生徒会室の扉は、いつも重い。
配置希望の名簿を封筒に入れて、放課後の廊下を歩いた。平田くんが持っていくと言ったのを断ったのは、別に意地を張ったわけではない。
この用件だけは、他の誰かに預けたくなかった。
理由を訊かれても、うまく説明できる気がしない。だから訊かれる前に断った。
本当は、理由なら分かっている。誰かに任せれば、その誰かが兄の顔を見ることになる。兄がどんな顔で、どんな声で応対するかを、私以外の誰にも晒したくなかった。
それを庇っていると呼ぶのか、隠していると呼ぶのか、自分でもまだ決めかねている。
四階の一番奥。扉を二度叩いて、名前と用件を告げる。
「入れ」
声だけで、誰の部屋かが分かる。抑揚がほとんど無く、こちらの都合を尋ねる気配が最初から無い声だった。
中には三人いた。書記の方と、会計と、それから奥の机に一人。
「一年Dクラス、堀北鈴音です。体育祭の配置希望の名簿を提出に来ました」
「そこへ置け」
兄は顔も上げなかった。
出したものが、そのまま出場者の表になるわけではない。四クラス分の希望を突き合わせて、生徒会がもう一度組み直す。正式な出場者名簿が各クラスへ戻ってくるのは、本番の一週間前だと平田くんが言っていた。
今日渡すのは、その材料でしかない。
書類の束を左から右へ移しながら、一定の速度で手だけが動いている。この人は、いつもこうだ。
何かをしながら別の何かを済ませて、そのどちらにも遅れが出ない。
机の上に封筒を置いた。
置いてしまえば用は終わる。終わるのに、足がすぐには動かなかった。
用が済んだ後も突っ立っている生徒を、この人がどう見るかは分かっていた。無駄な滞在、非効率な判断力。それでも足が動かなかったのは、認められる材料をもう一つ探していたからだと思う。
見つかるはずもないのに。
扉の脇の壁に、行事の割り振り表が貼ってあった。体育祭の運営担当が、係ごとに名前で埋まっている。進行、記録、用具、放送。一番上の欄に、兄の名前があった。
生徒会が行事の運営に噛んでいるとは聞いていたが、ここまで細かく人を割り振っているとは思わなかった。誰がどこで何をするか、全部この部屋で決まっている。
自分の名前がどこにも無いことを、少しだけ確かめた。無いことに安堵したのか、落胆したのか、それも分からなかった。
「見て回るなら、邪魔にならんところでやれ」
顔は上げないままだった。見ていないのに、見えている。
「……失礼しました」
「一つ訊く」
手が止まった。書類の束が、机の上で揃えられる音がした。
「Dクラスは、今度の行事で何位を取るつもりだ」
「……最下位は避けます」
「……」
無視をされた。
失望も期待も入っていない。入れる価値が無いと判断された、というだけだった。
最下位を避ける、という答えが、この人にとってどれほど低い目標であるかは分かっていた。分かっていて、それ以上を言えなかった。今のDクラスの実情を、正直に答えただけだ。
見栄を張れば、すぐに見抜かれる。この人にだけは、見栄が通じたことが一度も無い。
「まだ何かあるのか」
「……いいえ」
「ならば戻れ」
顔を上げないまま、そう言われた。
扉を閉める直前、書記の二年生が「堀北先輩の妹さんですよね」と小声で言うのが聞こえた。誰かがそれを制した。
知られている、という事実には、もう驚かなくなっていた。この学校で、堀北という名前を知らない生徒の方が少ない。
廊下に出て、扉が閉まる音を背中で聞いた。
五月の夜から、四か月が経っている。
あの夜のことを、兄は一度も口にしない。私も口にしない。掴まれた手首の痕は、とうに消えた。消えたものは、無かったことと同じ扱いになる。この人はそういう理屈で生きていて、私はその理屈を否定できない。
あの夜のことは、今でも時々、断片だけがよみがえる。廊下の明かりが半分落ちていたこと。声を出す前に喉が動かなかったこと。掴まれた手首より先に、頭のどこかで「兄に見捨てられる」と思ったこと。
赤木くんが間に入った瞬間のことは、不思議なくらい覚えていない。気づいたら終わっていた、という方が近い。
終わった後、礼を言ったかどうかも覚えていない。多分、言えなかった。あの状況で咄嗟に言葉が出るほど、自分は出来た人間ではない。
否定できないまま、それでもこの人に認められたくて、まだここにいる。
情けない話だと思う。
あの夜、間に入ったのも赤木くんだった。頼んだ覚えは無い。向こうが勝手に、まるで通りすがりに何かを拾うような顔で割り込んできただけだ。
頼まれてもいないのに動く人間と、頼まれても動けない人間。どちらが情けないのか、わかっていた。
「堀北さん」
階段の踊り場で、声をかけられた。
杖の音が先に聞こえていたので、驚きはしなかった。驚きはしなかったが、足は止まった。
坂柳有栖。
Aクラスの実質的な代表で、体育祭では同じ赤組。話したことは、ほとんどない。合同の打ち合わせで、遠くから見ただけだ。
それでも、名前と評判くらいは知っていた。Aクラスの誰もが、この人の前では言葉を選ぶ。理由を訊いたことは無いが、選ばなければ何かを失う、という空気だけは伝わってくる。
なぜ今、自分に、と思った。思っただけで、顔には出さなかったつもりだ。
「お名前を存じ上げないわけではないのですけれど、こうしてお話しするのは初めてですね」
「何か用かしら」
「ええ。少しだけ、お時間をいただけますか」
断る理由を探したが、見つからなかった。この人が用も無く人を呼び止める種類の人間でないことだけは、見ていれば分かる。
踊り場の窓際まで移動した。人が通らない場所を、この人は正確に選んでいた。
「先に申し上げておきますと、脅しに来たわけではありません」
前置きが、既に脅しの形をしていた。
「体育祭のことだったら、平田くんを通してもらえるかしら」
「体育祭の話ではありません」
坂柳さんは杖の位置を直して、それから、ごく普通の世間話をするような声で言った。
「五月八日の夜、寮の裏手で何があったかを、私は存じております」
音が、遠くなった。
窓の外で誰かが笑っている。運動部の掛け声が聞こえる。全部そのまま続いているのに、その全部が急に薄い膜の向こう側へ行った。
指先から体温が引いていくのが分かった。表情筋だけは、辛うじて動かさずにいられたと思う。多分、辛うじて。
「……何の話かしら」
「とぼけていただいても構いません。私はただ、知っているという事実をお伝えに来ただけですので」
「根拠のない話をされても困るわ」
「では、根拠の話をしましょうか」
坂柳さんは、一度も声を荒げなかった。
「あの夜、そこにいらしたのは四人。堀北学先輩、あなた、それから赤木くん。それに、もうお一人いらっしゃいましたね」
私は答えなかった。
答えられなかった。
「手首を掴まれたのは、右でしたか、左でしたか」
「――やめて」
初めて、声が出た。
自分の声とは思えないくらい、掠れていた。喉の奥が、勝手に強張っていた。抑えようとして、抑えきれなかったのは、これが初めてだった。
坂柳さんは、満足そうな顔も、勝ち誇った顔もしなかった。ただ、確認が済んだという顔をしていた。
「失礼しました。確かめる必要があったものですから」
頭の中で、数を数えていた。
あの夜のことを知っている人間は、四人しかいない。
兄。話すはずがない。話せば真っ先に自分が終わる。
私。誰にも話していない。四か月、一度も。
赤木くん。
――違う。
これは考えるまでもなかった。いや、考えることさえ拒絶していた。
彼が、この件を誰かに売るくらいなら、私はこれまで自分が見てきたもの全部を疑わなければならない。彼は、手にした切っ掛けを四か月も口に出さずにいられる人間で、そのまま一生黙っていられる人間でもある。私はそれを、この目で何度も見ている。
須藤くんの一件で、彼は自分の全財産を出した。見返りを一切求めなかった。あれができる人間が、今更これしきの話を売るとは思えない。
もし赤木くんが、私を売ったのだとしたら。
その時、私はもう、自分自身の目も、かろうじで狂わずに立っている今の正気すらも保てなくなる。
そんな人間だとは思えない。思いたくない、という願望が混ざっていることは、自分でも分かっている。それでも、これまでの五か月で積み上げた確信の方が、今日一日の疑いより重かった。
だから、残りは一人。
綾小路くん。
あの夜、彼はそこにいた。助けられなかった、と後で私に言った。正確には、助ける前に赤木の方が先に助けた、と。
見ていたの、と私は訊いた。
ああ、と彼は答えた。
あれが最初だった。
あの翌日から、四か月。人目のない時間と場所だけを選んで、断片を渡し合ってきた。特別棟の空き教室、寮の非常階段、購買の裏。証拠はその場で処分した。誰にも言わなかった。赤木くんにも言わなかった。
言わなかったのは、私が守りたいものがあったからだ。
彼の方にも、守りたいものがあるのだと思っていた。
知られれば、また勝手に何かをされる。あの夜のように。
それが嫌だったのか、有難かったのか、今でも判別がつかない。
綾小路くんのことも、本当のところはよく分かっていない。五か月、隣にいるようで、いない人のようでもあった。困った時に現れて、必要な分だけを渡して、それ以上は踏み込んでこない。
今日まで、それを都合がいいとしか思っていなかった。売られて初めて、それが都合の良さではなく、単なる無関心だったのかもしれないと思い始めている。
防犯カメラの死角だったはずだとか、違う第三者がどこかの物陰から見ていた可能性もないわけではない。坂柳さんと綾小路くんに接点があるという話も聞いたことがなかった。
だから断定はできない。できないけれど、直感が十中八九、綾小路くんだと告げていた。
――けれど、なぜ?
彼は何を思って、私との不可侵を破り、坂柳さんに情報を差し出したのか。理由だけが、いくら考えても霧の向こう側にあった。
「……どこから聞いたの」
「申し上げられません」
「答えられないのではなく、答えない、ということね」
「ええ」
「なら、もういいわ」
訊く必要が無かった。
坂柳有栖は、嘘をつくのが下手な人ではない。この人が「申し上げられません」と言ったということは、名前を伏せる約束を誰かとしたということ。
膝の裏から力が抜けそうになるのを、こらえた。
顔には出さなかったと思う。出ていたとしても、この人はそれを指摘しない。指摘する必要が無いからだ。
「では、本題を」
坂柳さんは、ふふっと笑った。
「この話が外に出た場合、どうなるとお思いですか」
「……兄は、何もしていないわ」
「そうかもしれません。ですが、私が申し上げているのは、事実の話ではないのです」
「証拠は無いはずよ。目撃者が四人と言うなら、そのうち二人は身内で、残り二人が話す理由も無い」
「ご指摘の通りです。証拠も、証言も、恐らく最後まで出てこないでしょう」
「なら」
「ですが、堀北さん。人の評判というものは、証明された事実だけで動くわけではありません。囁かれた、というだけで、既に半分は決まってしまうものです」
言い返す言葉を探したが、見つからなかった。この人の言う通りだった。噂は、正しさを必要としない。
分かっていた。
真偽の精査を待ってくれる種類の話ではない。生徒会長が、深夜の校舎裏で、妹に手を上げた。それが本当かどうかを確かめる前に、人はその一文を口に乗せる。乗った時点で、あの人が積み上げたものは終わる。
争えば広がる。否定すれば、否定するだけの材料があると受け取られる。誰かに相談すれば、その誰かが知ることになる。
出口が、最初から用意されていない。
「何が望みなの」
「私はあなたに、何かを強要するつもりはありません。ただ、一つだけ席をご用意しました」
「席」
「勝負です」
その言葉が出た瞬間、少しだけ、頭が冷えた。
賭け事に例えられた瞬間、頭のどこかで警戒が強まった。この手の話し方をする人間に、公正な勝負を持ちかけられた例を、私はこれまで一つも知らない。
それでも、選べる立場にはなかった。
条件があるということは、少なくとも交渉の形をしているということだ。何も要求されないまま握られ続けるより、よほどましだった。
「あなたが勝てば、この件は破棄します。私の口からも、他の誰の口からも、二度と出ません」
「負ければ」
「出ます」
短かった。
「種目は、後日お伝えします。走る必要も、書く必要もありません。学力も体力も一切関係のない、読み合いの勝負とだけ」
「相手は」
坂柳さんは、そこで初めて少しだけ間を置いた。
「赤木くんです」
「――は」
聞き間違いだと思った。
よりによって、なぜ彼が出てくるのか。この話に一番遠いところにいるはずの人間の名前が、一番近い場所から出てきた。
でも同時に腑に落ちた。
――ああ、そうか。
綾小路くんだ。間違いなく、彼だ。
坂柳さんが赤木くんという存在をピンポイントで指定し、私にとって最も引き下がれない質草として盤上に据えて見せた理由。あの夜の出来事だけでなく、赤木くんが私にとって、そしてこのクラスにとってどういう位置にいる人間かまで正確に把握していなければ、こんな手は打てない。
あの夜の状況と、赤木くんという人間の価値。その二つをセットで坂柳さんに差し出せる人間は、綾小路くんしかいない。
「赤木くんに、あなたの対戦相手として座っていただきます」
「……なぜ」
「私の都合です」
「答えになっていないわ」
「ええ。ですが、条件は条件ですので」
坂柳さんは、そこで言葉を選ぶ素振りすら見せなかった。用意してきた台詞をそのまま置いただけ、という喋り方だった。
「もう一つだけ、申し上げておきます。赤木くんの身には、この勝負で何も懸かりません。勝っても負けても、赤木くんが失うものは一つもない」
「……なら、彼が出る理由も無いでしょう」
「そうですね」
坂柳さんは頷いた。
「ですから、お願いするのはあなたです」
「断ったら」
「どうぞ、ご自由に」
坂柳さんは、拍子抜けするほどあっさりと言った。
「私は何も困りません。席を用意した、という事実だけが残ります。用意された席に座らなかったのは、あなたのご判断です」
「……それは」
「後から、誰かに説明する機会があるかもしれませんね。その時に、勝負を受けなかったのはご自分だと、説明できるようにしておかれるとよろしいかと」
逃げ道が一つも無いわけではない、という言い方をしながら、逃げた後の景色まで先に見せてくる。
この人は、追い詰め方を知っている。
足元が、抜けた気がした。
つまり、私が行くしかない。
赤木くんのところへ行って、事情を話して、座ってくれと頼む。そういう形にしてある。
五か月、一度も頼まなかった。頼まないことだけを選んできた。彼が自由に動けるようにするために、私は自分の事情を彼の視界から外し続けてきた。須藤くんの一点を払われた時も結局彼は私が依頼する前に救うことを決めていた、五月八日の夜も、私は結局、頼んでいない。向こうが勝手にやっただけだ。
それを、今度は自分の口で言わなければならない。
あの夜を発端に、赤木くんを巻き込むことを。
一番、言いたくない相手に。
「……ずいぶん、手の込んだことをするのね」
「褒め言葉として受け取っておきます」
「褒めていないわ」
「存じております」
坂柳さんは、杖を突いて向きを変えた。
「期限は体育祭の当日までです。それまでにお返事をいただければ結構ですが、早い方がよろしいかと。準備の時間は、誰にとっても同じだけしかありませんので」
「一つ、訊いていいかしら」
「どうぞ」
「あなたは、私が赤木くんに頼むと思っているのね」
坂柳さんは、そこで初めてこちらを正面から見た。
「思っておりません」
「あなたが、どれだけそれを嫌がるかは存じております。ですから、思ってはおりません。ただ……」
杖の先が、床を一度だけ叩いた。
「お兄様と、ご自分の矜持と。どちらを先に手放すかという話でしたら、答えは決まっているでしょう」
返す言葉が無かった。
この人は、私が何を大事にしているかを知った上で、その順番まで正確に並べている。
杖の音が、階段を降りていった。
一人になってから、ようやく壁に手をついた。
教室の前まで戻ったところで、平田くんが出てくるのと鉢合わせた。
「あ、堀北さん。名簿、出せた?」
「ええ」
「よかった。……なんか、顔色悪くない?」
「そう見えるなら、疲れているのでしょうね」
「無理しないでよ。何かあったら言って」
言えるなら、とっくに言っている。
この人に話せば、この人が知ることになる。知った上で黙っていられる人ではない。誰かを助けようとして、必ず誰かに相談する。それがこの人の良いところで、今の私にとっては、致命的に相性が悪い。
「ありがとう。大丈夫よ」
平田くんは少しだけ何か言いたそうにして、それから頷いた。
教室に戻る気にはなれなかった。
寮への道を、遠回りして歩いた。
頭の中で、順番に並べ直した。
兄の名前が乗っている。これは動かせない。
外に出た経路は一本しかなく、その一本が誰なのかも、もう分かっている。
そして、助かる道は一つだけ用意されていて、その一つを通るためには、私が五か月守ってきたものを自分で壊さなければならない。
よく出来ている、と思った。
腹立たしいほどに。
彼をクラスの輪に入れなかったのも、結局は同じ理由だったのかもしれない。近づけなければ、見せずに済む。そう思っていた節が、自分でもある。
その用心が、今日で無駄になる。
坂柳有栖は、私のことを何も知らないはずだった。話したこともない。それなのに、私が一番やりたくない形を正確に選んでいる。
……いいえ。
知らないのではない。
あの人に、私のことを教えた人間がいる。それだけの話だ。
端末を取り出して、連絡先の一覧を開いた。
上から三番目に、綾小路くんの名前がある。登録したのは五月の初めで、以来、この名前に用件を送ったのは片手で数えられる回数しかない。全部、場所と時間だけの短い文面だった。
指が止まった。
何を訊くつもりなのか、自分でも分からなかった。
なぜ話したのか。いくらで売ったのか。四か月の間、どの時点で決めたのか。――どれを訊いても、返ってくる答えは想像がつく。あの人は嘘をつかない。訊かれたことには答える。答えた上で、こちらが次に何を訊けばいいか分からなくなる場所まで、正確に連れていく。
それに、問い詰めたところで、兄の名前が乗っている状況は少しも動かない。
端末を閉じた。
怒るのは、後でもできる。
……後で、というのが本当に来るのかどうかも、今は分からなかったけれど。
歩きながら、一度だけ空を見た。
夕方の色をしていた。九月の、まだ夏の残っている空だった。
彼に何と言えばいいのか、まだ言葉が組み立てられていない。兄のことから話すのか、坂柳さんのことから話すのか、それとも勝負の中身から話すのか。どの順番で並べても、惨めさの総量は変わらない気がした。
それでも、遠回りしている暇は無い。
赤木くんに話す。
それしか道がないのなら、そうするしかない。
ただ、話した後のことを、私はまだ一つも考えられていなかった。
決着をつけてほしいのはどれ?
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坂柳との再戦
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龍園との貸借
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綾小路との関係
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堀北との距離感
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櫛田との停戦