
スライム。
低く。
なる。
右脚。
狙う。
グラン。
即。
引く。
実況。
「読んだ!!」
だが。
スライム。
右。
行かない。
反対。
左。
一気。
回る。
グラン。
「――」
左膝。
裏。
ドゴン!!
ガクン!!
また。
片膝!!
観客。
「反対だァァァ!!」
実況。
「右を見せてェェェ!!」
「左ァァァァ!!」
グラン。
腕。
振る。
スライム。
避ける。
ぬる。
背後。
肩。
上体。
巻く。
引く。
グラン。
片膝。
既に。
重心。
崩れている。
スライム。
横。
全身。
使う。
「ぷるるるる!!」
グラン。
上体。
傾く。
ズズズ。
観客。
「動いてる!」
「押してるぞ!」
親方。
首。
横。
「違う」
実況。
「押していなァァァァい!!」
「立てないところへ!!」
「さらに!!」
「体重をォォォォ!!」
「逃がしているゥゥゥゥ!!」
グラン。
片手。
マット。
ドン!!
耐える。
四点。
いや。
三点。
支持。
スライム。
身体。
伸ばす。
腕。
巻く。
肩。
引く。
グラン。
「姿勢」
「復旧」
左脚。
立てる。
スライム。
巻き付き。
外れる。
グラン。
戻る。
立った。
観客。
「戻った!!」
スライム。
「ぷる……」
グラン。
「姿勢制御」
「再設定」
スライム。
「ぷる」
両者。
向き合う。
今度。
グラン。
脚。
少し。
広い。
低い。
実況。
「構えが変わったァァァァ!!」
親方。
客席。
目。
細める。
「グランが」
「レスリングを始めたな」
若い職人。
「……レスリング?」
「ああ」
「ただ立っているんじゃない」
「崩されないように」
「立っている」
リング。
スライム。
右。
揺れる。
グラン。
重心。
低く。
する。
スライム。
左。
グラン。
合わせる。
右。
左。
正面。
互い。
見ている。
一方。
柔らかい。
一方。
硬い。
一方。
軽い。
一方。
重い。
そして。
大型スライム。
初めて。
分かった。
この相手。
投げる前に。
やることが。
ある。
立っているなら。
崩す。
崩れたなら。
さらに。
崩す。
そして。
倒れた時。
初めて。
レスリングが。
始まる。
スライム。
「ぷるるるるる」
グラン。
「継続」
一歩。
ドン。
スライム。
前。
ぬる。
実況。
叫ぶ。
「さあァァァァァ!!」
「岩は!!」
「動かない!!」
「なら!!」
「脚を!!」
「重心を!!」
「立ち方そのものをォォォォ!!」
「崩せェェェェェ!!」
第四章。
第二戦。
大型スライム。
ついに。
岩の。
倒し方を。
見つけた。