レスリングスライムが現れた!【マットの上では格は不要!】 作:ヒツジ(ラム肉
古竜!!
敗北!!
最強幹部を下したことで!!
ぷるちゃん!!
魔王への!!
直接挑戦資格!!
獲得!!
そして!!
魔王!!
報告書を読み!!
一言!!
「リングを――」
自分で!!
止まった!!
だが!!
止まったのは!!
一瞬だけ!!
挑戦者を!!
魔王城へ呼ぶ?
否!!
「余が行く」
王自ら!!
古竜が敗れた!!
あのリングへ!!
しかも!!
挑戦は!!
紙ではない!!
人間都市!!
エルフ都市!!
獣人都市!!
魔王領!!
世界各地の空へ!!
巨大投影!!
魔王
「余と戦え」
「見たければ来るがよい」
「王の戦いを見られる機会など」
「そう何度もあるものではない」
さらに!!
観戦料!!
無料!!
費用!!
魔王持ち!!
国庫担当
「陛下ァァァァァァ!?」
そして!!
古竜戦の会場!!
魔王資本!!
国家事業!!
一週間!!
超拡張!!
古竜が落ちた!!
あのリングだけは!!
そのまま!!
周囲!!
巨大!!
巨大!!
巨大!!
もはや!!
大広場ではない!!
超巨大コロッセウム!!
だが!!
それでも!!
足りない!!
世界中から!!
人が来る!!
魔族も!!
人間も!!
エルフも!!
獣人も!!
ゴーレムも!!
ゴブリンも!!
見たい!!
見たい!!
魔王対!!
レスリングスライム!!
見たい!!
そして!!
設営中!!
魔王!!
気づいてしまった!!
会場へ!!
来られない者が!!
いる!!
ならば!!
王の答えは!!
簡単だったァァァァァ!!
試合。
三日前。
アルヴェリア。
超巨大コロッセウム。
建設中。
いや。
建設。
ほぼ。
完成。
外周。
巨大。
石造。
何層。
何層。
観客席。
最上段。
高い。
リング。
小さい。
見える。
中央。
古竜戦。
同じ。
リング。
補修済み。
その上空。
魔術師。
飛ぶ。
結界。
確認。
建築官。
走る。
ゴーレム。
石材。
運ぶ。
魔族。
照明術式。
組む。
エルフ。
音響。
いや。
反響抑制。
調整。
人間。
座席。
番号。
付ける。
興行主。
帳簿。
持つ。
顔。
死んでる。
「……一試合」
「一試合なんだよな」
建築総監。
「魔王陛下の」
「一試合です」
興行主。
「その言葉で」
「全部押し切るのやめません?」
その時。
空間。
歪む。
ぶぅん。
魔法陣。
一つ。
中央。
光。
魔王。
現れる。
興行主。
「うわっ」
建築総監。
即。
礼。
「陛下」
魔王。
「進捗は」
「九割八分」
「問題は」
「ありません」
魔王。
歩く。
観客席。
見上げる。
「収容数」
建築総監。
数字。
答える。
魔王。
少し。
眉。
動く。
「少ないな」
興行主。
「少なくないです!!」
魔王。
見る。
興行主。
「古竜戦の」
「何倍あると思ってるんです?」
魔王。
「知らぬ」
「でしょうね!」
建築総監。
「ただ」
「申し込み数が」
「既に」
「収容数を」
「大幅に」
「上回っております」
魔王。
「どれほど」
建築総監。
数字。
言う。
魔王。
沈黙。
興行主。
「ね?」
「だから」
「全員入れるのは」
「無理なんです」
魔王。
観客席。
見る。
外。
見る。
コロッセウムの。
さらに。
外。
すでに。
仮設市場。
宿営地。
馬車。
天幕。
人。
人。
人。
試合。
三日前。
なのに。
もう。
いる。
魔王。
「会場へ」
「来られぬ者も」
「多いのか」
興行主。
「そりゃ」
「世界中ですからね」
「移動だけで」
「間に合わない人も」
「金がなくて」
「旅できない人も」
「仕事で」
「来られない人も」
「いますよ」
魔王。
「…………」
その顔。
賢者。
近く。
研究記録。
持ってる。
見る。
嫌な。
予感。
「陛下」
「何だ」
「今」
「何を考えています」
魔王。
「簡単なことだ」
興行主。
「その言い方」
「怖いな」
魔王。
空。
見る。
「来られぬなら」
指。
上げる。
「来させる必要は」
「ない」
興行主。
「……はい?」
魔王。
指。
ぱちん。
ぶぅぅぅぅぅん。
空。
巨大。
魔法陣。
一枚。
展開。
建設中。
魔術師たち。
一斉。
止まる。
「陛下?」
魔王。
もう一度。
指。
動かす。
一枚。
二枚。
四枚。
八枚。
巨大。
矩形。
魔法。
リング。
上空。
四方。
いや。
八方。
向く。
まるで。
巨大な。
浮遊。
映像板。
興行主。
口。
開く。
「……何です」
「これ」
魔王。
「投影術式」
「それは」
「見れば」
「なんとなく」
「分かります」
魔王。
「リングを」
指す。
すると。
上空。
巨大投影。
中央。
リング。
映る。
今。
工事中。
リング。
そのまま。
映る。
興行主。
「おお……」
建築官。
「拡大されています」
魔王。
「最後列から」
「リングが小さく見える」
「ならば」
「大きく見せればよい」
興行主。
「……ちゃんと」
「観客のこと」
「考えてる」
魔王。
「当然だ」
「余の試合だぞ」
「見えぬ席が」
「ある方がおかしい」
賢者。
「傲慢で」
「観客配慮を成立させるな」
魔王。
無視。
さらに。
手。
広げる。
「だが」
「これだけでは」
「足りぬ」
建築総監。
「と」
「申されますと」
魔王。
空。
見る。
もっと。
遠く。
世界。
見る。
「この術式を」
「主要都市へ」
「接続する」
沈黙。
興行主。
「…………」
賢者。
「…………」
魔術師。
「…………」
建築総監。
「…………」
興行主。
「はい?」
魔王。
「人間王都」
「アルヴェリア各都市」
「獣人都市」
「鉱山都市」
「魔王領主要都市」
「港」
「城塞」
「その他」
「必要な場所」
指。
一つ。
曲げる。
「全て」
魔術師。
一人。
恐る恐る。
「陛下」
「それは」
「広域同時投影?」
魔王。
「そうだ」
魔術師。
顔。
引きつる。
「世界規模です」
魔王。
「知っている」
「魔力消費が」
「多いです」
「余が出す」
「中継制御に」
「術者が」
「何百人」
「必要です」
「集めろ」
「各都市に」
「受信用魔法陣が」
「要ります」
「敷け」
「三日しか」
「ないです」
魔王。
「あるではないか」
魔術師。
黙る。
興行主。
「ブラックだ」
魔王。
「何か言ったか」
「何も」
魔王。
「では」
「試す」
興行主。
「今?」
魔王。
「今だ」
「本番で」
「不具合が出れば」
「興が削がれる」
賢者。
目。
細く。
「……今」
「興が削がれると」
「言いましたね」
魔王。
止まる。
「…………」
賢者。
にや。
魔王。
「黙れ」
指。
ぱちん。
その瞬間。
世界各地。
人間王都。
中央広場。
突然。
空。
光る。
「何だ!?」
「また魔王!?」
巨大。
四角。
映像。
出る。
映る。
建設中。
コロッセウム。
獣人都市。
市場。
空。
同じ。
映像。
「おお!?」
「リングだ!」
鉱山都市。
作業場。
グラン。
顔。
上。
《映像受信》
ゴブリン興行団。
街道。
荷車。
空。
映る。
「ギャ!?」
魔王領。
王都。
広場。
巨大映像。
人々。
ざわ。
そして。
アルヴェリア。
コロッセウム。
魔術師。
「接続!」
「人間王都!」
「受信確認!」
「獣人都市!」
「確認!」
「鉱山都市!」
「確認!」
「魔王領!」
「確認!」
興行主。
「本当に」
「やりやがった」
魔王。
上空。
巨大映像。
見る。
「画質」
興行主。
「画質?」
魔王。
「粗い」
魔術師。
「遠距離ですから!!」
魔王。
「改善しろ」
魔術師。
「はい!!」
魔王。
「動きの遅延」
別の。
魔術師。
「最大」
「半呼吸ほど!」
魔王。
「遅い」
「詰めろ」
「はい!!」
興行主。
「放送局だ」
賢者。
「何だそれは」
「分かりません」
魔王。
「音は」
魔術師。
「音声は」
「まだ」
「接続しておりません」
魔王。
「なら」
「説明ができぬな」
興行主。
「説明?」
魔王。
振り返る。
部下。
一人。
見る。
魔王軍。
文官。
若い。
資料。
持ってた。
「お前」
文官。
びく。
「はっ!」
「前へ」
「はっ!」
出る。
魔王。
「説明しろ」
文官。
「……何を」
「この仕組みを」
「世界へ」
文官。
顔。
固まる。
「今」
「ですか」
「今だ」
「試験中継だ」
興行主。
吹く。
「テスト放送!!」
魔王。
「何がおかしい」
「いや」
「全部です」
文官。
巨大投影。
見る。
世界。
見る。
上司。
魔王。
見る。
逃げ場。
ない。
「……えー」
魔王。
眉。
動く。
文官。
背筋。
伸びる。
「各地にお集まりの皆様!」
声。
会場。
だけ。
響く。
魔術師。
慌てる。
「音声接続!」
「今やります!」
ぶぅん。
音。
世界。
乗る。
人間王都。
「各地にお集まりの皆様!」
広場。
ざわ。
獣人都市。
「聞こえた!」
魔王領。
「魔王軍?」
文官。
耳。
赤い。
「ただいま!」
「三日後に開催される!」
「魔王陛下対!」
一瞬。
資料。
見る。
「大型スライム!」
小声。
「……ぷるちゃん」
魔王。
「聞こえぬ」
文官。
覚悟。
「ぷるちゃん!!」
世界。
ざわ。
魔王。
目。
閉じる。
興行主。
肩。
震える。
賢者。
横。
向く。
文官。
続ける。
「公開試合に向け!」
「遠隔投影術式の!」
「試験運用を行っております!」
世界各地。
人。
空。
見る。
「本番当日は!」
「こちら!」
「アルヴェリア超巨大闘技場!」
興行主。
小声。
「正式名称」
「それなんだ」
建築総監。
「仮称です」
「仮称で世界放送するな」
文官。
「中央リングの映像を!」
「世界各地へ!」
「同時!」
「リアルタイムで!」
魔王。
「リアルタイムとは何だ」
興行主。
「私も知らないです」
文官。
勢い。
乗ってる。
「お届けいたします!!」
人間王都。
「うおおおお!!」
獣人都市。
「見られるのか!!」
鉱山。
作業員。
「休み取れなかったから助かる!!」
魔王領。
酒場。
「陛下の試合が見られるぞ!!」
文官。
「会場へ!」
「お越しいただけない方も!!」
「最寄りの!」
「投影会場で!!」
「試合をご覧いただけます!!」
魔王。
腕。
組む。
満足そう。
興行主。
「最寄りの投影会場って」
「もう」
「完全に中継ですやん」
賢者。
「だから何だそれは」
その時。
突然。
別の。
声。
世界中。
響く。
「さァァァァァァァァ!!」
興行主。
顔。
凍る。
賢者。
顔。
上げる。
魔術師。
「え?」
「そして!!」
「三日後!!」
「このリングでェェェェ!!」
興行主。
ゆっくり。
リング脇。
見る。
いる。
いつもの。
実況。
木製漏斗。
「魔王対!!」
「レスリングスライム!!」
「史上最大級の一戦がァァァァ!!」
「世界同時!!」
「生中継だァァァァァァ!!」
世界。
大歓声。
人間王都。
「うおおおおお!!」
獣人都市。
「絶対見る!!」
魔王領。
「陛下ァァァァ!!」
鉱山。
「仕事止めろ!!」
上司。
「止めるな!!」
興行主。
実況。
指す。
「おい」
実況。
「はい!!」
「なんで」
「お前の声まで」
「乗ってる?」
実況。
「実況ですから!!」
興行主。
魔術師。
見る。
魔術師。
青い。
首。
横。
振る。
「音声術式に」
「接続していません」
賢者。
目。
閉じる。
「まただ」
魔王。
実況。
見る。
初めて。
少し。
興味。
持つ。
「……あれが」
「報告にあった」
「実況者か」
興行主。
「そうです」
「誰が雇った」
「知りません」
「所属は」
「知りません」
「名は」
「知りません」
魔王。
「なぜいる」
興行主。
「それを」
「ずっと」
「調べてます」
実況。
木製漏斗。
掲げる。
「三日後!!」
「皆様!!」
「お見逃しなくゥゥゥゥ!!」
世界各地。
「おおおおおお!!」
魔王。
「……悪くない」
興行主。
「そこ評価するんだ……」
魔王。
巨大投影。
見る。
リング。
映る。
まだ。
誰も。
戦っていない。
それなのに。
世界中。
もう。
待っている。
魔王。
少し。
笑う。
「よい」
「ならば」
「余の戦い」
「一人残らず」
「見せてやろう」
賢者。
その横顔。
見る。
小さく。
ため息。
「完全に」
「興行する側の顔だな」
魔王。
「何か言ったか」
「いいえ」
そして。
試合当日。
世界中の。
広場。
酒場。
城。
市場。
学校。
兵舎。
鉱山。
港。
ありとあらゆる場所で。
巨大な。
魔法映像。
灯ることになる。
史上初。
全世界。
同時。
生中継。
その中心。
古竜が。
敗れた。
同じリング。
そこへ。
次に立つのは。
魔王。
そして。
一匹の。
スライム。