王位を継ぎそうにない好みのショタ第3王子を成長するまで愛でて放流する気だったのに気付いたら王妃にされて囲われてしまったんだけれども(白目) 作:ステラ
あわわわわ。
第16話 開戦の狼煙&それいけショタコンマン!
「時にマサウォー殿、奥方様は息災だろうか?」
滞りなく進行していた和平会談の最中、後は調印するのみという段階に及んでラウギリー帝国皇帝マカセ・ラウギリーは徐にそう発言した。
和やかであった空気がほんの少し重く変わり、僅かな沈黙の時が流れた。
「ええ、我が妻はいつも平穏に過ごしていますよ」
クレス・マサウォーは柔和な笑みを浮かべ和そう答えたが、その瞳だけは笑っていなかった。
虎の尾を踏む、逆鱗を触る、勘気を被る、神経を逆撫でする。その類の質問である事にその場の者たちは気付いている。
それを理解した上でマカセ・ラウギリーは更に言葉を重ねた。
「それは重畳……済まないね不躾に、何せこちらの国にも流れてくるほど噂になっているものだから心配で。あの魔帝シンシア殿が公務に出れない程に体調を崩し病床に伏している……と、ね?」
魔帝シンシアという
これが単なる蔑称ならこの場で断固抗議しても良かったが、魔帝シンシアという名は良くも悪くも国内外に轟いている絶対無二の魔法の天才へと送られた称号でもある。
上手く矛先を逸らされた形だ。面白くは無い。
「その様な事実はありません。恥ずかしい話ですが私が妻を他人に見せるのが嫌でしてね、彼女には表に出るのを控えてもらっているのですよ」
「それはそれは、仲の宜しい事だ」
紛れもなく事実の一端ではあるがそれを証明する方法も何もあったものではない、まさか文字通りの意味で受け取る訳でもないだろう。
そしてこの玉虫色の答えこそ相手が望んでいた返答だ。どれだけ言葉を重ねたとしても、国の重要な催しにすら一切その姿を現さないことを勘繰られてしまえば真実の一端は見えてくるもの。
つまり、各国に恐れられた魔帝シンシアが何らかの事情により表に
それこそがラウギリーにとって最も重要な事柄なのである。仮にこの場に本人が居れば、状況は変わっただろうが───それはもはや起きえない未来だ。
「いや不躾な質問ばかり済まないね。実は此度の和平条約だが……どうにも我がラウギリーにとってあまりに旨みの無い条件だと思ってね。
そこで提案したいのだよ、コレを」
先程まで浮かべていた対外的に取り繕った笑みは鳴りを潜め、嘲る様な雰囲気を隠しもせずマカセ・ラウギリーは事前に草案を纏めた書類を放り投げた。
受け取ったクレスはその内容を一瞥し、不快気に眉を顰めた。
「どうだろうか、こういう条件は」
「……論ずるに値しないと思われますが」
あまりにも一方的な条件であった。
それはまかり間違っても和平などと呼べる代物ではなかった、一方的な降伏要求に等しかった。
「フハハハ! そうでしょうかね、だが実際に今の我々と貴方がたとでは立場が違い過ぎるのですよ」
この和平条約の締結の為に集まっている両国の臣下達が俄に殺気立ち始めた、この場に武器こそ持ち込まれていないが何時殺し合いに発展してもおかしくない空気だ。
ただ1人余裕の表情を崩さないこの男を除いて。
「ククク、我々にはあの【滅びの魔女】がついているのだ! 貴国の【魔帝】は今や病床に伏している、悪いことは言わん……ここで我が国の属国となる事を誓いたまえ。さもなくば……」
何時の間にかマカセ・ラウギリーの隣に1人の女が立っていた。
黒いローブに身を包みその容貌は判然としない、しかしこの場に音もなく現れたその実力だけで只者では無いことを知れた。
慌ててクレスの前に出るコンラッド、だが無手の剣士に魔法士に抗う手段は存在しない。この場に短剣でもあれば歴史は変わっていたのかも知れない。
クレスの後ろを固めていた兵士たちが懐に手を伸ばす、そこにはこの会談の場に
「さもなくばこの場で、私
「死ねぇクレス王よ!」
開戦の狼煙は、魔女が掌から生み出した雷と後ろから振り下ろされた刃によってあげられた。
ちーっす。
わたくしですわよんよ〜ん。
本日はわたくし久方ぶりに空を飛びながら魔力を高めておりますの、淑女たるもの偶には空ぐらい飛ばなくてはね?
でもまぁここ数年ほどサボっていたのでかなり効率が悪くなってますわね。全盛期の6割程しか出せそうにありませんわ、歳はとりたくないものです。
それにテンション不足なのでそもそも出力不足。しゃーないんですわよ。
昔ならともかく今の私では無茶無理無謀な魔法運用を行えないのです、モチベがないんですもの。
な〜んでわたくしが陛下を助けに行かないといけないんですのよ〜_(:3」∠)_だる
コンラッドを信頼したわたくしがバカでした。
陛下の策略を信じたわたくしがバカでした。
貴族連中の腐敗ぶりを舐めてたわたくしがバカでした。
あーもう……。
「まったく……我ながら人の宜しいことで。幾らショコラからの頼みでも、王子ちゃまの童貞を貰ってなければここまで本気にはなってませんからね!( ー̀εー́ )プンプン」
ぶつくさ文句を言いながらも戦場へと飛翔するわたくしってばほんっと良い女過ぎない?
さて、ではここからは集中するために過去回想いきますわよ〜!
「はぃい? ラウギリー帝国と我が国の貴族連中が手を組んだですって???」
カス×カスのドリームマッチですか。
大したものですわね。
「そのようでございます」
おったまげですわ。
よりによってラウギリーと手を組むとか、国民と国土をそのまま熨斗を付けてプレゼントする様な愚かな行為だというのに。
陛下が気に入らないからってそこまでしますかぁ?
この国にマトモな貴族は居ませんの!?
居ませんでしたわね! どうもすみませんですわ!!(半ギレ)
「ああ、こんな形で陛下と死に別れする事になるとは思っていませんでしたわ。喪服の準備をお願いしますね」
「え? 助けに行かれないのですか?」
「え? なぜ?」
「え?」
「「え???」」
いや、流石に陛下への情がもうそこまで残っていないわたくしとはいえ未亡人になるのだからきちんと国葬ぐらい参加しますわよ。
はい? そうじゃなくて?
だから何でわたくしが助けに行かなければならないんですの?
理由なくない?
「どうしてですか王妃様! 王妃様なら助けられる筈ではないですか!」
「ええ……だって」めんどくさいし
「私、王妃様の事を尊敬しております。慕わしく思ってもおります、ですが……ですが同じ様に陛下の事も大切に思っています!
あの方がどれだけ王妃様の為に尽くしてこられたか誰よりもお傍で見て参りました、ですから私は……陛下を救えるチャンスがあるのなら王妃様に尽力して頂きたいのです!
これがどれ程身の程知らずなお願いか理解しております、私の命程度で賄えるとは到底思えませんがどうか……どうかお考え直し下さい!」
そんな風に言ってわたくしに向かってひざまつき頭を床に押し付け懇願してくるショコラ。
この子がこんなに泣きついてくるの初めてですわよ。
(いや、あの……そこまでしなくたってわたくしショコラの頼みなら大抵は聞きますわよ?)
わたくしがこんなちっちゃな事で不快になって大事な部下を処分する様なろくでなしと思われていた事の方が大分ショックなのですが(。•́︿•̀。)ガーン
まぁわたくし自分でも理解してるぐらいには他人の命に無関心ですからね。実際さっきまで陛下の事は見殺しにしようとしてましたし。
身から出た錆ですわね。
「はいはい、行きますわよ! だからもう頭を上げなさい。みっともない」
はぁ〜しゃーねぇですわね。
行きますか...( ((ヽ´ω`)
回想終了ですわ〜!
はぁ〜くっそだりぃですわね、溜め息も増えますわよこんなの。なんだか体調も悪くなってきますわ、割とマジで。
風を切る感覚が無駄に火照った体を冷ましてくれる、あまりにも今のわたくしは貧弱過ぎる。昔ならとっくに着いている時間なのにまだ視界にすら入らない。
おぁ〜感知範囲に強力な魔法反応アリ。
ラウギリーも本気ですわねぇ、良い魔法士を雇った感じですか?
あと10分と言った所かしら、さーてわたくしが来たのが無駄にならないようにせめて生きててくださいませね陛下?
ショタコンマン!新しいショタよ!
ヾ(*´∀`*)ノわーい
陛下取り残されてBADEND
だからショタコンに新しいショタを与えておかなかったんですね(名推理)