一ヵ月後。
シャルティアは休暇として空を飛んでいた。
セラーナを正式にシャルティア個人の秘書として雇い入れ、帝国軍の仕事も順調に進んでいる。
最近ではシャルティアを主軸にした対サルモール戦の計画として帝都に行くこともあった。
と言っても本拠地がスカイリムなので主シャルティアはドール城に居るが。
スカイリムも平和になった。
もはや野盗の方が都市の人口より多いのではないかという状態は解消され、一般人が外を出歩いても野盗に襲われることは無くなった。と言ってもドラゴンやモンスターの襲撃はあるので護衛は居るが。
ストームクロークの残党も全て狩り尽くされ、ストームクロークは完全に壊滅した。
平和となった──いや平和にしたスカイリムの空をシャルティアは飛んで行く。
すると、懐かしい気配を感じ取った。己にとってとても、とても大切な気配。
地上に降りる。
そこには神聖さを感じさせる墳墓があった。
それは霊廟。それは墓地。
偉大なる御方たちが初見で攻略し、己の物とした神聖なる地。
「ああ──」
そして、外には見覚えがある──いや決して忘れぬ姿の御方が居た。
千年経とうと万年経とうと忘れるわけがない、偉大なる御身。自身の愛する御方。
肉も皮もない骨だけの姿。シュっと尖った顎は恐ろしくも素晴らしい。
二メートルほどの長身にがっしりとした骨。
その身に纏うは夜を凝縮したような漆黒のローブ。腰の少し上には赤く光る宝珠がある。
「モモンガさまぁぁぁぁぁぁぁ!」
シャルティアはそう叫びながらモモンガに抱き着いた。
それに対し主──モモンガも嬉しそうな声を出した。
「シャルティア! 無事だったか! 心配したぞ!」
その言葉にシャルティアは絶頂した。
偉大なる御方が自分の身を心配してくださった。そのことに感極まったのだ。
「はい! シャルティア・ブラッドフォールン。元気です! 怪我も病もありません!」
「そうか、それはよかった! 今までどこに居たんだ? 探していたんだ」
「どうやらわたしは一足早くこの世界に来てしまったようでありんす! ──他のナザリックの者たちは健在でありんしょうか?」
「あぁ、皆居るとも。居なかったのはお前だけだ、シャルティア……詳しい話は、ナザリックの中で話そう。さ、もう離れなさい」
「はいっ! モモンガ様!」
こうしてシャルティアはナザリックに帰還した。
これから先、ナザリックは活動し、このタムリエルを永遠に支配し続ける巨大国家を成就させるが──
それはまた、別のお話。
これにて完結です。
読んでくださりありがとうございました。
作者の来世にご期待ください。
次回作すぐ出します。