王位を継ぎそうにない好みのショタ第3王子を成長するまで愛でて放流する気だったのに気付いたら王妃にされて囲われてしまったんだけれども(白目)   作:ステラ

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カンタレラ様、わたくし達はズッ友ですわよ(希望)






第19話 友だちになりたかっ……たっ(。>﹏<。)

 その荒々しくもあたたかな風が背中から吹き抜けた瞬間、クレスはハッとなって振り返った。死地へと置いて来てしまったコンラッドと【破滅の魔女】が居る方向、その空にポツリと浮かんでいる彼女の姿を──どうして彼が見間違えようものか。

 

「シンシア……来てくれたのか!」

 

 もっと幼い時分に彼女が身を挺して王宮の火災を止める為に飛び出した時に見たあの幻想的な姿。

 三対六枚の羽が天翼の如く広がり自在に空を舞う女神……記憶の中の景色と寸分違わず今もこうして彼女はまた自(・)分(・)を(・)助(・)け(・)に(・)来(・)て(・)く(・)れ(・)たのだ。

 こんな時だと言うのに目を反らせなかった。

 あまりにも美しい、雷の大蛇と風を支配する女神との現実離れした戦の光景は先程まで絶望に沈みかけていたクレスの心を奮い立たせてくれた。

 

 そうして僅かな時間惚けていたクレスの元に、騒ぎを聞き付けて合流してきた護衛隊の者たちが集まった。血相を変えた様子でクレスの元にたどり着いた副隊長は、血がべっとり付いた姿に驚愕の表情を見せる。

 

「陛下、交渉で何があったのですか? その血やお怪我は、コンラッド隊長は? それにアレは……もしや?」

 

「これは全て返り血だ気にするな。それによく来てくれた、さあ行くぞ! コンラッドを救いに、我らの【女神】のもとへ!」

 

「おお! では、やはりアレは……!」

 

 この場にいる者たちの中にはあの時に王宮に居た者も多くいる、そしてその大半が王宮の火事をその身一つで一掃した姿を覚えている。【風の女神】とも呼ばれるその姿を。

 

 王であるクレスがこうして直衛のコンラッドを連れずボロボロになっている以上は和平交渉は最悪の決裂をしたのは想像にかたくない。

 しかし見よ!

 嘗てまだ魔法学園生であった頃にたった一人で隣国との全ての戦場を圧倒的な力で捩じ伏せ他国に磐石ぶりを見せ付けた我が国の至宝である【魔帝シンシア】が此処に居るのだ!

 

 それも今は国母となり【風の女神】として敬愛されているいと尊き御方。クレス王立身の為にその身を費やし心身共に疲れ果て今や寝たきりになっていると根も葉もない噂をされていた王妃がク(・)レ(・)ス(・)王(・)の(・)ピ(・)ン(・)チ(・)に(・)駆(・)け(・)付(・)け(・)て(・)お守りしているのである。

 この状況に滾らぬ者など1人も居はしない。

 

「かしこまりました、陛下。全軍傾聴! これより我らはクレス王の指揮の下」

「「「応!!」」」

 

 

 

 

 

 ん〜と、流れで強く当たってバーンしてから適当に流してこの場はチョチョ〜いと終わらせ後日また改めて被害者の会を立ち上げてからお茶会に誘って仲良くなる……。

 うん、これですわね!

 ☆採用☆

 

「どうしたの【魔帝】! 余所見してる場合かしら!」

 

「あら、ごめんなさいね!」

 

 即興で彼女の対風に特化した雷蛇に対する対雷用の魔法式を組み込んで対風特化雷特化対雷風魔法(我ながらもうわけわかんねぇですわね)を構築して〜ハイ! 出来たー!!

 あっはっはっは(≧▽≦)

 これでさっきまでと違って雷蛇に風を食いちぎられても平気になりましたわ。

 

 流石はクソダサ同盟のカンタレラ様、素晴らしい魔法でしたが式の構築があまりにも綺麗なものですから簡単に解析できちゃいましたわね♪

 

(※なお、通常時はともかく戦闘中にこんな事が出来るのはシンシアだけである)

 

 まあ魔法式に関してカンタレラ様とお話するのはまたの機会として、ん〜そろそろ流石に陛下も何処かに逃げたでしょ?

 これで逃げてなくても知らねーですわよ。

 義理は果たしたので帰りまーす、それではご機嫌ようカンタレラ様! 最後に大技で目眩ししてこの逢瀬はおしまいですわ〜!!

 

「これ以上は(時間の無駄なので)埒が開きません、決闘です! 決着を付けましょう。わたくしの最高威力の(魅せプ)魔法を受ける覚悟はありますかカンタレラ様!?」

 

「ハハ、私の名前を呼んだかシンシアぁ! いいだろう決着をつけてやる! 決闘だ!!」

 

 決闘。

 魔法士にとってこれは基本的に一対一の魔法戦の事を指す言葉、そして基本的に大技を放つ為に魔法士は自分の魔力だけでなく世界中に存在するマナを受け入れ魔力を高める為に瞑想に入る……のがセオリーなんですが。

 師匠とわたくしにはそんな溜めは必要ないんですけどね、魔法士同士の流儀ってヤツです。

 

 学園時代は一方的な蹂躙しかしたこと無かったので実は決闘に憧れてたんですのよ、もう24歳にもなるのに子どもの頃のようにワクワクしますわね!

 カンタレラ様の雷蛇が大地からマナを吸い始め煌々と輝きを増していくので合わせて私も手のひらに纏めた嵐風に花火と閃光の魔法を上乗せしてピカピカ光らせていきます。

 

 うっひょ〜!

 お互い派手に輝いて如何にも必殺技を放つ前触れみたいな感じでわたくしたち相性バッチシですわね〜♪

 さあ、それじゃあ「シンシア!」あ〜〜〜ん? 誰ですの?! 今いい所なんですけど!?

 

 顔だけ声のした方に向けると、そこには何故か逃げて行った筈の陛下が雑魚ども(足手まとい)達と一緒になって何か知らないけどテンション上げている姿が見えた。

 

「負けるなシンシア、君なら勝てる!」

 

「王妃様! 【魔帝シンシア】様!」

 

「ご武運を【風の女神】様!」

 

「【魔帝】の力をその賊めに見せつけてやってください!」

 

 一応は守ってやろうと思っていた相手から口々に紡がれるわたくしへの黒歴史(悪口)に胸の奥がカーッとなるのを自覚する。

 よ、よくもカンタレラ様の前でこんな……こ、この恩知らず共が……っ!

 

「………………ぐふっ(喀血)」

 

 思わず制御を手放して自爆してしまう所だった、あ、あのアホ(陛下)ども……なんてことを言いやがるんですのよ!

 これが人のやる事ですの?!

 

「ふん、随分とご大層な名前じゃないシンシア……! いいご身分ね」

 

「あ……な……なんて……こど、をっ! ゴホッ」

 

 血が肺に混ざって息苦しい、ヒューヒュー!

 くそっ、さっきまで久しぶりに楽しかったのにテンションだだ下がりですわよ⤵

 

 だってほら冷静に考えると↓

 【破滅の魔女】=【魔帝】Draw!

 【破滅の魔女】=【風の女神】Draw!

 【破滅の魔女】<【魔帝】&【風の女神】Win!

 

 あははは、わたくしの負けですわね。

 (怒)(怒)(怒)いやWinじゃねーんですわよ(怒)(怒)(怒)

 くそわよ!!

 

 さっきまでわたくしと同レベルの被害者だったカンタレラ様とは比べようもないほどわたくしの評価が落ちてしまった(泣)

 これでは最早わたくし達は互角の存在ではない……一方的にわたくしの方が下になってしまった。

 

 あんまりですわよぉ〜〜〜!

 

「ふん、容赦はしないわよ! 喰らいなさい、我が破滅の真髄を!!」

 

「そんな……っ、ゴホッ!」

 

 カンタレラ様の雷蛇が周囲一帯を文字通り消滅させながら此方へと近付いてくる、わたくしは……ああ、ごめんなさいカンタレラ様。

 出来ることならあなたと友達になりたかった、あなたと話をしてみたかった、でももうダメなのです……最早あなたとわたくしでは同等の関係を築く事が出来ないっ!!

 

「シンシアっ!!」

 

 外野(陛下)がうるせーですわよ!

 元はと言えばあなた達のせいでしょうが、この私の小っ恥ずかしいクソみたいな渾名を寄りにもよってカンタレラ様に暴露しやがって……ッ!!

 

 ああもうストレス発散ですわよォ!

 

「っ……エンチャント・フルストーム(魔法強化・暴風招来)! エンチャント・クリーブサンダー(魔法強化・雷を穿て)! 風よ全てを飲み込み荒れ狂えぇええええ!!」

 

 血反吐を吐きながら咄嗟に二重詠唱して嵐を解き放つ、さようならカンタレラ様……今のわたくしにとってあなたの存在は眩しすぎるのです!

 クソダサ同盟は今日この場で解散いたしましょう……短かったですが楽しかったです。

 

 呆気ないほど簡単に雷蛇を飲み込んだわたくしの嵐はそのままカンタレラ様ごと巻き込んで遥か地平線の彼方まで地面を削りながら吹き飛んでいった。

 嗚呼……お元気でカンタレラ様……見た目こそ派手ですがそこまで威力はないので(※シンシア基準)ちゃんと障壁張っていたら助かりますわ。

 さようならわたくしの初めてのお友達……(;-;)グスン

 

「…………ぁ」

 

 魔法翼が解けた、しまったなぁ咄嗟でしたからこちらに使用してた魔力を使っちまいましたわ。

 まあ慌てず騒がず落ち着いて、地面に激突するまで軽く10秒はあるので再度展開して「シンシア、大丈夫かい!?」ギョエッ! わたくしの身体を、おおおおお大人の男(非ショタ)が抱き抱えてるぅぅぅ!

 うぇっ! 気持ち悪い……吐きそう……っ!

 

 地面に降りてもずっと抱き抱えられて、寧ろより強く抱きしめてくるから本当に気持ち悪い。

 ああやめて、わたくしの思い出の王子ちゃまの感触が上書きされ(汚され)ちゃう!! うぇええええん>_<。あんまりですわぁあああぁあ!!

 

「へ……陛下……な、(何してくれるんですの離しなさいよ)……ゴホッ!」

 

「ああ、シンシア……済まない。僕の為にこんな身体で……済まない!」

 

「ゴホッ!(別に陛下の為じゃなくてショコラの頼みだったからですけど)……あなたのせいじゃありませんわよ」

 

 アレルギー反応(非ショタ接触反応)で段々と息を吸うのも意識を保つのも限界になってきましたわ、あ……ダメだコレ落ちるやつだわ。

 はぁ……やっぱり助けになんか来なければ良かったですわ。うっ(気絶)

 

 

 




クソダサ渾名2種類はルールで禁止スよね?



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