レスリングスライムが現れた!【マットの上では格は不要!】 作:ヒツジ(ラム肉
第八章!!
魔王はすべてを魅せる!!
魔王!!
強い!!
とにかく!!
強い!!
火!!
氷!!
雷!!
風!!
闇!!
光!!
重力!!
転移!!
分身!!
全部!!
全部!!
全部!!
使う!!
しかも!!
ただ撃つだけでは!!
終わらない!!
炎で!!
逃げ道を作り!!
そこへ!!
ビッグブート!!
重力で!!
上へ!!
横へ!!
斜めへ!!
振り回し!!
最後は!!
自分で!!
捕まえて!!
パイルドライバー!!
分身!!
十六人!!
一人タッグマッチ!!
レフェリー
「本人一人なら一人!!」
興行主
「いいの!?」
そして!!
魔王!!
ついに!!
理解する!!
「余は王だ」
「力だけでは足りぬ」
「結果だけでも足りぬ」
「すべて見せてこそ」
「王だろう」
そこから!!
空中魔法陣!!
駆け上がり!!
飛んだ!!
魔王式!!
ムーンサルトォォォォ!!
そして!!
さらに!!
次の段階!!
ぷるちゃん!!
真正面!!
質量打撃!!
魔王!!
転移できる!!
障壁も張れる!!
避けられる!!
だが!!
避けない!!
ドッッッッッン!!
魔王!!
吹っ飛んだァァァァ!!
賢者
「なぜ受けた」
魔王
「…………なるほど」
「次はもっと良いのを持ってこい」
ついに!!
王!!
気づいた!!
自分だけが!!
魅せても!!
試合ではない!!
相手まで!!
最高に!!
魅せてこそ!!
リング!!
さぁ!!
魔王!!
王として!!
ヒールとして!!
今度は!!
相手の強さまで!!
引きずり出してみせろォォォォォ!!
魔王。
立つ。
真正面。
ぷるちゃん。
「ぷる」
観客。
まだ。
ざわめく。
今。
魔王は。
避けられた。
誰もが。
分かった。
転移。
ある。
障壁。
ある。
重力。
ある。
なのに。
受けた。
そして。
吹っ飛んだ。
魔王。
肩。
一度。
回す。
「悪くない」
ぷるちゃん。
「ぷる?」
「だが」
指。
一本。
上げる。
「まだ」
「足りぬ」
ぷるちゃん。
少し。
揺れる。
「ぷる」
魔王。
手。
招く。
「来い」
興行主。
「また受ける気!?」
賢者。
「そうだろう」
「なんで!?」
「彼は」
魔王。
見る。
「理解した」
ぷるちゃん。
ロープ。
走る。
右。
ばいん!!
左。
ばいん!!
質量。
乗る。
魔王。
正面。
構える。
転移。
しない。
障壁。
ない。
ぷるちゃん。
一発!!
ドン!!
魔王。
一歩。
二発!!
ドン!!
二歩。
三発!!
身体。
捻る!!
質量。
全部!!
ドッッッッッン!!
魔王。
ロープ。
背。
当たる!!
観客。
「うおおおおお!!」
実況。
「ぷるぷるコンボ!!」
「三連!!」
「魔王を!!」
「ロープまで押したァァァァ!!」
魔王。
ロープ。
反動。
戻る。
ぷるちゃん。
もう一発。
来る。
魔王。
今度。
避ける。
横。
一歩。
ぷるちゃん。
通過。
魔王。
その背。
見る。
「……そうか」
興行主。
「何が?」
魔王。
ぷるちゃん。
向き直る。
「受ければ」
「よい」
「だけでも」
「ない」
賢者。
少し。
笑う。
「そこまで」
「もう分かったか」
魔王。
「当然だ」
「余を」
「誰だと思っている」
ぷるちゃん。
また。
来る。
魔王。
今度。
受ける。
一発。
次。
かわす。
次。
受ける。
次。
返す。
エルボー!!
ドン!!
ぷるちゃん。
沈む。
魔王。
すぐ。
追わない。
ぷるちゃん。
戻る。
観客。
待つ。
魔王。
その空気。
読む。
「……なるほど」
興行主。
「また何か」
「学んだ顔してる」
魔王。
「相手に」
「全部出させるには」
「こちらも」
「間を」
「作らねばならぬ」
賢者。
「はい」
魔王。
「貴様」
「うるさいな」
賢者。
「聞かれたので」
「聞いていない」
ぷるちゃん。
戻る。
「ぷる」
魔王。
構える。
「さあ」
「次だ」
ぷるちゃん。
動く。
低い。
伸びる。
魔王。
足。
いや。
脚。
巻かれる。
「ほう」
引く。
魔王。
重心。
下。
落とす。
耐える。
ぷるちゃん。
反対。
身体。
伸ばす。
腰。
巻く。
賢者戦。
覚えた。
支点。
変える。
魔王。
身体。
傾く。
「よい」
ぷるちゃん。
さらに。
巻く。
古竜戦。
落下。
重量。
流した。
あの感覚。
魔王。
力。
かける。
ぷるちゃん。
その力。
横。
逃がす。
ぐるん!!
魔王。
投げられる!!
実況。
「投げたァァァァ!!」
ドン!!
魔王。
背中。
マット!!
すぐ。
ぷるちゃん。
覆う!!
レフェリー。
「ワン!!」
魔王。
動く。
「ツ――」
肩。
上げる。
返す!!
観客。
「おおおおお!!」
魔王。
起きる。
ぷるちゃん。
離れる。
魔王。
笑う。
「それだ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
「今のは」
「良かった」
興行主。
「試合後の講評みたいになってる!!」
魔王。
「ならば」
「次は」
手。
前。
差す。
「余が」
「投げる」
ぷるちゃん。
「ぷる!」
組む。
真正面。
魔王。
力。
入れる。
ぷるちゃん。
柔らかい。
崩れる。
形。
ない。
魔王。
一瞬。
止まる。
「……形がない」
賢者。
「さて」
「どうする?」
魔王。
笑う。
「何度も」
「同じ答えを」
「使うと思うか」
賢者。
眉。
上がる。
魔王。
魔法。
使わない。
ぷるちゃん。
身体。
押す。
一度。
右。
一度。
左。
反応。
見る。
ぷるちゃん。
硬化。
瞬間。
来る。
魔王。
そこ。
掴む。
腰。
入る。
賢者。
「……!」
興行主。
「魔法なし!?」
魔王。
ぷるちゃん。
硬くなった。
一瞬だけ。
身体。
利用。
持ち上げる。
「投げられる形は」
「作る必要など」
「ない」
「なる瞬間を」
「待てばよい」
賢者。
黙る。
興行主。
「……勇者みたいなこと」
賢者。
「まだ勇者戦してない」
「何の話です?」
「何でもない」
魔王。
一気。
反る!!
ドッッッン!!
ブレーンバスター!!
ぷるちゃん。
マット。
潰れる!!
観客。
「うおおおおお!!」
実況。
「魔法なし!!」
「純粋な!!」
「投げだァァァァ!!」
魔王。
立つ。
少し。
満足。
「ふむ」
興行主。
「それでも」
「できるんだ……」
魔王。
「余だぞ」
「その返し」
「便利ですね」
ぷるちゃん。
戻る。
「ぷる……」
魔王。
「まだだ」
「ぷる」
「まだ」
「貴様は」
「古竜を下した技を」
「出していない」
古竜。
客席。
目。
細く。
ぷるちゃん。
古竜。
見る。
「ぷる」
古竜。
「来い!!」
観客。
沸く。
ぷるちゃん。
リング。
中央。
身体。
低く。
沈む。
ロープ。
一度。
見る。
魔王。
理解。
する。
「飛ぶか」
興行主。
「え?」
ぷるちゃん。
ロープ。
走る。
一度。
反動。
二度。
さらに。
速度。
上げる。
コーナー。
いや。
巨大リング。
柱。
登る。
ずる。
ずる。
ずる。
観客。
ざわ。
実況。
「来るぞォォォォ!!」
「ぷるちゃん!!」
「古くからの!!」
「必殺!!」
「大粘体!!」
「フライング!!」
「ボディプレスゥゥゥゥ!!」
ぷるちゃん。
高い。
魔王。
下。
見上げる。
転移。
できる。
障壁。
できる。
ぷるちゃん。
跳ぶ!!
「ぷるるるるるるる!!」
興行主。
「避ける!?」
魔王。
動かない。
賢者。
「いや」
魔王。
両腕。
広げる。
古竜。
笑う。
「受けるか」
ぷるちゃん。
落ちる!!
べちゃああああああ!!
魔王。
真下!!
リング。
沈む!!
観客。
「うおおおおおおお!!」
レフェリー。
飛び込む!!
「ワン!!」
魔王。
下。
笑う。
「ツー!!」
魔王。
力。
入れる!!
ぷるちゃん。
浮く!!
返す!!
実況。
「返したァァァァ!!」
魔王。
ぷるちゃん。
押し退ける。
立つ。
呼吸。
初めて。
少し。
大きい。
「……良い」
ぷるちゃん。
「ぷる」
魔王。
胸。
一度。
叩く。
「それだ」
「余に」
「それを」
「出させろ」
興行主。
「いや」
「自分が出す側じゃなくて?」
魔王。
「違う」
観客。
見る。
ぷるちゃん。
見る。
「余ばかり」
「魅せて」
一拍。
「何が」
「試合だ」
静寂。
次。
爆発。
「うおおおおおおおおお!!」
実況。
「言ったァァァァァ!!」
「魔王!!」
「相手まで!!」
「魅せる気だァァァァ!!」
賢者。
目。
細く。
「完全に」
「理解したな」
興行主。
「何を?」
「プロレスを」
魔王。
ぷるちゃん。
指す。
「貴様の」
「持つもの」
「全部」
「出せ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
「余が」
拳。
胸。
当てる。
「全部」
「受けてやる」
古竜。
客席。
低く。
「……陛下」
参謀。
「はい」
「格が」
「上がっておられるな」
参謀。
「敗北していないのに?」
古竜。
「試合中だ」
「今は」
「それでよい」
ぷるちゃん。
走る。
魔王。
今度。
待つ。
一発。
受ける。
二発。
避ける。
三発。
返す。
四発。
受ける。
五発。
投げられる。
六発。
返す。
観客。
どんどん。
沸く。
世界各地。
同じ。
人間王都。
「ぷるちゃん行け!!」
魔王領。
「陛下ァァァァ!!」
獣人都市。
「もっとやれ!!」
鉱山。
《良試合》
ゴブリン。
「ギャギャギャギャ!!」
魔王。
その声。
全部。
聞こえる。
世界。
見ている。
王。
笑う。
「よい!!」
ぷるちゃん。
また。
飛ぶ。
魔王。
受ける。
ドン!!
倒れる。
返す。
立つ。
魔王。
「まだだ!!」
ぷるちゃん。
投げる。
ドン!!
魔王。
転がる。
立つ。
「まだ!!」
ぷるちゃん。
巻く。
締める。
魔王。
ロープ。
近い。
手。
伸ばす。
届く。
触る。
レフェリー。
「ロープ!!」
ぷるちゃん。
即。
離す。
「ぷる!」
魔王。
ロープ。
握ったまま。
見る。
「…………」
レフェリー。
「どうした」
魔王。
「いや」
「これが」
「ロープブレイクか」
賢者。
「今さら?」
魔王。
「経験は」
「初めてだ」
レフェリー。
「立て!」
魔王。
「命令するな」
レフェリー。
「立て!」
魔王。
「…………」
立つ。
観客。
笑う。
魔王。
「気に入らぬ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
魔王。
「貴様も笑うな」
ぷるちゃん。
「ぷるる」
魔王。
「笑ったな?」
ここで。
ぷるちゃん。
体内。
もぞ。
魔王。
止まる。
「…………」
興行主。
「あ」
古竜。
「あ」
賢者。
「来たな」
白。
ぬる。
先割れスプーン。
ぷるちゃん。
掲げる。
「ぷるるるるるる!!」
観客。
「ブーーーーーーーー!!」
魔王。
目。
細く。
「やめろ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
「それを」
「余へ」
「向けるな」
ぷるちゃん。
先割れスプーン。
自分。
口元。
「ぷるるるるる!!」
観客。
「ブーーーー!!」
魔王。
「言葉が」
「分からぬのに」
「なぜ」
「これほど」
「腹が立つ」
賢者。
「私も通りました」
古竜。
「我もです」
魔王。
二人。
見る。
「情けない」
ぷるちゃん。
スプーン。
差し出す。
「ぷる」
魔王。
「いらぬ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
「古竜から」
「報告は」
「受けている」
古竜。
顔。
逸らす。
魔王。
「これを」
「口元へ持っていくと」
「なぜか」
「演説したくなるそうだな」
賢者。
「正確には」
「私は祭具でした」
魔王。
「聞いていない」
ぷるちゃん。
さらに。
差す。
「ぷる」
魔王。
腕。
組む。
「余は」
「使わぬ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
「絶対に」
「使わぬ」
ぷるちゃん。
「ぷる」
長い。
沈黙。
観客。
待つ。
世界。
待つ。
魔王。
それに。
気づく。
「…………」
興行主。
「世界中が」
「待ってますね」
魔王。
「黙れ」
ぷるちゃん。
スプーン。
床。
置く。
魔王。
見る。
ぷるちゃん。
見る。
スプーン。
見る。
「…………」
魔王。
指。
少し。
動く。
魔力。
すっ。
先割れスプーン。
浮く。
古竜。
顔。
覆う。
「陛下」
魔王。
「何だ」
「ご自身で」
「持ってきましたな」
魔王。
「黙れ」
白い匙。
魔王。
手。
いや。
魔力。
浮遊。
口元。
来る。
賢者。
「それでも」
「持つのですね」
魔王。
「触れていない」
興行主。
「そこ!?」
魔王。
先割れスプーン。
口元。
「…………」
世界。
静か。
魔王。
目。
閉じる。
開く。
そして。
笑う。
「よかろう」
巨大。
魔法陣。
一枚。
背後。
展開。
二枚。
三枚。
王冠。
形。
重なる。
「聞け」
声。
世界中。
直接。
響く。
魔王領。
全員。
立つ。
人間都市。
静まる。
魔王。
「余が」
「魔王だ」
観客。
「うおおおおお!!」
「古竜を従え」
「軍を統べ」
「魔法を統べ」
「この国を」
「この時代を」
「余が」
「支配する」
魔王領。
「陛下ァァァァァ!!」
人間側。
「ブーーーーーー!!」
魔王。
一瞬。
止まる。
「……なぜ」
実況。
「ヒールだからだァァァァ!!」
魔王。
「誰が」
「決めた!!」
ぷるちゃん。
「ぷる」
魔王。
「貴様か!?」
観客。
笑う。
魔王。
先割れスプーン。
まだ。
口元。
「よい」
「ならば」
ぷるちゃん。
指す。
「このリングでは」
「余が」
「最も」
「嫌われてやろう!!」
観客。
「ブーーーーーーーー!!」
魔王領席。
「陛下ァァァァ!!」
興行主。
「受け入れた!!」
賢者。
「完全に」
「ヒールになった」
魔王。
さらに。
声。
上げる。
「貴様ら!!」
人間。
エルフ。
獣人。
魔族。
全部。
見る。
「余を」
「倒せると思う者は」
「このスライムを」
「応援するがよい!!」
人間側。
「ぷるちゃーん!!」
エルフ側。
「行けェェェ!!」
獣人。
「倒せェェェ!!」
魔王領。
「陛下ァァァァ!!」
魔王。
満足。
笑う。
「それでよい!!」
先割れスプーン。
魔力。
ふわ。
ぷるちゃん。
戻る。
ぷるちゃん。
受け取る。
「ぷる♪」
魔王。
「二度と」
「渡すな」
古竜。
「無理でしょうな」
魔王。
「貴様」
「後で覚えておれ」
古竜。
「はい」
魔王。
ぷるちゃん。
向き直る。
「さて」
「余の」
「演説は」
「終わった」
興行主。
「長かったな」
魔王。
「次は」
腕。
広げる。
「貴様の番だ」
ぷるちゃん。
「ぷる?」
魔王。
「もっと」
「余を」
「沸かせろ」
ぷるちゃん。
「ぷるるるる!!」
鐘。
鳴ってない。
試合。
続いてる。
でも。
会場。
完全に。
第二幕。
入る。
実況。
「さぁぁぁぁ!!」
「王が!!」
「相手を!!」
「魅せ始めたァァァァ!!」
「この試合!!」
「まだ!!」
「終わらなァァァァい!!」
魔王。
笑う。
ぷるちゃん。
跳ねる。
世界中。
叫ぶ。
そして。
王は。
まだ。
自分の。
最大の技を。
出していなかった。