盲目の代打ち・市川との、生死を賭けた一局。それを制した直後、十三歳の赤木しげるは、勝利の余韻でも高揚でもなく、ただつまらなそうな顔で夜の中へ歩き去った。
【挿絵表示】
次に目を開けたとき、そこは見知らぬ寮の一室だった。
畳もなければ、煙草の匂いもない。清潔すぎる部屋に残されていたのは、名前だけが刷られた一枚の学生証。誰が用意したのかは、わからない。わかる必要もない。台が変わっただけのことだ。
流れに乗って辿り着いた先は、政府が設立した完全実力主義の学校――高度育成高等学校の入学式だった。クラスポイント、プライベートポイント、そして条件を満たせなかった者は退学。壇上の教師が並べる言葉を、新入生たちは校則として聞いている。
赤木には、そう聞こえなかった。
これは、賭場の話だ。
正体を隠して立ち回る綾小路清隆。恐怖でクラスを支配する龍園翔。誰も彼もが、命を賭けている自覚のないまま、命懸けの勝負に座らされている。
「命を賭けない勝負など、ただのおあそびだろ……?」
死線をくぐってきた十三歳の代打ちが、この盆から目を逸らすはずがない。
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次に目を開けたとき、そこは見知らぬ寮の一室だった。
畳もなければ、煙草の匂いもない。清潔すぎる部屋に残されていたのは、名前だけが刷られた一枚の学生証。誰が用意したのかは、わからない。わかる必要もない。台が変わっただけのことだ。
流れに乗って辿り着いた先は、政府が設立した完全実力主義の学校――高度育成高等学校の入学式だった。クラスポイント、プライベートポイント、そして条件を満たせなかった者は退学。壇上の教師が並べる言葉を、新入生たちは校則として聞いている。
赤木には、そう聞こえなかった。
これは、賭場の話だ。
正体を隠して立ち回る綾小路清隆。恐怖でクラスを支配する龍園翔。誰も彼もが、命を賭けている自覚のないまま、命懸けの勝負に座らされている。
「命を賭けない勝負など、ただのおあそびだろ……?」
死線をくぐってきた十三歳の代打ちが、この盆から目を逸らすはずがない。