王位を継ぎそうにない好みのショタ第3王子を成長するまで愛でて放流する気だったのに気付いたら王妃にされて囲われてしまったんだけれども(白目) 作:ステラ
しかし彼女たちをよく思わない者たちの悪意は忍び寄っていて……?
ショーッタッタッタ!(笑い声)
皆さま聞いて下さる?(誰だよ)
毎日ショタと触れ合って癒されてるだけなのに「不遇な令嬢」とか「第3王子の生贄」だとか「侯爵家の政治道具」みたいに、何処かから勝手な噂を流されている可哀想な殿下の婚約者シンシア・ダイショスターキですわ〜!
わたくしは
せめて王子ちゃまの耳には届かない様にしていたのに、人の噂に戸は立てられないとはよく言ったものでして。伝わっちゃったみたいね。
「し……シンシアさま、その……噂をっ……」
いったい
うっ♡その角度は反則ですわ♡
まったくもう!
王子ちゃまに
さあここからが腕の見せ所!
王子ちゃまの言葉に気付かないフリをして普段通りに見えるよう取り繕うのですわ。
あくまで普段通りに取り繕っているだけで、実は気にしてる感じ……をワザと王子ちゃまに見せるのがポイントなのです。
「……あは、何のことでしょうか殿下? わたくしは何があっても平気ですわ、さあ……おいで」
こうして噂には気付いてるけど効いてないフリ、でも本当は少し気にしてるけど王子ちゃまの前では気丈に振る舞う演技(早口)をしてから、優しく抱き締めるのが
「ご、ごめんね……ボクが、ボクなんかといるから……っ!」
「大丈夫ですわ、だってわたくしにはあなた様が居るんですもの」
ここで普段は使わない“あなた様”という言葉で親密感をアピールし、より王子ちゃまの心を鷲掴みにするっていう寸法ですのよ!
これでよりわたくしに依存させられる。
ショーッタッタッタ!(笑い声)
いやぁそれにしても酷い噂を流す奴がいたものです。
こんな品のない噂を流すだなんて何が目的なのでしょうねぇ。
まぁぶっちゃけ噂を流した張本人ってわたくしの事なんですけれどもね?
だってそうでしょう?
他の場所はともかくこの離宮内の人員は侯爵家の人材で固めているのだからわたくしのことを悪く言うはずもなく。
王子ちゃま直属の使用人はわたくしが念入りに
無駄話なんか出来る筈もなく。
もちろんリアリティの為に実際に外でも同じように噂を流しているので発信源など誰も探れる訳もありません。
ぐぇへへへ。
まぁつまり何事も地産地消が良いって事ですわ〜♪
「さあ殿下、今日は本を読んでさしあげます。この前の続きでよかったですか?」
「……! う、うん。聞きたい」
ちょこんとわたくしの膝に収まる王子ちゃまを
内容はその辺に転がってそうな王子さまとお姫さまが苦難を乗り越えて結ばれるよくあるお話。
これがまぁ〜読むのが辛いのなんのったら(笑)
子ども向けに脚色されてますけど実はこれって何代か前の王様と王妃様の赤裸々な実話エピソードを脚色してあるものなのです。
いやぁ〜子ども用品にまでプロパガンダ仕込むなってお話ですわよねぇ、キッショいですわ。
わたくしみたいに少しでも歴史に教養がある者なら「いやお前にそんな男気なかっただろ」とか「お姫様こんなに美人じゃねーだろ」などと随所に仕込まれた腹痛ポイントに気付いて笑ってしまってw
とてもではないけれどマトモに読めやしないモノなんですけれど……(≧з≦)プププ
ま、そこは慣れたもの。
わたくしの手にかかれば誰もが憧れずにはいられない幸せな絵本の朗読会に変わりますのよ(*˘︶˘*)
「───こうして王子さまはお姫さまを苦しみから救い、ふたりは結ばれ末永く暮らしましたとさ。めでたしめでたし、ですわ〜♪」
「わー! カッコイイなぁ、ボクも……シンシア様をこんな風に守れたらいいなぁ(小声)」
「え? 今なにか仰いましたか?」
「! ううん、なんでもないよ!」
何かしらを口走った王子は、必死に何も言ってないよ! と誤魔化してます。
あらあら何て言ったのでしょう……
まぁなんて言ったかなんて普通に聞こえちゃっているんですけれどもね?
顔を赤くしてそっぽを向いた王子ちゃまに、なんでそんな風になってるか分からず首を傾げ微笑むわたくし。
横目でチラりとこちらを眺め聞こえていなかったことに胸を撫で下ろす王子ちゃま。
そんな感じに王子ちゃまからは見えるように演出してあげるのも忘れませんわ。
まったく♡
ショタのくせにお姉さんを守ろうだなんて生意気♡♡
可愛いぞそういう所♡♡♡
はぁ〜キュンキュンした!
もう少しで想像妊娠しちゃうところだったゾ。
「うふふ、それでは休憩をしましょう。今日はわたくしの好きな苺のお菓子ばかり揃えて来たんですよ?」
ふぅ……いやぁしかし驚いたさ。
こんな自分の身一つさえろくに守れもしない、何の力もないょゎょゎなショタガキでも一応は男の子なんですのねぇ(失笑)
あらヤダわたくしったらついつい笑ってしまいましたわ!
わたくしを守るだなんて言ってきた
ごめん遊ばせ王子ちゃま♪
「うん、ボクもシンシア様と食べる苺は好き!」
あ^〜♡
良いわァ……あ、そうだ(唐突)
今度画家を呼んでわたくし達の肖像画を描かせましょうねぇ。
ガキは直ぐ成長しちゃうから今の王子ちゃまを堪能出来る時間も限られちゃってますもの……あとから見返して想い出に浸る事も出来ますからね。
ウヒヒヒ、2ヶ月に1回ぐらいは描いて貰わないとですわねぇ……じゅるり!
あ〜今から楽しみですわ!
・10年後の王子さまと従者
「これは懐かしい、僕たちが初めて一緒に描いてもらった肖像画だ」
そう呟きクレス王は愛おしそうにその前で立ち、しばらく御覧になられておりました。
今よりも幼く愛らしい陛下と少女時代の王妃様方が仲睦まじくされておられる肖像画。
この離宮に所狭しと並べられているおふたりの肖像画のうちの1つです。
今では殆ど
見るもの全てを魅了する
この小さな体でどれ程の苦労をされていたか。
「幼い日の僕は愚かだった。侯爵家の令嬢であり学園を優秀な成績で卒業した彼女が、たかだか側室の子に過ぎない第3王子の婚約者になる事がどれだけの醜聞であり
宮中は伏魔殿であり魑魅魍魎が跋扈する魔窟。
その中を前王妃からの篤い支援を受ける第1王子と、有力貴族からの支持で磐石の態勢の第2王子。
彼らと正面切ってたったお一人で
「僭越ながら、私にはとても想像に及ばないご苦労をされた王妃様でございますが……どの肖像画でもとても美しく笑っておられます。陛下という
「そうかな……そうだと、いいな」
近年は肖像画を描くことさえ
しかし何時しかその表情に陰りが見受けられる様になる。
描かれた時期を顧みるに、これは王宮に血が流れた頃と
「今でもよく思うよ、あの時僕が彼女に助けを求めなければ……今でも彼女は僕の傍で
それは陛下が12歳の頃に起きた凄惨な事件。
王妃様がその身を賭して陛下の未来を守ろうと必死に戦われたあの事件。
私たちがもしあの時に陛下や王妃様のお傍に居られたら、不敬にもそう思わずにはいられないのです。
負けないでシンシア!
あんたが倒れてしまったら、残された王子ちゃまはどうなるって言うの!?
孤軍奮闘だけどあと少し耐えられれば2人はハッピーエンドに近付くんだから!
次回!
王子ちゃまが声変わりし始めちゃったんですけど!?(瀕死)
デュエルスタンバイ!!