黒龍物語   作:一芽

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次話です。
ゴジラ要素、ドラクエ要素が今回かなり薄くなってますのでご了承ください
ほそれと、リュカの名前は小説版から取ってますが、基本的にリメイク版などで仲間になるモンスターもいますので、小説版とはまた違ったリュカになる感じです。


グランバニアの王と愉快な仲間たち

 バーダックを助けようと崩壊する惑星ベジータへと突っ込むクロマであったが、惑星ベジータの爆発に巻き込まれてしまう。

 

 そして、見覚えのない寝室で目覚めたクロマは、自分を助けてくれたグランバニアの王リュカに出逢った。

 いったい自分に何が起きたのかわからないクロマであったが、ひとまずは休息をとることにしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 薄暗い海底、そんな海底にクロマはいた。

 

「…どこだここ…海底?…ん?」

 

 クロマは自分の頭を触った瞬間、謎の違和感を感じた。

 

「…なんだこの感じ…」

  

 まるでトカゲの皮膚のような感触だったので、クロマは近くに沈んでいた鏡の破片を覗き込む。

 

「…なぁ!?」

 

 クロマは鏡に映し出された自分の姿に愕然とした。

 

「…う、嘘だ…!オレはこんなんじゃない…!」

 

 クロマは鏡に映る自分の姿を認めたくなかった。

 

 なぜならば、鏡に映し出されたクロマの姿は、本来のクロマの姿とかけ離れていたのだ。

 

「…ああああ…!!」

 

 クロマはただ唸ることしかできなかった。

 

 自身の黒き巨体の龍の身体を揺らしながら…。

 

 

 

 

 

「ハァッ!?…ゆ、夢か…」

 

 クロマは、体中から大量の汗を流しながら目を覚ました。

 

「…それにしても、あれはなんだったんだ…」

 

 夢の中の自分が、黒い巨体を持つ凶悪そうな顔の龍になっていたことがクロマの脳裏に焼き付いていた。

 

「……」

 

 クロマは、龍となった自分の姿が気になって仕方なかったが、今は深く考えないことし、ベッドから降りてリュカの元へと行くことにした。

 

 

 

 

 

「……おはよう」

 

 身体の痛みもある程度引いたクロマは、玉座にいるリュカの元へと来た。

 

「おはよう、昨日はゆっくり休めたかい?」

 

「う、うん…」

 

 優しい声で心配してくれるリュカを観て、クロマはぎこちない返事をした。

 

「それは良かった、いろいろ話すことはあるだろうけどまずは朝食を取ってからにしような坊や…って君の名前を聞いてなかったな…」

 

 リュカは苦笑いを浮かべながら言う。

 

「クロマ…」

 

「クロマ君って言うのか!よろしく!」

 

 名を名乗ったクロマの頭をリュカは優しく撫でた。

 

「……」

 

 クロマはただただ黙っていた。

 

 その後、リュカやリュカの家族と共に食事をした。

 ただ、リュカの娘と妻はどうやら、ラインハットという国にいるらしく、グランバニアにいる家族は、一緒に朝食を食べた息子の『ティミー』と召使いの『サンチョ』、叔父の『オジロン』くらいであった。

 

 だが、寂しいものかと思ったらそうではなく、リュカの仲間である個性豊かな面々も食事に参加していたからだ。

 

「クロマって言うのかぁ!君って人間?魔物?」

 

 興味深くクロマに質問責めするスライムの『スラリン』

 

「こらスラリン、クロマ君の食事を邪魔してはいけないだろ」

 

 スラリンを怒る小さな騎士であるスライムナイトの『ピエール』

 

「フニャ~ン」 

 

 リュカの近くでリュカに体を擦り付けるキラーパンサーの『プックル』

 

「おいマーリン!人の飯横取りするなよ!」

 

「お主が太るのが可哀想じゃから代わりにワシが食ってやるわい」

 

 朝っぱらから口喧嘩をする二人、片方のドワーフはザイル、もう片方の魔法使いはマーリンであり、この個性豊かなドワーフと魔物達は皆リュカの仲間である。

 

「みんな静かに食べなよ」

 

 スラリンやザイルに怒る少年ティミー、彼はリュカの息子にして伝説の勇者らしい。

クロマは勇者のことについてそこまで凄いとは思っていなかったようだ。

 

「騒がしいですな…」

 

 召使いにして食事を作ったサンチョが呆れ顔で言う。

 

「まあ、寂しいよりは良いではないか」

 

 オジロンの場合は特に気にしておらず、むしろ楽しそうな感じであった。

 

「……ハァ…」

 

 騒がしい光景にクロマは溜め息を漏らした。

 

 

 

 

 そして、朝食を終えたクロマは、リュカとやっと話せる時間ができ、お互いにいろいろと知ってることを話した。

 

「…惑星ベジータなんて初めて聞いたな…星なんて月や太陽とかくらいしか意識してないからね…」

 

 リュカは、クロマが聞いたことのない惑星ベジータの人間、サイヤ人であることを理解するのに少し追いついていなかった。

 

「…ここもオレ達サイヤ人みたいな強い奴が多いんだな…」

 

 クロマの方は、リュカ達の強さなどについてある程度知れてどこか興味深そうな表情であった。

 

「それにしても、君の育ての親バーダックさんについては本当にわからないから困ったな…」

 

「………」

 

 バーダックについては、リュカにそれらしい者がいたという報告があったわけでもないので、生きてたとしてもどこにいるか不明であった。

 

「…オレ、どうしようか…」

 

 クロマは小声で呟き、その呟きをリュカはしっかりと聞き取っていた。

 

「ひとまずはこの国で暮らさないかな?バーダックさんについては他の国とも協力して探すのを手伝ってもらうから」

 

「…ありがとう…じゃあ、頼む…」

 

 見ず知らずのクロマに対し、ここまで思ってくれるリュカを観て、クロマはどこか安心感に包まれていた。

 

「君も強いとはいえ、まだ小さな子どもだからね…無理はさせられないよ」

 

 そう言うリュカの表情は、どこか辛そうな感じが見られた。

 

「とりあえずはビアンカ達がいるラインハットへと向かおう、あの国とは前から親交があるからきっと協力してくれるさ」

 

 リュカは優しい笑みを浮かべて言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてリュカは、ラインハットへの出発の準備を終わらせてクロマや仲間の魔物達と 共にラインハットへとルーラで跳んだ。

 

 

 

 

 

 

「ここがラインハット…」

 

 クロマは賑やかなラインハットの城下町を見て、少し驚いた様子であった。

 

「クロマよぉ、お前はこういう所は初めてなのか?」

 

 共に来ていた魔物、アンクルホーンの『アンクル』が、クロマに聞いてくる。

 

「あ、ああ……惑星ベジータの感じとはいろいろと違ってな…」

 

 クロマも戸惑いながらも返事をする。

 

「アハハ…じゃあ、城へと行こうか」

 

少し苦笑いを見せるリュカは、先頭に立って城の方へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 ラインハットの城門も、グランバニアの国王であるリュカが来たなると顔パスで通ることができ、城の中に入ったリュカ達は玉座へと訪れた。

 

「久しぶりだねデール王」

 

 リュカは、玉座に座るラインハットの王『デール』に向かって御辞儀をして挨拶をし、クロマ以外の魔物達も上手くはないもののなんとか御辞儀をした。

 

「お久しぶりですリュカ王、奥方様とポピー姫なら上の階の兄ヘンリー達の部屋へとおられますが、どうやら他にも用がありそうですね…」

 

 デールは、魔物達と一緒に並んでいるクロマを一度見てからリュカに向かって言う。

 

「ああ…」

 

 リュカの表情も真剣となり、デールにクロマについてバーダックについて様々なことを話した。

サイヤ人や惑星ベジータ等のことについては、あえてリュカは喋らなかったため、デールはクロマをどこかの種族の子どもとして認識してくれ、バーダックの探索については快く協力してくれることになった。

 

 そして、クロマについての話は終わったが、どうやらまだ他の事で話すことがあるらしく、ただ話を聞いてもクロマは退屈になると思ったリュカは、上の階にいる『ビアンカ』や『ポピー』達に会うことを勧められ、クロマ自身も難しい話は好きではないので、アンクル達と共に上の階へと上がっていった。

 

「暗いところがあるが元気な子どもだと思わないかいデール?」

 

「そうですねリュカさん」

 

 リュカとデールは、特に観ている者がいないためか互いにいつもの呼び方で呼んでいた。

 

「じゃあ、ダーマ神殿や新たな魔物達の出現について話そうかデール…」

 

「はい…」

 

 二人は真剣な顔つきとなる。

 

 どうやら、この世界では何かあったらしいが、そんな事をサイヤ人クロマは知る由もなかった…。

 

 

 

 

 

 

 上の階に来たクロマ達は、見張りの兵士に案内されて大きな部屋へと案内された。

 

そこにいたのは、デールの兄にしてリュカの友である『ヘンリー』、ヘンリーの妻である『マリア』、

二人の息子『コリンズ』、そして、リュカの妻であるビアンカと娘のポピーもいた。

 

 クロマは最初は優しく接してくるビアンカやヘンリー達に戸惑ったが、コリンズやポピーに優しい笑顔を見せられて、だんだん戸惑いも薄れていった。

 

「へえ、クロマ君にはお兄さんみたいな人がいたの?」

 

 ビアンカがクロマが語ったラディッツについて聞いてくる。

 

「…うん、弱虫ラディッツなんて馬鹿にされてるけど、よく頑張る人だった」

 

 クロマは微笑を浮かべて言う。

 

「…あら、笑うと可愛い顔になりますね」

 

「だな」

 

 微笑を浮かべたクロマを観て、マリアとヘンリーは笑顔で言った。

 

「…可愛い顔…」

 

 クロマは可愛い顔と言われるのは初めてだったため、恥ずかしくなって顔を赤面させる。

 

「おいクロマ!顔が真っ赤だな!アハハハ!」

 

 コリンズは面白そうに笑いながら言った。

 

「コラ!コリンズ!笑うなんて失礼でしょ!」

 

 ポピーは顔を真っ赤にしてコリンズに怒る。

 

「ポピーちゃんの言うとおりだぞコリンズ!お前は礼儀ってものがなってない!」

 

「「「「え…?」」」」

 

 ヘンリーの礼儀発言に、クロマを除く三人は反応に困った声が漏れて重なった。

 

「…オレにだって礼儀くらいあるじゃないか…」

 

 ヘンリーは三人の反応に少し涙目で言った。

 

「…変わったおじさん…」

 

 クロマは変な目でヘンリーを見て、小さな声で呟いた。

 

 

 

 

 

 

 それから一時間くらい、クロマはヘンリー達と雑談したりなどしたりし、デールと話を終わらせたリュカも部屋へとやってきた。

 

「お待たせ、ビアンカとポピーも」

 

「リュカ、あなた本当に話が長いわね…」

 

 ビアンカは呆れた顔でリュカを観るが、リュカの方はそんなビアンカの発言が耳に入っておらず、ヘンリーと話し始めた。

 

「お母さん…」

 

 ポピーがなんとも言えない顔でビアンカの方を観ると、ビアンカは「…いいのよ、慣れたから」と返した。

 

「そう言えばクロマ君、バーダックさんの捜索の件はデール王が協力してくれることになったよ」

 

 ヘンリーとの話を終えたリュカがクロマに言う、クロマの方は表情には出してないがどこか嬉しそうな感じが出てるのをリュカは感じた。

 

「…それと君の身元なんだけど、バーダックさんが見つかるまではどこかで預かってもらうことになるんだけど、僕はグランバニアで預かろうと考えてるんだ、それについてクロマ君、それにビアンカとポピーはどう思う?」

 

 クロマの身元をグランバニアで預かるという考えに、クロマ自身は言葉に詰まっていたが、ビアンカやポピーの方は特に難しい表情でもなく、どこか慣れたような表情であった。

 

「良いんじゃない、あれだけ魔物がいるんだし、この子一人の身元預かるくらいなんとかなるでしょ」

 

「あたしもお母さんと同じかな」

 

 ビアンカとポピーは、リュカに懐いた魔物達がグランバニアでたくさん暮らしてる時点で、今更クロマのような小さな子どもの身元を預かることは別に大きな問題ではないと確信できていた。

 むしろ、一時的だろうが家族が増えるのはビアンカ達にとって嬉しいことであったのだ。

 

「二人は大丈夫なようだね、だけど、それを最終的に決めるのはクロマ君だ、大丈夫だよ…そんなに急がなくても良いし、他の所で預かってもらうというのも「いや…おじさん達の所にいる」…ありゃ?」

 

 クロマがあまりにも早く返事を、しかも、グランバニアにいることを選んだので、リュカは少し驚いた表情になった。

 

「本当に良いのかい?グランバニアは広いけど、そのぶん騒がしいだろうから、君にとってはいちいち気になるようなことばかりかもしれないけど?」

 

 リュカは念入りにクロマに言う、いくら子どもの決めたことでも、もしかしたら、身元を預かるのが年単位になったらまだ小さなクロマに構っていられる時間が減って寂しさを感じさせると思ったからだ。

 

「大丈夫…元々騒がしいのは慣れてるから…それに、リュカおじさんと一緒にいたらいろいろと学べそうだし…」 

 

 クロマがいた惑星ベジータ自体、年中騒がしいサイヤ人達の星であるので、グランバニアにいるスラリンなどの魔物達が騒がしいくらい、すぐに慣れるとグランバニアにいた時から思えてたからだ。

 それに、クロマ自身も言葉には出さないが、バーダック達と一緒にいれない寂しさを、少しでも埋めたいのであろう。

 

「リュカは、魔物だけではなくこんなに小さな子どもにも懐かれるんだな、やっぱり器の大きい男は違うねぇ~」

 

 ヘンリーは冷やかす様に言うが、本当はどこかウジウジしているリュカを後押ししようと思って冷やかしみたいな感じで言ったのだ。

 

「アナタったら…」

 

 マリアは、ヘンリーの思いはわかっていたが、その子どもらしい言い方が妻として恥ずかしくなった。

 

「…じゃあ、クロマ君の身元は僕が責任を持ってグランバニアで預かる、皆はそれで良いよね?」

 

 もう一度確認するように周りを観て、この場にいる者達にリュカは問う、既にそれで良いと皆思っていたため、すぐに良いと返事を返された。

 

 

 

 

 

 

 

 なんだかんだあって、クロマの身元はリュカが保護者となる形でグランバニアで預かることとなった。

 その知らせを聞いたティミーは、クロマと一緒にいれることに喜び、まるで弟ができたような気分なのだろうと双子の妹であるポピーは語った、他の国民や魔物達もクロマを盛大に歓迎してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、クロマはグランバニアにていろいろな事を学ぶこととなり、リュカ達が持つ魔力も少しずつ扱えるようになり、周りの者達の元で様々な呪文や戦い方を学んでいった。 

 その他にも、剣術などの様々な武術や、この世界の歴史や魔物などについてもクロマは熱心に学んだ。

 

 元々、できるようになれるのなら絶対できるようになるという強い意地のようなものがあってか、どんどん上達していき、そんなクロマの頑張る姿にいろんな人々やリュカの魔物達などが惹かれていき、次第と見えない絆が生まれていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラインハットの北、かつてはオーディション会場であった静かな廃墟に、一人の男と一頭の馬がいた。

 

「ラインハットまでまだ時間かかるかぁ~いやぁ、面倒くせえな、馬のラッキーちゃんは俺を乗せてくれないしロクな事にはなんねえが、なんかデッカい仕事があるって噂だから行くっきゃねえよな!」

 

「ヒヒィィン!」

 

 男が元気よく叫ぶと、馬のラッキーも大きな鳴き声を上げる。

 

「じゃあ競争だラッキーちゃん!」

 

「ヒヒィィィィン!!」

 

 男とラッキーは、もの凄い勢いで走り出した。

 

 

 

 

 男に生えた棘の生えた尻尾は日光に照らされ、男に振り回されながら綺麗に輝いていた…。

 

 




最後辺りに出た男はネタバレになりますが、とある怪獣の人としての姿です。
正体は次話で明かす予定です。
輝いてる尻尾は元の怪獣では無かった事なんですが(汗)
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