アークガーディアン作戦が開始されてから
成功率は70%を達成しました。
その間に色々な事があった事をココに記します。
指揮官のアークへの避難、リリスの死亡
新リーダーとしてドロシーの就任と変化
紅蓮、スノーホワイトの思考転換と大きく変化しました
幸い、カルナが何処からか集めてきた物資により
数ヶ月は戦える程度の貯蓄となりましたが
彼の助言は以前までより遥かに多くなりましたが
元来の性格だったのでしょう、難解になりました
単独で寝ずの番を続ける彼に言葉をかけた時には
【お前は何故ここに居る?お前はやるべき事がある筈だ、ならば持ち場を離れるな、成すべき事を成さない者が何故ここに居る?】
っと叱られてしまいましたから…
最初こそ心配を無碍にされたと思い
ほんの少しだけ、悲しくなりましたが
彼の言葉を要約し簡素化した時に
答えがわかりました。
自身はこの程度で倒れる程、弱くは無い
だから、自身を心配するより怪我を負った
仲間を救ってやって欲しい、人死が出る事は
辛いだろうが、お前以外は出来ない事でもある
医薬品や医療品が無ければ自身が探索しに行く
っという事だと思います。
だからこそ、私は彼と良く話、言葉をドロシーに
私達のリーダーに伝える事にしました。
恐らく、今の余裕が少ないドロシーでは
彼の言葉を真に受けてしまい、彼が伝えようとする
事とは真反対の指示や行動をしてしまいそうですから。
そして彼は見張りを続けながら何時も最前線で
私達に損害が出ないように動き続けています
今日も4回の襲撃が有りましたが総てを
前線で抑え込み、休む事なく戦い続け
空いた時間を見張りと探索に注ぎ込み
医療品等を持ってきて下さいました。
スノーホワイトも彼に見張りを任せ
探索や量産型の皆様の整備に駐屯地の建築を
日夜続けています。勿論、休息は挟みながら
紅蓮もまた、哨戒に出たり探索に出たりと
日中は休む事なく動いています。思考転換で
2人は変わっていますが、根本にある
他者への慈しみの心は変わってはいませんね。
ドロシーも慣れないながらも、的確に指示を出し
何時も前線に出ては皆を守る戦いを見せています。
彼女にはもう少し自己愛を持って欲しいですが
本人は何処か達観した視点を持っていますから
…彼女が言った言葉通りならば、そうなる事も
無理はありません。
量産型の皆様も、自分達の出来うる限りの
動きを続け、フォーマンセルの動きを大切に
誰かを犠牲にする事無く、助け合う動きを見せ
成長をして行っております。
ですが、世界はそれでも残酷な様です。
1発の銃声が駐屯地に木霊しました。
その後、スノーホワイトが此方に歩いて来たのです。
「旅立たれたのですか?」
「あぁ」
「お名前は…いえ、無理だったのですね。」
「認識票にはケイトと書かれていた。それが本人の名前かどうかは分からないが」
「まさか、侵食個体が紛れ込んでおったとはな…」
「また、1人、勇敢な者を奪うとは…恐ろしいですね、侵食は」
「…はい。自我を奪う恐ろしい武器です」
「彼女ですら乗り越えられなかったのだ…私達を確実に殺す事ができる唯一の呪い」
「ですが、ここで止まる訳には行きません、指揮官に、リリーバイスに託されたのですから」
「「…」」
「私は祈りを捧げてきます。」
「死に向かい合い過ぎるのはいかんぞ、君の死と向き合う気持ちは分かるが、向き合い続けるのも、君にとっても酷である筈だ、ラプンツェルあまり死者に囚われるではないぞ?」
「分かっております。ですが、それが私の役目ですから」
私はスノーホワイトが歩いて来た方向に
歩みを進めました、それが私の出来る
役目であり、勤めですから。
ラプンツェルが歩き去っていく
墓を立て、弔い、祈るのだろう
「…本当に、昔の私のように頑固だのう」
「それがラプンツェルの信仰する教義であり、信条であり、勤めなのですから、必要以上の口出しは彼女に不要な負荷を課すだけです。私達は神では無いのですから被害をゼロにする事は出来ません、だから、見守りましょう。」
「これでも、カルナが被害を抑え続けている、そのお陰で量産型の損耗は少ない、カルナが居なかった時を考えれば遥かにだ、襲撃回数も、ここ最近の頻度を考えた場合、減少傾向にある。このまま行けば無事に作戦を終わらせることができる」
「後2ヶ月、耐えられれば…"人間"は生き残れます。地上ではなく、アークで」
「終わりは見えてきている。」
「長かったですね。今すぐに、おしまいという訳ではありませんが、それまで頑張りましょう!」
「では、私は探索に向かう」
スノーホワイトが来た方向とは別の
方向へと歩き去っていく。食糧探索だろう
「えぇ、お願いします、ですが無理はせずに」
「やれやれ。性格が変わってから、可愛げが薄くなってしまったの…さて、私も拙い技術ではあるが防壁作りを手伝ってくるさ」
「はい、紅蓮もお気を付けて、何か些細な変化でも異変があれば報告を」
「わかっておる」
紅蓮は量産型が作り続けている防御壁の建設
その手伝いの為に歩き出した。
全員が全員、成すべきことを成していく
感情は籠っているが、事務的と言える様に
柱であるリリーバイスを失った四人ではあるが
指揮官を避難させ、彼女を送り出したからこそ
彼女が生前に指揮官らと共に撮った写真
そして彼女が遺したメッセージが有るからこそ
今、四人は死に囚われる事無く、自身の脚で
誰かに依存や寄り掛かる行為無く歩けている
「あの、ドロシー様?本当にアークとは連絡を取らなくて宜しいのでしょうか…?」
「はい、構いませんよ、ピナ、私達は彼等と話す事は有りません。私達は成すべき事を成し、そして私達の楽園を作るだけですから。」
ピナからの疑問に対してドロシーは微笑みつつ
少し苦笑混じりに断固として意志を揺らさずに言う
そう、彼女はとある考えに既に行き着いていた
カルナの助言、全員の証言、そして最後に聞けた
アークからの指示、それによって決まったのだ
そう、彼女は"アークに裏切られている"事を予見した
もう、アークには自身らの住める環境など無いのだ
新世代のニケが既に製造、配属されているのだろう
そして自身らは語り継がれる、ただの伝説として
死んでくれた方が都合がいいと、気付いていたのだ
「アークには復讐心や憎悪が無いとは言いきれませんが捨てられた理由には納得していますから、現にカルナという生身の人間であり、人類史上最強の生き残るべき大英雄がアークに居らず、こうして居る訳ですもの。」
「楽園で生きたいとは思わないんですか?」
「思う事は有りますが、私達が最終的に討つ存在に与する者たちが何処に居るかも分からない、偽りの平和を謳歌出来る欺瞞の楽園に住んでいたら、私達が向けるべき矛先が鈍ってしまいますもの。」
それに、とドロシーは後の言葉を続けた
自身らが入れぬ楽園ならば、それはニケが生きれぬ世界
ならば、私達がニケも人間も平等に生きる事が許され
存分に平和を謳歌出来る、楽園を築けば良いのだ、と
「さて、戻りましょう、ピナ、今日は私達が食事当番ですから!」
「はい!頑張りましょう!ドロシー様!」
見付けては殺し、戻り、警戒する
それを繰り返し続ける、ただ機械的に
既に睡眠という概念を放棄し、戦闘のみに重きを置く
沐浴に演武は、全てが終わるまでしまいこむ
太陽神は今頃、怒りを顕にしているだろう
だが、すまない、俺は戦わなければならない
怠惰に休む暇も警戒を緩める暇も無いのだ
肉体が死ぬ事も、精神が死ぬ事も無いならば
この空腹という感覚も、疲労と言う感覚も
肉体を休めたいと言う感情も不必要なのだから
人間らしい営みなど俺には不要でしかない
今回は侵食型を取り逃した、不必要な犠牲を出した
次が有ると思うな、それは屑の考え方だ
「…───」
戦う事しか意味が無い、未来を知っているからと
慢心をしては誰かが犠牲になる、だから不要
未来で起こるだろう事をそれとなく伝える
未来が見えていると言い、全員を信用させる
それは盲信であり、俺が居なくなった場合を
考えない行為でしかない、ならばやる訳が無い
だから、俺は常に先手を打ち続けるのみ
手に持つ無線機の電源を入れ、ドロシーに伝える
「此方、カルナ、哨戒に出る、援護は要らん」
『…?分かりました、ですが無理は禁物です、今は誰も欠けてはならないのですから。』
「了解した、だが、かまけるな、俺を宛にするな、お前達はお前達で動け、指示待ち人間はココに要らん」
『えぇ、私は深く理解しています、今、貴方に負担掛け続けて居る事も、ですから出来る限りの事をさせて下さい。』
それだけを伝えた俺は無線を切る
彼女に上手く伝える事はラプンツェルに任せている
彼女は俺の言葉を理解できていないが
ラプンツェルという通訳を通せば分かって貰える
俺という存在は何処までも使えない男だ
満足に会話すら出来ないとは屑でしかない
だが、そんな事を考えている暇は無い
既に一万と少しの距離に敵が見えるのだ
先日が偵察である事を理解出来るほどの
大規模なラプチャーの砲撃部隊が存在している
更に前衛は硬めのラプチャーで固めるという
俺達の拠点を破壊する事を目標とした様な
大軍団に対して僅かに怒りが湧くが冷静に
魔力量を考えながら高速移動を使用し
手に持つ槍に魔力を纏わせる、宝具を持って
最速で終わらせ、直ぐに帰る為に
「
」
魔力を上手く扱えただろう
範囲攻撃能力を持つ砲撃部隊は壊滅させながら
そこまで攻撃能力の持たない前衛ラプチャーのみを
残すという結果にて終わらせられた
つまり、ココから唯の蹂躙となるのだ
手に戻した黄金の槍を高速で移動しながら
一撃一撃にてコアを抉り、斬り、穿つ
逃げようとするラプチャーを優先的に殺す
鉄屑の山を築いた時には既にラプチャーは
蹂躙しきり、1機も残す事なく山の材料に
変化させ切った、中には空中型や修復型らしき
鉄屑も居たが、空に飛ぼうが直そうが
俺から逃げる事なぞ不可という結果でしか無い
すると無線機に通信が入った為出る
『カルナ!生きていますか!カルナ!』
「ラプンツェルか、どうかしたか」
『大規模な戦闘音がした為、ドロシーに確認をした所、貴方が一人で哨戒に出たと聞いたのです。無理はしていませんか?怪我は?身体に異変はありませんか?』
「問題ない、何も不調なぞない」
オイルに塗れた槍を最後に殺したラプチャーの
コアから抜き取り、素早く振るいオイルを飛ばす
『ホッ…無事ならば良かったです…ですが何故、戦闘に入る前に連絡を下さらなかったのですか…?』
「砲撃型多数の戦場であり、早期対処しなければ拠点がやられていた、そして拠点近くになればスノーホワイトが早期発見可能と判断し、早期対応を敢行した」
『…分かりました、ですが戻ってきたら休憩を取ってくださいね?コレは貴方の仲間、全員の意見です。』
「…善処しよう」
『絶対です!では、無理をなさらず無事に帰還して下さいね?』
必ずですよ。と念を押され通信が途絶した
…どう言い訳をした所で、今回は通らない
どうしたとしても休憩を取らされるだろう
ならば今回は引き下がり、休憩を取る事にする
英雄は真の意味で理解されるのだろうか?