レスリングスライムが現れた!【マットの上では格は不要!】 作:ヒツジ(ラム肉
第七章!!
竜はなぜ挑戦状を書いた?
魔王軍最強幹部!!
黒嶺の古竜!!
都市を焼く炎!!
空を制する翼!!
山のような巨体!!
その全部が!!
リングの上では!!
大技!!
空中殺法!!
演出!!
そして!!
観客を沸かせる!!
最高の武器になったァァァァ!!
だが!!
ぷるちゃん!!
相手の炎!!
勝手に借りる!!
「ぷるるるるるる!!」
観客
「お前の演出じゃねえええ!!」
炎の花道!!
勝手に歩く!!
古竜へ!!
先割れスプーン!!
差し出す!!
古竜
「いらぬ」
ぷるちゃん
「ぷる」
「いらぬと言っている」
「ぷる」
そして!!
受け取ったァァァァ!!
古竜
「我が名は黒嶺の古竜!!」
観客
「うおおおおおお!!」
実況
「古竜のマイクパフォーマンスだァァァァ!!」
古竜
「…………」
賢者
「ようこそ」
古竜
「黙れェェェェ!!」
さらに!!
ぷるちゃん!!
古竜の背中に乗る!!
炎!!
翼!!
巨体!!
全部!!
自分の舞台装置にしたァァァァ!!
魔王領席
「降りろォォォォ!!」
人間側
「もっとやれェェェェ!!」
そして!!
とうとう!!
人間!!
エルフ!!
魔族!!
竜族!!
全員!!
同じ空を見上げ!!
同じ試合に!!
声を上げる!!
だが!!
忘れるな!!
これは!!
魔王軍最強!!
その名に恥じぬ!!
古竜との!!
決戦だァァァァァ!!
「降りろォォォォ!!」
古竜。
上空。
急旋回。
ぷるちゃん。
背中。
「ぷるるるるるる!?」
右。
左。
上。
下。
回転。
急降下。
急上昇。
ぷるちゃん。
伸びる。
潰れる。
伸びる。
潰れる。
それでも。
離れない。
実況。
「落ちないィィィィ!!」
「スライム!!」
「古竜の背中から!!」
「落ちないィィィィ!!」
魔王領席。
「振り落とせェェェ!!」
人間側。
「しがみつけェェェ!!」
エルフ側。
「何を応援してるのか分からなくなってきた!!」
参謀。
立ったまま。
「次は急降下だ」
部下。
「分かるんです?」
「古竜様ならそうする」
そして。
古竜。
翼。
畳む。
身体。
真下。
向く。
参謀。
「来る」
落下。
一気。
「ぷる!?」
風。
裂く。
地面。
迫る。
古竜。
口。
開く。
喉。
赤。
輝く。
賢者。
立つ。
「まずい」
興行主。
「何が!?」
「今度は」
「かなり強い」
古竜。
真正面。
リング。
炎!!
ゴオオオオオオオオオオオ!!
火柱。
下。
撃つ。
反動。
古竜。
落下速度。
さらに。
変わる。
リング。
炎。
飲まれる。
ぷるちゃん。
背中。
熱。
直撃。
「ぷるるるるる!!」
古竜。
直前。
翼。
開く!!
巨大な。
風圧。
炎。
散る。
そのまま。
身体。
捻る!!
ぷるちゃん。
ついに。
背中。
剥がれる!!
「ぷるっ!?」
空中。
放り出される。
古竜。
その瞬間。
尾。
振る!!
バァァァァン!!
ぷるちゃん。
直撃!!
横。
飛ぶ!!
観客。
「うわああああ!!」
ぷるちゃん。
空中。
ぐにゃ。
回る。
そして。
リング。
外側。
落ちる!!
べちゃ!!
場外!!
レフェリー。
指。
上がる。
「ワン!!」
賢者。
ぴく。
興行主。
「……今回も数えるんですね」
賢者。
「もう誰も止めないな」
「ツー!!」
ぷるちゃん。
平たい。
動かない。
古竜。
空。
旋回。
「スリー!!」
魔王領席。
「そのままだ!!」
「戻すな!!」
人間側。
「立てー!!」
娘。
「ぷるちゃん」
ぷるちゃん。
端。
ぶる。
「フォー!!」
少し。
戻る。
「ファイブ!!」
ぷるちゃん。
にゅ。
高さ。
戻る。
古竜。
上空。
見る。
「来い」
低く。
言う。
「それで終わるなら」
「我が出る必要など」
「なかった」
「シックス!!」
ぷるちゃん。
ずる。
リング。
向かう。
「セブン!!」
ロープ。
伸ばす。
巻く。
「エイト!!」
引く。
身体。
浮く。
「ナイン――!!」
べちゃ!!
リング。
戻る!!
観客。
「うおおおおおお!!」
レフェリー。
「続行!!」
古竜。
笑う。
「よい!!」
翼。
打つ。
降下。
着地。
ドォン!!
ぷるちゃん。
前。
古竜。
前。
今度は。
地上。
真正面。
古竜。
前脚。
振る。
ぷるちゃん。
受ける。
ばぁん!!
潰れる。
戻る。
反撃。
質量打撃!!
どん!!
古竜。
受ける。
尾。
横。
ぷるちゃん。
低く。
避ける。
古竜。
翼。
上から。
叩く!!
ばさああん!!
ぷるちゃん。
床。
押し潰される。
実況。
「地上でも強い!!」
「当たり前だァァァァ!!」
「飛べるからって!!」
「地面で弱いわけじゃないィィィィ!!」
古竜。
前脚。
ぷるちゃん。
押さえる。
巨体。
重い。
ぷるちゃん。
動けない。
「ぷる……!」
古竜。
「どうした」
「投げてみろ」
ぷるちゃん。
身体。
広げる。
古竜。
押す。
さらに。
リング。
沈む。
建築技師。
「耐えろォォォ!!」
興行主。
「また床を応援してる!!」
ぷるちゃん。
右。
逃げる。
古竜。
爪。
ではなく。
掌。
先。
置く。
塞ぐ。
左。
尾。
塞ぐ。
上。
翼。
覆う。
賢者。
「うまい」
興行主。
「力任せじゃない?」
「違う」
「スライムの逃げる方向を」
「全部」
「巨体で潰している」
古竜。
「我も」
「見ていたぞ」
ぷるちゃん。
「ぷる?」
「賢者との試合」
賢者。
「……見ていたのか」
古竜。
「報告記録をな」
さらに。
押す。
「身体全部を」
「押さえる必要はない」
賢者。
顔。
少し。
嫌そう。
興行主。
「技盗られてますよ」
「言うな」
ぷるちゃん。
「ぷるる……」
古竜。
「立てぬか」
その瞬間。
ぷるちゃん。
身体。
完全。
柔らかく。
なる。
古竜。
前脚。
ずぶ。
沈む。
「何?」
ぷるちゃん。
その前脚。
包む。
さらに。
反対。
尾。
巻く。
古竜。
「!」
ぷるちゃん。
身体。
左右。
引く。
古竜。
巨体。
ぐら。
ほんの少し。
実況。
「崩したァァァァ!!」
ぷるちゃん。
狙う。
脚。
後ろ。
膝。
いや。
竜。
関節。
そこ。
硬化。
どん!!
古竜。
片膝。
つく!!
魔王領席。
「古竜様!?」
ぷるちゃん。
もう一発。
反対。
どん!!
古竜。
前。
低く。
なる。
ぷるちゃん。
背中。
登る。
古竜。
「またか!!」
翼。
広げようとする。
ぷるちゃん。
翼。
付け根。
左右。
巻く。
ぐい。
古竜。
「ぬっ!」
賢者。
目。
細く。
「飛ばせない気だ」
ぷるちゃん。
古竜。
背中。
体重。
かける。
翼。
開かない。
古竜。
地上。
固定。
ぷるちゃん。
「ぷるるる!!」
実況。
「翼を封じたァァァァ!!」
古竜。
「甘い!!」
前脚。
踏み込む。
全身。
持ち上げる。
ぷるちゃん付き。
そのまま。
立つ!!
実況。
「立ったァァァァ!!」
ぷるちゃん。
「ぷる!?」
古竜。
身体。
振る。
ぷるちゃん。
ぶら。
それでも。
翼。
離さない。
古竜。
「ならば!!」
全身。
回転。
一回。
二回。
三回。
ぷるちゃん。
外。
遠心力。
伸びる。
「ぷるるるるるるる!?」
実況。
「今度は竜が!!」
「ジャイアントスイングだァァァァ!!」
興行主。
「ジャイアントどころじゃない!!」
古竜。
回る。
回る。
回る。
そして。
ぷるちゃん。
離れる!!
投げる!!
「行けェェェ!!」
ぷるちゃん。
空。
飛ぶ。
だが。
ロープ。
身体。
伸ばす。
巻く!!
ぐい!!
反動!!
ばいん!!
戻る!!
古竜。
目。
見開く。
ぷるちゃん。
一直線。
硬化。
質量。
全部。
前。
「ぷるるるるるるるるる!!」
ドッッッン!!
古竜。
顔。
いや。
胸。
直撃!!
一歩。
二歩。
三歩。
後退!!
ロープ。
背。
当たる!!
観客。
爆発。
「押したァァァァ!!」
「古竜を!!」
「ロープまでェェェ!!」
古竜。
胸。
一度。
上下。
呼吸。
荒い。
初めて。
分かる。
疲労。
ぷるちゃん。
こちらも。
形。
戻る。
遅い。
「ぷる……」
二匹。
見る。
古竜。
「……まだ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
「まだだ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
古竜。
翼。
広げる。
ぷるちゃん。
沈む。
古竜。
炎。
喉。
光る。
だが。
すぐには。
吐かない。
観客。
見る。
リング。
見る。
ぷるちゃん。
見る。
古竜。
「我は」
「全てを」
「出すと言った」
賢者。
「……来る」
古竜。
翼。
打つ!!
飛翔!!
一気。
上空!!
さらに。
高く!!
今まで。
一番。
高い!!
興行主。
「高すぎない!?」
賢者。
「最後だ」
古竜。
空。
止まる。
翼。
最大。
広げる。
喉。
光。
強い。
炎。
漏れる。
魔王領席。
全員。
立つ。
参謀。
「古竜様……」
古竜。
咆哮。
「受けろォォォォォ!!」
炎。
真下。
ゴオオオオオオオオオオオ!!
だが。
ぷるちゃん。
逃げない。
リング。
中央。
待つ。
炎。
来る。
ぷるちゃん。
身体。
広げる。
受ける。
熱。
光。
煙。
「ぷるるるるるるる!!」
古竜。
その炎。
止めない。
降下。
始める。
炎。
吐いたまま。
落ちる。
実況。
声。
潰れる。
「炎をまとって!!」
「落ちてくるゥゥゥゥ!!」
巨大。
古竜。
火。
翼。
全部。
一つ。
必殺。
古竜。
「これが!!」
「我が!!」
「全てだァァァァァ!!」
ぷるちゃん。
炎。
中。
白。
先割れスプーン。
ちら。
見える。
だが。
出さない。
今は。
違う。
身体。
低く。
沈む。
賢者。
見る。
「……待っている」
興行主。
「何を!?」
賢者。
「古竜を」
距離。
百。
五十。
二十。
十。
古竜。
落ちる。
ぷるちゃん。
動く。
横。
ではない。
前。
古竜。
「何!?」
ぷるちゃん。
炎。
真正面。
突っ込む!!
「ぷるるるるるるるる!!」
観客。
「行ったァァァァ!!」
ぷるちゃん。
身体。
伸ばす。
古竜。
胸。
腹。
翼。
付け根。
全部。
抱える!!
古竜。
「またか!!」
今度。
違う。
ぷるちゃん。
自分。
リング。
固定。
身体。
薄く。
広く。
マット。
張り付く。
落下。
受ける。
古竜。
重量。
速度。
炎。
全部。
ぷるちゃん。
身体。
押し潰す。
リング。
沈む。
建築技師。
「耐えろォォォォ!!」
ぎぎぎぎぎぎ!!
ぷるちゃん。
「ぷるるるるるる!!」
身体。
下。
限界。
潰れる。
それでも。
離さない。
古竜。
「何を――」
ぷるちゃん。
一部。
ロープ。
巻く。
反対。
別ロープ。
巻く。
左右。
引く。
リング。
全体。
使う。
古竜。
落下。
勢い。
横。
ずれる。
賢者。
立つ。
「まさか」
ぷるちゃん。
さらに。
自分。
反転。
古竜の進行方向。
変える。
持ち上げない。
止めない。
流す。
受ける。
そして。
返す!!
ぐるん!!
古竜。
巨体。
空中。
横。
回る!!
実況。
「投げたァァァァァ!!」
「いや!!」
「飛んできた竜を!!」
「そのまま!!」
「投げ返したァァァァァァ!!」
古竜。
目。
見開く。
空。
地。
逆。
その瞬間。
賢者。
小さく。
「見事だ」
ドッッッゴォォォォォォォォン!!
リング。
震える。
柱。
軋む。
ロープ。
揺れる。
観客。
立っていられない。
古竜。
背中。
マット。
ぷるちゃん。
反動。
跳ぶ。
身体。
空。
上。
そして。
落ちる。
全身。
べちゃああああああ!!
古竜。
胸。
覆う!!
実況。
「フォールだァァァァ!!」
レフェリー。
飛び込む!!
「ワン!!」
観客。
全員。
「ワン!!」
古竜。
動く。
前脚。
床。
押す。
ぷるちゃん。
広がる。
翼。
押さえる。
尾。
巻く。
「ツー!!」
観客。
「ツー!!」
古竜。
牙。
食いしばる。
「ぬ……!」
立てる。
まだ。
力。
ある。
だが。
ぷるちゃん。
膝。
後ろ。
押す。
古竜。
再び。
沈む。
賢者。
「同じだ」
興行主。
「何が?」
「グラン戦」
「立とうとする場所を」
「崩している」
古竜。
もう一度。
力。
入れる。
ぷるちゃん。
一瞬。
柔らかく。
力。
逃がす。
次。
硬く。
押さえる。
古竜。
止まる。
レフェリー。
腕。
上。
古竜。
観客。
見る。
魔王領席。
立っている。
人間側。
エルフ側。
全部。
叫んでいる。
自分。
全部。
出した。
炎。
翼。
牙。
体重。
力。
全部。
そして。
それを。
この小さな。
スライムが。
全部。
受けた。
古竜。
一瞬。
笑う。
「……そうか」
レフェリー。
「スリー!!」
バァァァァン!!
カァァァァァァァァァン!!
一瞬。
静寂。
次。
大広場。
爆発。
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
人間側。
「ぷるちゃああああん!!」
エルフ側。
「古竜を落としたァァァァ!!」
魔王領席。
「古竜様ァァァァ!!」
「すげえ試合だったぞォォォォ!!」
参謀。
拳。
握ったまま。
「…………」
部下。
「参謀」
「何だ」
「泣いてます?」
「熱気だ」
「目から?」
「黙れ」
リング。
ぷるちゃん。
まだ。
古竜。
上。
「ぷる……」
レフェリー。
「離れろ!」
ぷるちゃん。
ぱっ。
「ぷる」
観客。
「そこだけは本当に素直だなァァァァ!!」
古竜。
仰向け。
大きく。
息。
吐く。
煙。
少し。
上。
ぷるちゃん。
横。
座る。
「ぷる」
古竜。
目。
開ける。
「……スライム」
「ぷる」
「我に」
「全てを」
「出させたな」
ぷるちゃん。
「ぷる」
古竜。
ゆっくり。
起きる。
座る。
それだけで。
ぷるちゃん。
小さい。
古竜。
前脚。
差し出す。
「認めよう」
観客。
静か。
「我の」
「敗北だ」
ぷるちゃん。
身体の端。
伸ばす。
ぽす。
前脚。
触れる。
魔王領席。
拍手。
一人。
二人。
増える。
人間。
エルフ。
全員。
拍手。
古竜。
それを。
聞く。
少し。
目。
閉じる。
「……悪くない」
賢者。
リング脇。
「でしょう?」
古竜。
「貴様は黙っていろ」
賢者。
「はいはい」
興行主。
「仲良くなってる……」
そこで。
終われば。
完璧。
だった。
ぷるちゃん。
古竜。
角。
見る。
「ぷる」
古竜。
「…………」
賢者。
「あ」
興行主。
「あ?」
ぷるちゃん。
にゅ。
古竜。
右角。
巻く。
古竜。
「何をする」
左角。
巻く。
「おい」
左右。
角。
ぐい。
前。
寄せる。
古竜。
「待て」
ぷるちゃん。
角。
まるで。
ハンドル。
握る。
観客。
「…………」
実況。
息。
吸う。
「角をォォォォ!!」
古竜。
「実況するな!!」
ぷるちゃん。
古竜。
頭。
少し。
左右。
ぐい。
右。
左。
「ぷる♪」
魔王領席。
「貴様ァァァァァ!!」
人間側。
大爆笑。
エルフ側。
「耳の次は角かァァァァ!!」
賢者。
「仲間が増えた」
古竜。
「貴様は黙れと言っただろう!!」
ぷるちゃん。
体内。
もぞ。
古竜。
「…………」
白。
ぬる。
先割れスプーン。
古竜。
目。
細く。
「やはり」
ぷるちゃん。
「ぷる」
「やるのか」
ぷるちゃん。
「ぷる」
古竜。
長い。
ため息。
「好きにしろ」
ぷるちゃん。
「ぷる♪」
鼻先。
ぷす。
古竜。
「…………」
観客。
「ブーーーーーーーー!!」
実況。
「魔王軍最強幹部にも!!」
「容赦なしィィィィ!!」
「勝利の!!」
「先割れスプーンだァァァァァ!!」
古竜。
「本当に」
「何の意味がある」
ぷるちゃん。
「ぷる」
「そうか」
分かってない。
レフェリー。
「角を離せ!」
ぷるちゃん。
「ぷる」
ぱっ。
古竜。
角。
解放。
頭。
一度。
振る。
そして。
ぷるちゃん。
見る。
「次にやったら」
「炎で焼く」
ぷるちゃん。
「ぷる♪」
古竜。
「聞いていないな」
その夕方。
魔王領観戦団。
仮設詰所。
参謀。
報告書。
書く。
《黒嶺古竜》
《大型スライムとの公開試合に敗北》
筆。
止まる。
次。
《対象個体》
《極めて高い適応能力》
《古竜の飛行・炎熱・重量攻撃を受け切る》
《脅威度――》
止まる。
考える。
その横。
部下。
「参謀」
「何だ」
「古式挑戦規定」
参謀。
顔。
上げる。
「…………」
「最強幹部を」
「正面から下した者は」
「魔王陛下へ」
「直接」
「挑戦する資格を」
「認められる」
沈黙。
参謀。
遠く。
見る。
ぷるちゃん。
娘。
屋台。
果物。
食べている。
「ぷる♪」
参謀。
「……あれが?」
部下。
「規定上は」
「はい」
参謀。
顔。
手。
覆う。
「報告するしかない」
そして。
数日後。
魔王城。
玉座。
一通。
報告。
届く。
魔王。
読む。
《魔王軍最強幹部》
《黒嶺古竜》
《敗北》
眉。
動く。
次。
《勝者》
《大型スライム》
さらに。
《古式規定に基づき》
《当該個体には》
《魔王への直接挑戦資格が発生》
長い。
沈黙。
魔王。
ゆっくり。
顔。
上げる。
「…………」
側近。
待つ。
魔王。
報告書。
もう一度。
見る。
そして。
最初の。
一言。
「リングを」
側近。
「はい?」
魔王。
止まる。
自分。
今。
何を。
言おうとした。
「…………」
遠く。
どこか。
ぷるちゃん。
「ぷる♪」
体内。
白い。
先割れスプーン。
静かに。
揺れる。