王位を継ぎそうにない好みのショタ第3王子を成長するまで愛でて放流する気だったのに気付いたら王妃にされて囲われてしまったんだけれども(白目) 作:ステラ
躁鬱って言うんですけど……
「あー久しぶりに元気出ましたわ〜」
ういっす。
なんか動くのもダルい普段と今日は違って随分と気分が良くなったわたくしですわよ。
みんなのアイドル、シンシア・ダイショスターキですわ〜!
最近は王子が滅多に来ないからわたくしも現実を見ないで済むからすっかり気分が良くなって来ました。
やはり男はショタに限りますわ。
こうして等身大王子ちゃま人形10歳ver.を抱き抱えて過ごす事で精神的な不調も克服出来るようになりましたの。
ヴォエッ!
スミマン嘘をつきましたわ。
今の調子だと王子ちゃま人形がなければわたくし多分このベッドから一歩も外に出られませんの。
我ながら精神的に脆すぎて草を超えて森ですわァ〜!!
「ああ、王子ちゃまの王子ちゃまをもう一度ぺろぺろしたい……はぁ、叶わぬ願い」
ダウナー美少女になってしまったわたくしは久しぶりに自分の意思で部屋の外に出ました。
オッスオッスみんな元気そうで何よりです。
あぁ大丈夫ですわよ着いてこないで、ちょっと庭に出て茶をしばくだけだから紅茶とお菓子だけ用意してくれます?
泣くほど嫌なんですの?
そこを何とかしてくれません?
ああ良かった、それじゃ頼みます。
あいあい、良きにはからえですわ。
「さあ、行きましょうね王子ちゃま(人形さん)」
しかしまぁ大袈裟ですわねぇわたくしが歩いてることがそんなに珍しいかしら?
珍しいかもですわね、確かにちょっと痩せましたけどわたくしもっと昔はガリガリに痩せた時もあるので気にしないで下さいまし。
オホホホ。ダイエットですわ。
え? 王妃? 何処に居やがりますの?
あのボケ女近くにいるんですの?
えぇやだなぁ会いたくないですわよ、あんなのをお義母さまとか呼びたくねぇですわ。
王子ちゃまと血が繋がってねぇ時点でクソですわよ、あんなのが国妃(笑)なんだからこの国終わってますのよ。
もう少しマシな人を王妃にすれば良かったのに。
ほんと愚王の血は兎も角として、あの女の血を引いていないことが王子ちゃまの幸運ですわ。
「あら、ショコラが持ってきてくれましたの?」
「もちろんですお嬢様。私は何時でも馳せ参じます」
それじゃあ紅茶を入れてくださる?
ん〜いい香り……わたくし好みの少しぬるめでぐびぐびいけちゃいますわ、お菓子パク〜っと。
えへへ。おいしい。
なんか実家にいた頃を思い出しますわねぇ。
「最近は頭が冴えてますの、わたくしとした事が過ぎてしまった事にクヨクヨし過ぎてしまいましたわね」
「左様ですか」
「ええ、最近なにかありました? わたくしすっかり流行遅れのおのぼりさんなのです、ニュースを聞かせてくださいまし」
綺麗な花を愛でながらのんびり菓子をボリボリ食べるわたくしに、少し見ない間に大きく綺麗になったショコラは淡々と語ってくれました。
「そうですね、最近あった大きなニュースと言えばクルシュタン王が退位致しました」
「へぇ〜あの無能がこんなに早く玉座を明け渡すだなんて意外ですわねぇ」
「そして先月、新王が即位されました」
「あ〜じゃあアホが今国王なんですの? あらあら、世も末ですわねぇ」
新王が即位したのに、当の本人は洗脳されててそれに誰一人気付いていない即位式とかかなり大爆笑ですわね。
見てみたかったですわ〜、詳細を隈なく書き記した歴史書を後世に残したら喜劇王って名前で呼ばれそうですわねw
「いいえ、新王はクレス様ですよ」
「あら? そうなの」
「はい」
「へぇ〜クレス王って言うのね新王は」
「そうでございます」
「ふーん」
「はい」
「…………?」
ん?
クレスって、なんか何処かで聞いた覚えがある名前なんですけれども。
んん??
「えっと、ショコラ……新王の名はクレスなのね」
「はい、クレス王でございます」
「……わたくし、クレスという名前に聞き覚えがあるのですけれども……勘違いよね?」
「いいえ、お嬢様の想像通りの方でございますよ」
「………………」
ふえぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?!
え?
なんかわたくしの方を見て王妃が〜王妃の〜とか煩かったのって、もしかしてわたくしの事を見て言ってましたの?!
いやいや。
わたくしと王子ちゃまは確かに婚約してましたけど、まだ結婚式はあげてないからあくまで婚約者に過ぎませんわよ〜???
はいぃ!?
わたくしが精神的に参ってる時に略式だけど婚約式済ませてますって〜???
おぉん?!
そう言えば薬指の指輪が変わってますわ、気付かなかったんですけれど……いやいや誓のキスとかしてないですわよね!? わたくし今の王子とキスするとか嫌なんですけれど!?
流石にしてない……あー、それは良かったですわ。
いやちっとも良くなんかねぇですわよ!!
・王妃付きの侍女たちの感想
本日は嬉しいことに王妃様の調子が良く部屋からお出になって散歩をなされた。
しかしまだ本調子でないのは明らかで、虚ろな表情でクレス王様の幼い頃を模した人形を抱き抱えておられます。
精神を病まれた王妃にとって、王は何時まで経ってもご自分が護らなくてらならない少年のままなのでしょう。
王のことを正しく認識出来ず、暴れてしまうお姿を見てしまうと取り上げるのも憚られるのです。
何人かは泣いてしまい、それを心配された王妃様に逆に心配されるなどという従者として情けない子達も出てきます。
これ以上王妃様にご迷惑をお掛けする訳にも参りません、
ショコラ侍女長に後のことをお願いすべく私共はただ王妃様をご無事にお送りするのみ。
「王妃……? そう……王妃……いるの」
ああ、神よ。
どうしてこんなにも全身全霊を捧げて王を愛される方にこんな残酷な真似をなさるのですか。
あんなにも健康的であられたのに窶れてしまわれて。
どうか我らが王妃様をお救い下さいませ。
でなければ私共は神など信じません。
しれっと年代ジャンプしてます
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