あと、今作のダークドレアムは、強者が持つ自分より強い者の存在への恐怖心や悪夢に比例して強くなる設定でいくので、今のところ出てる敵の中ではトップクラスの強さという設定です。
今回のテーマがどんなに数を揃えても戦うに早すぎた相手というのがあります。
それではどうぞ
『ダークドレアム』
その名の意味は『闇の夢』、伝説の悪魔や破壊と殺戮の悪魔などの異名を持つ最強とも呼ばれた悪魔であった。
なぜ、そう呼ばれたのか?
簡単な話だ。ダークドレアムは、大魔王よりも強いのだ。
それを認めたのは、かつて存在した大魔王『デスタムーア』である。
デスタムーアは、『夢の世界』と呼ばれる世界に存在していたダーマ神殿を封印しようとした際に、ダーマ神殿の地下深くに眠る邪気を感じ取ったデスタムーアは、真の姿の時の自分すらも越えるほどの力などをその邪気から感じ取り、急いでダーマ神殿を封印した。
その後、一夜にして滅ぼされたグレイス城を滅ぼした存在がデスタムーアが感じた邪気と同じであり、その正体が伝説に伝わる悪夢のような最強最悪の大悪魔ダークドレアムとデスタムーアは確信した。
デスタムーアは自分をも越える力を持つと考えれるダークドレアムの存在に心の底で恐怖していたらしい。その恐怖を打ち消すために創造したとされる魔王『デュラン』は、ダークドレアムとよく似ており、デスタムーアは、本物のダークドレアムではないとはいえ、あの大悪魔に似た存在が自分よりも劣る実力を持っている事は安心感となっていた。
その後、デュランは勇者達に倒されたが、その頃にはデスタムーア自身もダークドレアムの事はほとんど気にしておらず、余裕のある全開の力で勇者達と戦った。
しかし、勇者達は強き絆と不屈の心を持ってしてデスタムーアを倒し、デスタムーアによって実体化していた夢の世界も元のただよ夢の世界へと戻った。
勇者達は既にダークドレアムの存在について知っており、デスタムーア死後にどういうわけか現実世界に出現したダークドレアムと勇者達が戦ったと記録に残っているが、ダークドレアムは敗北したとしか書かれておらず、完全に消滅したのか、それとも、どこかで眠りについて不明であったが…。
「実はルビスって精霊にとても長い間封印されてたってわけか…マスタードラゴン」
「そうだ…ルビス様は自らの持つ力のほとんどを使い果たすのと引き替えにあの悪魔を封印したのだ…」
「だけど、奴は目覚めてしまった……何者かの手によって…マスタードラゴンすらわからない存在なんて…!」
「リュカ…今回の件は警戒が行き通っていなかった私の責任だ…なんとしても奴を止めねば…!」
マスタードラゴンの背中に乗るニドルとリュカ、レオは、目覚めてしまったダークドレアムに関することをマスタードラゴンに説明され、とても重苦しい表情を浮かべていた。
レオは先ほどから黙っているが、それは、交信ができない別世界のレイン達への通信ができなくなったため、念を込めてどうにかして通信を繋げようと意志を集中しているのだ。レオは、リュカ達に天空の塔に感知された強大な邪気の事を伝え、リュカ達と共にプサンの姿から竜神の姿へと戻ったマスタードラゴンに乗って天空の塔を目指している時に交信を試みたが、現状、どうしても繋がらない。
「…(お姉ちゃん!大変だよ…本当に…!本当に!……だから繋がって!)」
しかし、レオの言葉が異世界のレイン達へと繋がることはなかった…。
そして、天空の塔…。
クロマ達は、天空の塔に出現した二人の強大な魔の存在と激戦を繰り広げていた。
「リンガー!ターク!もーびん!」
「「「おうっ(もおっ)!」」」
ティミーがダークドレアムに向かいギガスラッシュを放ち、その瞬間、ダークドレアムを囲むように別の位置にいたリンガー達がそれぞれの必殺技をダークドレアムへと放つ。
「これならぁぁぁ!!」
ティミーのギガスラッシュがダークドレアムを包み込むように決まり、他の三匹の必殺技もダークドレアムへと決まり、大量の砂煙が巻き上がる。
「三匹共そのまま下がれ!どうせ奴はまだピンピンしてる!」
「「「っ!」」」
三匹はダークドレアムから距離を置くように離れる。
すると、砂煙は晴れ、中から傷一つないダークドレアムが姿を現す。
「…ふむ、子どもながら、それだけの観察力は評価できるな。しかし、残念ながら、ごらんの通り私は傷一つない。力不足だ、とてもな…」
「くっ…!言いたい放題言うね…!」
ティミーは、天空の剣をダークドレアムへと向ける。他の三匹も攻撃の構えをとる。
「生まれ変わったラミアスの剣の力もその程度…いや、私が強くなり過ぎただけか…。では、本当の力を貴様等に味あわせてやろう…!」
ダークドレアムは両刃の剣を構える。
「くるぞ皆!防御の構えだ!」
「遅い!」
ダークドレアムは、剣に紫の雷を纏う。
「ジゴスパーク…!」
剣から紫の…地獄の雷『ジゴスパーク』が放たれ、ティミーと三匹に遅いかかる。
「マズイ!避けられな…うわあぁぁぁぁ!?」
ティミー達はモロにジゴスパークを喰らってしまい、地面へと倒れる。
「やはり若いな…戦術も、力も…」
そんなダークドレアムの前に、また立ち向かう者が現れた。
「まだあたし達がいるよ!バトラー!パオウ!」
「ハァァ!伝説の大悪魔だからとて倒されるわけにはいかんのだ!」
「パォォォオォォォン!!」
ダークドレアムの前に立ちふさがるポピー達は、武器などを構える。
「面白い…ではくるがいい」
「言われなくても!イオナズン!」
「我も見せよう!イオナズン!」
二人のイオナズンがダークドレアムに炸裂する。
「そんなものか…?…ぬぅ…!」
余裕の表情のダークドレアムに対し、三発目、四発目のイオナズンが炸裂した。、
「ほう…山彦の帽子による呪文の連続攻撃か。しかし、それだけではな…」
「パァァァオォォォォォンン!」
「ヌッ!」
ダークドレアムは後ろに振り向くと、パオウの吐く煉獄火炎が襲いかかってきた。
「今のうちに!」
ダークドレアムの意識がパオウに向いたのを確認したポピーは、袋に入れていた世界樹のしずくを取り出し、ティミー達やその場にいる者達に届くように振りまき、ティミー達を回復させた。
「……隙を見つけるのは上手いな…しかし、このままでは同じ事の繰り返しだ。この場に向かってきている者達が揃うまで戦いはお預けだ」
「なぁ!?なに言ってるんだよ!ふざけるな!」
ティミーは、とことん余裕を見せ、こちらの実力を見下すダークドレアムに苛立ちを見せていた。ダークドレアムは、そんなティミーに目もくれず、もう一つの戦いの方を観ていた。
「あちら側の方は、なんとか対応してるのか…?いや、してないな…」
「クロマ…」
ダークドレアムが見る空中で戦うクロマとスラッグを観て、ティミーは、空中戦のできない自分が情けなくなりつつも、クロマが一方的にやられてるのに衝撃を受けていた。
「ふははははは!どうしたぁ!サイヤ人ってのはかなりの手練れと聞いたが、この程度の強さとは拍子抜けだな!まだ、完全には力が戻り切れてない俺相手にこれでは話にならん…ぞぉ!」
「がぁ!?」
スラッグの拳がクロマの腹部に決まり、クロマは姿勢を崩す。
「おいおい、もう少しくらい俺を楽しませてみせろ…。これでは、ウォーミングアップにすらならんぞ…」
「…うるさい…んだよ!」
クロマは正拳突きをスラッグのへと放つ。
「…ぬぅ!…ハハハ!やればできるのか!……だが、所詮その程度!ここいらで終わりにしてくれる!」
クロマの拳を払いのけたスラッグは、右手にエネルギー弾を溜めて、クロマへと放つ。
「うおぉぉぉぉぉ!!」
クロマは尾牙でエネルギー弾を受け止めようとする。
「その剣で対抗する気か!だが、今の貴様は隙だらけだ!」
スラッグは、左足に力を込め、クロマの真上へと飛ぶ。
「「避けてクロマァァァ!!」」
「くぅ…!」
ティミーとポピーは、クロマに避けるように言うが、クロマは、目の前のエネルギー弾を止めるので精一杯であった。
「そのまま地上へと墜ちろ!サイヤ人!」
スラッグは、クロマへと渾身の力を込めたかかと落としを決める。
「ウグゥ!?があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
クロマは、大きなダメージを受けると同時に、天空の塔の遙か下の地面へと叩きつけられた。
「「「「「クロマ(クロマ殿)!」」」」」
ティミー達は、クロマの名を叫ぶが、あまりにも離れているため、クロマの耳に届くことはなかった。
「…スラッグと言ったな…いったい我に何用だ?」
ダークドレアムは、剣を床へと突き刺してスラッグの方を観た。
スラッグは、床へと降り立ち、静かにダークドレアムを観た。
「なぁに、俺達に組んでもらいたいだけだ」
「組む…?我が貴様とか…」
ダークドレアムは、眉間に皺を寄せて言う。
近くに立っていたポピーはその会話を黙って聞いていた。
「そっちの望む破壊と殺戮はさせてやる。悪い条件じゃないだろ?同じ魔の上に立つ者同士組んでも良いだろう?」
スラッグは。憎たらしい笑みを浮かべてダークドレアムに問う。ダークドレアムの方は少し黙り込み、再びスラッグの方を観て口を開いた。
「たしかに我にとっても悪い話ではない……が、断る。我は我の思うように生き、何者にも力を貸す気はない」
「ほう…」
ダークドレアムとスラッグは、先ほどまで発さなかった殺気を出しながら、強く睨み合った。
「そうか、残念だな…………あいにく俺は気が短くてな。では、貴様の力を奪い、命をも奪うまでよ!」
スラッグは、衝撃波を放ち、同時に右腕を伸ばしてダークドレアムを捕まえようとする。
一方のダークドレアムは、黙って剣を持った。
「……甘い!」
ダークドレアムは、剣を使い、スラッグの腕を斬り落とす。
「お、おおお!?俺の腕を…!?……だが、残念だったな!」
スラッグは、斬られてない腕を引っ込めて謎の笑みを浮かべる。
「な、何をするんだ!?」
ティミーは、追いつかない思考の中、スラッグの様子を観察した。
「ぬぅ!うおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
「「「「「!!??」」」」」
なんと、切れた腕の一部が生えてきたのだ。
生えた部分は、体液が付いていたが、スラッグが腕を振って体液を飛ばすと、元々生えていた腕と違いがまるで見られない腕がそこにあり、スラッグは自慢気に笑う。
「腕や耳などいくらでもまた生やせる。切り落とすだけでは俺には勝てんぞ!」
「ほう、面白い。ならば、跡形もなく消すまでよ…!」
「ほざけっ!」
ダークドレアムはジゴスパークを、スラッグはエネルギー弾を連続で放ち、お互いの攻撃がぶつかり合う。
「「まだまだぁ!」」
二人はお互いの攻撃が打ち消しあった瞬間、格闘戦へと入る。
「…なんて戦いだ…!次元が違いすぎる…!っと、ポピー!神竜は!クロマは!」
ティミーはバトラーの回復呪文で治療されている神竜を確認してから、近くにいるポピーの方を観た。
「神竜は大丈夫!…だけど、今ここを動こうにも結界みたいなのがあって動けないよ!クロマを助けにいけられない!」
ポピーは今にも泣きそうな表情であり、そんなポピーを安心させようと、近くにいたもーびんが体を寄せていた。
「…ありがとうもーびん…」
「ポピー、クロマならきっと大丈夫だから安心して!それに、この場にマスタードラゴンやお父さん達が向かってるのが感じれる…もうすぐだ!」
ティミーから告げられた言葉に、ポピー達は安心感と不安が包み込む。ハッキリ言って、ゴジラとなったクロマよりもダークドレアムとスラッグは強いとわかるからだ。
マスタードラゴンやリュカ達がここへ駆けつけても、返り討ちにあう可能性が十分あった。
「みんなが何を考えているかは察するよ…けど、この世界で強い僕達みんなが力を合わせればあいつらを止められるはずさ!」
ティミーはポピー達を元気付けようと笑顔で言うが、その上の空中で行われている二人の魔の激突の光景で、その笑顔すらも意味をなさなかった。
「ほらほらぁ!」
スラッグは大声を挙げながらダークドレアムと拳の攻防を繰り広げるが、ダークドレアムの方が余裕があった。
「貴様、いくら全力では無いとはいえ、この程度なのか…?」
「なぁ!?…ぬかせぇ!」
頭に血が上ったスラッグは、エネルギーを両手に纏ってラッシュ攻撃を決めようとする。
「それでは駄目だな…ふんっ!」
「ぐおぉ!?」
頭に血が上ったスラッグの戦いに嫌気がさしたダークドレアムは、もう、終わらせたいのか、膝蹴りをスラッグの腹部へと決めた。もろに腹部へと決まり、スラッグは腹を押さえて床へと降りる。
「どうした?先ほどまでの威勢は?………むっ…どうやら、やっと着たようだな…」
スラッグを見ていたダークドレアムは、天空の塔に張られた結界を打ち破って侵入してきた存在の方を見た。
「お父さん!マスタードラゴン!ニドルさん!」
ポピーは駆けつけてくれたリュカ達の姿を見て、とても安心した表情を浮かべた。
「ダークドレアム!貴様は今ここで倒す!」
リュカはドラゴンの杖の力を使い、聖なるドラゴンへと姿を変える。
「ほう、ドラゴンが二匹に…龍が一匹か…」
ダークドレアムは、興味深そうにドラゴンとなったリュカを見て、煽るような目でニドルを見た。
「そう煽らなくてももう一つの姿でてめえをぶっ倒すから安心しやがれ!」
「面白い、では戦いは地上でやるとしよう」
ダークドレアムはそう言うと、マスタードラゴン、リュカ、ニドルと共に大陸の南の広い平原へと転移する。
「わざわざ俺の戦いやすい場所へと転移させてくれるなんて気が利くじゃねえか!」
「いや…ここならば、貴様の無様な死に様が映えると思っただけだ」
その言葉に、ニドルはついブチ切れそうになる。
「落ち着け俺…!じゃあ!やってやるよ!」
ニドルもアンギラスへとなる。
「やっと、マトモな相手と戦える。では巨大な者達よ!ここでその命を散らしていただく!」
「残念ながら」
「そうは」
「いかないぜ!」
ダークドレアムのおたけびと三人の息技がぶつかり合い、周囲は強い光に包まれたのであった。
「ほう、どうやら貴様達はここに残ったようだな」
スラッグは、目の前で自分を睨むリュカ達を見て悪意のある笑みを浮かべた。
「まずは、そこに倒れている神竜を倒すとしようか!」
「やめてぇ!」
ポピーは神竜の前に立ちふさがるが、スラッグは、何食わぬ顔でエネルギー弾を撃とうとしていた。
その時であった。
「ガァァァァァァアアアンァァァアアンン!!!」
「「ゴジラ!?」」
クロマとタークは、聞き覚えのあるゴジラの鳴き声に驚くもの、鳴き声は、前と違い何か違う雰囲気が感じられ、ある確信をした。
「クロマか!」
「なに!?先ほどのガキがまだ生きていただと!?」
スラッグは、この高さから地上へと降りていった。
「待て!…こうなったらルーラだ!ルーラ!」
ティミー達と神竜は、地上へとルーラで跳ぶ。
「クロマ!」
ティミーは、クロマの名を叫ぶ。すると、少し離れた場所にゴジラの姿と化したクロマとスラッグの姿が見えた。
「クロマ!?…ッ!そいつから離れろ!」
しかし、ティミーの叫びはクロマ…ゴジラには届かず、クロマは、ゴジラの姿をもってしてもスラッグにかなわないのか、追いつめられていた。
「ハハハハハ!どうしたどうした!?せっかく回復するまで待ってやったのに先ほどとまるで変わらないではないか!」
「ガァァア…!」
クロマは、後ろの方に立っているレオを庇うように立っており、動こうとしなかった。
「ほう?破壊と戦いしか脳のなさそうな怪獣ごときが小娘一人を庇うとはな。安心しろ!先に死ぬのは貴様だからな!」
スラッグは、エネルギー弾をクロマに向かって放つ。
「ガ、ガァ!」
クロマは、なんとか両手を使ってエネルギー弾を防ぐが、ダメージは確実に受けていた。そんなクロマを心配しながらも、ティミー達はレオの元へと駆け寄る。
「レオちゃん!」
ポピーがレオに声をかけるが、レオは、静かに目を閉じていた。先ほど、レイン達と交信が繋がったのだ。
『…お姉ちゃん、私どうしよう…!クロマもこのままじゃ保たないよ!』
『落ち着いてレオ。…私も貴女の気持ちはわかるから…。ここまで強大な存在が現れることは予想外でしたが、事実現れてしまった以上、仕方ありません…』
『お姉ちゃんまさか!』
「レオ殿?」
脳波で交信し、焦る顔を浮かべるレオを見たリンガーは声をかけるが、レオの耳には入らなかった。
『レオ、私がゴジラ…クロマ君の力を完全に解き放つ方法を教えます』
『お姉ちゃん!だけど、また暴走したら!』
『わかってるわ…だけど、クロマ君は今の不十分な力ではどう足掻いても、あのスラッグという者に一方的にやられて、命を奪われる…これしか方法はないの…。それに、貴女には私より劣っていますが、封印を解除する力と施す力の両方が備わっている』
『でも…』
「レオちゃん?クロマの力の封印って本当の話なの?」
「!?」
レオは、聞こえるはずのない交信の内容について聞いてくるポピーを見て、目を見開いて驚く。
すると、レインがレオへと小声でメッセージを伝える。
『さすがに、クロマ君についてはあの方々も知る権利があるから、私の言葉だけは聞こえるようにしました』
「大丈夫だよレオ、僕達はクロマにもしものことがあっても助けるから絶対」
「うう…」
レオは、ティミー達の方を見渡し、その覚悟のある瞳に自分も覚悟を決める。
『わかったよお姉ちゃん…だけど、時間はかかるの?それにスラッグに勝てるのかな…?
『時間はそうはかからないけど…あのスラッグという者に勝てるかはハッキリしません…。彼の力の封印を完全に解いた時に、今まで鍛え上げた実力もあってかどれくらいの強さのゴジラになるかはわかりませんから…ですが、現状はどうやっても倒されるだけです。さあ、封印解除の方法を教えます…』
『はい…』
「む?あのガキ共は何をしてる!?ああ、うっとおしい!消え失せろ!」
スラッグは、ティミー達に向けて連続エネルギー弾を放つ。
「!!」
クロマは、その巨体でティミー達の盾となった。
「ガァ!?」
「「クロマァ!?」」
ティミーとポピーの叫びが響き渡った。
「ハハハハハハ!また盾か!見苦しい…そのような者など捨て置けばいいだろう!」
「……グガァ…!」
クロマは、殺気を込めてスラッグを睨みつける。
「おいおい…そうか、わかった。今ここで全員跡形もなく消し去ってやろう!」
スラッグの左手に巨大なエネルギー弾が構成され始めた。
「…ググガァ…!」
クロマは、熱線を吐いて消そうとするが、消すどころか吸収されてしまった。
「ありがたい!礼として特大のをぶつけてやろう!」
もう駄目かとクロマは心の中で思った。
その時!
「クロマ!思い出して!ゴジラの誇りを!黒龍の誇りを!」
レオは、両手から放った白き光でゴジラを包み込む。
「ググガァ…ガッガァ……ッ!?」
クロマの頭の中に、走馬灯のように記憶が流れ込んできた。怪獣となる前から、怪獣となり、東京で破壊の限りを尽くし、海底で芹沢博士と共にオキシジェン・デストロイヤーで命を落とした記憶。
そして、後から別の記憶も流れ込んでくる。それは、別のゴジラの記憶だった。アンギラスと戦う記憶、氷山に埋められた記憶、氷山から目覚めた記憶、大きな猿や巨大な蛾などと戦った記憶、巨大な翼竜と大きな蛾と協力して黄金の三首竜を撃退した記憶記憶、他にも、多くの怪獣と共闘した記憶や、息子と共に暮らす記憶、機械でできた自分の偽物と戦った記憶、元から感じていたゴジラの記憶よりも多すぎる記憶の量に、クロマの頭の中は真っ白になる。
『オレはなんだ…?…オレは……黒龍……怪獣…王………ゴジラ!』
「グ…ガァァァガァァァァァァァァァァァァァァンン!!」
「「「「「「!!!?」」」」」」
その場にいた者達は、クロマ…怪獣王ゴジラから放たれる咆哮と、スカウターなど使わなくても感じれるほどのとてつもないエネルギー量に驚愕する。
「き、貴様ぁ!急に強くなったようだが、俺にかなうと思うなよ!」
スラッグは、特大エネルギー弾を怪獣王へと放とうとする。
「………ガァァ!」
怪獣王も、背中を青く光り輝かせて口から熱線を吐こうとする。
「…みんな!離れて!」
レオが、大きく叫ぶ。
「え!?ちょっと!…「仕方ない!ルーラ!」リンガー!?」
戸惑い、パニックになるポピーを見かねたリンガーは、ティミー達と共にダーマ神殿の所へと転移する。
「その馬鹿でかい身体ごと消し去ってやろう!ハァァ!!」
「…ガァァァァァァ!!」
スラッグの特大エネルギー弾と怪獣王の放射熱線が衝突し合い、上空の雲を払うほどの光を放つ。
「「「ダークドレアム!!!」」」
「ぬおぉぉぉ!」
マスタードラゴン、ドラゴンのリュカ、アンギラスから放たれるブレスの同時攻撃を、ダークドレアムはけたたましい雄叫びにより対抗する。
三匹のブレスの方が押してるように見えたが、徐々にダークドレアムの雄叫びに押されていた。
「はぁ!」
「「「ッ!?」」」
三匹のブレスは雄叫びに呑まれた。そのまま三匹は、雄叫びによって離れた所まで吹っ飛ばされ、それぞれ地面や山へと叩きつけられた。
「あのスラッグという者ほどでは無いが、スラッグのような脳筋よりは戦いがいがあるな」
「舐めるなよ!」
マスタードラゴンが光り輝く息を吐いて攻撃する。しかし、ダークドレアムは涼しそうな顔をしていた。
「…ハッキリ言おう、貴様等が他の神や魔王などを全員引き連れて挑んできても、我には決して勝てない。…む?」
ダークドレアムは、天空の塔の方を観た。マスタードラゴン達も、強大な何かを感じて同じ方向を観る。
「これはクロマなのか!?だけど、マスタードラゴンが戦った時とは比べものにならないぞこれは!」
「…仕方ない、リュカ!クロマ少年の元へ向かうんだ!」
「ですがマスタードラゴン!あなたがた二人でダークドレアムを相手するのは危険すぎ「おぉっと!ならば、俺達に任せていただこうか!」…君たちは!?」
突如として空から降り立ったおにこんぼう達魔物の姿に、ドラゴン姿のリュカは困惑する。
「ある方から頼まれてな!ここへ来たぜ!なぁに、俺達は簡単にはくたばらんさ!早くクロマ達の元へ行け!」
「どうして君達がクロマを!……いや、今は先にクロマの元へ行かなければ…!ここは頼みます皆さん!」
「「「「「おう!」」」」」
リュカは、天空の塔へと飛んでいった。
「さあて…どう相手をしたものかねマスタードラゴンさんよぉ」
おにこんぼうは、苦笑いを浮かべていた。
「たとえ数を増やそうとあの悪魔は倒せない…だが、時間稼ぎはできる…!…皆の者、絶対に死ぬなよ!」
「ったりめえだぜマスタードラゴン!」
アンギラスは豪快に笑いながら言う。
「てめえら!行くぞ!」
「「「「任せろ!」」」」
マスタードラゴン達は、勝てない相手に再び挑んでいった…。
そして、怪獣王とスラッグの戦いはというと…。
「このトカゲ野郎が!」
スラッグは右手からエネルギー波を放つ。
「ガァ…!」
怪獣王は、腕を振るってエネルギー波を掻き消す。そして、そのままスラッグを爪で切り裂く。
「ぬおぉぉお!?貴様!調子に乗るなよ!」
スラッグは、両腕を伸ばして怪獣王の尻尾を掴む。
「ッ!?」
「うおおぉぉぉぉぉぉ!!」
そのまま尻尾を振り回し、地面へと叩きつける。
「グゥ!?」
「フハハハハハハ…ぬぐおぉ!?」
大きな笑い声を上げたスラッグは、尻尾を掴みっぱなしだったのを逆手に取られ、今度はスラッグが地面へと叩きつけられた。
「…ガァァ…!」
怪獣王は、白熱光を追い討ちをかける。
「おぉ!…そうたやすくやられはせんぞぉ!」
白熱光のダメージは受けながらも、なんとか、白熱光を耐えきったスラッグは、怪獣王から距離を取り、体を落ち着かせる。
そんなスラッグを早く倒そうとする怪獣王は、ゆっくりとスラッグへと近づいていく、すると、ある違和感に気がついた。スラッグの腕が見えない、いや、地中へと突っ込まれていたのだ。
「気づくが遅かったな!喰らえ!」
突如、怪獣王の真下の地面からスラッグの腕が出てきて、さらに伸び続ける腕は、怪獣王の目を攻撃した。
「ガァ!?ガガァァァアァン!?」
腕による攻撃で、怪獣王はまともに目が開けなくなる。
そのチャンスを、スラッグは見逃さなかった。
「喰らえぇ!」
スラッグは、口から貫通性の強い光線を放ち、怪獣王の右足を貫き、そのまま口の向きを変えることで貫いている光線を動かし、抉るように怪獣王の足の肉の一部を削いでいった。
「ガガァ…!?」
怪獣王は、なんとか光線から解放されるも、足を貫かれるという激痛とダメージ消費の多さで、まともに立っておられなくなり、体を崩す。
「フハハハ!しょせんはデカブツ!隙だらけということだな!」
スラッグは、先ほどよりも強力な貫通エネルギー弾を作り出す。
「ガァァ…」
怪獣王は、なんとか止めようとするが、目が見えないために身動きもまともにできない。
「ハーハッハッハッ!貫かれてしまえ!」
貫通エネルギー弾を怪獣王へと向けて放つ。
怪獣王ももう駄目かと思った瞬間のことだった。
「クロマァァ!!」
ドラゴンのリュカが現れ、身動きのできない怪獣王を突き飛ばし、怪獣王の代わりにリュカが貫通エネルギー弾に貫かれた。
「うぐあぁぁぁぁ!!」
「なにぃ!?」
突然現れたリュカの行動に、スラッグは驚きを見せた。
怪獣王も、リュカが自分の身代わりになったことに気がつく。
リュカは、そのまま倒れてしまう。
「……ガァ……ガアァァァアアァァァァァァァァァァァンン!!!」
怪獣王は見えない目で、自分の身代わりになってしまったリュカを観て、大きく叫んだ。
「ガァァァァ……!?」
突如、怪獣王の身体が光に包まれだす。
どういうわけか、人の姿へと戻り始めているのだ…。
「ふん…!どうやら、貴様はその力を使いこなせてなかったようだな!」
スラッグは、嫌みの込めた言葉を怪獣王…サイヤ人クロマへとぶつける。
「ガァァガァ……リュカ……おじ…さん…!」
完全にサイヤ人の姿へと戻ってしまったクロマの意識は、そこで途切れた。
この戦いは、クロマ達には早すぎた戦いであったのだ…。
スラッグとは、この世界では決着をつけませんのですいません。
そのため、巨大化は温存しております。
それと、クロマ自身は元々初代ゴジラですが、なぜ、二代目の記憶まで持ってしまったのかについては、後々説明などを話の中でやります。