黒龍物語   作:一芽

9 / 12
今回、前回からの展開からして、こうなるのは違和感があるかもしれないかもれませんがご了承ください。
今回の戦いのイメージは、サイヤ人編でのベジータとの戦いを思い起こさせる感じかなと自分は思いました。
それと、神様転生とは少しは違うかは不安なんですが、一応タグを追加しときます。
前回からの思わせぶりな発言からだいぶかけ離れてしまった感じですがどうぞ。


大きな力には多の力を

 天空の塔に出現したスラッグとの戦いで、怪獣王ゴジラの力の封印を解かれたクロマは、まるで歯が立たなかったスラッグと互角の戦いを繰り広げ、スラッグを追い詰める。

 しかし、後一歩のところで不意打ちを喰らい、目が見えなくなり、片足を貫かれてまともに立つことすらもできなくなってしまう。

 そんな彼にトドメを刺そうとしたスラッグは、貫通エネルギー弾を放ち怪獣王の姿であるクロマに放つ。しかし、貫通エネルギー弾が貫いたのはクロマではなく、ドラゴンの姿でクロマを庇ったリュカであった。

 リュカは、そのまま意識を失い倒れてしまい、怒りに燃えるクロマさえも完全に力を使いこなせないのか、人の姿に戻ってしまい、意識を失ってしまったのだ。

 

 

 

 

 そして、二つの存在が衝突していた。

 

「ウオォォォォォォ!!」

 

「ふぅん!」

 

 戦える状態にまで回復した神竜とスラッグは激しい戦いを繰り広げていたが、神竜はスラッグに一方的に攻撃されてばかりで、攻撃を仕掛けてもまともなダメージが入らなかった。

 

「…せめてこれだけでも!カァ!」

 

 神竜の瞳が赤く輝き、スラッグを赤い光で包む。

 

「ぬぅ!?貴様ぁ!」

 

「…ッ!?」

 

 頭に血が上ったスラッグは、エネルギー弾を神竜へぶつけ、とても離れた海まで吹っ飛ばした。

 

「ハァハァ…なんだったのだ今の光は…気分が悪い…」

 

 スラッグは、一度その身を隠した。   

 

 

 

 

 

 そして、神竜が吹っ飛ばされたと入れ違うかのようにティミー達が、再び戻ってきた。

 

 そして、彼等は目の前の惨状を目にしてしまった…。

 

 

 

 

 

 

「そ、そんな…クロマ……?…お父…さん…?……生きてる…よね?」

 

 震えた声で言うティミーは、倒れているリュカとクロマをを観て、頭の中が混乱しながら呟く。

 しかも、リュカからは生気が感じれなかった。

 

「……心臓が動いてない…?…いや、まだ大丈夫…!そうだ!バトラーを!」

 

 リュカは心臓の鼓動が止まっていたが、『ザオリク』の蘇生呪文を使えるバトラーがいたことを思い出し、神竜を安全な所へと転移させたバトラーを口笛で呼び寄せた。

 バトラーは、神竜がスラッグに吹っ飛ばされたことを彼等に伝え、ザオリクでリュカを蘇生させようとさせる。…しかし。

 

「ザオリク!……駄目だ!身体自体の機能は蘇生できたが、意識…魂そのものが体に定着しない…!リュカの魂はどこに…!」

 

「お父さんの魂が無いのか!?」

 

 リュカの魂が無く、魂が肉体へと定着できない状況、ティミー達は戸惑いを隠せない。

 

 そんなティミー達の前に、一人の男が現れた。

 

「お前等が探してるのはこの中に入ってるものだろ?」

 

 ティミー達は、男が見せつけてくる壺を見て、中から感じる反応に驚愕した反応を見せる。

 

「お父さん…!?…その壺の中にお父さんの魂が!」

 

 そう、壺の中からリュカの魂の反応を感じたのだ。

 

「おじさん、すいませんがその壺を渡してくれませんか…?」

 

 警戒しながら男に頼むポピーに対して、男は、一度面倒くさそうな顔を浮かべ、今度はニヤリと笑い口を開く。

 

「ああそうか!お前等はこのドラゴン野郎のガキ共か!そういやさっき塔の上でこいつのことをお父さんとか言ってたしな……………あ、コイツ返さねえからな?」

 

「「な!?」」

 

 ティミーとポピーは、男の応えに愕然とする。

 

「こちとら、いろいろ必要なんだ。お前等の親父の魂は交渉にでも利用させてもらうぜ」

 

「ふざけるな!お父さんは道具じゃないぞ!」

 

「…ああーうるせえなガキが…おいスラッグ!そこにいるんだろ!コイツ等の相手はテメエがしろ!」

 

 男が叫ぶと、近くの木陰に隠れていたスラッグが姿を現した

 

「ったく…!うるせえぞコード.M!回復する時間よこせってんだ!……まあいい、このガキ共も親父のように身体を貫いて殺してやろう!」

 

 スラッグの発言に、ティミーとポピーの顔は怒りに染まる。

 

「お前がお父さんを…!…スラッグ!」

 

「絶対に許さない!リンガー!」

 

「わ、わかった!」

 

 二人は、リンガーにバイキルトなどの呪文で自分達の能力を強化させる。

 

「ほぉ!今の俺からしたらちょうど戦いがいがありそうな感じだ!それに、あの神竜が俺に放ちやがった光の攻撃のせいで気分が悪い!貴様等を倒せば憂さ晴らしになるぜ!」

 

「ああ~それで隠れてたのか…じゃあ、俺はここいらで。あばよ!」

 

 ティミー達の意識がスラッグに向いてる隙をつき、コード.Mは壺ごと姿が消えていなくなった。

 

「しまった…!しかし、今はスラッグを!」

 

「オレもいるぞティミー…」

 

「クロマ…!?」

 

 二人は、バトラーの呪文で回復したクロマが自分達の前に立った事に驚く。

 

「クロマ!君は無理をしては「オレのせいでリュカおじさんがああなったんだ…オレにも戦わせてくれ!」クロマ…」

 

「大丈夫だよお兄ちゃん、今のスラッグは、かなり弱ってるようだし、今のあたし達は強化呪文を施してるんだし!」

 

「あ、ああそうだな!バトラー達はお父さんの身体を安全な所へと運んで!他の皆はダークドレアムと戦うニドルさん達を手助けしに行って!ここは僕達で……ちょっと待って!」

 

「ティミー?」

 

 レオは不思議そうな顔を浮かべるも、レオと魔物達を自分の元へと来させ、レオと魔物達の身体に触れると、彼等はそのまま各々の目的のために散った。

 

「フハハハ…!茶番は終わったようだな。それでは、三人共今すぐにでも殺してやろう!」

 

 スラッグは、左手でエネルギー弾を作り出す。

 

「こっちもすぐに終わらせる!クロマ!ポピー!」

 

 「「わかった!」」

 

 クロマは、力を込めて尾牙を大地に突き刺す。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!」

 

 すると、地面はめくれ上がって亀裂が生まれ、まるで刃のようにめくれ上がった大地がスラッグを襲う。

 

「ぬお!だが、このような攻撃など俺に「まだよ!」…ん!」

 

 ポピーはマグマの杖をめくれ上がった大地に突き刺す。

 すると、大地の亀裂からマグマが噴き出て、スラッグの周りの大地にも穴が開いてマグマが噴き出し、スラッグを襲う。

 

「こしゃくなぁ!ぬおぉ!」

 

 スラッグがこのような攻撃で倒れないことなどティミーはわかっていたが、この攻撃には意味があった。

 

「うおぉぉお!」 

 

 スラッグは衝撃波でマグマを吹き飛ばす。

 

「ガキ共が!おとなしく攻撃を受けていればいいもの「それはオレ達の台詞だ!」…なぁ!」

 

「サイヤ人の恐ろしさを味わえ!真!はやぶさ斬りぃ!」

 

 スラッグの真後ろにいたクロマが、尾牙を巧みに扱い、『真・はやぶさ斬り』の剣技でスラッグを攻撃する。

 バイキルトとピオラの強化呪文とサイヤ人の超回復の急激なパワーアップで二重強化されてるクロマの攻撃は、先ほどの怪獣王ほどではないが、スラッグに大ダメージを与えられるほどはあった。

 

「ぐおぉ!?これがサイヤ人の力だと…!」

 

 スラッグは、そのまま尾牙に吹っ飛ばされ亀裂へと叩きつけられる。

 急激なパワーアップのおかげでマグマの中を泳ぐように動けるようになったクロマは、マグマの中に隠れていたのだ。

 

「調子に乗るな!ふぅん!」

 

 スラッグは、たくさんのエネルギー弾をクロマへと放ち、いくつかクロマへと当たるが、なんとかクロマは攻撃から逃れた。

 

「(やはり、神竜の放った光は、あいつの防御力をある程度だが下げてくれたのか…!)…よし!

いいぞポピー…!」

 

「任せて!」

 

「なにぃ!?」

 

 スラッグは、真上にいたポピーが目に入る。

 ポピーは、グレイトドラゴンほどの大きさがあると思われる魔力の塊を杖の先に集束していた。

 

「そんなデカいだけの攻撃が俺に効果あるかと思うか!」

 

「思ってないよ!だからこそ!クロマが教えてくれた応用方法を試すの!」

 

 ポピーは、杖に念じて魔力の塊『マダンテ』を手のひらサイズまで圧縮する。

 

「圧縮しようともぉ!」

 

「いっけぇぇぇ!!」

 

 ポピーが圧縮マダンテを放つ瞬間、スラッグも貫通エネルギー弾を放つが、圧縮マダンテに吸収されてしまった。

 

「なんだと…!?」

 

 スラッグは、圧縮マダンテから逃れようと空高く飛ぶが、とてつもない速度で迫る圧縮マダンテからは逃れられず、スラッグの腹部に当たった圧縮マダンテは魔力の大爆発を起こす。

 リュカの最期の力で防御力を下げられたスラッグにはかなりのダメージだ。

 

「ぬおおぉぉぉぉああぁぁぁぁ!!?まだだぁ!俺はやられはしないぞ!」

 

 魔力の大爆発が生み出した巨大の光の中からスラッグの叫びが響き渡るが、そんな叫びをものともしないティミーが光の真下に立つ。

 

「こっちもまださ!クロマ!ポピー!皆に残された魔力を僕にくれ!」

 

「「わかった!」」

 

 エルフの飲み薬で魔力を回復させていたポピーとクロマは、残った全ての魔力をティミーへと送る。

 

「きたきた!よし!さっき皆が分けてくれた魔力もある!これなら飛びっきりのが放てる!」

 

 天空の剣をスラッグのいる上空へと向け、剣の先に自分のも合わせた皆の魔力を変換させ、マダンテとは違う光輝く巨大は雷光の塊を生み出す。

 

 

「な、なんだ!?」

 

 スラッグも、その塊の存在に気がつき、大爆発の光から逃れようとする。

 

「まるで太陽だ…!……よし!いくぞぉ!ミナ!デ・イ・ン!!」

 

 天空の剣から放たれたミナデインは、雷光の槍へと形を変え、光から抜け出したスラッグに狙いを定める。

 

「こんなものがぁ!」

 

 スラッグはミナデインを両手で抑えようとしたが、先ほどの圧縮マダンテ以上の攻撃なため、押される一方で、さらに予想だにしなかった攻撃がスラッグを襲った。

 

「ぬおぉ!剣だと!?」

 

 スラッグの後方から、巨大な剣が飛んできて、スラッグの上半身と下半身に切り裂いた。

 

「なぁぁぁ!?…ぬおぉ……ぬおぉぉぉぉあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

 攻撃する隙すらなかったスラッグは、ミナデインに貫かれて、大陸中に伝わるほどの断末魔を上げる。

 

 そして、圧縮マダンテ以上ほ光の大爆発を起こし、バラバラになったスラッグの身体は地上へと落ちていった…。

 

 

 

 

「や…やったのか…?」

 

 大爆発を目にしたクロマは安堵の呟きを漏らす。

 

「あ、ああ!…バラバラになったのが見えたけど、あそこまでバラバラならば再生しようがない…それよりも、ダークドレアムがまだいる!……うっ…意識が」

 

「ティミー…!?それにポピーも…!?」

 

 ティミーが意識を失い倒れると、近くにいたポピーも倒れる。

 生きてはいるようだが、肉体的にも限界を越えるような戦いをしていたため、生きてるのが不思議なくらいであった。

 

「おじさん…なんとか倒したよ…」

 

 二人を抱えたクロマは、キメラの翼で一度グランバニアに二人を送り、海上へと浮かんでいた神竜を助け出してニドル達の助太刀へと向かった。

 

 

 そして、クロマはこの戦いで、多くの仲間の力を借りて、やっとのことで勝てる相手について思い知らされるのであった…。

 

 ゴジラの力も、結局はレオの手助けがあってこそ封印が解くことができ、強化呪文をかけられた上に、バトラーのベホマでの回復のおかげで成し遂げた急激は戦闘力の増加、神竜の光がなければ、スラッグにダメージを与えられず、スラッグの身体を切り裂いた謎の大剣が無ければ負けていたかもれない。

 それに、急に強くなった自分がどこかで力に溺れていために、リュカの魂が奪われてしまったという後悔もクロマの心にあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそが…あのガキ共……」

 

 頭部だけとなったスラッグは、自分の力が若返ったながらも、不完全な事を忘れ、自分の力に慢心してこんな結末になったのが気に食わなかった。

 

「ほう、やはり戦闘タイプのナメック星人の上魔族の男だ。こんな状態でも生きてるとは」

 

「貴様か…」

 

 スラッグの目の前にコード.Xが現れた。

 

「かなり体力を消耗してるらしいが、再生はできるのだろう。再生したのならば、本部で休ませてやるように上に伝えてやる」

 

「ということは、この世界での俺のやることはお終いってか…チッ…!」

 

「この世界で回復したところで、ダークドレアムに倒されるのが現実だろう?貴様は本部で力を完全に解放されてもらうのだな。先ほど入った報告ではもうできるそうだ」

 

「なんだと…!…やっと、魔族としての本来の俺が戻ってくるのか………フハハハハハハ…!ガキ共に大剣を投げてきた奴…!…ダークドレアム…!次戦う時は本当の地獄を見せてやる…!」

 

「とっとと再生しろ…頭だけでブツブツ言う奴を見せられるこちらの立場になれ」

 

「うるせえな…」

 

 

 

 

 

 

 そして、身体を再生させたスラッグは、不思議な力を使ってコード.X達の本拠地へと帰還、この世界から立ち去ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ダークドレアムと戦う者達は…。

 

 

 

 

 

 

「しぶといな貴様等…戦いがいはあるが、そろそろ飽きてきた…もう終わらせよう」

 

 レオや魔物達に続いてクロマも駆けつけ、なんとか戦えてたニドル達であったが、ダークドレアムには結局のところ歯が立たず、魔物達、レオ、マスタードラゴンは既に戦闘不能状態であった。

 現状戦えるのは、クロマと人に戻ったニドル、おにこんぼうだけであった。

 

「チィ…!パワーアップしたクロマがいてもこのざまかよ…!」

 

「ガァァ…!」

 

「お前等よ!まだ諦めんなって!」

 

 おにこんぼうは二人よりも実力は低いが、決して諦めようとしなかった。

 

「そうだな!いくぜクロマ!」

 

「…ッ!」

 

「ほれ見ろダークドレアム!テメエの力がいくら強かろうが俺様達の心は負けねえ!……って…ん?」

 

 おにこんぼうは、目の前のダークドレアムが、攻撃の構えを止め、上空をじっと眺めているのを不思議そうに見た。

 

「テメエ!余所見ばっかりしやがっ「おにこんぼう!あれを見ろ!」…ってお前もか!…!?」

 

 その場にいた者達は、ダークドレアムのように上空を眺め、そして言葉を失う。

 

 

 

 なんと、そこには巨大な宇宙船があったのだ。しかも、宇宙船の上の空間には、さらに大きい次元の裂け目があった。

 この世界の者達は、宇宙船など知らないが、クロマやニドルは嫌な表情を浮かべて見る。

 

 

 

「ほう…あの先には何か大きなを感じる…ハハハハ!」

 

「ダークドレアム…?」

 

 おにこんぼうは冷や汗を垂らしながら、大声で笑うダークドレアムを見る。

 

「どうやら、貴様等の戦いより面白いものがありそうだ!」

 

「おい待てよ!」

 

「この世界にはいずれここを破壊しに戻ってくる…ではさらばだ弱き者共よ!」

 

 ダークドレアムはそう言うと、目にも留まらぬ速さで次元の裂け目へと突っ込んでいった。

 そんなダークドレアムを追うように、宇宙船は速度を上げて裂け目へと入っていった。

 

「待てぇ!)

 

 おにこんぼうは裂け目へと突っ込んでいこうとするが、ニドルが阻む。

 

「迂闊に突っ込むな!何があるかわからねえだろうが!」

 

「けどな!…って!」  

 

 次元の裂け目は、既に消えていた。

 

「チクショウが…俺様とあろう者が情けねえ!」

 

 おにこんぼうは、行き場のない悔しさのあまり空へと向かって叫んだ。

 

 

 

 

 そして、各々は呪文などで自分を回復させ、クロマは、敵の手にあるリュカの魂について説明した。

 

 

 

 

「嘘だろ!?あの王様が…!」  

 

「…残念だけど本当だニドル、そして、これもオレのせいだ…」

 

「クロマよ、そこまで自分を責めるでない。リュカを一人で行かせた我々にも責任がある…」

 

 マスタードラゴンすらも暗くなり、皆の周りの空気は暗くなる。

 そんな彼等を見かねてか、レオが口を開く。

 

「皆さん!まずは、リュカさんの魂を手中に収めている者達について話しましょうよ!あの男、壺に入っているリュカさんの魂を交渉に利用すると言ってましたよ!」

 

「交渉…ということは、リュカの魂と引き換えに我々と接触を試みる可能性があるな…」

 

 マスタードラゴンの発言に、皆が何を引き換えに求めているのか考え、各々で話し合ったが、まるで見当がつかなかった。

 しかし、マスタードラゴンは何か心当たりがありそうな様子であった。

 

「…ひとまずは皆、帰るべき場所へと帰るがいい。クロマ、ニドル、レオはここへ残っていてくれ」

 

「…あ、うん…(マスタードラゴン、どうしたんだ…?)」

 

 そして、クロマ達三人とマスタードラゴン以外の者達は、気分は晴れないもののそれぞれの帰るべき場所へと帰って行った。

 

 

 

「それで、用は何だ?」

 

「それについては彼女が話してくれる」

 

 マスタードラゴンの視線がレオへと向き、二人もレオの方を見る。

 

「このタイミングで言うのも気が引けたのですが、クロマの力と記憶の封印が解かれた以上、あなた方について話さなければなりません…もちろん、ニドルさんについてもあります」

 

「まあわかってるさ……ただでさえ言い辛かったろうしな。  とりあえず話してくれよ…」

 

 レオは、クロマの落ち着いた様子も確認して再び口を開く。

 

「まず、あなた方は、俗に言う転生者という分類になるのです。これは、神の手によるものではなく、あまりにも生前の行いが酷かった者や、悲劇的過ぎた者を、地獄の閻魔大王があえて新たな命を与えて、やり直させる類のもので、あなた方の場合は、生前の『怪獣』としての人生があまりにも悲劇性の強さを見たと閻魔様から聞いてます」

 

「(おいクロマ…転生者ってなんだ?)」

 

「(知らない…)」

 

「オッホン!では続けますね。そして、閻魔様はあなた方を転生させたのですが、その際、他の転生者でもよくあることらしいのですが、生前と同じ力を持つことになっても、生前のとは全く違う肉体を与えられます。閻魔様の転生は、全く新しい人生を送らせるためにも肉体も、別のものとされています。あなた方の場合は生前の姿になることは可能で、いろいろ調整が難しかったそうですが…。そして、記憶に関しては、その方の生前の行いと性格などよって持たせるか、それとも記憶を無くさせるか決められます。クロマの場合は無くすではなく、あえて封印という形でしたが、ニドルさんは記憶をお持ちですね?」

 

「おう、そうだ…だが、生前冷凍ブレスなんて吐けた事ねえから、自分の記憶すらも本当のことか信じれなくてな…」

 

 ニドルは、生前の記憶をハッキリと持っていたのだが、昔は昔と割り切っていたが、アンギラスの時に使えた冷凍ブレスは生前一度も使えた、というよりそんな武器持ってなんて知らなかっため、ずっと頭がスッキリしていなかった。

 

「そのことなんですが、冷凍ブレスやクロマが使った放射熱線、あれらは生前のあなた方の武器ではなく、あなた方と同種の別個体の武器なんですよ。ニドルさんの場合は、パラレルワールドの聖獣アンギラスの力の一部ですね」

 

「「…?」」

 

 レオの発言に、二人は反応に困る。

 

「まあ、すぐには理解できませんよね…。簡単に説明しますと、あなた方は転生されても、凶暴性が消えずにただの危険生物になってしまう可能性はあり、閻魔様は、凶暴性の無い穏やかな心を持つあなた方の同種の記憶と性格などをコピーしてあなた方に与えたんです。冷凍ブレスなどは記憶などと一緒に与えられた力なのでしょう」

 

「そうなのか…まあ、理解はできた」

 

「だけど、オレは凶暴性が高いまま暴れまわった事は…いや、オレの記憶解放はさっき行われたらある程度は納得がでしる…」

 

 クロマは複雑な表情を浮かべる。

 

「クロマの記憶解放は、ゴジラの強すぎる力に直結するため、封印されてました…。そして、この世界でクロマが確認された際に、ゴジラとは別のサイヤ人の力のほとんどを私の姉が封印しました…まさか、サイヤ人に転生してたなんて思いもしなかったので」

 

「その判断はあってるなレオ…正直、本来のサイヤ人の力が残っていたら、最初にゴジラになった際の戦闘力もどんなことになってたか考えるとなおさらな…」

 

「いろいろごめんなさいクロマ……。そして、クロマがゴジラになった事を知った私はあなたに接触した。その後、あなたの力の封印を制御するリングをマスタードラゴン様に渡しました」

 

「ああ、ちゃんとあのリングはクロマに渡したな…」

 

 マスタードラゴンは首を下ろして返事をする。

 

「今は、力と記憶が解放されたので機能が止まっていますね……。では、次に私達について話しましょう」

 

「あれ?俺の事は?」

 

 ニドルは、自分の事にあまり触れられない事が気になった。

 

「あ、すいません!…二、ニドルさんは、普通の現代世界に転生して、どういうわけかこの世界に迷い込んだのが確認されてますね…アンギラスとしての記憶もありましたが、力の制御はリュカさんの力があってやっと完全になったんですよね」

 

「そ、そうだが、俺に聞くなよ…」

 

 ニドルは、自分のどこか雑な説明に気が抜ける。

 

「それでは、気を取り直して私達について説明します。私達は、あなた方のような転生した怪獣というより、役目を終えた後に人としての肉体を与えられた感じですね、死んでないくらいしか違いはないのですが、とりあえず仲間も複数います…」

 

「そうか…」

 

「はい。そして、私達は、あなた方のような怪獣の転生者や他の巨大生命体などを中心に監視する立場にありますね。戦いもしますが、私はそこまで強くないです…」

 

 レオは小さな声で呟く。

 

「それで私は、あなた方の監視やもしもの時にあなた方の助けになるように姉に頼まれて言われ、この世界へと来ました…あと、スラッグのような存在がいるなんて私達の監視不足でした…本当に申し訳ないです…」

 

 深く頭を下げて謝るレオに、ニドルは「いいからいいから!」と元気づけるように言い、頭を上げさせる。

 

「失礼しました……あと話すことは………あ、クロマのご家族と元の世界についてですね」

 

「…!」

 

 クロマの目がパッと開く。

 

「クロマの話を元に姉に調査を頼んだのですが、元の世界へ帰る方法は見つかりませんでしたが、バーダックさんが生きている事は確認できたそうです…ただ、どういうわけかクロマの世界ではなく、別世界にいるらしく、その世界の座標まではわかりませんでしたが…」

 

「いや…ありがとう…」

 

 クロマは、バーダックが生きていた事がわかっただけでも嬉しかった。

 

「…では、私からの話はこれで終わりです。個別で聞きたい事があれば私に聞いてください」

 

「「「わかった」」」

 

 

 

 レオから語られる事をちゃんと記憶に刻み、クロマ達はグランバニアへ向かい、マスタードラゴンは天空城へと帰っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、グランバニアに戻ってきたクロマ達は、城中が騒がしくなっていることを目にし、嫌な予感がしてきた。

 

「いったい何があったんだ!」

 

 ニドルが大きく叫ぶと、近くにいた兵士の『ピピン』が、駆け寄ってくる。

 

「ニドルさん!…そ、それが…サモン様が…」

 

「サモンがどうした!?」

 

 クロマが血相を変えて叫ぶ。

 そんなクロマを見たピピンは、重苦しく口を開く。

 

「…リュカ様の魂を奪いし者が城に現れ、リュカ様の魂と引き換えにサモン様の持つ黒い宝玉を要求し、サモン様の宝玉を引き渡す事になり渡したのですが、リュカ様の魂は返されず、それが嫌なサモン様は…宝玉とリュカ様の魂を持つ男の転移呪文に自ら飛び込みなさって男と同じように何処へと……!」

 

「「「ッ!」」」

 

 クロマ達は、リュカの魂を持つコード.Mが既に行動を起こしていた事に衝撃を受けると同時に、サモンが転移呪文に飛び込んでいなくなった事まで伝えられて、落ち着けない気分であった。

 

「……どうしてこうも続けて…!ふざけやがって…!」

 

 クロマの瞳は、炎のように燃えていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……我も本格的に動く時が来たか…」

 

 スラッグを切り裂いた大剣を回収したエスタークは、重い足を動かす。

 

「…すまない、エスターク…私の責任だ…」

 

 クロマに救出されていた神竜は、エスタークを強化し、ダークドレアムを復活させてしまった事を詫びる。

 

「…いや、こっちも神竜の力で記憶を取り戻したのだ…文句など言う気はない…これはケジメだ、我々、魔を関する者達の……そして、禁断のブラックオーブは地下世界…あそこで発動されるはずだ…」

 

「……あれは危険すぎる…」

 

「だからこそ止めねばならない…!…たとえ、誇りを棄ててでも…!」

 

「では頼むぞ帝王エスタークよ…」

 

「…これで貸し借りはなしだな…」

 

 エスタークは、神竜の力で地下世界へと転移した。

 

 

 

 なぜ、コード.Mはサモンの持っていた黒い宝玉…ブラックオーブを求めたのか…。

 

 

 

 クロマ達の目の前に広がる混沌とした運命は、彼等を苦しませる戦いを与えようとしていた…。

 

 

 




早すぎた相手なのに勝ってしまったのが、不満な方は申し訳ございません。
元々、このような予定はあったのですが、スラッグの強さの都合上、マダンテを圧縮して放つ(体外形成はクロマのエネルギー弾の応用)ものや、ミナデインなど、チートレベルな特技や、仲間の魔力を必要とする呪文を使わせて、今の自分達は誰かの助け無しでは勝てなかったという皮肉さも出そうと思い、変更しました。
なお、スラッグ自身も巨大化とは別でパワーアップを考えております。
そして次回を入れて、5話以内でドラクエの世界の話を終わらせれるように考えています
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。