レスリングスライムが現れた!【マットの上では格は不要!】   作:ヒツジ(ラム肉

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――前回までの『レスリングスライムが現れた!』!!

第六章!!

拳闘家はなぜロープを走った?

昨日の拳闘祭王者!!

エルフの賢者!!

対する!!

大型スライム!!

ぷるちゃん!!

投げる!!

返す!!

極める!!

抜ける!!

総合対総合!!

だが!!

ぷるちゃん!!

エルフ三百年の祭具を!!

勝手に持ち出したァァァァ!!

「ぷるるるるるるるる!!」

観客
「貴様ァァァァァァ!!」

実況
「マイクパフォーマンスだァァァァ!!」

興行主
「マイクじゃねえええええ!!」

そして!!

返された祭具を!!

賢者!!

なぜか!!

自ら口元へ!!

「このリングの上で――」

「貴様を投げ潰す」

観客
「うおおおおおおおお!!」

賢者
「…………」

「私は今」

「何をした?」

さらに!!

現地レフェリー!!

昨日まで拳闘大会の審判!!

レスリング経験!!

なし!!

なのに!!

ロープ際!!

「ロープ!」

ぷるちゃん
「ぷる」

ぱっ!!

即座に離れる!!

レフェリー
「…………」

「私は」

「何と言った?」

知らない!!

教わっていない!!

なのに!!

なぜか!!

分かる!!

なぜか!!

正しいと思う!!

そして!!

賢者の視線は!!

ぷるちゃんの体内!!

白い!!

安っぽい!!

あの!!

先割れスプーンへ!!

笑っていた賢者の顔から!!

笑みが!!

消えた!!


第29話 『なぜ、走った?』

ぱん!!

 

掌底。

 

ぷるちゃん。

 

ぐに。

 

受ける。

 

賢者。

 

踏み込む。

 

右。

 

左。

 

蹴り。

 

ぷるちゃん。

 

受ける。

 

身体。

 

沈む。

 

賢者。

 

追う。

 

その瞬間。

 

ぷるちゃん。

 

伸びる。

 

賢者の腕。

 

巻く。

 

「!」

 

賢者。

 

回る。

 

外す。

 

だが。

 

もう一本。

 

足首。

 

取る。

 

賢者。

 

跳ぶ。

 

ぷるちゃん。

 

追う。

 

賢者。

 

着地。

 

一歩。

 

下がる。

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる」

 

賢者。

 

構える。

 

試合は。

 

続いている。

 

身体も。

 

動く。

 

魔力も。

 

正常。

 

思考。

 

明瞭。

 

視界。

 

正常。

 

聴覚。

 

正常。

 

痛覚。

 

正常。

 

賢者。

 

自分の状態を。

 

一つずつ。

 

確認する。

 

混乱。

 

なし。

 

幻覚。

 

なし。

 

精神干渉。

 

感知せず。

 

呪詛。

 

感知せず。

 

魅了。

 

感知せず。

 

ぷるちゃん。

 

突進。

 

賢者。

 

横。

 

かわす。

 

すぐ。

 

背後。

 

掌底。

 

どん!!

 

ぷるちゃん。

 

前へ。

 

「ぷる!」

 

賢者。

 

小さく。

 

呟く。

 

「正常だ」

 

興行主。

 

リング脇。

 

「何が?」

 

返事。

 

なし。

 

賢者。

 

ぷるちゃんを見る。

 

次。

 

先割れスプーン。

 

体内。

 

白。

 

見える。

 

「……あれか?」

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる?」

 

賢者。

 

一歩。

 

前。

 

まだ。

 

確証はない。

 

なら。

 

試す。

 

ぷるちゃん。

 

身体。

 

伸びる。

 

賢者。

 

受ける。

 

組む。

 

腰。

 

入れる。

 

投げ。

 

ドォン!!

 

ぷるちゃん。

 

べちゃ!!

 

観客

「おおおおお!!」

 

賢者。

 

追撃。

 

できる。

 

今度は。

 

意識して。

 

追う。

 

一歩。

 

二歩。

 

ぷるちゃん。

 

まだ。

 

戻りきっていない。

 

賢者。

 

身体。

 

押さえる。

 

寝技。

 

入る。

 

「ぷる!」

 

ぷるちゃん。

 

逃げる。

 

賢者。

 

追う。

 

右。

 

潰す。

 

左。

 

潰す。

 

ぷるちゃん。

 

薄くなる。

 

賢者。

 

膝。

 

差す。

 

封じる。

 

実況。

 

「今度は追ったァァァァ!!」

 

「賢者!!」

 

「スライムを立たせない!!」

 

賢者。

 

内心。

 

一つ。

 

確認。

 

追撃は。

 

できる。

 

先ほどの停止は。

 

身体的制約ではない。

 

ぷるちゃん。

 

身体。

 

硬化。

 

下から。

 

ぐっ!!

 

賢者。

 

浮く。

 

「!」

 

ぷるちゃん。

 

巻く。

 

ぐるん!!

 

賢者。

 

投げられる。

 

ドォン!!

 

賢者。

 

受け身。

 

転がる。

 

すぐ。

 

起きる。

 

ぷるちゃん。

 

追う。

 

賢者。

 

ロープ際。

 

ぷるちゃん。

 

身体。

 

振る。

 

賢者。

 

避ける。

 

ロープ。

 

背中。

 

触れる。

 

レフェリー。

 

見る。

 

賢者。

 

視線。

 

そちらへ。

 

レフェリー。

 

何も言わない。

 

まだ。

 

拘束されていない。

 

賢者。

 

少し。

 

安心。

 

その瞬間。

 

ぷるちゃん。

 

身体。

 

伸びる。

 

賢者。

 

腕。

 

取られる。

 

ロープ際。

 

巻かれる。

 

レフェリー。

 

即座。

 

「ロープ!」

 

賢者。

 

「!」

 

ぷるちゃん。

 

ぱっ。

 

離す。

 

賢者も。

 

反射的に。

 

一歩。

 

下がる。

 

レフェリー。

 

「よし!」

 

賢者。

 

「待て」

 

レフェリー。

 

「?」

 

賢者。

 

拳。

 

下げない。

 

試合中。

 

でも。

 

聞く。

 

「今の言葉」

 

「ロープ?」

 

「そうだ」

 

「その規則を」

 

「どこで学んだ?」

 

レフェリー。

 

「…………」

 

観客。

 

ざわ。

 

興行主。

 

顔。

 

少し。

 

固くなる。

 

レフェリー。

 

ロープ。

 

見る。

 

「私は……」

 

「昨日まで」

 

拳闘祭。

 

円形闘技場。

 

縄。

 

なし。

 

「知らない」

 

賢者。

 

「では」

 

「なぜ止めた?」

 

レフェリー。

 

口。

 

開く。

 

閉じる。

 

そして。

 

困った顔。

 

「……ここでは」

 

「そうするものだろう?」

 

賢者。

 

沈黙。

 

興行主。

 

「…………」

 

現地担当者。

 

「まあ」

 

「そうですよね?」

 

興行主。

 

そちらを見る。

 

「そうですよね、って」

 

「俺も説明されれば」

 

「そういうものだと思いますが」

 

「誰が説明した?」

 

現地担当者。

 

「…………」

 

止まる。

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる?」

 

誰も。

 

動かない。

 

レフェリー。

 

手。

 

振る。

 

「試合を続ける!」

 

賢者。

 

「……了解した」

 

また。

 

自然に。

 

従った。

 

そのことまで。

 

賢者は。

 

記憶する。

 

カァン。

 

再開。

 

ぷるちゃん。

 

前。

 

賢者。

 

迎える。

 

打撃。

 

組み。

 

投げ。

 

しかし。

 

賢者。

 

もう。

 

試合だけを。

 

見ていない。

 

自分。

 

レフェリー。

 

観客。

 

実況。

 

全部。

 

観察対象。

 

ぷるちゃん。

 

突進。

 

賢者。

 

足。

 

踏ん張る。

 

受ける。

 

身体。

 

押される。

 

後ろ。

 

ロープ。

 

近い。

 

ぷるちゃん。

 

さらに。

 

押す。

 

賢者。

 

止められる。

 

魔力。

 

足裏。

 

流す。

 

石畳。

 

いや。

 

リング床。

 

固定。

 

できる。

 

そう。

 

判断した。

 

だが。

 

しない。

 

代わりに。

 

ロープ。

 

背中。

 

当たる。

 

ばいん。

 

身体。

 

前へ。

 

賢者。

 

「…………?」

 

戻る。

 

ぷるちゃん。

 

身体。

 

振る。

 

賢者。

 

反射。

 

屈む。

 

避ける。

 

そのまま。

 

反対側。

 

走る。

 

一歩。

 

二歩。

 

三歩。

 

賢者。

 

目。

 

見開く。

 

「待て」

 

ロープ。

 

迫る。

 

「なぜ」

 

止まれる。

 

止まれる。

 

止まれる。

 

なのに。

 

走る。

 

ばいん!!

 

背中。

 

ロープ。

 

反動。

 

戻る。

 

観客。

 

「おおおおお!!」

 

実況。

 

「走ったァァァァ!!」

 

「賢者!!」

 

「ロープを使ったァァァァァ!!」

 

賢者。

 

戻る。

 

正面。

 

ぷるちゃん。

 

待つ。

 

賢者。

 

拳。

 

構えようとする。

 

だが。

 

身体。

 

少し。

 

低い。

 

走る勢い。

 

そのまま。

 

ぷるちゃん。

 

身体。

 

硬化。

 

横。

 

振る。

 

賢者。

 

避けられる。

 

見える。

 

十分。

 

間に合う。

 

なのに。

 

賢者。

 

一瞬。

 

腕。

 

胸。

 

前。

 

受ける姿勢。

 

「――な」

 

バァン!!

 

ぷるちゃんの。

 

質量打撃。

 

直撃。

 

賢者。

 

吹っ飛ぶ!!

 

ドォン!!

 

マット。

 

背中。

 

観客。

 

「うおおおおおお!!」

 

実況。

 

「受けたァァァァ!!」

 

「真正面からァァァァ!!」

 

賢者。

 

仰向け。

 

天井。

 

見る。

 

呼吸。

 

一つ。

 

二つ。

 

そして。

 

目。

 

見開いたまま。

 

「……避けられた」

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる」

 

賢者。

 

起きる。

 

「見えていた」

 

肩。

 

回す。

 

「間に合った」

 

立つ。

 

「なぜ」

 

ぷるちゃん。

 

来る。

 

賢者。

 

今度は。

 

避ける。

 

完全。

 

回避。

 

ぷるちゃん。

 

空振り。

 

賢者。

 

背後。

 

組む。

 

投げ!!

 

ドォン!!

 

ぷるちゃん。

 

倒れる。

 

賢者。

 

今度は。

 

追撃。

 

せず。

 

一歩。

 

下がる。

 

観客。

 

歓声。

 

賢者。

 

また。

 

止まる。

 

「…………」

 

実況。

 

「立てるかスライムゥゥゥ!!」

 

ぷるちゃん。

 

ゆっくり。

 

戻る。

 

賢者。

 

その光景。

 

見る。

 

観客も。

 

見る。

 

全員。

 

期待。

 

している。

 

スライムが。

 

立つ。

 

その瞬間を。

 

賢者。

 

胸。

 

妙な。

 

高揚。

 

「……これだ」

 

興行主。

 

「?」

 

賢者。

 

小さく。

 

「私は」

 

ぷるちゃん。

 

戻る。

 

「ぷる」

 

歓声。

 

どっと。

 

上がる。

 

賢者。

 

気づく。

 

「追撃より」

 

「こちらを」

 

「選んだ」

 

ぷるちゃん。

 

前。

 

賢者。

 

前。

 

組む。

 

投げ。

 

返し。

 

ロープ。

 

賢者。

 

走る。

 

ぷるちゃん。

 

走る。

 

交差。

 

賢者。

 

蹴り。

 

ぷるちゃん。

 

受ける。

 

観客。

 

沸く。

 

次。

 

ぷるちゃん。

 

大きく。

 

身体。

 

振る。

 

賢者。

 

今度は。

 

避ける。

 

観客。

 

「ああっ!」

 

賢者。

 

その声。

 

聞く。

 

次の瞬間。

 

自分から。

 

ぷるちゃんへ。

 

飛び込む。

 

組む。

 

回す。

 

投げ!!

 

ドォォン!!

 

歓声。

 

「うおおおお!!」

 

賢者。

 

立つ。

 

手。

 

広げる。

 

「…………」

 

自分。

 

観客へ。

 

向いている。

 

両腕。

 

少し。

 

広い。

 

歓声。

 

さらに。

 

大きくなる。

 

「賢者様ァァァァ!!」

 

賢者。

 

動かない。

 

その姿勢。

 

数秒。

 

そして。

 

ゆっくり。

 

腕。

 

下ろす。

 

「いつからだ」

 

レフェリー。

 

「?」

 

賢者。

 

観客席。

 

見る。

 

「私は」

 

「いつから」

 

「観客の反応を」

 

「戦術上の利益として」

 

「評価し始めた?」

 

リング脇。

 

興行主。

 

笑えない。

 

娘。

 

ぷるちゃんを見る。

 

「ぷるちゃん?」

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる♪」

 

楽しそう。

 

賢者。

 

一度。

 

目。

 

閉じる。

 

思考。

 

整理。

 

勝利。

 

目的。

 

本来。

 

相手を制圧。

 

降参。

 

気絶。

 

押さえ込み。

 

そのために。

 

最適行動。

 

選択。

 

だが。

 

現在。

 

別の評価軸。

 

存在。

 

している。

 

観客が。

 

沸く。

 

相手が。

 

立つ。

 

技が。

 

綺麗に決まる。

 

返しが。

 

映える。

 

そして。

 

その価値。

 

自分の中で。

 

不自然なほど。

 

高い。

 

賢者。

 

目。

 

開く。

 

「精神支配ではない」

 

興行主。

 

「え?」

 

「思考は自由だ」

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる」

 

「私は」

 

「何をするか」

 

「考えられる」

 

前。

 

出る。

 

ぷるちゃん。

 

来る。

 

賢者。

 

投げる。

 

ぷるちゃん。

 

返す。

 

賢者。

 

受け身。

 

立つ。

 

「選択肢も見えている」

 

「魔術も使える」

 

足元。

 

薄い。

 

魔法陣。

 

一瞬。

 

出る。

 

消す。

 

「だが」

 

賢者。

 

ロープ。

 

見る。

 

「選択肢の」

 

「価値が」

 

「変わっている」

 

その時。

 

ぷるちゃん。

 

賢者。

 

押す。

 

ぐっ。

 

ロープ。

 

越える。

 

賢者。

 

場外。

 

落ちる。

 

とん。

 

着地。

 

観客。

 

「あっ!」

 

レフェリー。

 

リング内。

 

賢者を見る。

 

指。

 

上げる。

 

「ワン!」

 

賢者。

 

止まる。

 

レフェリー自身も。

 

止まる。

 

「…………」

 

観客。

 

静か。

 

レフェリー。

 

「ツー!」

 

賢者。

 

場外。

 

見上げる。

 

「何をしている?」

 

レフェリー。

 

「…………」

 

指。

 

三本。

 

「スリー!」

 

賢者。

 

「この試合に」

 

「場外カウント規定は?」

 

興行主。

 

顔。

 

青ざめる。

 

事前説明。

 

思い出す。

 

場外は。

 

状況を見て。

 

戻す。

 

カウント。

 

なし。

 

レフェリー。

 

「…………ない」

 

賢者。

 

「では」

 

「なぜ数える?」

 

レフェリー。

 

汗。

 

一滴。

 

「分からない」

 

それでも。

 

指。

 

四本。

 

「フォー!」

 

観客の一部。

 

つられる。

 

「ファイブ!」

 

別の場所。

 

「シックス!」

 

賢者。

 

客席を見る。

 

「…………」

 

誰も。

 

教えられていない。

 

なのに。

 

数える。

 

「セブン!」

 

興行主。

 

「待て待て待て」

 

レフェリー。

 

賢者を見る。

 

「エイト!」

 

賢者。

 

リング。

 

見上げる。

 

入らなければ。

 

何が起きる?

 

失格?

 

なぜ。

 

そう思う?

 

検証したい。

 

だが。

 

身体。

 

動く。

 

ロープ。

 

掴む。

 

する。

 

リング。

 

戻る。

 

「ナイン――」

 

賢者。

 

着地。

 

レフェリー。

 

手。

 

下ろす。

 

「よし!」

 

観客。

 

歓声。

 

賢者。

 

リング中央。

 

立つ。

 

しばらく。

 

動かない。

 

「……私は」

 

レフェリー。

 

「?」

 

「今」

 

「なぜ戻った?」

 

誰も。

 

答えられない。

 

実況。

 

木製漏斗。

 

「ギリギリだァァァァ!!」

 

「賢者!!」

 

「カウント九でリングへ生還ッ!!」

 

賢者。

 

ぴく。

 

ゆっくり。

 

実況席。

 

見る。

 

男。

 

いる。

 

いつもの。

 

木製漏斗。

 

賢者。

 

「……あなた」

 

実況。

 

「はい!?」

 

「名前は?」

 

興行主。

 

「今それ聞くんです?」

 

実況。

 

「名前!?」

 

一瞬。

 

ほんの。

 

一瞬だけ。

 

声。

 

止まる。

 

「…………」

 

興行主。

 

「あれ?」

 

賢者。

 

見る。

 

実況。

 

笑う。

 

「そんなことよりィィィ!!」

 

木製漏斗。

 

掲げる。

 

「試合はまだ終わっていないィィィィ!!」

 

観客。

 

「うおおおおお!!」

 

興行主。

 

「誤魔化した!?」

 

賢者。

 

「……興行主」

 

「はい」

 

「あの男は?」

 

「いつもの実況です」

 

「名は?」

 

「…………」

 

興行主。

 

口。

 

開く。

 

出ない。

 

「……知らない」

 

賢者。

 

「誰が雇った?」

 

「…………」

 

さらに。

 

出ない。

 

「俺じゃない」

 

賢者。

 

視線。

 

実況。

 

ぷるちゃん。

 

レフェリー。

 

観客。

 

ロープ。

 

最後。

 

白い。

 

先割れスプーン。

 

「…………」

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる?」

 

賢者。

 

構える。

 

表情。

 

もう。

 

完全に。

 

研究者。

 

「続けよう」

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる!」

 

賢者。

 

「確かめる」

 

踏み込む。

 

拳。

 

ぷるちゃん。

 

受ける。

 

賢者。

 

組む。

 

投げ。

 

ぷるちゃん。

 

返す。

 

歓声。

 

賢者。

 

ロープ。

 

走る。

 

自分で。

 

走っている。

 

止められる。

 

なのに。

 

走る。

 

ばいん!!

 

戻る。

 

ぷるちゃん。

 

大きな身体。

 

待っている。

 

賢者。

 

その瞬間。

 

理解する。

 

強制。

 

ではない。

 

命令。

 

でもない。

 

「走れ」と。

 

誰かに。

 

言われたわけではない。

 

自分が。

 

選んでいる。

 

自分が。

 

正しいと。

 

思っている。

 

賢者。

 

ぷるちゃんと。

 

激突。

 

ドォン!!

 

投げ。

 

返し。

 

二人。

 

転がる。

 

実況。

 

絶叫。

 

「さあああああ!!」

 

「まだ終わらない!!」

 

「昨日の王者と!!」

 

「大型スライム!!」

 

「どちらが最後に立つゥゥゥゥ!!」

 

賢者。

 

マット。

 

手。

 

つく。

 

立つ。

 

その目。

 

ぷるちゃん。

 

ではない。

 

体内。

 

白い。

 

安物。

 

異質。

 

先割れスプーン。

 

「問題は」

 

興行主。

 

聞く。

 

「え?」

 

賢者。

 

静かに。

 

「このスライムではない」

 

ぷるちゃん。

 

「ぷる?」

 

賢者。

 

白い匙。

 

指す。

 

「それだ」

 

観客。

 

まだ。

 

歓声。

 

上げている。

 

レフェリー。

 

試合。

 

裁いている。

 

実況。

 

叫んでいる。

 

誰も。

 

狂っていない。

 

だからこそ。

 

賢者には。

 

分かった。

 

これは。

 

もっと。

 

質が悪い。

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